- ホーム
- インフォメーション
-
2024.04.19
コスモ石油マーケ、滋賀県栗東市25施設に再エネ電力供給 再エネプラン活用
コスモ石油マーケティング(東京都港区)は4月15日、滋賀県栗東市の本庁舎および市内の市立小中学校など25施設に、同社の再エネ100%電力プラン「コスモでんきビジネスグリーン」を導入したと発表した。電力の供給は4月1日からすでに始まっている。
この取り組みにより、同市の25施設で使用する年間使用電力量約550万kWhが再エネ電力に切り替わるとともに、CO2約1660トンを削減できる見込みだ。
同市へ供給する「コスモでんきビジネスグリーン」の電力は、コスモエネルギーグループのコスモエコパワー(東京都品川区)が発電する風力由来の電力と風力電源に紐づくトラッキング付非化石証書を合わせた再エネ電力100%プラン。RE100に参加する企業が再エネ電力調達する際の指針となる「RE100 TECHNICAL CRITERIA」の要件を満たしている。
同市は「栗東市地球温暖化対策実行計画」を発表し、温室効果ガスの排出量を2024年度までに、2010年度を基準年として年平均1.25%削減するという目標を掲げる。今回の取り組みもこの一環である。これらの取り組みが全国的に広がりをみせ、自治体への再エネ供給につながっている。
記事内容へ -
2024.04.17
大阪ガスの家庭用燃料電池「エネファーム」、累計販売数20万台を突破
大阪ガス(大阪府大阪市)は4月5日、「エネファーム」の累計販売台数が20万台を達成したと発表した。これによるCO2削減量は年間約37万トンで、植林杉約2650万本分に相当するという。
「エネファーム」は、2009年6月から販売を開始した家庭用燃料電池コージェネレーションシステム。都市ガスから分離した水素を空気中の酸素と反応させて発電するとともに、発生する熱でお湯を沸かして給湯する仕組み。そのため、従来の発電システムと比べて廃熱や送電におけるロスがなく、エネルギ―利用率が高いことが特長だ。
さらに、2020年4月には、世界最高水準の発電効率55%(総合効率87%)を達成した「エネファーム type S」を発売。本体の耐久性の向上や大幅な小型化も実現し、「2020年度 省エネ大賞」などを受賞している。
自立発電機能が好調、レジリエンス性高評価
近年、台風や豪雨などの自然災害の増加を受け、停電発生時にも自立運転により発電が継続できるエネファームのレジリエンス性に対するニーズも高まっている。
同社では、2018年の台風21号による関西での大規模停電時に、約2,000台のエネファームが自立発電機能で発電を行ったと推定。それ以降、新規購入者約99%が自立発電機能付きの機種を選ぶなどレジリエンス性へのニーズが高い機運にあるとしている。
これを受け、同社では、さらなる普及拡大に向け、イニシャルコストの低減やサイズダウンによる設置性向上に取り組み、将来的には、壁掛け施工が可能でコンパクトな高効率機の実用化を目指すという。
将来的にはVPP構築で電力の安定化に寄与
また、エネファームを電力系統における供給力・調整力として活用することも視野に入れている。2022年度には、神戸市と共同で実施した「脱炭素都市実現に向けたエネルギーマネジメント実証」、2023年度には経済産業省が実施した「分散型エネルギーリソースの更なる活用実証事業」に参画し、エネファームの制御技術の精度向上を図るとともに、サービス化に向けた準備を実施。将来的には、エネファームをエネルギーリソースとしたバーチャルパワープラント(VPP/仮想発電所)を構築し、電力の系統安定化に寄与することで、太陽光発電をはじめとする再生可能エネルギーの普及促進への貢献をめざすとしている。
記事内容へ -
2024.04.16
パナソニック、EV電池生産拠点に新棟完成 太陽光パネル設置も
パナソニック エナジー(大阪府守口市)は4月11日、車載用リチウムイオン電池の生産競争力強化を目的に、生産拠点である住之江工場に生産プロセス開発棟を設立したと発表した。EVの普及に向けて、電池の性能向上や技術革新を図るとともに、グローバルでの生産能力向上を進めていく。なお、新棟屋上には太陽光パネルが設置されている。
国内最大規模の電池の研究開発体制を構築
新棟は製造機能との連携が可能。これにより、生産技術開発のほか、大型検証機を用いた実証実験の推進により検証期間の短縮を図るとともに、生産技術リソース拡充などにも対応できる。
また、2025年4月に大阪・西門真地区で竣工予定のセル開発の研究開発棟と合わせて、約1100人の人財が電池関連の研究開発に従事する予定で、国内最大規模の電池の研究開発体制となる見込みだ。
このほか、新棟はDX開発拠点としての役割も担う。全工場の電池をデータマネジメントする「データ解析プラットフォーム」や、工場レイアウトを効率化する「搬送シミュレーション」など情報を集約しデジタル化を進めるとともに、グリーントランスフォーメーション(GX)開発拠点として、巻き取り技術や溶接技術開発による高効率設備の実装、乾式の新塗工技術を用いたエネルギー生産性の最適化検証を行う。さらには、西門真研究開発棟と連携し、商品開発も推進していく。
再エネを最大限活用
車載用リチウムイオン電池を生産する住之江工場では、環境と調和したモノづくりを目指し、太陽光パネルの設置やオフサイトコーポレートPPAなど、再エネ活用を積極的に行っている。
2024年1月には、再エネにより発電された電気の環境価値を証書化した非化石証書と燃料をオフセットするJクレジットを活用し、CO2排出実質ゼロ工場を達成した。今回の新棟屋上にも太陽光パネルが設置された。
同社は次世代EV電池生産にも力点を置き、国内外の企業との協業を開始。2023年7月には、EV用リチウムイオン電池のさらなる性能向上を目的に、英国のネクシオン社と、車載電池の負極に使用するシリコン材を調達するための売買契約を締結。2025年からは、米国新工場で製造するリチウムイオン電池に同負極材を使用するとしている。
記事内容へ -
2024.04.15
遠隔制御で需給調整を支援 蓄電池・コジェネなどシステム導入で補助金
環境省は4月9日、太陽光や風力等の変動性再エネの出力変動や予測誤差に応じて、オンラインで遠隔制御(オフサイト制御)により需給調整が行えるよう、オフサイトから運転制御可能な需要側と再エネ発電側の設備・システム等の導入を支援する事業の公募を開始した。
需要家側の設備・システム等導入支援事業では、オフサイトから運転制御可能で平時のエネルギーマネジメントや省CO2化が図れる、蓄電池・ヒートポンプ・コジェネなど需要側設備等を導入する事業者に対し支援を行う。補助率は1/2で、最大2億円を補助する。
発電側の設備・システム等導入支援事業では、出力抑制の制御をオフライン制御からオンライン制御(オフサイト制御)に転換するための設備の導入を支援する。補助率は1/3(離島の場合は1/2)。
両事業とも補助対象機器は、実用段階のものに限る。実証段階のものは対象外。補助対象事業者は民間事業者・団体・地方公共団体等。
この事業は、民間企業等による再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業のひとつ。2023年度(補正予算)と2024年度予算で実施する。環境技術普及促進協会(大阪府大阪市)が執行団体を務める。第1次公募実施期間は5月10日正午まで。
記事内容へ -
2024.04.12
イオン東北と発電事業者等3社、補助金を活用し4店舗に再エネ電力導入
イオン東北(秋田県秋田市)は4月4日、発電事業者、アグリゲーター、小売電力事業者と連携するとともに経済産業省の「太陽光発電導入促進補助金」を活用して、非FIPのオフサイトPPA(電力販売契約)により、4店舗に再エネ電力の導入を開始したと発表した。
この事業は、高度な電力需給運用能力を持つ丸紅新電力(東京都千代田区)、電力バランシング技術力のある東芝エネルギーシステムズ(神奈川県川崎市)、太陽光発電架台をメインとした専門商社の日本BSL(千葉県八千代市)と連携し、イオンが掲げる2050年までに店舗で排出するCO2等を総量でゼロにする「イオン 脱炭素ビジョン」の実現に取り組む。また、補助金へ採択されたことにより実現した太陽光発電設備の再エネ電力活用モデルとなる。
運転開始後20年間、再エネ電力を供給
具体的には、補助金を活用し、発電事業者である日本BSLが発電する再エネ電力を、需要家であるイオン東北の4店舗へ供給する。運転開始後20年間、東芝エネルギーシステムズは、これらの発電所で発電された再エネ電力を固定価格で買い取り、丸紅新電力を通じてイオン東北の4店舗(イオン石巻店、イオン盛岡南店、イオン大曲店、イオンいわき店)に再エネ電力を供給する。
記事内容へ -
2024.04.11
九州最大の物流施設が福岡市に誕生 屋上に太陽光設置し自家消費も
丸紅(東京都千代田区)は4月5日、東京建物(同・中央区)、東急不動産(同・渋谷区)、西日本新聞社(福岡県福岡市)と共同開発した「T-LOGI福岡アイランドシティ」(福岡市東区)が竣工したと発表した。環境配慮の取り組みとして、太陽光発電による電力の自家消費や余剰電力を他施設に送電する。
「T-LOGI福岡アイランドシティ」では、東急不動産が発電事業者として、物件の屋根を賃借し、屋根上全面に太陽光パネルを設置。再エネ電力は、商用電力と併せて施設内で自家消費する。
また、施設内で消費しきれない余剰電力については、一般送配電事業者の送配電網を用いて他施設に送電する。
これらの取り組みにより、環境に配慮した施設の証である「BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)」最高ランクである「ZEB」認証を取得した。また、「CASBEE」Sランクの取得も予定している。
「T-LOGI福岡アイランドシティ」の敷地面積は約3万9300m2、延床面積は約14万8350m2のマルチテナント型物流施設で、九州最大の物流施設(CBRE調べ)となる。また、同施設は博多港に近接することから、今後は日本各地と世界をつなぐ港としてさらなる発展が見込まれる。
記事内容へ -
2024.04.10
山口県、蓄電池の部材開発など最大500万円助成 中小企業が対象
山口県は4月8日、半導体・蓄電池関連分野の部材開発などに意欲的に取り組む県内の中小企業を支援する補助金を創設し、2024年度の公募を開始した。公募期間は5月17日(17時15分必着)まで。
24年度は3件程度を採択、事業は最大2年間まで延長が可能
この事業では、県内中小・中堅企業が行う半導体・蓄電池関連製品の部材開発などに関する技術開発・試作・評価の取り組みに必要な経費の一部を助成する。
県内に事務所・工場・研究所などがある中小・中堅企業が対象で、2社以上での取り組みも認める(みなし大企業は対象外)。
補助率は、500万円を上限に、2/3以内。対象経費は人件費・機器設備費、共同研究費・委託費・事業費など。
事業期間は、交付決定後から2025年2月末日まで(1年以内)。ただし、技術開発などの期間が長期にわたるなど、必要と認められる場合には最長2年間まで継続が可能。2カ年計画の場合は初年度末に次年度への継続について、審査会で審査される。今年度は3件程度を採択する予定だ。
審査項目では、以下のポイントを検証する。
- 補助金目的を理解した事業内容であり、課題設定やその解決方法が妥当であるか
- 実施体制(社内や外部関係機関と効果的な協力体制を取るなど)・実施計画 が妥当であるか
- 県内での事業化に向けた戦略が具体的であり、実現可能性があるか
補助金の名称は「半導体・蓄電池産業集積強化事業(部材開発等推進)補助金」。今後、成長が期待される半導体・蓄電池関連分野への県内企業の参入を促進するとともに、半導体・蓄電池関連製品の高性能化、製造コスト削減などによる製品競争力の向上を図ることを目的としている。なお、同事業は山口県から委託を受けた、山口県産業技術センターが実施するもの。
記事内容へ -
2024.04.09
岩手県、県内自動車産業向けに再エネ電力を供給 トヨタ東日本工場などで活用
岩手県は4月1日、県企業局が運営する水力発電所「早池峰発電所(出力1400kW)」で発電した電力(岩手グリーン電気)を、東北自動車産業グリーンエネルギー普及協会(TAGA)に供給する取り組みを開始した。再エネの地産地消により、県内自動車産業の発展とともに県の脱炭素化を図るのが目的。
TAGAは再エネ電力を各施設で活用
岩手グリーン電気は主に以下の目的を達成するために開発された。
- 岩手県内でカーボンニュートラルに取り組む自動車製造に関わる会社へグリーンエネルギーを供給することで、自動車産業サプライチェーンの競争力向上に貢献する
- 岩手県で生み出されるグリーンエネルギーを岩手県内へ供給する「地産地消」により、循環型経済をつくる
再エネの提供期間は2024年度から2026年度までの3年間で、TAGAは企業局から受電した再エネ電気を県内の自動車産業を中心に供給し、工場などの各施設で活用する。
東北電力が電力供給をサポート
TAGAは、東北で再エネを調達し自動車産業で利用することを目的に、トヨタ自動車東日本(宮城県黒川郡)らが設立した一般社団法人。2023年9月、電力購入に関するプロポーザルにおいて契約候補者として選定されたことを受けて、東北電力(同・仙台市)の支援の下、再エネ電気供給の準備を進めてきた。
4月3日には供給開始を記念して、岩手グリーン電気供給開始式が盛岡地区合同庁舎で開催された。
記事内容へ -
2024.04.08
太陽光&蓄電池・V2H設置を東京都が一括助成 2024年度の申請受付開始
東京都は4月1日、「特定供給事業者再エネ設備等設置支援事業」について、2024年度の申請受付を開始した。申請期間は7月31日まで。
太陽光・蓄電池・V2H設置を一括助成
同事業は、建築物環境報告書制度に参加する事業者(特定供給事業者など)を対象に、都内の延べ面積が2000m2未満の新築住宅およびその敷地に再エネ利用設備を設置する経費の一部を一括で助成するというもの。
対象は、都内の大手ハウスメーカーやビルダー、中小ハウスメーカー、地域工務店のグループなどで、以下の条件を満たすことが求められる。
- 助成対象機器を設置する特定供給事業者など
- 助成金の交付申請時に、「建築物環境報告書制度」を踏まえた事業計画を提出し、2025年度以降に建築物環境報告書制度に参加することを誓約する者
記事内容へ -
2024.04.02
住友商事ら5社が使用済み太陽光パネルリユース・リサイクルで協業 実証開始
住友商事(東京都千代田区)、三井住友ファイナンス&リース(SMFL/同)、SMFLみらいパートナーズ(同)、アビヅ(愛知県名古屋市)、SMART(同)の5社は3月28日、使用済み太陽光パネルのリユース・リサイクル事業の実現に向けた実証実験の覚書を締結したと発表した。
太陽光パネルのリユース・リサイクル事業確立に向けた実証実験を開始
プライチェーン構築のために必要となる使用済み太陽光パネルの確保、およびリユース・リサイクルされた太陽光パネルの販路確立について重点的に実証する。
各社の役割は、以下の通り。
- 住友商事 : プロジェクトマネジメント、太陽光パネルの収集、リユースパネルの販路確立
- SMFL2社 : 排出される太陽光パネルの提供
- アビヅ : 太陽光パネルの運搬・保管およびリユース・リサイクルの実務
- SMART : 太陽光パネルの回収に際しての解体・撤去工事
2050年カーボンニュートラル実現に向け、国内ではさまざまな再生可能エネルギーが導入される中、特に太陽光発電は日本の電源構成のうち2022年度には10.6パーセントを占めた。
一方で、使用済み太陽光パネルの処分が課題となる。太陽光パネルの寿命は一般的に20〜30年といわれ、203年代には大量の廃棄が見込まれるため、廃棄に関するサプライチェーンの構築が求められる。
記事内容へ