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2019.04.25
2018年の世界太陽光市場、32カ国が1GW超に、IEA調査
国際エネルギー機関・太陽光発電システム研究協力プログラム(IEA PVPS)は4月17日、2018年に少なくとも99.9GW(約100GW)の太陽光発電がグローバル市場で導入され、設備容量の合計が500GWを超えたと発表した(図1)。
図1●太陽光発電の2018年のグローバル容量は100GWと前年並みを確保
(出所:IEA PVPS)
[画像のクリックで拡大表示]図2●IEA PVPSが公開した報告書「Snapshot of Global Photovoltaic Markets 2019」の表紙
(出所:IEA PVPS)
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IEA PVPSが刊行した報告書「Snapshot of Global Photovoltaic Markets 2019」によるもの(図2)(関連記事1)。
同報告書では、2018年の太陽光発電の世界市場で特筆すべきトレンドとして、中国市場の縮小を挙げている。中国では2017年に設置された設備容量が53GWだったが、2018年にはこれより8GW(約15%)減の45GWと2ケタ台の大幅な減少を記録した(関連記事2)。
太陽光発電の導入で世界最大の市場である中国の成長が鈍化する一方、その設備容量の落ち込みを補う形で中国以外の国々で太陽光の導入が進んだ。中国以外の世界市場は全体で2017年の48.6GWから2018年には54.9GWまで設備容量が増加した(図3)。図3●2018年における太陽光発電のグローバル市場の概況を示した図
(出所:IEA PVPS)
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インドが10Gを超えて2位に
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2019.04.24
イオン、「PPAモデル」で屋根上メガソーラー導入
「PPAモデル」の概略
(出所:イオン)
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イオンは4月18日、再生可能エネルギーの活用拡大に向けて商業施設へPPA(電力購入契約)モデルを導入すると発表した。第1弾として「イオンタウン湖南」(滋賀県湖南市)の屋根スペースを提供し、PPA事業者が太陽光パネルを設置する契約を3月29日に締結した。
イオンタウン湖南は、グループ企業のイオンタウン(千葉市)が運営するショッピングモールで店舗数は41店舗。今回のPPAモデルでは出力1.1616MWの太陽光パネルを設置し、発電された電力をイオンタウン湖南が自家消費分として購入・活用する。PPA事業者は、三菱UFJリースの100%子会社MULユーティリティーイノベーション(東京都千代田区)となる。
イオンは、2018年3月に「イオン 脱炭素ビジョン2050」を発表し、店舗で排出するCO2など温室効果ガスの総量を2030年までに35%削減(2010年比)、2050年までにゼロにすることを目指している。また、同ビジョン策定に合わせて、事業活動で消費する電力を「100%再生可能エネルギー」で調達することを目標に掲げる国際的なイニシアティブ「RE100」に加盟した(関連記事:イオン、「RE100」加盟、まず本社ビルは再エネに)。
今回のPPAモデル導入は、これらの目標達成に向けた取り組みの一環となる。今後もグループ各社の商業施設のスペースを有効活用し、太陽光発電の利用を拡大していくという。
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2019.04.19
テラドローン、効率的な太陽光発電案件の受注可能な屋根点検ソリューションを提供開始
大幅なバージョンアップによる提供を開始
テラドローン株式会社は4月15日、昨年9月にリリースした屋根点検ソリューション「Terra Roofer」(テラルーファー)に16機能以上を新たに追加し、大幅なバージョンアップによる提供を開始したと発表した。Terra Rooferは、一戸建・集合住宅など建造物の屋根にドローンを用いて自動で簡単に撮影を行うためのアプリケーションソフトで、タブレット端末やスマートフォンの操作により、コントローラーを用いずにドローンを飛行させ、屋根の写真を撮影することが可能となるもの。
新バージョンには、安全性向上のほか現場の要望を採用したことで大幅に機能を追加したものとなり、身近で安全に屋根点検業務が行えるとともに、これには最大1億円のドローン保険(1事故当たりの対人・対物補償)が付帯するという。
このリリース日は4月8日に実施済みで、iPadとiPhoneでの利用ができるが、Android版は現在開発中とのこと。
アップデートの内容としては、「太陽光発電業者向け造成地測量機能」があり、測量士が現場に行かなくてもドローンで撮影して面積の測定計測ができるもの。これにより、撮影当日に面積を算出でき、1日に複数現場の撮影を行うことで効率的に太陽光発電案件を受注できるとしている。
「衝突防止機能」など多数の機能を追加
また、現在DJI社から発売中の「Mavic2 Enterprise Dual」に対応済みで、これにより太陽光パネルの点検にも利用できる。さらに、ドローン操縦中に、障害物が前方にある場合に検知して停止する「衝突防止機能」を搭載し、初心者でも認識できる仕組みを実装した。
このほか、家全体を1枚の写真に収める「全体撮影機能」、Mavicシリーズでの「ズーム機能」、狭小地にてGPS利用し上昇する際の不安定さを解消する「安定化上昇機能」などを搭載している。
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2019.04.18
「2040年も8割弱は化石燃料」「再生エネの限界」大前提のエネルギー政策を!
「エネルギーの部屋」運営者の岩瀬昇さんの著書『超エネルギー地政学 アメリカ・ロシア・中東編』(エネルギーフォーラム)が、目下エネルギー業界で話題になっている。
同書では、三井物産、三井石油開発などで長年、石油取引の最前線を体験してこられた斯界の第一人者である岩瀬さんが、国家戦略と不可分の関係にあり、特に外交の一助となるべき「地政学」をエネルギーという観点で取り上げ、国際関係のこれまでと今について、実体験を交えて平易に解説している。
著者の岩瀬さんご自身に、読みどころを聞いた。
2大国の「石油の世紀」
――日本人は石油といえば、すぐに中東を思い浮かべる。だが実は長年にわたって、世界の石油はアメリカとロシア(ソ連)が両巨頭だったということを再認識しました。
その通りで、アメリカの今日があるのは石油のおかげなのです。19世紀半ばに機械掘りの商業生産がはじまり、次々と油田が発見されて、世界で最初にして最大の産油国になった。世界に占めるアメリカの比率が50%を切ったのは、1953年のこと。1930年ぐらいまではそれこそ8割ほどを占めていた。だから、アメリカ国内での石油価格が最も大事だった。
石油は光源(ランプ)燃料としての灯油から始まり、自動車用ガソリンとして重要性を増していきます。ところが、1930年に東テキサスで未曾有の大油田が発見されると価格は暴落。倒産が続出するなど、社会は大混乱に陥りました。
そして、無政府状態になることを懸念したテキサス州政府が州兵、警察を動員し、実力で生産を停止させた。さらに、本来は鉄道管理を業務とする「テキサス鉄道委員会」に法的権限を与え、生産制限を強制的に実行させて、結果、この「テキサス鉄道委員会」が価格をコントロールするようになった。こうしてアメリカ国内の石油価格は、実質的に「テキサス鉄道委員会」が決めることになったのです。
さらに海外の価格は、メキシコ湾岸の港からそれぞれの市場までの運賃を上乗せして決めていました。「ガルフ・プラス方式」と呼ばれていたものです。つまり、アメリカ国内の石油価格が世界の石油価格を決めていたのです。
その後は、国際石油資本、いわゆるセブン・シスターズと呼ばれる7社が国際原油市場を牛耳り、それが1970年代初めまで続くわけです。そのうちの5社がアメリカ資本でしたから、やはりアメリカが国際価格をコントロールしていたことは間違いがない。まさに、「石油はアメリカ」だったのです。
今でもシェール革命に見られるように、エネルギー業界では技術革新の先頭を走っています。
一方のロシアも、19世紀から石油開発が始まり、19世紀末から20世紀初めにかけての数年間だけですが、世界一の石油生産国だった時代もあるほどです。その後のボルシェビキ革命でソ連という国家が誕生しますが、この体制も石油が支えてきた。なぜソ連が崩壊したのか、その理由は様々に語られますが、遠因の1つとされているのが、石油価格の暴落です。
1986年、石油価格が30ドルから10ドルに暴落するという、いわゆる「逆オイルショック」が起きました。これは、1979年にアフガニスタンに侵攻して軍事負担が国家財政を圧迫していたソ連にとって、非常に大きな痛手になりました。国家財政が逼迫したソ連は、この「逆オイルショック」もあって、やがて崩壊の道をたどることになったのです。
石油を武器に衛星国を支配していたソ連が崩壊し、ロシアが誕生した後、一時は自由化してオリガルヒ(新興財閥)の勃興をもたらしますが、ウラジーミル・プーチン大統領は再び石油を国家の支配下に置き、政治の道具として用いています。生産量もソ連時代を凌駕し、今ではアメリカ、サウジとならぶ水準にまで押し上げることに成功しました。
このように、20世紀をリードした2つの大国は、軍事やイデオロギーだけでなく、エネルギーという点でも20世紀の世界をリードしたのです。
急速に発言権を増した中東
――では、石油市場で「中東」が勃興してきた経緯は?
本にも書きましたが、20世紀に入ってイランやイラク、バーレーンやサウジアラビア(以下サウジ)など中東では、大油田の発見が相次ぎました。
サウジは、サウド家が建てた国ですが、建国当初の国家財政は、イスラム教の聖地メッカ、メディナへの巡礼者が落とすお金、つまり観光収入に頼りきっていました。ところが1929年の大恐慌でその収入が激減し、サウジは石油利権を外資に売り渡します。以後、国際石油資本(メジャー)に主導権を握られました。
イランでも状況は同様で、石油利権は長らくメジャーが握っていました。1951年に国有化を試みましたが、メジャーにつぶされました。出光興産による「日章丸事件」(国際的経済制裁下にあったイランからタンカーで石油を極秘裏に輸入した。英国との訴訟にもなったが最終的に出光が勝訴。これが石油の自由貿易の契機になったとも言われる)はこの時ですね。
このように、ながらくアメリカが石油を支配していたのですが、第2次世界大戦後、世界全体の需要が急増する中、アメリカの産出量が相対的に減り、かつ石油輸入国に転じる一方で、中東は急速に生産量を伸ばしました。
そして供給余力がなくなっていた1973年のオイルショックが大きな転機となり、中東の産油国が大きな発言権を持つようになりました。それまで、メジャーが供給する安価で豊富な石油を使い、戦後の驚異的な経済復興をなしとげていた日本は、初めて石油の重要性を認識したのです。日本人にとって「石油=中東」というイメージは、このころに定着したと考えられます。
ここ数年、アメリカとロシア、それとサウジの3カ国がそれぞれ1000万BD(バレル/日量)ほどを生産しており、3カ国で世界全体の3割以上となっています。つまり、石油を中心とするエネルギーの世界は、米露の2大国に中東という「三国鼎立」のような状況にあると言っていいでしょう。
再生可能エネルギーだけでは成り立たない
――そうした状況下で、日本は何をどう考えるべきなのか。
資源エネルギー庁の資料によれば、日本のエネルギー自給率は、わずか7%。93%は海外からの輸入に依存しています。しかも、輸入している化石燃料の産出場所は地理的に限られ、偏っている。特に石油は政治的に不安定な地域が多く、「地政学リスク」に大きく左右されるものです。ところが日本人はそのことをきちんと理解していない。たとえば「石油=中東」というイメージだけで、エネルギーが問題なら中東のリスクヘッジを考えればいい、と単純に考えているふしがある。それだけでは不十分なのだ、というのが、この本で言いたかったことの1つです。
日本のエネルギー問題というのは、今日や明日といった近視眼的な、もしくは政局的な課題ではありません。国家百年の計に立って、日本は如何にあるべきか、望ましい日本を支えるために必要なエネルギー供給は如何にあるべきかということをもとに、政策を打ち出していかなければならないはずです。
その一番のキーポイントとなるのがエネルギー基本政策です。それは、資源エネルギー庁がほぼ3年ごとに発表する「エネルギー基本計画」に明示されることになっています。
ところが、2018年7月に発表された最新版、第5次「エネルギー基本計画」でうたわれているのは、電源燃料の「エネルギーミックス」、つまり電気を生み出すためのエネルギーをどうミックスするか、ということだけなんですね。
もちろん、これも大事ですが、もっと大事なのは、日本が必要とする1次エネルギー全体の「エネルギーミックス」をどう位置付け、必要な対応をどう取っていくか、ということです。残念ながら、これまでもそうですが、第5次「エネルギー基本計画」でもこの点が不十分です。
また、電源燃料の「エネルギーミックス」について、誰も指摘していないことがある。いま重視されている再生可能エネルギーですが、これはすべて「地産地消」のものだ、という点です。
太陽光発電といっても、太陽という資源をわれわれ人間があやつることはできない。サハラ砂漠を照りつける太陽を日本に持ってくることはできない。バルト海を吹き荒れる強風を持ってくることもできない。つまり、われわれが生活している場所を支えている自然条件の下で発電して、使用する、あるいは作った電気を蓄電池にためる、ということしかできないわけです。その蓄電池の技術開発もそんなには進んでいないから、大容量の電気を遠くまで、海を越えて運ぶことは容易にはできません。結局、再生可能エネルギーというのは、トレーダブル(交易可能)ではないのです。
われわれは風光明媚で、四季があり、豊かな自然に恵まれた日本という風土で生きていくしかありません。太陽光では、灼熱の太陽が降り注ぐ砂漠の中東には勝てない。風力では強風が吹き荒れる北海に勝てない。地熱があるじゃないか、といっても、温泉や国立公園という問題を抱えています。また、仮に地熱を100%使えたとしても、電力供給の数%を補えるに過ぎないわけです。
もちろん、再生可能エネルギーは進めなければなりません。でも、結局はその程度のものだという認識が必要なんです。
だからこそ、日本の場合、地産地消のエネルギーだけでは成り立たない。当然、輸入が必要になる。
その意味でも、国際貿易は必要なのです。世界が全体として豊かになるためには必要なことです。100しか需要がないのに、コストが安くて、しかも1000供給できるなら、差し引き900を輸出したほうがその土地の人のためにもなるわけですから。
そういう意味では、エネルギー自給率が7%の日本にとって、国際貿易が成り立つ仕組み、つまり世界の平和を維持するということが大切なのは間違いがない。
他にも種々方策が考えられますが、現実問題はこうなんだという認識がそのスターティングポイントになるわけです。
大きすぎる石油の恩恵
偏在している化石燃料の産出地の政治状況を考えると、エネルギーの安全保障という観点から、やはり石油というものを重視せざるを得ません。
現代という時代は、生活のあらゆる部分で電気が必要です。インターネットにもスマホにも、エアコンにも必要です。でも電源燃料というものは、日本のエネルギー全体から見れば、インプットベースで3分の1、アウトプットで4分の1でしかない。エネルギーを考える場合、電気以外の、インプットの3分の2、アウトプットの4分の3をどうするのか、という問題があることを忘れてはいけないのです。石油はその部分に大きく関わっている。
石油は、電源をはじめ製造部門の燃料であると同時に、たとえば車を走らせる燃料でもあるわけですね。航空機や船舶の燃料でもある。さらにプラスチックや化学繊維をはじめとする石油化学製品は、食べ物以外の生活のあらゆるところに存在している。おもしろいのは、太陽光発電に使われるパネルですら、石油から生まれたプラスチックを使っているわけですよ。
しかも、食料をつくるための肥料に使われるアンモニアですら、石油化学製品であるということを考えると、われわれの生活は石油化学製品を抜きには成り立たない、ということに気がつかなければならないのです。
先ほどの電源燃料という観点だけでいけば、当然原子力発電というものも視野に入ってくるでしょう。原発について国民の関心が高いので、政治的に重要だということを否定するつもりはありません。でも石油と違って原子力は、プラスチックを生み出さないわけですからね。
もう1つ考えなければならないのは、低炭素化社会への移行、という問題です。
前述した第5次「エネルギー基本計画」は、2050年の低炭素化社会を目指し、その時のエネルギー事情を考えようというテーマも検討している。とてもいいことですが、その前提として、化石燃料の枯渇、という条件を置いている。
しかし、2050年までに化石燃料が枯渇するという予測は、誰もしていないのですよ。たとえば、英国石油大手の「BP」にしても米国大手の「エクソン・モービル」にしても、2040年までの長期予測をしています。彼らは世界全体の人口の動態や各国のGDP(国内総生産)の伸び、生活水準の向上といったいろいろな要素を積み重ねて予測していて、おおざっぱに言うと、2040年には石油、石炭、天然ガスがエネルギー全体のそれぞれ25%ずつで、残りが原子力と水力を含む再生可能エネルギーだという結論を導き出している。石油会社の予測じゃないか、と言う人もいるかもしれないけれど、私は案外正鵠を射た数字ではないかと思っています。
エネルギー全体における原子力と再生可能エネルギーの比率は、今より増えることになる。しかし依然として、2040年段階でも75%が化石燃料だということなのです。にもかかわらず日本では、化石燃料が枯渇することを前提にして、2050年のエネルギー問題を考えようとしている。私はそうした日本の議論のありようが何とももどかしく感じてしまうのです。
「油断国断」
大正時代に志賀重昂(しげたか、1863~1927年)という地理学者がいましたが、彼は、「油断国断」という言葉を国民に知らしめることが大事だと言っています。油を断たれたら、国が断たれる。当時もなかなか受け入れられなかったかもしれないけれど、今は「油」を「エネルギー」と広げて理解する必要があると思うのです。
しかし実際には、政府は国民に対し、エネルギー問題で日本が抱えている脆弱性を知らしめていないのですね。
あるテレビ番組で、久米宏さんと「なぜ日本人のエネルギーリテラシーが低いのか」という話をしたとき、久米さんは、かつて訪問した北朝鮮の平壌で暗闇の中で夕食を採らざるを得なかった経験を踏まえて、「停電がないからですよ」と喝破されていました。
停電がない、ということはいいことです。
つまり、このように、心配するようなことが起こらない限りは、国民は何も知らない方が幸せなわけです。しかし、いざ事が起こったときに大慌てするのではないのか。その時のことを考えたら、大慌てしないためにも、自給率が7%といったような現実を正しく認識しておくことが大事だと思うのです。
その意味で、われわれ日本という国が置かれている地政学的な条件の中で、何がどうなっているのかという事実を認識して、そのうえであるべきエネルギー政策とは何かを、より多くの人に考えてもらいたい。この本はそれに資するつもりで書いたものです。
【編集部からのお知らせ】
岩瀬昇さんが、今日4月16日(火)、20時から放送の『BSフジ LIVE プライムニュース』に出演します。
〈先月26日、アメリカエネルギー情報局(EIA)が公表した「月次エネルギー報告書」によると、2018年のアメリカの原油生産はロシア、サウジアラビアを上回り、世界首位に浮上。エネルギー地政学は歴史的な転換点を迎えたとする見方もある。
原油生産の拡大によって、イラン制裁強化を進め、親イスラエルの動きが目立つトランプ氏の中東外交はどこに向かうのか? 米中貿易摩擦の行方は?エネルギー大国・ロシアとアメリカとの関係は?
日米のエネルギー問題の専門家を迎え、エネルギーを背景にしたアメリカの外交戦略と世界戦略の行方について検証する。〉(番組HPより)
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2019.04.17
太陽光さえあれば充電可能!災害時に絶対役立つソーラーチャージャー!
モバイルバッテリーやスマートフォンを直接つなぐだけ!高効率であっという間に充電!
Webetop 40Wソーラーチャージャーは、災害時に絶対役立つソーラーチャージャー。太陽の光さえあれば、備え付けのUSBポートとDCポートから電力を供給できる。スマートフォンへの充電はもちろんモバイルバッテリー等の蓄電池にも電力をためておくこともできる。
40Wで電力を変換していくので、非常に高効率。まるで普通にコンセントで充電しているかのように、あっという間に充電が完了する。夏場の強い日差しではもちろんのこと、冬の弱い光でもしっかり充電できる。
キャンプや登山など、アウトドアでその性能を発揮する。昼間、リュックサックに外向きに掛けて充電し、夜、LEDランタンやモバイルバッテリーにその電力を使う。今まで困っていた夜の明り取りになどにも十分使える。また、地震等の災害時にも大活躍。あってはならないことだが、もしものために備えておくのは重要。いざという時困らないように、家庭に1つ備えておきたい。日常的に使うものではないのでその大きさや価格からなかなか手が出しにくいものではあるが、1つ持っていれば、万が一の時に助かることは間違いないだろう。
Amazon:
・Webetop 40Wソーラーチャージャー ソーラー充電器 18V折りたたみ式 高変換効率 QC3.0急速充電ポート DC出力 単結晶ソーラーパネル スマホ ノートパソコン充電可能 アウトドア 防災
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2019.04.16
錦糸町駅南口の狭い敷地に、技研製作所の機械式地下駐輪場「エコサイクル」が完成
みんなのチカラで自転車をこいで「人力発電」を行い、その電力で「通天閣」をライトアップ。そんなユニークなイベント「もっと輝け!なにわのシンボルプロジェクト 通天閣篇」がこのほど開催された。明治時代から親しまれてきた「通天閣」。時代が平成から令和に移ろうとしている中、そんな“なにわのシンボル”に人力発電によって希望と感謝の灯りが灯された。
イベントを企画したのは、エコ&エンターテインメントをテーマにした人力発電集団「チームエジソン」。2011年3月11日の東日本大震災を契機に設立され、これまで東京タワーはじめ、気仙沼大島、茨城・亀城公園、毎年行われている東京・中目黒桜祭りなど全国各地で人力発電でのライトアップにチャレンジしてきた。
大阪での開催は17年にライトアップされた四天王寺・五重塔に続き、今回が第2弾。選ばれたのが「昭和」に再建された2代目の通天閣だ。ペダルを回転させて発電する自転車型の人力発電機を用い、事前に大阪市内数カ所を回って蓄電。当日は途中で雨にも見舞われ参加者数も心配されたが、国籍、老若男女問わず、総勢5000人以上のチカラが「電気」に変わり、大阪の街を「元気」にしていった。
イベントのハイライトは20時からのライトアップカウントダウン。ここで通天閣が一時消灯されると、みんなの気持ちが一つになり、直後になにわの夜空にシンボルが白く映し出された。まさに幻想的なシーン。その瞬間、参加者やそれを見守る人たちから歓声と驚きの声が飛び交ったのはいうまでもない。
「通天閣へ今までありがとう!そして、これからもよろしくね」を合言葉に点灯イベントは大盛況。しかし、まだ続きがあった。
イベント当日は、WWF(世界自然保護資基金)の活動の一環として、現地時間の20時30分を迎えた地域から順次消灯を行い、消灯リレーが地球をぐるりと1周するプロジェクト「EARTH HOUR 2019」も開催され、通天閣も同時刻に消灯し、エコ活動への意識も高めた。
イベント主催でもある「なにわのシンボルプロジェクト実行委員会」の担当者は「正直、点灯するかとても不安でしたが、関西を代表するシンボルの灯りを無事に灯すことができ、また、新しいスタイルのエコ&エンターテインメントを通して、通天閣をたくさんの方に見てもらうことができて最高です」と興奮さめやまぬ熱いメッセージを新世界の夜空に送った。
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2019.04.15
雅子さま 警備費も光熱費も削減!令和の“職住一体”新生活
4月10日にご成婚60周年を迎えられた天皇皇后両陛下。
「夜には、皇太子ご夫妻、秋篠宮ご夫妻、黒田清子さん夫妻と、食卓を囲まれましたが、昭和・平成の思い出話をされるとともに、きたる令和の御代についても語り合われたのではないでしょうか」(皇室担当記者)
平成が幕を閉じようとするなか、刻々と迫ってきている新天皇のご即位。5月1日の「剣璽等承継の儀」の後に行われる「即位後朝見の儀」で、雅子さまは新天皇とごいっしょに“新皇后”としてお出ましになるのだ。皇太子さまと雅子さまが静かに温め続けられている“令和スタイル”。その一端が、新元号が発表された日に明らかにされた。
「4月1日に産経新聞が、従来は皇居・宮殿で行っていたご公務の一部を、新天皇と新皇后は、お住まい(現在の東宮御所、5月1日以降は赤坂御所と改称)で実施する方向であることを報じています」(皇室担当記者)
皇居・宮殿が公的施設であるのに対し、天皇皇后両陛下の私邸といえるのが御所。両陛下が高輪皇族邸に移られた後に、御所は改装され、皇太子ご夫妻が入られるのは’20年春を予定されているという。皇太子ご夫妻は、それまで赤坂御所(現在の東宮御所)に住まわれることになるが、いわば“自宅”で多くのご公務に励まれるというのだ。元宮内庁職員で皇室ジャーナリストの山下晋司さんは言う。
「天皇皇后両陛下は、’93年に竣工した現在の御所に引っ越されるまでの5年間は、公務のためにお住まいの赤坂御所から頻繁に皇居に通われていました。様々な受章者や功労者などの拝謁や国公賓関係の行事は宮殿で行われますし、執務も宮殿でされることが多かったからです」
両陛下のご公務といえば、地方への行幸啓や、式典などへのご出席という印象が強いが、日本の大使夫妻、外国の駐日大使夫妻たちと会われることも、重要なお役目の1つだ。ちなみに’18年10月、美智子さまのお誕生日に際して、宮内庁は次のように発表している。
《(この1年間で)今年お招きを受けた大使夫妻は62か国、2組織、110人に及びます。 日本から赴任する37か国と2組織の大使夫妻にも出発前にお会いになり、同様に帰国した30か国、1組織の大使夫妻をお茶にお招きになって任地の様子をお聴きになりました》
平成初期の両陛下は、ときには1日に何度も、赤坂御所と皇居・宮殿を往復されたので、そのご負担は想像を絶するものだったという。
「皇太子ご夫妻は現在も東宮御所の公室棟で、外国大使と面会されたり、外国の賓客と食事会を催されたりしていますが、即位後もそのスタイルを続けられることになるそうです。 御代替わり以降は、面会されるお客さまも格段に増えます。そのたびに皇居・宮殿に移動されるのは合理的ではありませんし、雅子さまにとってもご負担が大きすぎるというご判断なのでしょう」(宮内庁関係者)
数年前から“働き方改革”の必要性が叫ばれるようになっており、この4月1日から関連法案が順次施行されている。前例主義の宮中にいながら、皇太子ご夫妻があえて決断された「公務は自宅で!」という構想は、まさに革命的ともいえるだろう。
「赤坂御所と皇居の間は自動車で移動されますが、その都度、警視庁の車両が先導し、短時間とはいえ道路は規制されます。宮殿は各部屋とも天井が高いため、行事などで使用する時はかなり前から冷暖房を稼働させます。天皇皇后両陛下は、東日本大震災後の節電を機に、御所でも可能な公務はできるだけ御所でされるようになりました。そういった前例もありますし、新天皇皇后が赤坂御所で公務をされることは合理的だとは言えます」(前出・山下さん)
宮中晩さん会や大人数の拝謁など、宮殿でしかできない行事もあるが、警備費や光熱費などの費用面、部屋の広さなどの物理面、行事の格式などのバランスに留意し、決めていくことになるという。この“職住一体スタイル”には、長期療養中の雅子さまにとって、当面は慣れた場所でご公務ができるというメリットもある。
「いずれ赤坂御所から、改装された御所に引っ越しをされるまでに、皇后というお立場に少しでも慣れていただければと思います」(精神科医の香山リカさん)
令和の幕開けまであと3週間。雅子さまには、ゆっくりであっても着実に“皇后の道”を歩んでいただきたい。
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2019.03.15
太陽光パネルを活用 ランニングコスト削減対策
太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギー機器を全国へ提供・施工してきたエコスタイル(木下公貴社長、東京都千代田区)は太陽光パネルを活用した倉庫のランニングコスト削減に貢献してきた。担当者は「原子力発電所の廃炉に向けた動きなどもあり、電気代は年々増加していく流れが出来上がっている。例え、今は問題となっていなくても今後を想定した時、冷蔵・冷凍倉庫の電気料金対策をしておく必要はあるのではないか」と話す。
同社で実際に施工した関西圏での冷凍倉庫の事例では、契約電力140kWかつ数百坪規模の倉庫で年間の電気料金が800万円だったところを、太陽光パネルの設置と電力会社の変更で年間120万円の電気代削減を達成。パネルは170枚程度の設置で、投資額は1000万円程度。担当者は「このケースでは回収に8年余りかかる計算になるが、地方自治体の補助金・助成金、または中小企業経営強化税制といった控除措置を受けられるケースでは、より短い回収期間の実現が可能」と話す。
また同社では、RE100など世界的な環境対策・SDGs推進の流れにも注目している。担当者によれば、事業者入札の際にも、料金的な部分と併せ、環境対策の有無が評点とされた事例もあり、「今後も協力会社に環境対策を求められるケースは増加するのでは」と分析している。
なお、ソーラーパネルは、天候の影響を受けてしまい、また電気代削減額も倉庫のエネルギー消費形態によって異なる。同社担当者は「直近12か月の電気使用明細があれば、エリアと合わせて1年間での使用量を予測可能。当社では無料サービスとして展開しているので、一度シミュレートされることをお勧めしたい」と話す。
環境対策につながる機器の設置・販売をコアに、様々な提案を行ってきたプレジャーハウス(布施浩社長、愛知県名古屋市中川区)も冷蔵・冷凍倉庫のランニングコスト対策に太陽光パネルの活用を提案している。
布施社長は「これまでは固定買い取り制度が太陽光発電で注目されていたが、発電された電気の買い取り価格が年々減少傾向にあることからも、今後は環境対策・電力費用削減に貢献できる自家消費型が中心となっていく可能性が高い」とし、「RE100などに加盟する国内企業の増加と併せ、太陽光発電に関わるイニシャルコスト(初期費用)は下降傾向にある」としている。
同社で実際に倉庫の屋根に設置したケースのシミュレーション例を出してもらうと、およそ200坪程度のスペースに太陽光パネルを設置したとして、年間の消費電力を5万4500kWh分削減できると試算でき、年間およそ80万円以上のコスト削減が可能。メンテナンスコストを含めても回収年数はおよそ8・5年という。
なお、同社では太陽光パネルの設置費など初期費用を、0円から開始できるレンタルスキームを、金融機関の協力のもと独自に展開中。屋根への設置費用など初期投資分を除くレンタル費用だけで太陽光パネルの設置が可能。レンタル費用も削減された電力代から支払う形となっている。実際に物流倉庫の屋根に設置した際も、300kW分のパネルを設置し、年間で差し引き200万円以上のメリットを享受できたという。布施社長は「倉庫の年間使用電力や、地域の自然環境にも左右される部分はあるが、導入前に年間のメリットをシミュレートすることも可能。中小企業経営強化税制をはじめとした優遇制度と併せ、新電力切り替えといった戦略も提案している。コスト削減に関心のある方は、ぜひお声掛けを」としている。
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2019.03.14
ニチコン、「卒FIT」向け大容量蓄電池、16.6kWhで400万円
ニチコンは、固定価格買取制度(FIT)の契約期間が終了した「卒FIT」太陽光の設備で発電した電力を自家消費することを想定し、大容量で単機能型の蓄電池システムを5月から販売する。希望小売価格は400万円(税別)。
容量16.6kWhのリチウムイオン蓄電池を採用した。平均的な家庭の使用電力(480Wで試算)なら最大約30時間、使用できる。太陽光発電で発電した余剰電力を蓄えて夜間使用することで、電気の完全な自給自足を目指せるとしている。
また、非常時のために一定の蓄電量を使わずに蓄えておくことも可能という。工場出荷時は非常用の蓄電量を30%、約5kWhを設定済みで、標準的な家電なら約9時間、使い続けられるという。非常用の蓄電量については、ユーザーが自由に設定できる。
単機能タイプのため、国内外の幅広いメーカーの太陽光発電システムと接続できる。すでに太陽光発電システムを導入済みの家庭にも追加で設置できる。
10年間の長期保証のほか、10年間の災害補償を付帯した。水害、落雷、火災、風害などの不具合でも無償でサービスを受けられる。販売目標は年間1万台。
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2019.03.13
気候変動の時代、「水に浮かぶ暮らし」は現実の選択肢だ
温暖化で海水面が上昇しても安全な、アムステルダム郊外に浮かぶ水上住宅。マルクス・シュミット(52)とイヴォンヌ・ファン・サルク(49)、2人の子どもが3月から暮らし始める=川上真氏撮影 「二酸化炭素の排出を極限まで抑えた新しい共同体を、水の上に作ろう」。そんな試みが今、アムステルダム市郊外の運河で、市民たちの手によって自発的に進められている。プロジェクトの名称は「スクーンシップ(クリーンな船)」。 水上に浮かぶ住宅30棟を同じ場所に設置して、46世帯105人の住民が、「水の上でのご近所づきあい」を目指すという斬新な試み。すでに現場には住宅5棟が設置されており、3月からは一部の人々が実際に暮らし始める。2020年に完成の予定だ。
アムステルダムで建設が進む「スクーンシップ」。「ヨーロッパで最も持続性の高い浮かぶ街」という触れ込みだ=川上真氏撮影 アムステルダムで建設が進む「スクーンシップ」。「ヨーロッパで最も持続性の高い浮かぶ街」という触れ込みだ=川上真氏撮影 「この計画を思いついた時には、他の人たちが本気で取り合ってくれるかとても不安だった。だけど、実際には。話を持ちかけると誰もが『私もやりたい』と、目を輝かせて聞いてくれた。みんな自分の生活を変えたがっていたのね」。
計画の発起人となった映像監督マリアン・デ・ブロックはそう話す。10年前、オランダで水上にボートを浮かべて暮らす人々のテレビ番組を製作したことがきっかけとなり、仲間を募り、話し合いを重ね、自治体を説得するという粘り強い取り組みを続けてきた。
「スクーンシップ」のテーマは「隣人と共に築く持続可能性のある生活」だ。
エネルギー源として、運河の水と大気との温度差を利用してエネルギーを得る「ヒートポンプ」や太陽光発電を最大限活用し、二酸化炭素の排出につながる都市ガス(天然ガス)は一切使用しない。ITによって電力供給を制御する「スマートグリッド」で各住宅を結びつけ、電力を融通し合うことによって、自然エネルギーの弱点である供給の不安定さの克服を目指す。何よりも水上に浮かぶ生活であるため、地球温暖化で海水面が上昇しても影響を受けない。
その日、その時にしか響かない音を、ただ一緒に楽しみたい。シンガーソングライターの秦基博さんが被災地の中学生と作り上げる未来へのハーモニーSPONSORED CONTENT 三菱商事水上住宅の建設や太陽電池などの設置にかかる費用は、一戸あたり30万~80万ユーロに達する上に、参加を希望する人々は、計画の詳細を話し合うために多くの時間を割くことを求められる。入居希望者は引きも切らず、キャンセル待ちの人も多い。
ブロックと共に計画に携わってきた建築家のマヨラン・スメイラ(38)はこう話す。「息子たちの未来のためにも、環境に負荷をかけない生活をしたいのだけど、現代文明の快適さも手放したくない。ここならそれが可能になるし、水上バスを使えばアムステルダムの中心までわずか10分。水の上なら、過密な都市の中でも『新しい村作り』ができる」。
すでに現場に浮かべられた住宅の一つでは、団体職員のイヴォンヌ・ファン・サルク(49)と環境NGOに勤めるマルクス・シュミット(52)のカップル、そして十代の2人の息子たちが壁塗りの作業を進めていた。
専門の職人たちの助けを借りつつも、可能な限り自分たちの手でマイホームを仕上げたいのだという。サルクは「考え方が同じ人々と隣人同士になり、共に新しい生活を築き上げていくのはとても野心的。そこに心を動かされた」と話す。息子たちは夏になって、住居の屋上からそのまま運河に飛び込むことを何よりも楽しみにしているという。
アムステルダムで建設が進む「スクーンシップ」。マルクス・シュミット(左から2人目)、イヴォンヌ・ファン・サルク(左から3人目)と2人の息子たちは、後方に写る自らの家の壁塗り作業をしていた。「ヨーロッパで最も持続性の高い浮かぶ街」という触れ込みだ=川上真氏撮影 ■都市の行き詰まりを打開する
「水上生活」のより積極的なビジネス化を目指すのが、オランダのハーグ近郊で設計事務所「ウォータースタジオ」を主宰するコーエン・オルトゥイス(47)だ。
同社はこれまでに、スクーンシップの住居を含め約250の水上住宅をデザインしてきたが、オルトゥスの野心は壮大だ。「大都市の大半は沿岸部のデルタ地帯にあり、海水面上昇の危機にさらされている上に、過密化が進んでいる。その行き詰まりを打開するのが、都市の沿岸部にまるごと新しい区画を浮かべることであり、それは既存の技術で十分可能だ」と主張する。
水上構築物の大規模ビジネス展開を狙う建築家のコーエン・オルトゥイス オルトウィスは、自らが創立・出資するディベロッパー「ダッチドックランズ」と共に、モルディブや米国・マイアミで人工島などの水上構築物をつくろうとしてきた。政府や自治体の規制の壁に阻まれることも多かったが、風向きが変わってきたという。「海水面の上昇が続けば、行政も海上構築物のルール作りに、重い腰を上げざるを得なくなる」とみる。
現在、ウォータースタジオ社は、欧州の16の企業と共に欧州共同体(EU)の資金援助を受けて、大規模な人工島を海上につくるために必要なノウハウの蓄積を目指す「space@sea(海の空間)」というプロジェクトに参加している。計画は、北海の海上に浮かぶ都市をつくることを想定しているという。
■「地産地消」の新たな形
水の上で生産する動きも始まっている。ロッテルダム港の水上では近く、世界初の「水上農園」が開業する。40頭の牛を飼って1日800リットルの牛乳を作り、ミルクやヨーグルトとして販売する。
ロッテルダムの港に浮かぶ水上農園 開発・運営にあたる企業「ベラドン」の社長、ペーター・フォン・ヴィンガーデン(58)が目指すのは、新たな形の「都会での地産地消」。海水面の上昇で農地の確保が難しくなることを見越し「水上なら過密な都市の中でも農業ができる」と考えた。
「生産する過程を直接見ることができて消費者は安心できるし、遠くから食べ物を運ぶことで空気を汚染することもない」。ニワトリや野菜を育てる第二弾、第三弾もオープンさせる予定だ。
ロッテルダムの水上農園を企画・運営するベラドン社・社長のペーター・ファン・ヴィンガーデン
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