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2026.06.12
セコム、東芝とバーチャルPPAを締結 新設の屋根置き太陽光発電を活用
セコム(東京都渋谷区)は6月3日、東芝(神奈川県川崎市)と、再エネの環境価値を取引するバーチャルPPAを締結したと発表した。10月に運転開始予定の屋根置き太陽光発電による環境価値を活用する。セコムグループは2045年までに事業活動で使用する電力を再エネ由来に100%転換する目標を掲げており、今回の取り組みをその達成に向けた調達の一環と位置づける。
屋根置き太陽光の環境価値を長期調達
今回、東芝がアグリゲーターとして、発電事業者が新設する屋根置き太陽光発電の環境価値をセコムに供給する。対象となる設備は物流倉庫の屋根に設置される太陽光発電で、定格出力はAC換算700kW。発電した再エネ電力のうち、自家消費後の電力に由来する環境価値を、非FIT非化石証書として長期間にわたりセコムへ提供する。
バーチャルPPAは、需要家が敷地外の再エネ発電所から、電力そのものではなく環境価値を仮想的に調達する仕組み。従来の電力契約を継続しながら、地域をまたいで非FIT非化石証書を調達できる点が特徴となる。セコムが調達する非FIT非化石証書は、同社の事業所向け電力に用いられる予定で、使用電力の再エネ比率向上につなげる。
東芝は、対象となる屋根置き太陽光の再エネ電力について、発電量の予測や発電計画の作成・提出を担う。計画と実績の差を調整するインバランス費用も負担し、買い取った再エネ電力は、卸電力市場に売電し環境価値をセコムに供給する。
追加性のある再エネの調達を推進
セコムグループは2045年までに事業活動で使用する電力を再エネ由来に100%転換することを掲げ、RE100に加盟。また、その達成に向けて追加性のある再エネの利用を重視、自社施設の拠点以外からの再エネ調達も積極的に進めてきた。
2023年には豊田通商(愛知県名古屋市)と、警備業界で初めてバーチャルPPAを締結し、2024年3月から新設の太陽光発電所を活用したバーチャルPPAスキームを活用した再エネの利用を開始した。
2025年12月には、コスモエコパワー(東京都品川区)とバーチャルPPAを締結し、追加性のある陸上風力発電によるバーチャルPPAスキームの活用した再エネを導入した。多様な再エネ電源を確保することを狙いとしている。
また、データセンターを運営するグループ会社のアット東京(東京都江東区)では、2024年4月から、東京都内にある自社のデータセンターでの使用電力について、実質再エネの使用を標準仕様とした。さらに、2024年7月から、アット東京 第3センターにおいて、フィジカルPPAにより、実質再エネを使用しつつ、供給される電力の一部を、追加性のある生グリーン電力としている。
セコムグループは、「再生可能エネルギー調達原則」において、RE100などの国際基準に準拠していること、社会全体の再エネ比率向上に貢献すること、地域社会に貢献できる電源を活用すること、生物多様性に配慮し、山林を切り拓く開発は行わないこと、などを掲げている。
追加性を有した再エネとは、社会全体に対して新しい再エネを生み出すこと、新たな再エネ設備に対する投資を促す効果があることを表している。昨今では、需要家が再エネを調達する際の判断基準として、追加性の重要度が高まっている。
セコムは、今後も引き続き新設の再エネ発電所を活用しながら、長期安定的な再エネの利用を拡大しつつ、自社の排出削減のみならず、社会全体の再エネ比率の向上に貢献していく。
セコムの再エネ導入率は100%、グループ全体では65%
セコムグループでは、温室効果ガス排出削減のために再エネ由来のグリーン電力の調達などを進めるとともに、創エネのために自社施設への太陽光発電設備を設置している。2024年度は、日本国内において186,705MWh、海外では6,287MWhの再エネ電力を利用し、計192,992MWhの再エネ電力を利用した。また、自社施設においては235MWhを発電した。現在、セコムの再エネ導入率は100%、グループ全体では65%まで向上している。
セコムグループは、温室効果ガス削減目標(スコープ1+2)として、2045年までに排出ゼロを目指すとともに、その通過点である2030年度までに2018年度比で45%削減することを掲げている。サプライチェーン全体(スコープ3)においても、2050年までに排出ゼロを目指すとともに、2030年度までに2018年度比で40%削減する目標を掲げている。
この温室効果ガス削減目標は、世界の気温上昇抑制に向けた妥当なものであるとして「SBTイニシアチブ」から認められ、2021年に警備業界初となる「SBT」認定を取得している。また、2021年にRE100に加盟している。
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2026.06.11
JR東海、蓄電システムを小牧研究施設内に設置 需給調整市場に参入
東海旅客鉄道(JR東海/愛知県名古屋市)は6月3日、愛知県小牧市の小牧研究施設内に蓄電システムを設置し、需給調整市場を通じて電力系統に調整力を提供すると発表した。
蓄電池の出力は2MW、容量は6.7MWh。2026年度に着工し、2028年度の運用開始を目指す。再エネの拡大に貢献するため、受変電設備など既存の鉄道アセットを活用し、電力の安定供給に必要な調整力を提供する蓄電システムを初めて設置する。
調整力として期待される蓄電システム、実質的な市場参入
このシステムは、リチウムイオン蓄電池・制御装置などで構成され、小牧研究施設の受変電設備を通じて電力系統に接続する。需給調整市場を通じて、このシステムによる調整力を提供し、需給バランスの調整が必要な場合に、このシステムが充電/放電を行う。
今回の取り組みは、実質的には系統用蓄電池事業への参入とみられる。現時点で蓄電池システムのメーカーは公表されていない。
政府の掲げる「2050年カーボンニュートラル」に向けて、太陽光発電や風力発電などの再エネが拡大しつつあるが、再エネの出力は気象条件などにより大きく変動するため、電力の安定供給に必要な需給バランスの調整力として蓄電システムなどの普及が期待されている。
JR東海は、このシステムの検討・運用を通じて得られる知見を活かし、今後もカーボンニュートラルへのさらなる貢献を目指していく。
JR東日本も系統用蓄電池事業を展開
これまで、鉄道事業では、電車のブレーキ時に発生する回生電力の活用や、駅や鉄道施設の使用電力削減に向けた取り組みで、蓄電池が活用されてきた。
系統用蓄電池関連では、東日本旅客鉄道(JR東日本/東京都渋谷区)など9社が2025年3月、北海道札幌市に「北海道札幌蓄電所」(出力10MW、容量30MWh)を新設し、系統用蓄電池事業を展開することを発表している。稼働開始は2027年4月の予定。JR東日本は電力取引結果の管理を担う。この事業では国の補助金を活用している。
鉄道事業者関連では、東急パワーサプライ(同・世田谷区)が4月、「創エネ」「蓄エネ」のさらなる拡大を目指し、系統用蓄電所事業に参入すると発表している。同社は、再エネ100%電力による東急電鉄(同・渋谷区)の東急世田谷線の運行サポートをはじめ、東急線沿線を中心として「脱炭素・循環型社会」に向けた取り組みを展開している。
また、東急(同)は、東京都の系統用大規模蓄電池導入支援事業に採択され、2027年度までの稼働開始を目指す総開発規模46MW/184MWhの系統用蓄電所事業を推進している。この事業では、東急と東急パワーサプライの両社がそれぞれ投資を行う予定。
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2026.06.10
太陽光発電アセス対象拡大、パブコメ募集開始 7月1日まで
環境省は6月2日、太陽光発電事業を対象とする環境影響評価(環境アセスメント)の規模要件見直しに向け、「環境影響評価法施行令の一部を改正する政令案」に関するパブリックコメントの募集を開始した。募集期間は7月1日まで。
今回の改正案は、近年各地で発生している大規模太陽光発電事業(メガソーラー)を巡る環境影響や地域とのトラブルへの対応強化を目的としたもの。環境省は、太陽光発電事業に対する環境アセスメントの対象規模を見直し、事業計画の早い段階から環境保全上の配慮を促す考えだ。
アセス必須の第1種は4万→2万kW、個別判断の第2種は3万→1.5万kWに 経過措置も
改正案では、太陽光発電事業に係る環境アセスメントの対象規模を引き下げる。現行制度では、出力4万kW以上の事業を環境影響評価が義務付けられる「第一種事業」、出力3万kW以上4万kW未満の事業を、個別にアセス実施の要否を判断する「第二種事業」としている。
これを見直し、第一種事業の対象を出力2万kW以上に拡大するとともに、第二種事業の対象を出力1万5000kW以上2万kW未満へ引き下げる。新設工事に加え、発電設備の新設を伴う変更工事も対象となる。
改正により、これまで環境影響評価法の対象外だった中規模の太陽光発電事業も新たにアセス手続きの対象となり、環境影響への配慮や地域との合意形成の促進を図る。
また、現行制度で第二種事業に該当し、改正後に第一種事業へ移行する案件については経過措置を設ける。施行前に既に環境影響評価法に基づく手続きを開始している場合は、施行後も引き続き第二種事業として手続きを進められるようになる。施行日は2027年4月1日を予定している。
メガソーラーを巡る環境・地域課題を受け制度見直し
環境アセスメントは、大規模な開発事業の実施前に環境への影響を調査・予測・評価し、その結果を事業計画に反映させる制度。太陽光発電事業については、出力4万kW以上の案件が環境影響評価法に基づく第一種事業、出力3万kW以上4万kW未満の案件が第二種事業として区分されている。
環境省はこれまで、有識者による検討会を設置し、太陽光発電事業に対する環境アセス制度のあり方について議論を進めてきた。検討会では、太陽光発電設備の大型化や開発地域の拡大に伴い、森林伐採や土砂災害リスクの増大、景観や生態系への影響などが課題として指摘されていた。
また、再エネ導入の拡大を進める一方で、地域住民の理解や合意形成を確保することが重要との認識も共有されている。こうした背景から、環境省は2025年末に公表した「大規模太陽光発電事業(メガソーラー)に関する対策パッケージ」を踏まえ、環境アセスメント制度の見直しを進めており、今回の政令改正案はその具体化に当たる。
今回のパブリックコメントは、これまでの検討結果を踏まえた政令改正案について広く意見を募るもの。環境省は寄せられた意見を踏まえて必要な検討を行い、政令改正に向けた手続きが進められる見通しだ。
なお、太陽光発電事業の環境アセス対象規模見直しの具体的な内容や検討会での議論の詳細については、関連記事で詳報している。
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2026.06.09
カルコパイライト太陽電池、雪国×室内設置で性能検証 新潟県の補助金も活用
大日本ダイヤコンサルタント(東京都千代田区)は6月2日、新潟県妙高市役所にて、雪国環境下における次世代型太陽電池の有効性を検証する実証事業を開始したと発表した。
この事業は、新潟県の補助金を活用し、SOLABLE(同)と共同で実施。PXP(神奈川県相模原市)のフレキシブルな「カルコパイライト型太陽電池」を用いて、雪国における発電性能や災害時を見据えた運用体制を検証する。
カルコパイライト太陽電池を雪国×室内設置 実用化に向けデータを蓄積、運用手順を確立
PXPのカルコパイライト型太陽電池は、従来型太陽電池の1/10以下の軽さで、柔軟に曲がり曲面にもフィット、衝撃や振動に強く割れないなどの特長を持つ。従来型太陽電池の課題を克服した新技術の太陽電池として、国内でも実用化が期待されている。
今回の実証では、通常時は市役所コラボサロンのガラス面に設置し、通常時の発電性能検証、市民への普及啓発を行う。雪に影響されない「室内での設置効果」や、「雪面からの反射光」をどれだけ効率よく電気に変えられるかを詳細に検証する。
また、非常電源としての活用を想定し、各種イベント時や緊急時に屋外へ迅速に持ち出して利用するための簡易設置・運用手法を検証する。さらに市民へのPRとして、来庁者が次世代のクリーンエネルギーの利用を肌で感じられるよう、体感型の無料充電コーナーを提供する。これらの検証を通じて、実用化に向けたデータの蓄積と運用手順の確立を目指す。
「次世代型太陽電池×PPA」など新事業の展開も視野に
総合建設コンサルタントの大日本ダイヤコンサルタントは、この実証を通じて次世代型太陽電池の導入に向けたFS(実現可能性)調査や事業化手法・導入手法に関する知見を得るとともに、事業協力者とともにPPA(電力販売契約)などの新たな事業を展開していく。また、これらの取り組みを通じて、地域の脱炭素化と防災力向上に貢献していく。
カルコパイライト型太陽電池は、耐荷重制限により導入できなかった古い工場や、カーポートの屋根などに設置することで、PPAビジネスの拡大にも寄与することが期待されている。
PXPの次世代太陽電池には、多くの企業が注目し、出資・業務提携している。東京センチュリー(東京都千代田区)は5月、PXPに追加出資し、製品の優先供給を見据えた業務提携契約を締結したことを発表している。PXPは、カルコパイライト型とペロブスカイト型を組み合わせたタンデム型太陽電池の開発で、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)事業にも採択されている
SOLABLEグループでは、技術革新を通じた社会・環境課題の解決を目指して、森林事業の成長産業化に向けたフォレストソリューションや、テクノロジーソリューションを展開している。テクノロジーソリューションの1つとして、次世代太陽電池の開発・製造を行うPXPに出資、研究開発をサポートしている。
新潟県の2026年度の次世代型太陽電池補助金、まだ公募中
新潟県は、2050年までの脱炭素社会の実現に向けて、積雪地域における再エネの導入を推進している。しかし、積雪地域における太陽光発電の普及には、積雪による荷重や厳しい気象条件への対応が大きな課題となっている。
そこで、今回の実証で活用する新潟県の「次世代型太陽電池実証支援事業補助金」では、商用化されていない次世代型太陽電池を用いた、豪雪地帯での太陽電池の設置に関する課題解決に資する実証事業を支援している。
JFEエンジニアリング(東京都千代田区)など3社は5月、この補助金を活用して、カルコパイライト太陽電池を活用した自治体向け太陽光PPAサービスを開始したことを発表している。
また、新潟県は、この補助金について、2026年度の公募を6月30日まで実施している。補助率は1/2で、補助上限額は1500万円。2件程度に交付する予定。
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2026.06.08
大分県日出町の系統用蓄電事業(51MW)、伊藤忠エネクスも出資
伊藤忠エネクス(東京都千代田区)は5月29日、大分県日出町で計画されている系統用蓄電池事業に参画すると発表した。
同社は本事業を推進する特別目的会社(SPC)に対し、国内企業3社と共同で匿名組合出資を行う。再エネの導入拡大に伴って高まる調整力需要への対応を図るとともに、電力系統の安定化に貢献する。
事業の対象となる蓄電池設備は、定格出力51MW・定格容量204MWhの特別高圧系統用蓄電所。九州エリアにおける大型案件のひとつで、2028年9月の運転開始を予定している。SPCでは、あおぞら銀行(東京都千代田区)をアレンジャーとするプロジェクトファイナンスを組成しており、事業キャッシュフローを返済原資とするノンリコース型の資金調達スキームを採用する。
系統用蓄電池の重要性高まり、参入プレイヤー増加中
九州エリアは全国有数の太陽光発電導入地域として知られ、再エネ比率の上昇に伴う出力制御や需給調整への対応が強く求められるエリアだが、再エネの有効活用や電力系統の安定化を支える重要なインフラとして系統用蓄電池への期待は一層高まっている。
発電設備に併設される蓄電池とは異なり、送配電網に直接接続される系統用蓄電池は、電力価格の変動に応じた充放電や需給調整市場への参加を通じて収益を確保するとともに、周波数調整や需給逼迫時の電力供給など、多面的な役割を担う。
上記のような背景もあり、容量市場や需給調整市場、卸電力市場といった新たな収益機会も整備され、国内の系統用蓄電池市場はここ数年で急速に拡大中だ。商社やエネルギー事業者、金融機関、インフラファンドなど幅広いプレーヤーが参入している。
伊藤忠グループも蓄電池事業を重点分野のひとつに位置付けており、伊藤忠商事は2023年に東京都と連携して日本初となる系統用蓄電池専業ファンドを立ち上げたほか、その後も運用規模の拡大を進めている。系統用蓄電所への投資を通じて、再エネ導入拡大と電力系統の安定化を後押しする考えだ。
また、伊藤忠商事はAIを活用した蓄電池運用技術の開発や蓄電システム事業にも注力しており、全国で系統用蓄電池プロジェクトへの参画を進めている。6月には福岡県筑前町における系統用蓄電所事業の共同推進も発表しており、蓄電池を活用した電力調整力ビジネスの拡大を加速している。
伊藤忠エネクスは、LPガスや石油製品販売を中心とした従来事業に加え、近年は再エネやPPA、蓄電池など脱炭素関連事業を強化している。自家消費型太陽光発電サービスや再エネ電力供給サービスの展開を進めるほか、企業の脱炭素経営を支援するソリューション提供にも力を入れている。
今回の出資参画もその一環と位置付けられる。再エネの普及が進むほど、発電量の変動を吸収する調整力の価値は高まる。系統用蓄電池は脱炭素社会を支える基盤インフラとして注目されており、伊藤忠エネクスは本事業を通じてエネルギー供給の安定化とカーボンニュートラル実現への貢献を目指す。
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2026.06.07
トヨタグループ、自社サプライチェーンにPPAで再エネ供給 中部電力と連携
中部電力ミライズ(愛知県名古屋市)は6月1日、豊田通商(同・豊田市)と協働し、トヨタグループの自動車部品メーカー・東海理化(同・丹羽郡大口町)が取引を行うサプライヤー12社に、オフサイトPPAの仕組みを活用した新たなCO2フリー電気メニューを提供開始したと発表した。
同メニューは豊田通商グループのユーラスエナジーホールディングス(東京都千代田区)が九州地方に保有する風力発電所由来の環境価値を中部電力ミライズが調達し、さらに別途調達する環境価値(非化石証書)を活用することでCO2フリー電気とし、トヨタグループ社のサプライヤーに供給するもの。
東海理化の仕入先12社がこの新メニューを導入したことにより、サプライチェーンにおいて年間約2,219tのCO2排出量削減が見込まれる。
トヨタグループの再エネ電源をグループ内で活用 サプライチェーンと連携するPPA導入事例が増える
今回、中部電力ミライズと豊田通商が共同開発した同メニューは、トヨタグループが保有する再エネ電源をグループ内で有効に循環させ、サプライチェーン脱炭素化につなげることを目的とし、同メニューの契約期間は最大で約5年間と、通常のオフサイトPPAサービス(契約期間20年間)と比べ、脱炭素目標の達成状況などに合わせて柔軟に導入できる設計にされている。
2027年3月期から時価総額3兆円以上、2028年3月期からは時価総額1兆円以上の企業を対象に、「有価証券報告書」へのGHG排出量の記載が段階的に義務化される。このためトヨタ自動車など日本を代表する超巨大企業は、グループのサプライヤーを含めたCO2排出量の情報開示および削減が早急に求められている。
サプライヤーが使用する電力由来の排出量は、当該サプライヤー自身にとってはScope2排出量にあたるが、発注側企業にとっては購入部品・材料などに伴うScope3排出量にあたる。今後、SSBJ基準に基づくサステナビリティ開示の段階的な適用が進むなか、サプライヤーの排出量データの把握や、調達先を巻き込んだ削減策の実装は、大企業グループにとって実務上の重要性を増している。
たとえば、山善(大阪府大阪市)は2021年にDaigasエナジー(同)と共同ブランド「DayZpower(デイズパワー)」を立ち上げコーポレートPPA事業を展開。山善の仕入先企業を中心に再エネ電力の供給を行うというモデルを拡大している。このモデルでは、契約を結んだ顧客(仕入先企業)の工場・店舗・物流拠点の屋上や敷地の遊休地などに、太陽光発電パネルを無償で設置するオンサイトPPAの仕組みで再エネを供給することでサプライチェーンの脱炭素化を促進する。
また、JFEエンジニアリング(JFEエンジニアリング/東京都千代田区)は6月1日より、笠岡モノパイル製作所(岡山県笠岡市)、JFEエンジニアリング100%出資の子会社で新電力のアーバンエナジー(神奈川県横浜市)が提供する太陽光発電コーポレートPPAサービスを導入し運用開始したと発表した。
この取り組みは、JFEグループの3社が、需要家、PPA事業者、太陽光発電設備のEPC(設計・調達・建設)を担い、グループ内で再エネ導入を完結させている事例。
再エネ電気の需要家である笠岡モノパイル製作所のオンサイトに太陽光発電設備を設置し、これによる電力を用いて洋上風力発電設備の基礎となる「モノパイル」の製造に充当するだけでなく、オンサイトで余剰となった電力を近接するJFEグループの拠点に融通するという取り組みだ。
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2026.06.06
太陽光PPA、グループ工場間で電力融通し導入量1.2MW増加 JFEなど
JFEエンジニアリング(東京都千代田区)は6月1日、JFEエンジニアリング100%出資の子会社で新電力のアーバンエナジー(神奈川県横浜市)が提供する太陽光発電コーポレートPPAサービスを岡山県の笠岡モノパイル製作所に導入したと発表した。
需要家・PPA・EPC(設計・調達・建設)の各機能を、JFEグループ内で内製化したハイブリッド型PPA(オンサイト、一部オフサイト)を活用し、グループ全体のカーボンニュートラル達成を加速させる取り組みだ。
余剰電力をグループ内で融通、太陽光パネル導入量を約1.2MW分UP 風力発電の構造物製造に活用
今回の取り組みでは、アーバンエナジーがPPA契約で太陽光発電設備の設置から保守までを一体的に行う。なお太陽光発電設備のEPCを担ったのは同じくJFEエンジニアリング100%子会社のJFEテクノス(神奈川県横浜市)。
笠岡モノパイル製作所のオンサイトに設置された太陽光発電設備は5.3MW規模で、年間発電量は6,440MWh。これにより、3,290t/年のCO2排出量が削減されるとともに、エネルギーコストが約1割削減される見込みだ。
また、この取り組みでは笠岡モノパイル製作所に設置した発電設備による余剰電力を、隣接するJFEスチール 西日本製鉄所(福山地区)へ融通することで再エネ導入量の最大化が図られている。これにより笠岡モノパイル製作所が単独で導入する場合と比較して約1.2MW分の太陽光発電設備の増設が可能となった。
なおモノパイルとは、洋上風力発電において風車とタワー(支柱) を海中で支える円筒形の巨大な構造物だ。笠岡モノパイル製作所は、日本唯一のモノパイル製造拠点として2024年4月1日より稼働しており、同拠点では最大で直径12m、板厚130mm、長さ100m程度、重量約2500t/基のモノパイルを製造できる。
同社は、再生可能エネルギーで新たな再エネ設備を製造する今回の取り組みを「再エネが再エネを生む」脱炭素の循環モデルだと主張している。今後も他の自社拠点にもPPAサービスなどを活用した再エネ導入を推進し、事業活動におけるゼロエミッション化を目指す方針だ。なお同社は2021年4月より鶴見製作所においてPPAモデルを導入している。
また、グループ社のアーバンエナジーは、2021年度にコーポレートPPAサービスを開始し、累計発電容量100MW以上のPPAサービスを提供してきた。今後も、同社グループのエンジニアリング技術とグループ内連携を活かしたPPAサービスを展開し、同社グループの8次中期経営計画の最終年度となる2027年度に累計発電容量200MW達成を目指す。
グループ内完結型の再エネ「自産自消モデル」の事例
JFEグループの「グループ完結型」に近い取り組みを行っている他社の事例として、JR西日本グループのオフサイトPPAモデルなどがある。JR西日本不動産開発(大阪府大阪市)が、自社グループの遊休地などに太陽光発電設備を設置。そこで生み出された電力を、中国電力(広島県広島市)を介して、JR西日本グループの主要な需要家である商業施設(広島の新駅ビル「ミナモア」など)へ供給する。グループ内の開発事業者が、グループ内の土地や資産を使って発電事業を行い、グループ内の商業施設で消費する、巨大企業のスケールメリットを活かしたグループ内完結型の再エネ自産自消モデルだ。
また、NTTグループも、NTTアノードエナジー(東京都港区)が提供するオンサイト/オフサイトPPAのスキームで再エネ導入を行い、グループ社の脱炭素化を加速している。NTTドコモ(東京都千代田区)は2025年7月1日、NTTアノードエナジーのオフサイト型コーポレートPPAを活用し、再エネ電力を関東・関西・中国エリアの同社通信ビルに導入すると発表した。年間の供給量は約59GWh。これにより、全国で合計32の同社通信ビルの再エネ化を完了するとした。対象施設には、同社の通信基盤を支える上で重要な「NTTドコモ代々木ビル」「NTTドコモ品川ビル」「NTTドコモ大阪南港ビル」などが含まれており、再エネ電力で賄えない分については非化石証書で充当し、各ビルの自社使用分電力の100%再エネ化を目指す。なおGHG排出量は年間2万6000トン削減される見込み。
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2026.06.05
福岡県筑前町で出力67MWの系統用蓄電所が着工 伊藤忠、三菱地所など協働
三菱地所(東京都千代田区)は6月1日、伊藤忠商事(同・港区)、東京センチュリー(同・千代田区)と共同で、福岡県朝倉郡筑前町において、特別高圧系統用蓄電所の建設に着工したと発表した。
九州エリアでは、太陽光発電の急速な導入が進む一方、天候や時間帯による発電量の大幅な変動が系統運用の課題となっている。この事業では、約2万世帯分の1日あたり消費電力に相当する規模の蓄電池を活用し、需給調整力を供給する。
出力67MW、容量230MWhの蓄電所 SIIの系統用蓄電所向け補助金を活用
この蓄電所の敷地面積は約26,000m2、定格出力は67MW、定格容量は230.1MWhで、これは一般世帯約21,500世帯の1日分の電力消費に相当する。商業運転を開始は2028年1月を予定。蓄電システムは、伊藤忠商事が出資・業務提携するパワーエックス(岡山県玉野市)が受注した。
三菱地所はプロジェクトマネジメントを、東京センチュリーは特別目的会社(SPC)の運営・アセットマネジメントを、伊藤忠商事は蓄電池システムの販売・運用・保守、AI最適化による運用を一気通貫で担う。
この事業では、容量市場・卸電力市場・需給調整市場といった複数の電力市場に柔軟に対応し、AIを活用した高度な運用によって収益性と安定性を両立する。
伊藤忠商事は、国内で先行的に系統用蓄電池事業へ参入し、AIを活用した蓄電池運用システムの先進的な開発・高度化を推進してきた。このプロジェクトでも、伊藤忠商事が提供する蓄電システムと、AIによる最適運用技術を活用する。
伊藤忠商事が、東京都との連携により2024年に設立した日本初の系統用蓄電池ファンドに、三菱地所、東京センチュリーも民間投資家として参画している。このファンドを軸に、3社による連携体制で事業運営を進める。
パワーエックスは、伊藤忠商事と共同展開するコ・ブランドパッケージ「PowerX × Bluestorage」として、10フィートコンテナサイズの蓄電システム「Mega Power 2500」を採用する。蓄電コンテナ数は102台。電池種類はリン酸鉄リチウムイオン(LFP)。
この事業は、経済産業省の2025年度「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」に採択されている。経済産業省が策定する第7次エネルギー基本計画における2050年のカーボンニュートラル実現に向け、太陽光発電など再エネの導入が加速する中、蓄電池市場は今後も大きな市場拡大が期待されている。
再エネ資産を共同で運営・管理する基盤を構築していく
東京センチュリーは、リースを祖業とし、国内外のパートナー企業との共創による「金融×サービス×事業」を融合したビジネスモデルを展開する金融・サービス企業。環境インフラ事業分野で、太陽光発電や蓄電池などの再エネ関連事業を展開している。主要株主には、伊藤忠商事、NTT(東京都千代田区)などが名を連ねている。
東京センチュリーは、「中期経営計画2030」において、系統用蓄電所事業を社会インフラ部門が最優先で取り組むべき最重要領域の一つと位置付けている。これまでは、主に単独出資による系統用蓄電所事業において実績と知見を積み上げてきた。今回の事業では、こうした自社の強みを活かしながら、三菱地所や伊藤忠商事といったパートナーと共同で、再エネ・蓄電池などのエネルギー資産へ投資・管理・運営するアセットマネジメント・プラットフォームの構築を目指す。
三菱地所は、「まち」を支える社会インフラのひとつとして、2024年より系統用蓄電所事業に取り組んでおり、東京都が創設した官民連携ファンド「東京都蓄電所投資事業有限責任組合」への出資や、北海道千歳市上長都における系統用蓄電所事業への参画を進めてきた。
三菱地所グループでは、長期経営計画における社会価値向上戦略の重要テーマのひとつとして「環境負荷低減に尽力し続ける」を掲げている。系統用蓄電所事業への取り組みを通じて、事業ポートフォリオを拡大することで、社会価値向上と企業価値向上の両立を目指す。
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2026.06.04
太陽電池リサイクル法が成立 「廃棄実施計画」など事前届出・提出が義務化
使用済み事業用太陽光発電パネルのリサイクルを義務付ける「太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律」が5月29日、参議院本会議で可決、成立した。
大量の事業用太陽光発電パネルを廃棄する事業者には、廃棄前の実施計画の届出とリサイクルへの取り組みを求める。届出受理後30日間は原則として撤去・廃棄に着手できないため、発電所の解体やリプレースを計画する事業者には工程管理にも配慮が求められる。
政府は2030年代後半以降に本格化する太陽光発電パネルの大量廃棄を見据え、リサイクル体制の整備を進める。
事業用太陽電池の廃棄抑制と再資源化を促進
同法律案では、多量の事業用太陽光発電パネルを廃棄しようとする太陽光発電事業者などに国が定める判断基準に基づくリサイクルの実施に向けた取り組みを義務付けている。また、費用効率的なリサイクル事業の計画を国が認定する制度を創設し、都道府県ごとの廃棄物処理法の許可を不要とするなどの措置を行う。
主な措置事項は以下の通り。
国による基本方針の策定
主務大臣(環境大臣と経済産業大臣)は、太陽電池の廃棄の抑制と事業用太陽電池廃棄物の再資源化などの推進を総合的かつ計画的に図るため基本的な方針を定める。
基本方針では、国や地方公共団体、太陽電池廃棄者など各主体の役割、リサイクル目標、施設整備の促進、費用低減・技術開発などの施策の方向性を提示する。
多量の事業用太陽電池の廃棄をしようとする太陽光発電事業者などへの規制
事業用太陽電池廃棄者の判断の基準の策定
・主務大臣は、事業用太陽電池廃棄者が事業用太陽電池の廃棄の抑制と事業用太陽電池廃棄物の再資源化などの実施に向けて取り組むべき措置に関し、判断の基準となるべき事項を定め、必要な指導と助言が行える。
多量事業用太陽電池廃棄実施計画
・多量事業用太陽電池廃棄者(※)は、その事業用太陽電池の廃棄をしようとするときは「多量事業用太陽電池廃棄実施計画」を主務大臣に届け出なければならない
・多量事業用太陽電池廃棄者は、原則として、届出の受理から30日経過後でなければ、その届出に係る計画に記載された事業用太陽電池の廃棄に関し、自ら事業用太陽電池廃棄物を排出し、または他の者に工事または作業を行わせて、その事業用太陽電池廃棄物を排出させてはならない
・主務大臣は、届出のあった計画が判断の基準となるべき事項に照らして著しく不十分であると認めるときは、その届出者に対し、その計画の変更などについて勧告と命令が行える
※廃棄をしようとする事業用太陽電池の重量が政令で定める要件に該当する事業用太陽電池廃棄者
費用効率的なリサイクルを促進するためのリサイクル事業者への措置
太陽電池廃棄物再資源化など事業計画の認定など
・再資源などのための太陽電池廃棄物の収集・運搬などの事業(太陽電池廃棄物再資源化など事業)を行おうとする者は、当該太陽電池廃棄物再資源化など事業の実施に関する計画を作成し、主務大臣の認定を受けられる。
廃棄物処理法の特例
・認定事業者は、廃棄物処理法の規定による許可を受けないで、太陽電池廃棄物再資源化など事業を実施できることとし、所要の規定を設ける。
・認定事業者は、廃棄物処理法の規定にかかわらず、政令で定める基準に従い、認定計画に従って行う太陽電池廃棄物(産業廃棄物に限る)の収集もしくは運搬または処分を行わなければならないこととし、所要の規定を設ける。
製造・輸入業者と販売業者に対する措置
太陽電池の製造・輸入業者と販売業者に対して、環境配慮設計の実施や、含有物質に関する情報提供などの措置を講じる。
制度の見直しに向けた検討規定(附則)
政府は、太陽電池の排出量の見込み、最終処分場の残余年数、リサイクル費用の状況などを勘案して、必要があるときは、太陽電池の幅広い廃棄に関係する者を対象とした再資源化などの義務付けを検討し、制度を見直す。
太陽光発電パネルのリサイクルの推進へ所要の措置
使用済み太陽光発電パネルは、現行の廃棄物処理法に基づき適正処理が義務付けられている。再エネ特措法に基づくFIT/FIP制度における事業用太陽光発電設備(10kW以上)には、廃棄など費用の積立制度を措置している。
一方、日本では、2030年代後半以降に廃棄される太陽光発電パネルの量が顕著に増加し、年間最大50万t程度に達すると予想されている。これらをすべて埋立処分した場合には、最終処分場の残余容量を圧迫し、廃棄物処理全体に支障が生ずる恐れがある。しかし、太陽光発電パネルのリサイクルについては、現時点では埋立費用とリサイクル費用との差額が大きいことや、全国的な処理体制が構築途上であることなどが課題となっている。
同法律案では、こうした状況を踏まえ、社会全体のコストの抑制を図りつつ、リサイクル体制を構築する観点から、最終処分量の減量と資源の有効利用に向けた太陽光発電パネルのリサイクルの推進に関して、所要の措置を実施する。
1月公表の法制度案をおおむね引き継ぐ内容
経済産業省と環境省は1月23日、太陽光発電パネルのリサイクル制度に関する新たな法制度案を公表した。
1月の制度案から4月の閣議決定法案で、制度の方向は変わっておらず、法律として運用できるように定義・責務・手続・施行時期が具体化された。
制度案では、多量の事業用太陽電池廃棄物の排出者に対するリサイクルの取り組みの義務付け、国の認定を受けたリサイクル事業者への廃棄物処理法上の特例措置、製造・輸入・販売事業者による環境配慮設計や情報提供の促進などを柱とする制度の方向性が示されていた。今回成立した法律は、こうした制度案の内容をおおむね引き継いだものとなっている。
制度の実効性を高めるため、政府はリサイクル技術の高度化や処理能力の拡大、収集運搬の効率化などに向けた支援策も進めている。
リサイクル技術の開発支援
2025年度に分離処理コストのさらなる低減(2029年度に2,000円/kW以下)を目指した技術開発支援を実施予定である。NEDOの技術開発では、2018年度に分解処理コスト約5,000円/kW以下を達成し、2024年度には大量排出の前提条件の下、分解処理コスト約3,000円/kW以下、資源回収率80%以上を見込む分離技術の開発を完了した。
リサイクル設備の導入支援
2025年度補正予算(30億円の内数)、2026年度予算案(約73億円の内数)において、省CO2型の再エネ関連製品などリサイクル高度化設備への補助事業を実施する。現時点で全国の使用済み太陽光発電パネル専用のリサイクル設備の処理能力は約15万t/年であり、排出ピーク(約50万t)に向けて設備の導入促進が必要である。
再生材の売却益向上
2025年度補正予算(1億円)および2026年度予算案(36億円の内数)において、使用済み太陽光発電パネルの重量の約6割を占めるガラスの水平リサイクルの技術実証を実施する。
収集運搬の効率化
2026年度予算案において、収集運搬効率化の実証(10億円の内数)と保管施設の導入支援(60億円の内数)の経費を計上している。
パネルの不適正処理・不法投棄対策
太陽光発電設備は、現在も廃棄物処理法に基づく適正処理が義務付けられている。関係行政機関が連携して廃棄物処理法を遵守するよう適切に指導し、不適正処理・不法投棄には厳格に対応する。
FIT/FIP制度においては、2022年7月から太陽光発電設備の廃棄など費用について、調達期間などの後半10年間において毎月の買取価格などから差し引く形での外部積立てを求める制度(廃棄など費用積立制度)を措置している。
非FIT/非FIPの太陽光発電設備については、太陽光発電設備特有の放置の実態やそれが公益に与える影響、規制的措置を実施する場合に太陽光発電事業者に生じる事業制約の度合いなどに鑑みながら、引き続き措置の在り方を検討する。
制度案への評価と今後の課題
1月23日に開催された中央環境審議会・産業構造審議会合同会議では、委員から制度案に対しておおむね賛同する意見が示された。
一方で、判断基準の具体的内容、多量排出者の対象範囲、非FIT/非FIP事業への対応、リサイクル費用と埋立処分費用の差額が大きい現状での経済合理性の確保、製造業者などへの実効的な措置の在り方などについて、今後さらなる検討が必要との指摘があった。
制度設計の検討過程では、製造業者などにリサイクル費用の負担を求める案も議論されたが、法制上の課題などから制度化は見送られた。
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2026.06.03
神奈川県川崎市の施設に太陽光発電システム・蓄電池を寄贈、ハンファジャパン
ハンファジャパン(東京都港区)は5月28日、主宰するSDGsパートナーシップ制度「Green Alliance(グリーンアライアンス)」において、神奈川県川崎市が所有・運営する「生田緑地」の東口ビジターセンターに、太陽光発電システム(発電容量4.8kW)および蓄電池(定格容量9.7kWh)を寄贈したと発表した。
年間発電量は約5,600kWh。同センターで消費する電力の約10%が自家消費で賄われることとなる。
災害時の電源確保・施設運営の電力として活用
この取り組みにより、CO2排出量が約2.2t/年削減されるとともに、年間の電気代は約16万円コストダウンする見通し。また、蓄電池は災害・停電時における非常用電源として機能し、地域の防災力強化およびエネルギーレジリエンスの向上に貢献する。
生田緑地は、1941年に川崎市都市計画緑地第1号として指定された、首都圏を代表する都市緑地の一つ。敷地内の東口ビジターセンターは、生田緑地の来訪者に向けて、地域の自然情報の発信や施設案内、イベント情報などを提供する拠点。同センターへ再エネを導入することにより環境配慮型の施設運営につなげていくという。
多様な企業が連携し、再エネ導入を多方面から推進していくグリーンアライアンス
グリーンアライアンスは、加盟するパートナー企業と協力し「グリーンアクション」を通じてSDGs実現に貢献するため、ハンファジャパンが2024年に設立。具体的には、太陽光発電システムの寄贈、開発途上国支援、太陽光による電気を電源とするEVやeーBikeを活用した環境関連イベントなどを実施している。
また、自治体やパートナー企業と連携し再生可能エネルギーを「五感で学ぶ」体験型プログラムを用いた児童向け環境教育などにも取り組んでいるほか、社会課題とされる耐用年数の過ぎた太陽光パネルの廃棄・リサイクルにかかる課題についても、全国規模の効率的な回収ネットワークを構築していく展望を持つ。
グリーンアライアンスが展開する「グリーンギフト」プロジェクトの一環
今回の生田緑地への再エネ設備の寄贈は、グリーンアライアンスと川崎市が2025年8月21日に締結した「太陽光発電の普及拡大および環境教育の推進に関する連携協定」に基づくもの。グリーンアライアンスが展開する「グリーンギフト」プロジェクトの一環で、地域における再生可能エネルギー導入のモデルケースとなることを目指す。なお再エネ発電設備の設置工事は、グリーンアライアンスにパートナー企業として加盟しているゴウダ(大阪府茨木市)が担った。
グリーンアライアンスと川崎市は、この連携協定の締結後、脱炭素社会の実現と環境教育を軸とする取り組みを継続的に実施してきた。2025年11月には同市が主催するイベントで幼児向け環境教育を目的としたワークショップを実施、2026年2月には川崎市環境局が主催する「第2回スキルアップセミナー(太陽光市場のこれまでとこれから)」にグリーンアライアンス事務局が登壇し、業界の課題や知見の共有などを行ってきた。
また、同アライアンスは2025年7月16日に、大阪府とも同様に太陽光発電の普及と環境教育の推進に関する連携協定を締結し、「グリーンギフト」による児童福祉施設や学校教育施設等の再エネ設備導入を実施した。
同年7月14日には宮崎県日向市と太陽光発電設備寄贈契約を締結し、老朽化を理由に建て替えが進められている「日向市総合体育館」に対し、太陽光発電モジュール32枚(出力13.12kW)、パワーコンディショナー2台、ハイブリッド蓄電システム1台を寄贈すると発表した。
2025年から開始した第2期グリーンアライアンス、1期は38社と連携
ハンファジャパンは、2025年6月12日、「Green Alliance(グリーンアライアンス)」第2期が始動したと発表した。第2期では、38社と連携した第1期の経験を活かし、以下の重点施策に取り組んでいる。
地域社会への再エネ導入を加速
企業や自治体を対象とした太陽光発電システムの無償寄贈プロジェクト「グリーンギフト」の取り組みを拡大する。現在、新たな自治体への導入を検討している。また太陽光パネルに関して、今後の廃棄問題を念頭に、使用済み太陽光パネルの回収から適正処理までを一貫して行うサービスの提供を開始する。リユース可能なパネルは「グリーンギフト」に活用する。
J-クレジットによる植林プロジェクト
家庭設置の太陽光発電設備によるCO2削減量を、J-クレジットとして創出し売却益の一部を、開発途上国支援プロジェクトのマングローブ植林活動に充当する。マングローブ天然林の植林活動は規模を拡大し、1万本を植林する予定だ。
環境教育の推進
太陽光発電システム寄贈を契機とした環境教育の推進活動を全国で展開し、次世代を担う子供たちにエネルギーマネジメントやサステナビリティの重要性を体験的に学ぶ機会を提供する。
クリーンモビリティとの連携
EVバイクなど持続可能な移動手段に関連するイベント協賛を継続する。
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