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2026.07.12
東急不動産ら、福岡県・飯塚で20MW級系統用蓄電所着工 九州で事業拡大
東急不動産(東京都渋谷区)は7月3日、IBeeT(アイビート/同・千代田区)、豪州企業のAkaysha Energy Japan(同)とともに、福岡県飯塚市で系統用蓄電池設備の建設工事に着手したと発表した。
事業は、東急不動産・IBeeT・Akaysha Energy Japanの3社が共同出資して設立した「飯塚勢田蓄電所合同会社」(東京都中央区)を通じて推進。定格出力20MW、定格容量82MWhの系統用蓄電所を整備する。
今回着工した蓄電所は、九州電力送配電管内に整備される系統用蓄電池設備で、運転開始は2027年度以降となる見込み。蓄電池システムにはリチウムイオン蓄電池を採用する。
東急不動産、系統用蓄電池事業を全国で拡大
東急不動産は系統用蓄電池事業を積極的に拡大している。
4月には、リエネ(東京都渋谷区)やIBeeT、芙蓉総合リース(同)、前田建設工業(同)、三井住友信託銀行(同)、野村不動産(同・港区)、日鉄興和不動産(同)、三井住友トラスト・パナソニックファイナンス(同)の計8社で、合同会社「リブラ」を設立。総事業費約300億円を投じ、全国6カ所で合計約174MWの特別高圧系統用蓄電所を開発する計画を進めている。今回の飯塚勢田蓄電所開発も、同社の蓄電池事業拡大の一環として位置付けられる。
東急不動産は、自社ブランド「ReENE(リエネ)」の下で再エネ事業を展開する。国内では太陽光、風力、バイオマスなどを合わせて約2.1GW(2025年12月末時点)の発電事業を推進しており、2023年からは系統用蓄電池事業にも本格参入。2025年1月には埼玉県の「リエネ東松山蓄電所」(出力2MW)の運転を開始し、現在は全国で340MW規模の開発を進めている。
九州で高まる蓄電池需要に対応
九州エリアでは太陽光発電の導入が全国でも先行して進んでおり、晴天時には再エネの出力抑制が発生するケースもある。一方、系統用蓄電池は昼間の余剰電力を蓄え、需要が高まる時間帯に放電することで再エネの有効利用を促進できるほか、周波数調整など電力系統の安定運用にも貢献することから、導入が加速している。
東急不動産は、系統用蓄電池について、電力の使用時間帯を調整するピークシフトや再エネの出力抑制対策に加え、卸売市場、容量市場、需給調整市場を通じて需給バランスを調整する設備と位置付けている。
3社の強みを生かし事業を推進
IBeeTは、伊藤忠商事(東京都港区)と東京センチュリー(同・千代田区)の出資により設立された分散型電源事業会社で、太陽光発電や蓄電池の販売・リース、PPA事業などを展開する。系統用蓄電池では、西鉄自然電力合同会社が九州で進める蓄電所向け蓄電池リースや、東急不動産グループとの御徳蓄電所への出資実績を持ち、飯塚勢田蓄電所は同社にとって2件目の出資案件となる。
Akaysha Energy Japanの親会社であるAkaysha Energyは、豪州を拠点に蓄電池エネルギー貯蔵システム(BESS)の開発・保有・運営を手掛ける独立系発電事業者(IPP)。日本・米国・ドイツでも事業を展開しており、蓄電池の市場運用やトレーディングを含むBESS運営のノウハウを強みとしている。
系統用蓄電池事業を全国で拡大
東急不動産グループは今後も、系統用蓄電池への投資を積極的に進める方針だ。
4月に公表したコンソーシアムでは、福島県・福岡県・三重県・北海道・宮城県・青森県の計6案件を対象に開発を進めており、2027年度以降に順次運転を開始する予定としている。プロジェクトマネジメントは東急不動産、アセットマネジメントはリエネ、O&M(運営・保守)はリエネ・エナジー(東京都港区)と伊藤忠商事が担う体制を構築する。
系統用蓄電池への参入が相次ぐ中、東急不動産グループは再エネ開発で培ったノウハウを生かし、開発から運営まで一貫した体制を強みに事業拡大を進めていく。
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2026.07.11
東京ガス、風力発電から再エネ電気を年1億kWh調達 PPAで25年間
東京ガス(東京都港区)は7月2日、レノバ(同・中央区)が熊本県で建設を進める苓北・天草陸上風力発電事業に係る電力購入契約(PPA)を締結したと発表した。
この契約に基づき、東京ガスは、同発電所で発電される電力と環境価値を25年間にわたり購入し、電力小売事業を通じて供給する。レノバは、現在建設中の発電所の発電全量について、長期のPPAを締結することにより、事業の収益性を向上させ、事業価値の最大化を図る。
再エネ電源のポートフォリオを多様化
今回、東京ガスは、レノバが出資する苓北風力合同会社(熊本県苓北町)と、苓北・天草風力発電所(同および天草市)に関するPPAを締結した。この発電所の設備容量は54.6MW、想定年間発電量は1億900万kWh。2027年度の売電開始を予定している。
風力発電は太陽光発電では発電が難しい夜間においても発電が見込まれることから、電力の需要と供給を時間ごとに一致させる同時同量の観点において、需給の一致を高める有効な電源とされている。東京ガスは、この契約を通じて再エネ電源のポートフォリオ多様化を進めるとともに、需要家の脱炭素化ニーズに対応していく。
今回の契約は、東京ガスとレノバが2024年4月に締結した資本業務提携契約に基づく、具体的な取り組みの1つとなる。今後もレノバが開発中の複数の国内陸上風力事業について、東京ガスとの出資参画と共同開発の検討を進めるとともに、再エネ分野での協業をさらに拡大させていく。
協業により再エネの導入拡大を推進
東京ガスとレノバが2024年4月に締結した資本業務提携契約は、陸上風力発電事業の共同開発や電力の調達・販売、バイオマス事業、国内系統用蓄電池事業などでの協業拡大を目的としている。また、東京ガスはレノバが実施する第三者割当増資による約178億円の新株式発行を引き受けている。
両社は、東京ガスが持つ豊富な顧客網に裏付けされた電力オフテイク力や需給調整力と、レノバが持つ地元合意形成能力、エンジニアリング力、プロジェクトファイナンスの組成力などの事業開発力を組み合わせ、再エネの導入拡大を推進していく。
東京ガスは2025年3月、系統用蓄電池の最適運用サービスを開始し、その第1弾として、レノバの蓄電所2施設の需給運用業務受託している。また、東京ガスは2025年7月、レノバが出資し、2027年度に商業運転を開始する蓄電所2件に関し、20年間のオフテイク契約を締結したことを発表している。
同社グループ経営ビジョン「Compass2030」では、「価値共創のエコシステム構築」と「CO2ネット・ゼロへの挑戦」を掲げており、2030年における国内外での再エネ電源取扱量600万kWの実現に向け、太陽光、風力、バイオマスなどの再エネ電源開発・調達を進めている。
レノバは、再エネの電源開発に加えて、需要家への安定的かつ長期的な電力供給に向けた取り組みを推進している。昨今のAI普及に伴うデータセンターや半導体工場の新増設を背景に、将来的な電力需要の増大が見込まれる中、CO2を排出しない電源として、また、昨今の地政学リスクの顕在化や資源価格の変動を背景に、純国産エネルギーとして、再エネの導入拡大が求められている。
こうした状況を踏まえ同社は、再エネの主力電源化を支える調整機能を担い、電力系統の安定化に寄与する蓄電事業を成長の柱のひとつに据えている。中期経営計画に掲げる「2030年までに蓄電事業の設備容量0.9GW」という目標の達成に向けた取り組みを進めている。なお、4月に運転を開始した「安来蓄電所」では、電力取引市場での運用機能を初めて自社で内製化している。
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2026.07.10
建材一体型太陽光発電設備に最大8000万円補助 環境省、2次公募を開始
環境省は7月2日、窓、壁などの建材と一体型の太陽光発電設備の導入を支援する補助金について公募を開始した。公募期間は7月24日12時(必着)まで。
「窓と一体となった太陽光発電設備」には最大で5000万円、「壁などと一体となった太陽光発電設備」には最大で3000万円、2つの設備を合わせて導入する場合は、最大で8000万円を補助する。補助事業期間は単年度。
「窓一体型」・「壁などと一体型」の2つの区分を設定
この事業は、住宅・建築物の再エネポテンシャルを最大限引き出し、太陽光発電設備の導入を促進することを目的としている。
補助の対象は、建材としての機能を有する太陽光発電設備(建材一体型太陽光発電設備)の導入で、「窓一体型」「壁などと一体型」の2つの区分を設けている。
「窓と一体となった太陽光発電設備」は、断熱性能を表す熱貫流率と透過率(開口率)の要件を満たし、建築物の窓に設置するものを対象とする。「壁などと一体となった太陽光発電設備」は、これに該当しないものを対象とする。2つの区分とも屋内(窓ガラスの内側またはその一部)に設置する後付け太陽光発電設備を含む。
「窓と一体となった太陽光発電設備」の補助率は3/5で、上限額は5000万円。「壁などと一体となった太陽光発電設備」の補助率は1/2で、上限額は3000万円。2つの区分の設備を合わせて導入する場合、それぞれの区分の補助率と上限額を適用し、その合計額を交付額とする。2つの区分で共用する設備を導入する場合、その設備は「壁などと一体となった太陽光発電設備」として取り扱う。
また、IP通信機能を有する太陽光発電設備、蓄電池システム、EMSなどには、IPAの「JC-STAR」で★1以上の適合ラベルを取得した製品の使用を原則求める。2次公募以降は必須要件となり、未取得製品は使用できない。
対象事業の概要
補助対象者は民間事業者・団体など。補助の対象となる事業の要件や設備などは以下の通り。
補助対象設備の区分
1.窓と一体となった太陽光発電設備(屋内設置する後付け太陽光発電設備を含む):建材としての機能を有する太陽光発電設備のうち、断熱性能を表す熱貫流率が、Ug値の場合は1.9W/m2K以下、Uw値の場合は3.5W/m2K以下のいずれかであり、かつ、透過率(開口率)が50%以上であるもの。ただし、建築物の窓に設置するものに限る
2.壁などと一体となった太陽光発電設備(屋内設置する後付け太陽光発電設備を含む):建材としての機能を有する太陽光発電設備のうち、1. に該当しないもの
対象事業の要件
・建築物の窓、壁などを活用した太陽光発電設備の導入を行う事業であること
・屋外に設置または屋内に設置する後付けする建材一体型太陽光発電設備は、「建築基準法施行令」などに定めるところにより、地震その他の振動・衝撃などに対して、耐え得る構造であること
・導入する建材一体型太陽光発電設備の発電容量の合計が3kW以上であること。
・発電した電気の供給先が同一敷地内の施設であること。また、その施設から電力系統に逆潮流しないこと
・停電時に電力供給可能なシステム構成であること
・この事業によって得られる環境価値のうち、需要家に供給を行った電力量に紐付く環境価値を需要家に帰属させるものであること
補助対象設備
・普及の初期段階にある再エネに関する新技術や製品のうち、窓ガラスや壁材などと一体となった太陽電池モジュール
・基礎(太陽電池モジュールを建物に固定するための器具、材料など)
・接続箱
・パワーコンディショナ
・配線
・エネルギーマネージメントシステム(EMS)
・その他協会が必要と認める設備
※補助対象設備の設置に係る工事費も補助対象とする。
IoT製品のセキュリティ対策について
IP通信機能を有する機器のうち、情報処理推進機構(IPA)による「セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度」(JCーSTAR)の取得対象となる機器については、JCSTAR適合ラベル取得製品(★1以上)を原則として使用すること。
複数の団体による共同事業について
補助事業を2者以上の事業者が共同で実施する場合は共同で申請するものとし、その代表者(代表事業者)を補助金の交付の対象者とし、他の事業者を「共同事業者」とする。シェアード・セイビング方式のESCO契約またはPPA契約(電力販売契約)などにより設備導入を行う場合は、ESCO事業者あるいはPPA事業者を代表事業者とし、ESCOサービス、電力供給サービスを受ける事業者(電力需要家)を共同事業者とする。なお、ファイナンスリース方式により設備導入を行う場合は、リース事業者を代表事業者とし、リースを受ける事業者(PPA事業者、電力需要家など)を共同事業者とする。
対象となる事例としてAGCとカネカの製品を掲載
同事業の名称は、2025年度補正予算・2026年度予算「民間企業などによる再エネの導入および地域共生加速化事業」の「設置場所の特性に応じた再エネ導入・価格低減促進事業」のうち「窓、壁などと一体となった太陽光発電設備の導入促進事業」。
民間企業などが有する工場・施設・営農地などに対して再エネ設備の導入加速と柔軟な需給調整の実現を支援する事業のひとつ。これにより民間企業や地域の脱炭素化を着実に進めるとともに、分散型電力システムを構築して地域共生型エネルギー社会の加速化を目指している。
環境省は公募にあたり、同事業の対象事例として、AGC(東京都千代田区)とカネカ(同・港区)の建材一体型太陽光発電設備を紹介している。
2024年度では2カ年事業として実施
本事業は、2023年度(補正予算)・2024年度二酸化炭素排出抑制対策事業費など補助金(民間企業などによる再エネ主力化・レジリエンス強化促進事業)において実施された「窓、壁などと一体となった太陽光発電の導入加速化支援事業」として実施されていた建材一体型太陽光発電支援に相当する。
なお、同事業では補助事業期間を2年度以内としていたが、補助率や補助上限額は据え置かれた。
補助対象者は民間企業・団体など。オンサイトPPAモデルやリースにより設備導入を行う場合には、太陽光発電設備は同一の者が一体的に導入すること。太陽光発電モジュールとその他の部分(窓ガラスなど)を別々の事業者がそれぞれ導入することは認められないとしていた。
同事業の詳細は執行団体である一般社団法人環境技術普及促進協会(ETA/大阪府大阪市)のウェブサイトで確認できる。
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2026.07.09
埼玉の中小建設会社、豪州蓄電所とEPC契約 海外再エネ本格参入へ
上里建設(埼玉県本庄市)は7月1日、豪州企業のGreen Gold Energyから、同国南オーストラリア州アデレードにおける系統用蓄電所(出力5MW/容量10MWh)の建設工事をEPCで受注し、契約を締結したと発表した。
国内の中小建設会社が、海外における再エネEPC事業に単独で参入する事例となる。
地方建設会社が国内で培った蓄電池EPCの知見を武器に、海外市場へ展開
上里建設は、住宅の企画・設計・施工を手がけるハウスメーカー事業を基盤に、建築・土木工事の設計・施工・管理や、太陽光発電所の保有、EPC施工・管理なども展開してきた。近年は系統用蓄電池事業にも領域を広げている。
今回受注した案件は、国内で培った建設・再エネ分野の知見を海外市場へ展開する。
同社は、国内の中小建設会社が海外で再エネのEPC事業を単独で手がけることは極めて稀な事例だと分析している。海外案件では通常、大手ゼネコンや総合商社が介在することが多く、中小企業が海外パートナーと直接契約し、設計・調達・施工を一貫して担うケースは少ない。
同社は、国内での太陽光発電所EPCや系統用蓄電池事業で培った知見と、海外パートナーとの信頼関係を基盤に、海外再エネ市場への参入を進める。
オーストラリアの再エネ普及と電力系統の安定化に資するインフラを整備
受注した蓄電所には、パワーコンディショナー(PCS)に中国・NR Electric製、蓄電池システム(BESS)には中国・Sunwoda Energy製を採用する。
再生可能エネルギーの導入が拡大するオーストラリアでは、出力変動への対応や電力系統の安定化が課題となっている。今回の案件では、こうした課題への対応を目的に、再生可能エネルギーの有効活用を支えるインフラを整備する。
海外再エネ市場への参入機会、中小企業にも
同社代表取締役の戸矢 大輔氏は、海外展開に可能性を感じながらも一歩を踏み出せずにいる中小企業に向け、「『規模が小さいから海外は無理』という常識は、すでに過去のものになりつつある。日本で実績を重ねた技術と信頼は、必ず海外でも通用する」とコメント。今回の海外進出が、同じく海外市場への挑戦を目指す中小企業の後押しになればとの考えを示した。
また同社は、世界の再生可能エネルギー市場では、特に東南アジア、オセアニア、アフリカで蓄電池や太陽光、風力発電設備の需要が急速に拡大しており、大手企業だけでは供給が追いつかない状況が続いていると指摘する。そのため、日本の中小企業が持つ現場力や品質管理、誠実な施工といった強みへの期待は高まっており、国内で再エネや建設分野の実績を持つ中小企業にとって、海外市場への参入機会が広がっているとみている。
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2026.07.08
ソーラーカーポートでPPA、電気代1千万円削減+再エネ調達 大型ホムセン
ホームセンターを展開するジョイフル本田(茨城県土浦市)は、宇都宮店(栃木県上三川町)に大規模ソーラーカーポートを設置し、7月1日より運転を開始した。
コーポレートPPAを活用することで、長期にわたり安定した電力単価で再エネの利用が可能となり、年間約1000万円規模の電力コスト削減効果を見込む。CO2排出抑制効果は年間約486tとなると試算している。
発電容量は1.1MW、電力自給率は17.3%に
今回、宇都宮店に導入したソーラーカーポートは、346台分の駐車スペースを対象とし、発電容量は1,126.4kW、年間の想定発電量は約120万kWhで、ホームセンター業界でも最大級規模の設備となる。この導入により電力自給率を17.3%まで高める。
ジョイフル本田は、中長期的なGX計画策定とグリーンエネルギー導入によるCO2排出量削減施策の一環として、店舗へのソーラーカーポートの導入を進めている。宇都宮店は、2025年7月に稼働した千葉ニュータウン店(千葉県印西市)に続く2店舗目の導入事例となる。
千葉ニュータウン店と同じく、しろくま電力(東京都港区)が第三者所有モデル(PPA)により設置した。しろくま電力が出資する合同会社NaF(同)が発電設備を所有し、しろくま電力が設計施工、運用管理、電力供給を担う。
駐車場スペースを有効活用しながら再エネを創出するソーラーカーポートは、エネルギーの安定確保と持続可能な店舗運営に寄与する。また、ソーラーカーポートは、屋根上の太陽光発電設備だけでは店舗の電力使用量には不十分という課題に対応する解決策となる。
ジョイフル本田は、エネルギー創出と利用者の利便性、環境配慮を両立する新たな店舗モデルとして、他店舗へのカーポート設置を検討している。
自家消費型太陽光発電は11店舗に設置
ジョイフル本田は、企業活動に伴う環境負荷の低減を重要な経営課題と位置づけている。温室効果ガス排出量については、2013年6月期比で2030年までにスコープ1・2を70%削減し、2040年のカーボンニュートラル達成を目標としている。その達成に向けて、省エネルギーと創エネルギーの両面から環境負荷の少ない店舗づくりを推進している。2025年度のCO2排出量43%削減目標(2013年度比)については、1年前倒しで達成(57.6%削減)している。
創エネルギーについては、2026年6月現在、11店舗への自家消費型太陽光発電設備の設置が完了している。この取り組みでは、アイ・グリッド・ソリューションズ(東京都千代田区)がPPAモデルにより太陽光発電を導入している。アイ・グリッド・ソリューションズは、PPAモデルを活用し、自社内で再エネ電気だけでなく、環境価値の循環を実現する「循環型電力」サービスを展開している。その事例としてジョイフル本田を紹介している。
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2026.07.07
まねきねこ41店舗に再エネ、ガレージ屋根太陽光発電の地域分散型PPA活用
「カラオケまねきねこ」を運営するコシダカ(東京都渋谷区)は7月1日、カクイチ(長野県長野市)、UPDATER(東京都世田谷区)と共同で、既存のガレージやコンテナの屋根に設置した低圧太陽光発電所の電力を活用する「地域分散型・地産地消コーポレートPPA」を開始したと発表した。
8月以降に「カラオケまねきねこ」41店舗へ、各地域で発電した再エネを順次供給する。カラオケ業界で地域分散型・地産地消コーポレートPPAを採用するのは初めてという。
メガソーラーに頼らない地域分散型PPA
今回の取り組みでは、カクイチが全国で展開するガレージやコンテナの屋根を活用した低圧太陽光発電所を電源として利用する。出力4.95~9.90kWの発電所61カ所を束ね、東北・北陸・関西・中国・四国の5エリアの「カラオケまねきねこ」店舗へ電力を供給する。
このモデルは、多くのRE100参加企業が採用する、メガソーラーなど大規模太陽光発電所から長期契約で電力を調達するオフサイトコーポレートPPAとは異なる。既存のガレージやコンテナの屋根を活用するため、新たな森林伐採や造成を伴わず、環境負荷を抑えながら再エネを拡大できる点も特徴だ。
発電設備は既存建築物の屋根を活用するため、新たな土地造成が不要で、遊休スペースの有効活用にもつながる。地域内で発電した電力を地域内で消費する「電気の地産地消」を実現するとともに、地域経済への還元を促し、分散型エネルギーシステムの構築に寄与する。
UPDATERの仕組みで地域の発電所と需要家をマッチング
電力供給には、UPDATERが提供する電力トレーサビリティシステム「ENECTION2.0」を活用する。同システムにより、複数の小規模発電所と需要家をマッチングし、どの地域の発電所でつくられた電力かを可視化した上で供給する。
同システムは、発電所で発電した電力量(kWh)をトークン化し、需要家の使用電力量に応じて授受することで、どの発電所の電力を利用したかを追跡できる電力トレーサビリティシステム。地域の小規模発電所を束ねながら、再エネの由来を可視化できる。従来は事業化が難しかった低圧・小規模の太陽光発電所を束ねてコーポレートPPAとして活用できることから、企業の再エネ調達の新たな選択肢になることが期待される。
また、遠方の大規模発電所に依存しない地域分散型の電源構成とすることで、災害や停電時にも地域の電力供給の安定性向上が期待され、強靱な地域エネルギー基盤の形成にもつながるとしている。
需要家であるコシダカは今後、地域で生み出された再エネを店舗運営に活用することで、脱炭素への取り組みと地域貢献を両立するモデルとして展開していく考えだ。
小規模分散電源の活用拡大へ
カクイチは、同事業を通じて、ガレージやコンテナなど既存施設の屋根を活用した発電所の普及を進めることで、遊休スペースの有効活用と再エネ導入拡大を目指す。UPDATERは、小規模分散電源を束ねる仕組みを全国へ展開し、地域内で電力を循環させるモデルの拡大を図る。
コシダカグループは、店舗の再エネ調達を段階的に拡大している。2025年10月には東京エリアの「カラオケまねきねこ」69店舗を対象に、専用太陽光発電所から追加性のある再エネを供給するオフサイトコーポレートPPAを導入した。今回の地域分散型PPAは、それに続く新たな施策であり、低圧・小規模の屋根太陽光を活用した企業向け再エネ調達モデルとしても注目されそうだ。
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2026.07.06
サンヴィレッジと八千代グリーンエナジー、愛知県で系統用蓄電所2件目
サンヴィレッジ(東京都千代田区)は6月29日、八千代グリーンエナジー(同・台東区)と、愛知県豊橋市における高圧系統用蓄電池を設置する事業について工事請負契約を結んだと発表した。両社協業の初号案件である三重県桑名市の系統用蓄電所に続く2件目の案件となる。
豊橋市で高圧系統用蓄電所を建設 2027年1月の稼働開始目指す
同契約に基づき、サンヴィレッジは、八千代グリーンエナジーが開発する高圧系統用蓄電所の建設工事を請け負う。中部電力管内の豊橋市において高圧蓄電所(出力2MW、容量8MWh)を建設し、11〜12月に完工予定だ。
2027年1月の運転開始を目指す。蓄電池システムは、SUNGROW製「ST510CS-4H」キャビネット型蓄電システムを導入する。
両社協業の初号案件として進めている、三重県桑名市の高圧蓄電所(出力2MW、容量8MWh)は2026年10月の稼働開始に向け建設中だ。運転開始後は、卸電力市場、需給調整市場、容量市場において運用を行う予定だという(2025年12月18日発表当時)。
八千代グリーンエナジーは、太陽光、水力、バイオマス発電などの電源規模の拡大および電源の多様化を進めるとともに、再エネ導入促進事業や蓄電池・アグリゲーション事業などを中心に、GX分野の新規事業を拡大している。
サンヴィレッジは、再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、電力系統の調整力確保が求められる中、太陽光発電所および系統用蓄電所の開発を手がけるとともに、アグリゲーション事業を中核に、電力の供給量と需要量をより高い精度で調整する機能の強化に取り組んでいる。同社は今後、全国で250カ所・総出力500MW規模の系統用蓄電所の開発・建設を目指す。
系統用蓄電所開発で協業を進めるサンヴィレッジ
サンヴィレッジは、系統用蓄電所事業の拡大に向け、さまざまな企業との協業を進めている。
2025年10月には丸紅新電力(東京都千代田区)との協業、電機メーカーのダイヘン(大阪府大阪市)とは2026年4月27日、サンヴィレッジが推進する系統用蓄電所事業において、高圧接続を中心に、全国250カ所、総容量2.4GWh規模の系統用蓄電所向け機器を供給する契約を締結したと発表した。同社とは2025年度までに高圧接続蓄電池システム(2MW×8MWh)を6カ所に納入済みで、2026年度には70カ所超への納入を予定している。
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2026.07.05
九電みらいエナジー、DBJと太陽光発電事業会社を設立 28MWを移管
九電みらいエナジー(福岡県福岡市)と日本政策投資銀行(DBJ/東京都千代田区)は6月29日、共同出資により太陽光発電事業会社「九電みらいソーラー合同会社」(東京都千代田区)を設立したと発表した。
九電みらいエナジーが保有してきた12カ所・総容量約28MWの太陽光発電所を新会社へ移管し、FIT終了後を見据えた長期・安定運営を進める。
今後はFIP化や蓄電池併設にも取り組み、発電資産の価値向上を図るとともに、発電設備の売却益で得た資金を基に新たな再エネ開発へ再投資することで、再エネ開発の加速を目指す。
DBJはファイナンス面から太陽光発電事業を支援
新会社では、九電みらいエナジーが長年培ってきた発電所の運転・保守(O&M)のノウハウと、DBJの再エネ事業への出資・融資実績を組み合わせる。九電みらいエナジーがO&Mを担い、DBJはファイナンス面から事業を支援する。
両社はこうした役割分担により、FIT制度終了後も見据えた長期・安定的な発電所運営を実現するとともに、FIP化や蓄電池併設などを通じて発電資産の価値を向上させる。
FIP化や蓄電池併設で発電資産の価値向上
近年は、FIT期間の終了を迎える太陽光発電所が増えつつあり、発電資産をどのように長期運用するかが事業者共通の課題となっている。FIP化や蓄電池との組み合わせは、こうした課題への有力な対応策として注目される。
新会社では、今回取得した発電所の運営に加え、FIT発電所の追加取得にも取り組む。また、既存発電所のFIPへの移行や蓄電池併設を進めることで、市場価格を踏まえた売電や需給調整機能を活用し、発電事業の収益力を高めていく。
開発資金を循環させる新たなビジネスモデルへ
今回の取り組みは、九電みらいエナジーが2035年に向けて進めるビジネスモデル転換の第一歩と位置付けられる。今後は、自ら開発した発電設備の持分を売却し、得られた資金を新たな再エネ開発へ再投資することで、開発を加速させるとしている。
さらに、発電所のO&M受託に加え、アグリゲーションやトレーディングの高度化、各種ソリューション開発などにも取り組み、再エネに関する多様なニーズに応える「プラットフォーマー」への転換を図る。発電資産の保有・運営にとどまらず、再エネ関連サービスを拡充することで、再エネ価値の最大化と普及拡大につなげる考えだ。
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2026.07.04
東洋製罐、茨木工場でオンサイトPPA導入 蓄電池併設でBCP機能も確保
東洋製罐(東京都品川区)は6月26日、大阪府茨木市の茨木工場に自家消費型太陽光発電設備を導入し、オンサイトPPAによる再エネ電力の利用を開始したと発表した。
発電容量は約838kW、年間発電量は約106万kWhを見込み、CO2排出量を年間約420t削減する。容量15kWhの蓄電池も併設し、停電時の非常用電源として活用する。
自家消費型太陽光発電設備に蓄電池1台を併設し、BCP対策も
この取り組みは、三井住友ファイナンス&リース(SMFL)の戦略子会社・SMFLみらいパートナーズ(東京都千代田区)と共同で実施するもの。SMFLみらいパートナーズが同工場の屋根に設備を設置し、所有・維持管理を担うとともに、発電した電力を供給する。
東洋製罐は初期投資の負担なく再エネを導入できる。また、太陽光発電システムに蓄電池(15kWh)1台を併設したことで、停電時も非常用コンセントを通じて電力を供給することが可能になった。
東洋製罐グループは中長期環境目標「Eco Action Plan 2030」の中で、グループ全体の事業活動での温室効果ガス(GHG)排出量を2030年度に50%削減(2019年度比)、2050年にカーボンニュートラルの実現をめざす。再エネ由来の電力導入は、この目標を達成するための施策の一環として実施される。
ストレージパリティ補助金を活用
この取り組みは環境省の補助金を活用して実施される、環境イノベーション情報機構(EIC)が窓口となり公募を実施した「令和6年度(補正予算)二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(民間企業等による再エネの導入及び地域共生加速化事業)ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」に、2025年6月20日に採択された。
同補助金は、オンサイトPPAの仕組みにより自家消費型太陽光発電設備や蓄電池などを導入する事業に要する経費の一部を補助するもの。自家消費型の太陽光発電設備・蓄電池の導入支援などを通じて、太陽光発電設備・蓄電池の価格低減を促進しながら、日本の再エネの最大限の活用と防災性強化を目指す。
特に、蓄電池を導入することによる経済的メリットが導入コストを上回る「ストレージパリティ」の達成を重視している。直近では、「令和7年度補正予算ストレージパリティの達成に向けた太陽光発電設備等の価格低減促進事業」として5月15日まで公募していた。
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2026.07.03
ERE、和歌山のメガソーラーをリパワリング 太陽光発電パネルは再資源化へ
ENEOSリニューアブル・エナジー(ERE/東京都港区)は6月24日、和歌山県日高川町で稼働する「JRE日高川太陽光発電所」のリパワリングを実施していることを明らかにした。設備更新により発電量の最大化を図り、長期にわたり安定的な管理・運営を目指す。更新工事で取り外した既設の太陽光発電パネルは、再資源化とリユースを進める方針で、環境負荷低減と資源の有効活用に取り組む。
取り外した太陽光発電パネルは埋立処分せず再資源化へ
今回、リパワリングを実施する発電所は出力16,800kWのメガソーラーで、2016年3月に運転を開始した。既存設備の発電量を適切に評価し、必要に応じたリパワリングを実施。中長期的に安定した発電効率を維持につなげる。
また、更新工事で取り外した取り外した既設の太陽光発電パネルは、埋め立て処分を行わなず、Power eee(同・千代田区)が展開するスキームを活用し、再資源化とリユースを進める。
具体的には、取り外されたパネルは、発電所構内で分解作業を施した上で搬出し、それぞれの素材ごとに適正な方法で再資源化する。
発電性能が残存する太陽光発電パネルは、リユースすることを前提に選別。リユースする太陽光発電パネルの流通については、引き渡し先や使用用途などを事前に確認するとともに、搬出から納品までの全工程の履歴管理を徹底し、トレーサビリティを確保。関係法令および監督行政の指導・助言などを踏まえ、処理管理体制を整えた上で適切に行うという。
太陽光パネルの大量廃棄問題に対応、適切なタイミングでリパワリング
日本における再生可能エネルギーの主力電源である太陽光発電は、2012年に固定価格買取制度(FIT)が導入され、加速度的に増加してきた。しかし使用される太陽光発電パネルは、製品寿命が約25~30年とされており、今後、使用済み太陽光発電パネルの大量廃棄が予想されている。こうした使用済み太陽光発電パネルの適正処理に加え、卒FIT後の運用(事業の継続・電力の活用方法の検討など)も含めた対応が急がれている。
こうした課題に対応し、EREは使用済みパネルの再資源化およびリユースの両面から環境負荷低減と資源の有効活用に積極的に取り組む構え。また、既存設備に対する適切な発電量評価により適宜リパワリングを実施することが中長期的に安定した発電効率の維持につながると考え、今後も同社が保有するほかの発電所も適切なタイミングでリパワリングを行うことを検討していく。
同社グループは2025年4月に、沖縄県うるま市で運営する「うるまメガソーラー発電所」(12,200kW)について、同グループ初のリパワリングを完了した。同発電所は2015年3月に運転を開始し、海沿いに立地するため塩害による太陽光パネルの劣化が進んでいた。この更新工事では太陽光パネル約5万枚を入れ替えた。
Power eeeが展開する、自治体が問題視する放置された発電所などを買い取りリユース・リサイクルするモデル
今回、ERE協業するPower eeeは、小規模発電所に特化した買い取りを行い、中古の太陽光パネルの「評価・リサイクル・再施工・売電」までを自社で一貫して行うモデルを手がけている。
たとえば、後継者不足や計画段階での中断などで放置されたまま問題視されているような小規模な太陽光発電所(50〜100kW)や、稼働中の太陽光発電所において不要になった太陽光発電パネル・付帯設備(パワコン、架台など)を買い取り、これらの中古パネルの性能を評価し、「まだ使えるもの(残存性能があるもの)」は整備してリユース品へ、「使えないもの」は自社設備でガラスや銀などの素材レベルに細かく分別し、有価物として売却・リサイクルする。
こうして得たリユースパネル・設備を使用し、新品の約3分の1のコストで法人向けに自家消費型の太陽光発電所を構築したり、自治体と連携し遊休地に発電所を構築し、同社が発電から売電までを一元的に担い地域電力として地産地消電力を供給するというサービスを提供している。
既存インフラを取得しリパワリングした上で運用する取り組み事例として、ブルースカイエナジー(東京都中央区)などが出資する合同会社が、国内6カ所の稼働済み太陽光発電所の取得・運営事業において、33億3600万円を調達した事例を紹介している。
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