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2026.07.02
東京都、脱炭素支援制度を1冊に集約 事業者向け補助金・支援策を一覧で紹介
東京都は6月25日、2026年度版「エコサポート」を公開した。脱炭素や省エネルギー、再エネ導入などに活用できる補助制度や支援制度を分野別にまとめたガイドブックで、企業や自治体、住宅所有者など幅広い対象に向けた約100件の制度を掲載している。
このうち冊子の後半では、主に事業者向けの制度が網羅されており、環境ビジネスの読者にとっては実務上の見どころとなる。
設備導入から経営支援まで幅広い制度を網羅
掲載されている支援事業は、再エネ・省エネ設備の導入補助をはじめ、系統用蓄電池やコージェネレーションシステム、ZEB化、エネルギーマネジメント、水素設備、ZEV導入、資源循環、カーボンクレジット、CFP(カーボンフットプリント)、SBT取得支援など、企業の脱炭素経営を幅広く後押しする制度だ。また、省エネ診断や各種アドバイザー派遣、税制優遇など、設備投資以外の支援策も含まれている。
各制度については、補助金の概要や対象者、主な要件、問い合わせ先、受付期間などをコンパクトに整理。自社で活用できる制度を探し、詳細情報へアクセスするための入口として利用しやすい構成となっている。
掲載例
都外での再エネ発電設備等の導入経費を補助:「再エネ電源都外調達事業(都外PPA)」
受付期間:令和8年4月1日~令和9年3月31日
問い合わせ:クール・ネット東京 事業支援チーム(TEL:03-5990-5067)
補助対象:民間事業者(民間企業、学校法人、公益財団法人、医療法人、社会福祉法人など)
要件:再エネ電気または環境価値の利活用に取組む都内事業者が行う都外での再エネ発電設備および蓄電池設置に対する整備費/FIT制度またはFIP制度の認定申請をしていない設備であること/再エネ発電設備設置地域への環境配慮及び関係構築などを行うこと
補助率:都外に再エネ発電設備(特別高圧以外)と蓄電池を同時設置する場合、再エネ電気 は2/3以内(蓄電池は2/3以内)/環境価値は1/2以内(蓄電池は2/3以内)、上限はいずれも4億円
「エコサポート2026」掲載の事業者向け支援事業一覧
以下では、同冊子に掲載されている主な事業者向けの支援事業を紹介する。
省エネ・再エネ機器を導入する
都外での再エネ発電設備などの導入経費を補助:「再エネ電源都外調達事業(都外PPA)」
小売電気事業者による再エネ電源の確保を支援:「小売電気事業者による再エネ電源先行拡大事業」
島しょ地域での太陽光発電設備などの導入を支援:「島しょ地域における太陽光発電設備等助成事業」
ガソリンスタンドなどの脱炭素化設備導入を支援:「環境に配慮したマルチエネルギーステーション化に向けた経営力強化・設備導入等支援事業」
中小企業などの省エネ設備導入・運用改善を支援:「ゼロエミッション化に向けた省エネ設備導入・運用改善支援事業」
太陽光・蓄電池などの導入を支援:「地産地消型再エネ・蓄エネ設備導入促進事業」
ZEB化や廃熱利用設備の導入を支援:「ZEB化・廃熱利用設備導入促進事業」
エネルギーマネジメントシステムの導入を支援:「需給最適化に向けたエネルギーマネジメント推進事業」
島しょ地域での再エネ設備導入を支援:「島しょ地域における再エネ導入促進事業」
コージェネレーションシステムの導入を支援:「コージェネレーションシステム導入支援事業」
系統用大規模蓄電池の導入を支援:「再エネ導入拡大を見据えた系統用大規模蓄電池導入支援事業」
地域熱供給設備の脱炭素化を支援:「地域熱供給事業における脱炭素対策先導事業」
省エネ型冷凍空調機器などの導入を支援:「省エネ型ノンフロン機器普及促進事業」
フロン漏えい防止の遠隔監視設備導入を支援:「フロン漏えい防止のための遠隔監視技術活用促進事業」
VOC排出削減設備の導入を支援:「省エネ型VOC排出削減設備導入促進事業」
既存非住宅建築物の省エネ改修を支援:「既存非住宅省エネ改修促進事業」
省エネ診断・省エネ設計などを実施する
中小規模事業所向けに省エネ診断を実施(無料):「中小規模事業所の省エネルギー診断」
既存非住宅の省エネ診断、省エネ設計、省エネ改修を補助:「既存非住宅省エネ改修促進事業」
環境性能の高い住宅モデルの開発・改良などを支援:「建築物環境報告書制度推進事業(環境性能向上支援事業)」
環境性能の高い住宅の設計・施工等技術向上を支援:「建築物環境報告書制度推進事業(環境性能向上支援事業)」
環境に配慮した車両を購入する
環境に優しい車・バイクの導入を補助:「ZEV普及促進事業」
電気自動車などの自動車税を課税免除:「電気自動車等の自動車税課税免除」
電気自動車などの充電設備の導入を補助:「充電設備普及促進事業」
電動バイク導入に必要な専用充電器の購入費やバッテリーシェアリングサービスの基本料金を補助:「電動バイク普及促進事業」
EVバス・EVトラックの導入などを補助:「EVバス・EVトラック等導入促進事業」
ZEVの大規模導入をシームレスで支援:「ZEV大規模導入促進事業」
燃料電池バスの導入を補助:「燃料電池バス導入促進事業」
燃料電池タクシーの導入費・燃料費を補助:「燃料電池タクシー導入促進事業」
燃料電池フォークリフトの導入を補助:「燃料電池フォークリフト導入促進事業」燃料電池などトラックの導入費・燃料費を補助:「燃料電池等トラック導入促進事業」
島しょにおけるZEV中古車の購入に要する費用を補助:「島しょZEV中古車導入促進事業」
シェアリング・レンタル事業者の環境にやさしい車・バイクの導入を補助:「シェアリング・レンタル事業者向けZEV導入促進事業」
環境性能の高いタクシーなどの導入を補助:「環境性能の高いタクシー導入促進事業」
圧縮天然ガス自動車の導入を補助:「CNG自動車導入促進事業」
ハイブリッドバスの導入を補助:「ハイブリッドバス導入促進事業」
ハイブリッドトラックの導入を補助:「ハイブリッドトラック導入促進事業」
ハイブリッド塵芥車の導入を補助:「ハイブリッド塵芥車導入促進事業」
低公害・低燃費車の買換え時に融資を斡旋:「低公害・低燃費車買換え融資あっせん制度」
水素エネルギー関連設備を導入する
水素ステーション設備などの整備費を補助:「水素ステーション設備等導入促進事業」
水素ステーションとカーシェアなどを一体的に整備する取り組みを支援:「水素ステーションとカーシェア等のパッケージ支援事業」
グリーン水素の製造・供給・利用設備などの導入を支援:「グリーン水素の社会実装化に向けた設備等導入促進事業」
開発・運営・活動費などの支援を受ける
アグリゲーションビジネスの構築を支援:「アグリゲーションビジネス推進事業」
家庭の脱炭素行動につながる新たなビジネス創出を支援:「脱炭素アクション促進ビジネス創出事業」
中小企業のゼロエミッションに資する製品開発・販路開拓などを支援:「ゼロエミッション産業育成支援事業」
中小企業の脱炭素経営を支援:「ゼロエミッション経営推進事業」
国産バイオ燃料の活用を支援:「国産バイオ燃料活用促進事業」
CFPを活用したグリーン製品の創出を支援:「CFP活用型グリーン製品創出支援事業」
カーボンクレジットを活用した脱炭素経営を支援:「カーボンクレジット活用促進事業」
カーボンクレジットによる製品・サービスの付加価値向上を支援:「カーボンクレジット付加価値創出支援事業」
中堅・中小企業のカーボンクレジット創出を支援:
「カーボンクレジット創出支援事業」プラットフォーム参加団体の普及活動を支援:「東京都省エネ・再エネ住宅普及促進事業補助金」
資源循環を推進する
プラスチック資源循環に向けた2R・水平リサイクルを支援:「2Rビジネス・水平リサイクル社会実装支援事業」
サーキュラー・エコノミーの社会実装を支援:「サーキュラー・エコノミー社会実装化促進事業」
使用済住宅用太陽光パネルのリサイクルを支援:「住宅用太陽光パネル高度循環利用推進事業」
高度な資源循環設備の導入を支援:「高度再資源化設備導入促進事業」
リサイクルステーションの整備を支援:「リサイクルステーション整備支援事業」
生物多様性の保全・持続可能な利用に取り組む
在来種植栽に取り組む緑地を登録・公表:「江戸のみどり登録緑地制度」
自然を活用した課題解決の取り組みを支援:「Tokyo-NbSアクション」
企業・団体による自然環境保全活動を支援:「東京グリーンシップ・アクション」8月1日「水の日」の普及啓発を実施:「水の日」
廃棄物処理・大気環境改善を推進する
省エネルギー研修会などへ講師を派遣(無料):「省エネルギー研修会等講師派遣事業」
VOC対策に関する専門家を派遣(無料):「VOC対策アドバイザー派遣事業」
大気環境改善に取り組む事業者を登録:「Clear Skyサポーター制度」
講師・アドバイザーを派遣してもらう省エネルギー研修会などに講師を派遣(無料):「中小規模事業所対策推進研修会等講師派遣」
マンションなどへの充電設備導入アドバイザーを派遣(無料):「充電設備普及促進事業」
マンション省エネ・再エネアドバイザーを派遣(無料):「マンション省エネ・再エネアドバイザー派遣事業」
アドバイザーが太陽光発電などの導入検討を支援(無料):「太陽光発電及び蓄電池アドバイザー派遣事業」
VOC対策アドバイザーを派遣(無料):「VOC対策アドバイザー派遣制度」
中小事業者に土壌汚染対策アドバイザーを派遣(無料):「中小事業者への土壌汚染対策支援事業」
土地利用転換アドバイザーを派遣(無料):「工場跡地等における持続可能な土壌汚染対策支援事業」
化学物質水害対策アドバイザーを派遣(無料):「化学物質流出等防止対策支援事業」
その他
PFOS・PFOAを含有する泡消火薬剤の転換を支援:「PFOS等含有泡消火薬剤の転換促進事業」
SAF・バイオ燃料を活用した航空・海上輸送を支援:「企業のScope3(物流分野)対策促進事業(航空・海上輸送)」
羽田空港での国産SAF供給を支援:「羽田空港における国産SAF供給促進事業」
中小企業のCO2排出量の見える化を支援:「中小企業脱炭素経営推進事業(見える化支援)」
SBT認定取得を支援:「企業の脱炭素経営に向けた計画策定支援事業(SBT認定取得支援)」
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2026.07.01
エクソル、福知山市の太陽光由来再エネを地域施設に 「特定卸供給」を活用
エクソル(東京都港区)は6月24日、京都府福知山市内の自社太陽光発電所での発電した電力を、同市内の公共施設に供給する取り組みを開始すると発表した。7月11日から、地域新電力のたんたんエナジー(京都府福知山市)を通じ、年間発電量約200万kWhの全量を地元で活用する。
地域で生み出した電力を地域で活用
この取り組みでは、エクソルが保有する約1.8MWの太陽光発電所で発電した電力を、「特定卸供給」契約に基づき、電力供給を行う地域新電力であるたんたんエナジーを通じて、市民病院・上下水道関連施設を除く市内の公共施設へ供給する。
年間発電量は約200万kWhを見込んでおり、発電した電力すべてを公共施設で活用するという。これにより、地域で発電した電力の地産地消の推進に加え、地産再エネの利用拡大が期待される。
なお、「再生可能エネルギー電気特定卸供給」とは、小売電気事業者が指定した再エネ発電所の電気を、一般送配電事業者が送配電網を通じて、その小売電気事業者に卸供給する仕組み。特定の発電所と供給先を契約上ひも付けることができ、地域で発電した再エネ電力を地域の公共施設などで活用することが可能になる。
発電事業者・地域新電力・電力の活用先が連携
再エネの普及が進む一方で、発電された電力の多くは電力系統を通じて広域的に供給されており、発電地域で活用されないケースも少なくない。
エクソルは、2014年から福知山市で自社太陽光発電所を運営してきたが、地域内で活用するまでには至っていなかった。一方、同市では、すでに公共施設へのオンサイトPPA事業や学校への電力供給などが進められており、再エネ活用の環境が整っていた。
今回の連携は、たんたんエナジーが供給を担うことで実現した。発電事業者であるエクソル、地域新電力であるたんたんエナジー、電力の活用先となる福知山市が連携することで、地域で生み出した再エネの有効活用を図る。
再エネを活用した施設モデルを構築へ
また、エクソルは同月15日、福知山市の「三段池公園テニスコート」に太陽光発電設備付き観客席屋根(ソーラーシェルター)と関連電力設備を「企業版ふるさと納税」で寄付することを決定。再エネを軸とした地域との共生・共創の実現を目指し、地域におけるエネルギーの地産地消の推進策の第1弾として取り組むと発表した。
企業版ふるさと納税は、企業が自治体の地方創生事業に寄付をすると、寄付額の最大約9割が法人関係税から軽減される仕組み。
日除け機能と発電機能を兼ね備えた設備により、日陰空間の創出による利用者の快適性向上、熱中症リスク軽減による安全性向上、発電電力の施設内活用によるエネルギー効率の向上を図ることを目的としている。再エネの有効活用したスポーツ施設の新たなモデルケースとして、地域の持続可能なインフラ整備に貢献する。
まずは、7月末までにソーラーシェルターを設置する。太陽光パネル容量は約35.0kW、年間想定発電量は約39,778kWh(一般家庭約10世帯分相当)、年間CO2削減量は約16.5tを見込む。続いて、2027年4月頃を目途に、追加のソーラーシェルターと関連電力設備の整備を進め、発電した電力の活用範囲を広げていく。発電した電力は施設内での自家消費を基本とし、将来的には周辺公共施設への供給も視野に入れ、地域におけるエネルギーの有効活用モデルの構築を目指す。
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2026.06.30
接続検討、約2.9万件で2025年度は過去最多 蓄電池が86%占める
電力広域的運営推進機関(OCCTO)は6月24日、2025年度(2025年4月1日~2026年3月31日)の系統アクセス業務実績を公表した。
「事前相談」「接続検討」「契約申込み」の受付件数はいずれも過去最高を更新した。中でも接続検討は2万8927件、契約申込みは5,211件に達し、いずれも前年度から大幅に増加。電源種別では蓄電池案件が引き続き大半を占め、系統用蓄電所を中心とした開発需要の拡大が鮮明となった。
接続検討は2万8927件、東京PGなどで大幅増
2025年度に受け付けた接続検討は、前年度の1万4276件から約2倍に増加した。
エリア別では、東京電力パワーグリッド(東京PG/東京都千代田区)が1万2052件と最も多く、東北電力ネットワーク(東北NW/宮城県仙台市)が4,781件、中部電力パワーグリッド(中部PG/愛知県名古屋市)が3,899件、関西電力送配電(大阪府大阪市)が2,728件、九州電力送配電(福岡県福岡市)が2,238件と続いた。
前年度との比較では、東京PGが7,101件増、東北NWが1,972件増、中部PGが2,120件増、関西電力送配電が1,897件増となるなど、大都市圏を中心に大幅な伸びがみられた。
接続検討の回答は99%超が3カ月以内
接続検討の回答件数も2万6340件となり、前年度比で1万4608件増加した。回答期間については、標準期間である「3カ月以内に回答した案件」が2万6188件で全体の99.42%を占めた。
一方、3カ月を超過した案件は152件(0.58%)で、主な理由は「特殊検討や検討量の増加」だった。
事前相談も過去最高、案件形成の裾野広がる
事前相談は、2021年度以降増加傾向が続いており、2025年度は5万6378件と過去最高を記録した。
発電事業の初期検討から系統連系に向けた契約段階まで案件数が増加しており、再エネや系統用蓄電池を中心とした開発意欲の強さがうかがえる。
接続検討の86%が蓄電池案件
接続検討を電源種別でみると、蓄電池案件が2万4880件と全体の約86%を占め、圧倒的多数となった。
太陽光は3,613件(12%)、風力は210件(1%)、一般水力は139件(1%)だった。前年度も蓄電池案件が9544件で67%を占めていたが、2025年度は件数・構成比ともさらに拡大した。
系統用蓄電池は、卸電力市場や需給調整市場、容量市場など複数の市場で収益機会を確保できることから開発計画が相次いでいる。
OCCTOが3月19日に公表した直近(2025年10月~12月)の結果においても、接続検討の受付案件のうち蓄電池が87%を占め、系統利用における蓄電池案件の比重が大きく高まっている実態が明らかとなっている。
今回の集計でも、こうした開発意欲が系統アクセス申請件数の増加という形で表れた。
契約申込みも過去最高、蓄電池が74%占める
接続検討に続く契約申込みも、前年度(2,680件)から約2倍に増加し、過去最高を更新した。
エリア別では、東京PGが1,672件で最も多く、東北NW867件、九州電力送配電852件、中部PG587件、関西電力送配電432件、中国電力ネットワーク419件などとなった。
電源種別では蓄電池案件が3,881件で全体の74%を占め、太陽光は1,149件(22%)だった。接続検討だけでなく、実際の契約申込みの段階でも蓄電池案件が主流となっていることがわかる。
契約申込みの回答件数は3,563件。このうち標準期間の「6カ月以内に回答した案件」は3,217件(90.3%)で、6カ月を超過した案件は346件(9.7%)だった。超過理由の約87%は、「申込者側の書類不備」などに起因するものだった。
2025年度第3四半期の系統アクセス業務実績
2025年度第3四半期(2025年10月~12月)における電源種別の受付件数は、全エリアで蓄電池の比率が87%で最も大きかった。次いで、太陽光が12%で続いた。
背景としては、出力制御リスクの回避ニーズや裁定取引・需給調整市場など収益機会の拡大、系統制約下でも参入可能な柔軟性といった要因があるとみられる。
契約申込みでも蓄電池が78%
また、蓄電池は、接続検討だけでなく実際の契約申込み段階でも78%を占めた。中でも、東京PG(前年同時期から183件増)・中部PG(同143件増)・関西送配(同85件増)、中国NW(同85件増)、九州送配(同176件増)で増加傾向がみられた。
この結果から単なる検討ベースではなく、事業化フェーズでも蓄電池優位が定着していることが読み取れる。
契約申込み回答は1,005件
同期間の契約申込み件は、全エリア合計1,005件だった。エリアごとの内訳は、北海道NW76件、東北NW156件、東京PG205件、中部PG179件、北陸送配37件、関西送配113件、中国NW75件、四国送配23件、九州送配141件、沖縄電力0件
申込み遅延の要因は主に「書類不備」
OCCTOでは、送配電等業務指針第98条の規定を踏まえ、検討期間を6カ月を標準期間として確認している。
契約申込みでは、回答1,005件のうち6カ月超過が94件(9.4%)発生しており、その主因の88%が「申込書不備」とされる。
こうした状況から、案件の種別にかかわらず、初期段階での設計整理や書類精度がリードタイムに影響する構造が改めて浮き彫りになった。
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2026.06.29
プラ・金属資源循環設備導入に最大50%補助 太陽光発電パネル再生も対象
環境省は6月23日、「プラスチック資源・金属資源等のバリューチェーン脱炭素化のための高度化設備導入等促進事業」について、2025年度補正予算の3次公募と2026年度予算の2次公募を開始した。
同事業は、プラスチック使用量削減につながる資源循環高度化設備や再生可能資源由来素材の製造設備、太陽光発電設備とリチウム蓄電池のリサイクル設備、金属破砕・選別設備の導入支援を目的としたもので、1/3または1/2を上限に補助する。公募期間は7月24日12時(必着)まで。
5つの設備導入事業を支援
同事業では、次の5つの事業が補助対象となる。
- 省CO2型プラスチック高度リサイクル設備導入事業
- 化石資源由来プラスチックを代替する再生可能資源由来素材の省CO2型製造設備導入事業
- 太陽光パネルリサイクル設備導入事業
- リチウム蓄電池リサイクル設備導入事業
- 金属破砕・選別設備導入事業
国内事業所における設備が対象で、導入による効果をまとめた事業報告書の提出などを要件としている。
対象者は、民間企業に加え、一般社団法人・一般財団法人と公益社団法人・公益財団法人なども含まれる。
補助率は、中小企業者に設備を補助する場合は1/2、それ以外に設備を補助する場合は1/3。リースを利用する場合は、貸渡先事業者が中小企業者の場合は1/2。
事業期間は原則、単年度だが、応募時に年度ごとの事業経費を明確に区分した実施計画書を提出することで、最大2カ年度の複数年度事業として認められる場合がある。
(1)省CO2型プラスチック高度リサイクル設備導入事業
同事業では、廃プラスチックについてこれまでリサイクルできなかったものへの量的な拡大、もしくはより高品質な再生素材の供給を目指すために、省CO2型の資源循環高度化設備を導入することで、製造された再生素材の国内資源循環が安定的に見込める事業であること。または、リユースに必要な設備を導入することで、プラスチック使用量削減に資する事業であり、「国内資源循環が安定的に見込める事業」であることが求められる。
このうち「国内資源循環が安定的に見込める事業」とは、補助事業設備で製造した再生素材を最初に利用する「再生素材利用事業者」が、国内にて利用する事業者である場合、もしくは再生素材から製造された製品が国内で流通する場合を指す。なお利用とは、ペレットなどの再生素材を原料として、成形やコンパウンド製造などの加工を行うことを意味する。
補助対象は、廃プラスチックのリサイクルに必要な破袋や破砕、洗浄、脱水、異物除去などの前処理設備、選別と押し出し機などの原料化する設備、リユースに必要な設備や、これら設備に必要な運搬設備、貯留設備などのほか、それらの設備に電源を供給する設備など。
(2)化石資源由来プラスチックを代替する再生可能資源由来素材の省CO2型製造設備導入事業
同事業は、生分解性プラスチックを含むバイオマスプラスチックやパルプなど、従来の化石資源由来プラスチックを代替する再生可能資源由来素材の導入拡大を目的としている。そのため、製造された素材の多くが国外に輸出されるなど、国内導入の拡大に寄与しないものは補助対象外となる。
補助対象は、従来の化石資源由来プラスチックを代替するバイオプラスチックなどの再生可能資源由来素材などの製造に係る設備や、その設備の稼働に必要な運搬設備、貯留設備のほか、それらの設備に電源を供給する設備など。
(3)太陽光パネルリサイクル設備導入事業
同事業は、太陽光パネルのリサイクルの促進とリサイクルプロセス全体のエネルギー起源CO2の排出抑制を図るため、リサイクル工程におけるガラスやセル、フレームの分離を行い、素材ごとのリサイクルの高度化を図るための設備を導入するもの。
補助対象は、太陽光パネルのリサイクル設備、付随する搬送設備、電源を供給する設備など。
(4)リチウム蓄電池リサイクル設備導入事業
同事業では、リチウム蓄電池のリサイクルの促進とリサイクルプロセス全体のエネルギー起源CO2の排出抑制に向けて、リサイクル工程における、放電、熱処理などの事前処理と破砕・分離・化学処理などにより、有用金属を高純度でリサイクルするための設備の導入を支援する。
補助対象は、リチウム蓄電池のリサイクル設備、付随する搬送設備、電源を供給する設備、発火防止設備など。
(5)金属破砕・選別設備導入事業
同事業の目的は、都市鉱山のリサイクルの促進とリサイクルプロセス全体のエネルギー起源CO2の排出抑制。具体的には、リサイクル工程におけるアルミ、銅などの「金属高度破砕・選別」を行い、素材ごとにリサイクルの高度化を図るための設備導入を補助する。
「金属高度破砕・選別」とは、素材の分離・選別性を向上させる高効率な破砕や、X線などを用いた含有元素等に応じた合金選別、複数センサーを組み合わせた高効率選別など、先進的な技術を用いて従来の破砕・選別よりも回収される素材の量または質を向上させる破砕・選別のこと。
補助対象は、高度なリサイクルを実現するために必要となる、鉄、アルミ、銅、レアメタルなどの金属を素材ごとに分離する金属高度破砕・選別設備と、金属スクラップ溶解炉・焙焼設備(前処理設備、搬送設備など処理ラインに必要な設備を含む)と、それらの設備に電源を供給する設備など。
各事業の詳細は、執行団体である公益財団法人 廃棄物・3R研究財団(JWRF/東京都墨田区)のウェブサイトで確認できる。
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2026.06.28
クラダシ、辻・本郷スマートアセットと系統用蓄電所開発へ 3案件で事業始動
クラダシ(東京都品川区)は6月24日、辻・本郷スマートアセット(同・渋谷区)と、系統用蓄電所開発事業に関する匿名組合契約を締結したと発表した。
2025年11月に公表した両社による合弁事業を具体化するもので、まず国内3案件の事業化に着手する。
「GK-TKスキーム」で3案件を推進
今回の契約により、両社が共同設立した合同会社「クラダシ・インベストメント」(東京都品川区)を事業主体として、系統用蓄電所の開発・運用業務を行う。
事業スキームには、合同会社(GK)と匿名組合(TK)を組み合わせた「GK-TKスキーム」を採用した。クラダシ・インベストメントがAM契約に基づき各蓄電所の開発・運営実務を担い、辻・本郷スマートアセットが匿名組合員として出資および収益配分を受ける。
合同会社の出資比率は、クラダシが51%、辻・本郷スマートアセットが49%。蓄電所の建設・施工(EPC)はYKエンジニアリング(東京都新宿区)との連携を予定している。
クラダシは、自社運営によるノウハウ蓄積とファンド形式による資金レバレッジを組み合わせることで、単独投資を上回るスピードで蓄電所ポートフォリオの拡大を目指す。
埼玉・岐阜・熊本の3案件が対象
対象となる系統用蓄電所は「埼玉県蓄電所」「岐阜県蓄電所」「熊本県蓄電所」の3案件。いずれも出力2MW・容量8MWhの案件で、合計出力は6MW・合計容量は24MWhとなる。
埼玉県と岐阜県の案件については、それぞれ2026年10月および11月の受電を予定しており、熊本の案件は2027年5月の受電を見込む。3案件を順次稼働させ、早期の収益化につなげる考えだ。
2025年の基本合意を具体化
両社は2025年11月、系統用蓄電所の共同開発・運用を目的とした合弁事業の実施に向けて基本合意した。
当時の発表では、2年以内に5件以上の系統用蓄電所を共同開発・運用する方針を掲げたほか、蓄電所投資ファンド組成についても検討するとしていた。
今回の匿名組合契約は、その基本合意を具体的な事業として実行に移すものであり、共同事業スキームが本格的に始動した格好だ。
クラダシは蓄電池事業への投資を拡大
クラダシは、賞味期限が近い食品や規格外品などを販売するソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」の運営を主力事業とする。一方で近年は、新たな収益基盤の構築に向けて再エネ関連事業への投資を進めている。
2026年2月には、系統用蓄電所開発を手がける合同会社への匿名組合出資を実施した。同社によると、すでに自社による系統用蓄電所の運営も開始しており、開発案件への投資と運営の両面から事業拡大を図っている。
今回の案件は、こうした蓄電池事業への取り組みをさらに前進させるものとなる。今後は辻・本郷スマートアセットとの連携を通じてポートフォリオの拡大を図るとしている。
辻・本郷スマートアセットも再エネ・蓄電池事業を強化
辻・本郷スマートアセットは、再エネ発電所事業を主力事業の一つに位置付け、太陽光発電所の開発・運営やアセットマネジメントを展開している。あわせて、自家消費型太陽光発電システムの導入支援や家庭用蓄電池「Tesla Powerwall(テスラ・パワーウォール)」の販売・施工にも取り組み、法人・個人向けの再エネソリューションを提供する。
近年は系統用蓄電所分野にも事業領域を広げており、再エネ関連事業で培った知見を生かしながら蓄電池事業の拡大を進めている。
系統用蓄電所市場への参入が広がる
系統用蓄電所は送配電網に直接接続し、電力需給に応じて充放電を行う設備だ。再エネの導入拡大に伴い、出力変動への対応や需給バランスの調整を担うインフラとして重要性が高まっている。
同蓄電所を巡っては、再エネ導入量の増加を背景に事業開発が全国で活発化。需給調整市場や容量市場、卸電力市場など複数の収益機会が期待されることから、電力会社や再エネ事業者に加え、金融機関や異業種企業の参入が相次いでいる。
一方で、系統接続の混雑や設備価格の変動、収益予測の不確実性といった課題も残る。このため、開発事業者と投資家が連携するGK-TKスキームやファンドを活用した資金調達の重要性が高まっている。
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2026.06.27
系統用蓄電所への関心、70%超えで太陽光を逆転 個人投資家の参入拡大
グッドフェローズ(東京都品川区)は6月23日、同社が運営する発電所投資・売買仲介サイト「タイナビ発電所」の新規会員登録データを分析した調査結果を公表した。
5月時点で、系統用蓄電所への関心率が70.5%となり、調査開始以来初めて太陽光発電所(57.4%)を上回った。4月の制度変更を契機に、個人投資家の参入も拡大傾向にあるという。
2026年5月、初めて系統用蓄電所が関心率で太陽光発電所を逆転、70.5%に
同社はこれまで、継続的に太陽光発電所と系統用蓄電所に対する関心率を調査・比較している。
2026年1月時点のそれぞれの関心率は太陽光発電所が76.9%・系統用蓄電所が60.0%だったが、3月以降、その差は徐々に縮まり、5月には系統用蓄電所への関心が太陽光発電所を逆転した。
これまで再エネ投資市場の中心は太陽光発電所だったが、投資家の関心が系統用蓄電所へ移行し始めていることが伺える結果となった。
需給調整市場の制度変更後、関心者数が2.2倍に増加
2026年4月、50kW未満の低圧系統用蓄電所について、アグリゲーターを介する需給調整市場への参加が可能となった。そこで、同調査では、制度変更前後の変化を分析した。
その結果、系統用蓄電所に関心を示した会員数は、制度変更前の1~3月平均と比べて、4~5月は2.2倍に増加した。太陽光発電所への関心者数は増加したものの、増加率は1.37倍だった。
系統用蓄電所への個人投資家の参入が加速
アグリゲーションによって複数の小規模リソースを束ねて市場参加できる環境が整備されたことで、低圧蓄電所にも新たな収益機会が広がった。特に個人投資家の増加が目立つ。
投資家属性別分析では、制度変更後の4~5月における、系統用蓄電所に関心を示した投資家に占める個人の割合は、制度変更前の43%から制度変更後は51%へ上昇。関心者数は制度変更前平均の2.6倍に増加した。法人投資家も増加傾向がみられたが、個人の伸び率が上回った。
これまで系統用蓄電所投資は法人が中心だったが、制度変更を契機に個人投資家の参入が進みつつあることが伺える。
複数の電力市場を活用した収益機会に注目
系統用蓄電所への関心が高まる背景には、複数の電力市場で収益機会を得られる可能性があることが挙げられる。
蓄電池は、一般送配電事業者が調整力を調達する需給調整市場に加え、将来の供給力を取引する容量市場、日本卸電力取引所(JEPX)の卸電力市場などへの参入が可能だ。卸電力市場では、電力価格が安い時間帯に充電し、高い時間帯に放電することで価格差の収益化も期待できる。
近年は、これら複数の市場を組み合わせてマルチユース運用する取り組みが広がっており、系統用蓄電所の事業性向上につながっている。
今回の調査結果は、こうした市場環境の変化に加え、低圧系統用蓄電所の市場参加環境が整備されたことで、投資家の関心に変化が生じている可能性を示した。
同調査は、2026年1月1日から5月31日に実施し、一括見積もり比較サイト「タイナビ発電所」新規登録者データを基に、太陽光発電所と系統用蓄電所への関心をまとめたもの。
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2026.06.26
廃棄太陽光パネルの収集運搬、3件採択 効率的な回収体制のため政府で実証
環境省は6月19日、2026年度「製造業・資源循環産業の連携及び高度リサイクルを通じた高品質再生材供給実証事業」のうち、「太陽光パネルの再資源化施設の大規模集約化を見据えた効率的な収集運搬実証事業」の採択結果を公表した。
イー・アンド・イー ソリューションズ(東京都千代田区)、一般社団法人太陽光パネルリユース・リサイクル協会(SP2RA/同・中央区)、リサイクルテック・ジャパン(愛知県名古屋市)の3者を採択し、使用済み太陽光発電パネルの回収・輸送の効率化に向けた実証を進める。
同省は、再資源化施設の大規模集約化を見据えた効率的な収集運搬モデルの構築を目指しており、将来的な太陽光発電パネル大量排出への対応や再資源化コストの低減につなげる。
3者提案の異なる物流モデルを検証
同事業には6件の応募があり、申請書類による事前審査と有識者で構成する評価審査委員会による審査を経て3者を選定した。
今回採択された各者は、それぞれ異なるアプローチで使用済み太陽光発電パネルの収集運搬効率化を検証する。
SP2RAは物流ハブ活用モデルを実証
SP2RAは主に九州地方で、再資源化施設の大規模集約化を見据えた資源循環ネットワークを実証する。具体的には、物流施設を「ハブ拠点」として活用し、排出場所から再資源化施設への搬入を効率的に結び付けるモデルを構築する。各地で発生する使用済みパネルを中継拠点に集約することで、輸送効率の向上や運搬回数の削減を図る。排出場所からの収集運搬に加え、ハブ拠点での中継・分別・保管、再資源化施設での処理、素材メーカーでの利用までを対象とし、コストや環境影響を比較検証する予定だ。
同協会は、発電事業者が主体的に適正処理やリサイクルを選択できる環境づくりを目指す。実証は会員企業をはじめとする共同実施者と連携して進める。実証は2026年度から2027年度にかけて行われる。
回収コスト20%削減などを目標に
SP2RAは実証の目標として、収集運搬コスト20%以上削減、運搬回数・運搬距離20%以上削減、CO2排出量30%以上削減、再資源化施設の稼働率10%以上向上を掲げている。
これらの目標は、物流効率化によるコスト削減だけでなく、再資源化施設の安定稼働や資源循環システム全体の高度化を視野に入れたものだ。
太陽光発電パネルのリサイクルでは、再資源化技術の開発が進む一方で、使用済みパネルを効率的に集めて処理施設へ運ぶ仕組みづくりが課題となる。特に広域からパネルを回収する場合は、輸送コストやCO2排出量の増加が課題となるため、物流効率化は事業性を左右する重要な要素とされる。
同実証は、再資源化施設の稼働率向上と物流コスト削減を通じて、再資源化事業の事業性向上を図る取り組みと位置付けられる。
発電事業者のリサイクル促進にも期待
また、SP2RAは、太陽光発電設備のリサイクルを巡る法整備が進む中で、発電事業者が主体的に適正処理やリサイクルを選択できる環境整備が重要になると指摘する。
太陽光発電設備は全国に広く設置されている一方、再資源化施設は限られている。このため、発電事業者がリサイクルを実施しようとしても、回収や輸送に係るコストが障壁となるケースも想定される。
物流ハブを活用した回収モデルや輸送効率化の仕組みが確立されれば、発電事業者が再資源化を選択しやすくなり、資源循環の促進にもつながるとしている。
2社はそれぞれ福島と愛知で独自の物流モデルを検証
イー・アンド・イー ソリューションズは福島県内で中間集積モデルの事業性を評価。再資源化施設が存在しない地域を対象に、入荷、選別、保管、出荷を試行し、効率的な収集運搬の成立条件を整理する。また、県内外への展開を見据えた手引きの作成も行う。
リサイクルテック・ジャパンは愛知県内で、既存物流網への組み込みによる効率化を検証する。商品配送後に空車で戻る車両を活用し、帰路で使用済み太陽光発電パネルを回収するモデルを検討。効率性やCO2排出量の観点から従来方式と比較する。なお、同実証は、申請者が属する産官学のプロジェクトチームである「あいちサーキュラーエコノミー太陽光パネル循環利用プロジェクトチーム」と共同で進められる。
大量排出時代を見据えた基盤整備
太陽光発電パネルを巡っては、今後使用済みパネルの排出量増加が見込まれる。こうした状況を踏まえ、国は再資源化制度の整備を進めており、回収から再資源化までを支えるインフラ構築が課題となっている。
これまで再資源化分野では、ガラスや金属などの回収技術に注目が集まってきた。しかし制度の実効性を高めるためには、排出現場と再資源化施設を結ぶ物流ネットワークの整備も欠かせない。
今回の実証は、再資源化施設の大規模集約化や安定稼働を支える物流基盤の構築に向けた取り組みであり、実証で得られる知見は、今後の回収ネットワークや資源循環システムの構築に活用される見通しだ。
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2026.06.25
日本精工、太陽光発電所を活用したバーチャルPPA CO2年2.7万t削減
日本精工(NSK/東京都品川区)とENEOSリニューアブル・エナジー(ERE/同・港区)は6月18日、九州エリアの大型蓄電池併設型太陽光発電所を活用したバーチャルPPAを締結したと発表した。この取り組みにより、NSKはCO2排出を年間約2万7000t削減できる見込みだ。
NSK、九州の再エネ設備による「環境価値」を15年間にわたり調達へ
需要家であるNSKは、バーチャルPPAの仕組みを活用し、発電事業者のEREからダイレクトに非FIT非化石証書(環境価値)を購入する。
EREは鹿児島県さつま市において所有する太陽光発電所「JREさつま太陽光発電所」(設備容量約5万4000kW)に蓄電池(約13万kWh)を設置し、発電した電力量に相当する約6500万kWh/年の環境価値を約15年間NSKに提供する。蓄電池を活用することで、抑制リスクを回避し、安定的な環境価値の提供を可能にする。
なお同発電所は、2023年1月に運転を開始した。
技術革新、省エネ・燃料転換、再エネ導入の3本柱でGHG削減へ
NSKは、2035年度までのスコープ1・2のカーボンニュートラル達成を目指している。同社は2021年6⽉、社長直轄の「カーボンニュートラル推進部」を設⽴。世界初バイオマスプラスチック製耐熱樹脂保持器の開発などの技術革新、省エネ・燃料転換、再エネ導入というの3つの柱を軸に据え、事業活動におけるGHG排出量削減に取り組む。さらにはサプライヤーを含むバリューチェーン全体での排出量スコープ3の削減を図っている。
再エネの利活用については、同社はこれまで中国やヨーロッパの工場などにおいて敷地内でのオンサイト太陽光発電を行うほか、2022年4月からは一部の国内工場で使用する電力を、再エネ由来のグリーン電力に転換し、脱炭素化を推進してきた。
今回、同社はEREと協業しバーチャルPPAのスキームで再エネ由来の環境価値を長期的かつ安定的に調達する考え。
追加性のある再エネを調達するためバーチャルPPAを活用する他社の事例
セコム(東京都渋谷区)は6月3日、東芝(神奈川県川崎市)と、再エネの環境価値を取引するバーチャルPPAを締結したと発表した。10月に運転開始予定の屋根置き太陽光発電による環境価値を活用する。セコムグループは2045年までに事業活動で使用する電力を再エネ由来に100%転換する目標を掲げており、今回の取り組みをその達成に向けた調達の一環と位置付ける。
太平洋工業(岐阜県大垣市)は5月6日、岐阜県神戸町の「ごうどバイオマス発電所」由来の環境価値を活用した、中部電力ミライズのオフサイト型バーチャルPPAサービスを導入したことを明らかにした。4月から岐阜県内の工場で利用を開始している。
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2026.06.24
水素・ペロブスカイト等で国際競争へ先手 公共調達JIS活用、認証機関強化
日本産業標準調査会(JISC)は6月18日、第41回総会を開催し同会の活動状況、日本型標準加速化モデルの進捗、公共調達におけるJIS規格活用、国内認証機関の強化などについて報告した。
環境対策に関連する分野では、各種新技術の標準化戦略、公共調達におけるJIS規格の活用、GX-ETSやサステナビリティ情報開示を背景とした国内認証機関の強化などが取り上げられた。
水素・アンモニア、ペロブスカイトなど 日本が国際競争力の強化を狙う「標準化」は5分野で進行中
特定分野において進められている戦略的標準化については、パイロット5分野として、量子、水素・アンモニア、バイオものづくり、データ連携基盤、ペロブスカイト太陽電池が示されている。
これまで、量子、水素・アンモニア、バイオものづくり、データ連携基盤については分野全体の標準化戦略を策定。
ペロブスカイト太陽電池については、そこから一歩進み規格開発・活用に向けた取り組みが進められている。これまでに、性能評価に関する新業務項目提案(NP)がIECで承認されたことをうけ、産総研を中心に検討会が立ち上げられ、2026年度中の技術仕様書(IEC/TS)の発行に向けて作業が進められている。また、耐久性・信頼性評価についても業界団体の検討会にて議論され、2026年3月25日には今後の規格策定を見据えた業界ガイドラインが日本電機工業会(JEMA)から公表された。
水素・アンモニア分野では、欧州等の戦略、技術成熟度、各国の標準化動向、日本の技術競争力に関する情報などを踏まえ、日本で対応を進めるべき標準化項目が特定されている。資料では、水素では水電解装置関連技術等、アンモニアでは大型ボイラ等が例示されている。
AI・ロボット、マテリアル分野にも横展開
資料では、パイロット5分野から得られた取り組みの「型」を他の戦略分野にも展開し、新たにAI・ロボット、マテリアル分野に関する標準戦略の策定を進める方針も示された。
AI・ロボット分野では、AIロボティクスの社会実装において、技術導入と制度・規格・安全性確保の設計が不可分と整理。プライバシー、セーフティ、セキュリティの確保や、ロボットと人との協働を両立する観点から、必要な技術要件・基準の検証・整備、安全性認証制度や安全規制の在り方を検討するとしている。
マテリアル分野では、複合新素材の開発の社会実装・環境整備を例に、データの取扱いに係る基本的なルールの整備や、開発された複合新素材の品質を客観的に立証するために必要な国際標準化等を検討するとした。
「標準戦略対応審査」にも言及 標準化の進捗に合わせる特許審査制度
総会では、特許庁が同日発表した「標準戦略対応審査」についても言及があった。標準化の進捗と特許審査のタイミングがずれる課題に対応する制度として紹介された。
先端技術の市場化に向けて、研究開発段階から知財・標準化の取り組みを進める必要がある一方、標準化と特許審査のプロセスは独立しており、これまでは企業等がそのタイミングを調整することは困難だった。このため、標準開発の進捗に合わせた柔軟な特許審査を可能とし、標準策定の迅速化を図る方針だ。
「JIS規格の公共調達引用ガイダンス」策定 公共調達仕様書でのJIS引用方法を整理
公共調達におけるJIS規格活用については、2026年4月に策定された「JIS規格の公共調達引用ガイダンス(Ver.1.0)」を踏まえた取り組みが報告された。同ガイダンスは、各府省庁の公共調達担当者が、物品・サービスなどの発注仕様書を作成する際に、JIS規格をどのように引用し、調達要件として位置付けるかを整理した実務資料。
会議資料では、公共調達で求める品質、安全性、性能、試験方法などの目的に対し、JIS規格が活用できる場合があると説明している。ガイダンスでは、JIS規格の種類や効能、調達仕様書における引用方法、既存の公共調達引用事例などを示し、調達時に達成したい目的とJIS規格との対応関係を整理した。
第18回基本政策部会の委員意見としては、「JIS規格の公共調達引用ガイダンスができたことは標準・基準認証政策上、画期的」との意見が紹介された。
委員からは、公共調達における標準化戦略の例として、グリーンスチールに関する発言もあった。鉄鋼業界がグリーンスチールに力を入れていることに触れ、価格が高くてもCO2が少ない材料を公共事業の公共調達で調達していくことは、標準化戦略の「型」の一つになり得るとの指摘があった。
GX-ETSやサステナ開示を背景に、国内認証機関の強化が進行中
国内認証機関の強化については、「日本型標準加速化モデル2025」の中で、特定分野における国主導の戦略的標準化と並ぶ新たな取り組みとして位置付けられている。
会議資料では、欧州の電池規則などで認証の対象が最終製品からサプライチェーン全体に拡大していることや、認証機関が取り扱う情報の機微性が高まっていることを背景として示した。国外規制対応で国外認証機関に依存した場合、日本企業の機微データが国外流出する恐れがあるとも説明している。
会議では、国内認証機関強化に関係する領域として、GX-ETS、サステナビリティ情報開示、EU電池規則、大型パワーコンディショナ、SAF燃料認証などが挙げられた。経産省では、2025年度に「認証産業活用の在り方検討会」を3回開催しており、認証機関、認定機関、産業界からの報告を踏まえて、第二次中間整理を公表したところだ。
製品CFP、野立ての太陽光発電システム、防災関連などのJIS制定・改正も報告
また、同会では2025年度のJIS制定・改正の実績として、標準第一部会では、電気・電子・情報分野以外のJISについて、42件の制定、214件の改正、54件の廃止、1,503件の確認を審議・議決した。標準第二部会では、電気・電子・情報分野のJISについて、16件の制定、31件の改正、7件の廃止を審議・議決した。
環境・防災・エネルギー関連の主な制定・改正例としては、以下が示された。
規格番号 規格名 制定・改正 公示日 JIS Q 14067 温室効果ガス-製品のカーボンフットプリント-定量化のための要求事項及び指針 制定 令和8年3月23日 JIS C 61215-1 地上設置の太陽電池(PV)モジュール-設計適格性確認及び型式認証-第1部:試験要求事項 改正 令和7年8月20日 JIS C 62623 パーソナルコンピュータの消費電力測定方法 改正 令和7年11月20日 JIS A 6932 屋根用応急シート-ポリエチレンクロス・ラミネートシート 制定 令和8年2月20日 JIS Z 9098 災害種別避難誘導標識システム 改正 令和8年3月23日 太陽電池モジュールに関するJIS C 61215-1の改正では、対応する国際規格との乖離を解消し、フレキシブルPVモジュールや両面受光PVモジュールの評価の扱いなどを追加した。資料では、太陽電池モジュールの性能値をより信頼性の高いものにすることが可能になるとしている。
屋根用応急シートに関するJIS A 6932は、災害時の応急処置を目的とするブルーシートの品質や基本的な製品仕様等を規定したもの。資料では、自治体や施工業者等が適切に製品を選択できる環境が整備され、信頼性の高いブルーシート市場が形成されることで、災害対策の強化等の推進に資することが期待されるとしている。
JIS制定・改正手続のスピードアップに向けた取り組みも進む
総会では、日本産業標準調査会運営規程の改正についても審議した。経産省は、日本型標準加速化モデル2025を踏まえ、JISの制定・改正手続を迅速化するため、認定産業標準作成機関制度の活用拡大を進めている。
認定産業標準作成機関制度は、主務大臣の認定を受けた機関が作成したJIS案について、JISCの審議を経ずに制定等を行う仕組み。資料では、令和7年度末時点でJIS総数11,011件のうち3,866件、35.1%を認定産業標準作成機関が担当しており、今後5年間で7割程度に拡大することを目指すとした。
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2026.06.23
軽量・着脱式の太陽光パネルを低耐荷重屋根に 京セラ、東京都実証事業で開発
京セラ(京都府京都市)は6月17日、軽量かつ着脱可能な太陽光発電システムの開発を進める方針を明らかにした。この取り組みは、東京都と東京都環境公社が実施する支援事業の採択を受けで実施するもの。工場や倉庫などの低耐荷重屋根への導入を想定しており、実証を通じて実用化に向けた課題の抽出と解決を図る方針だ。
東京都を起点に全国の低耐荷重屋根に導入へ
同社は、次世代型太陽電池との連携も視野に、荷重余力が小さく、従来型の太陽光発電システムを設置できない建物にも対応する国産軽量太陽光発電システムを開発し、これまで設置が困難だった場所の発電利用を目指す。
東京都内での実証を通じて、さらなる軽量化と信頼性向上に向けた技術開発を加速。東京都を起点に、全国の低耐荷重屋根への早期導入を図る方針。さらに、リユース・リサイクル対象の選別に役立つ寿命予測技術を組み合わせ、脱炭素・循環型社会の実現に資する技術・製品の提供も目指す。
この取り組みは、東京都と東京都環境公社が実施する「新エネルギー推進に係る技術開発支援事業」に採択され実施する。同事業は、2050年の「ゼロエミッション東京」の実現に向け、脱炭素化の推進や安定的かつ経済合理性のあるエネルギーシステムの確立を目的としたもの。都内の大企業と中小企業が組織する企業グループを対象としている。
京セラが採択された事業は「次世代型太陽電池との連携も視野に見据えた国産軽量太陽光発電システムの社会実装と、寿命予測技術活用による太陽光発電パネルのリユース・リサイクルの推進」。協和ホールディングス(東京都渋谷区)を構成企業に、2026年4月から2029年3月まで実施。都内での実証は、2027年頃に実施する予定。
低耐荷重屋根への設置に最適な太陽光発電システム
再エネの導入拡大が求められる一方で、太陽光発電の設置可能な適地は年々減少している。また、近年は、建物の屋根上など既存インフラを活用したオンサイトでの導入が注目されているが、特に、スレート屋根など、工場や倉庫の屋根の多くは軽量構造であり、既存の太陽光パネルを設置できないことが、再エネ導入拡大の制約となっている。
京セラは、実績のあるシリコン系太陽電池を用いながら、ガラスを使用しない構造や、施工技術を含むシステム全体の軽量化により、高い発電効率と信頼性を両立する新たな軽量太陽光発電システムの開発を進めてきた。
2022年からはデンソー(愛知県刈谷市)と共同で、軽量太陽光発電システムの実証実験も実施。デンソーが国内に保有する工場の屋根は約150万m2にのぼるが、従来の太陽光発電システムの荷重に耐える基準を満たしていない。そこで、既存の工場屋根にも設置できるよう、太陽光発電パネルを小型化し、荷重制限の厳しい工場屋根に最適な形で荷重を分散する構造とした軽量太陽光発電システムを設計した。また、主流の接着工法ではなく、金具による固定方式にしてパネル本体の交換を容易にし、メンテナンス効率を向上させた。
現在、デンソーとの実証を通じて、実際のスレート屋根における発電性能や設置方法に関する検証データを取得し、京セラが重視する製品コンセプトの実現性を裏付けるとともに、量産化に向けた技術の高度化と最適化を進めている。また、低耐荷重屋根への設置にあたっては、構造解析や顧客との協議を踏まえた設計・導入プロセスの確立にも取り組んでいる。
さらに、京セラは、軽量太陽光パネルの廃棄量抑制、リユース・リサイクル推進を目的に、太陽光パネルの長期信頼性設計・寿命予測技術「SoRelia」を開発している。軽量太陽光パネルの開発においても、同技術を活用する方針だ。
東京都、最大5年・最大30億円を助成
東京都の「新エネルギー推進に係る技術開発支援事業」は、都内の大企業と中小企業で構成する企業グループを対象に、新エネルギーや関連するシステム・製品・サービスの調査研究、技術開発、実証、実装などを支援する。助成期間は最大5年、助成率は3分の2以内で、1グループ当たり最大30億円を助成する。2025年6月18日から10月1日まで募集し、2026年3月31日に2025年度採択企業を公表していた。
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