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2025.05.07
エナリス、MRV支援システム運用へ 太陽光によるJ-クレジット創出を支援
エナリス(東京都千代田区)は4月24日、J-クレジットのモニタリング・報告・検証等の業務の効率化に資する「MRV支援システム」の実運用を2025年度に開始すると発表した。太陽光発電設備を導入する法人などに対してJークレジットの発行業務の効率化を支援する同社オリジナルのシステムで、環境省事業のMRV支援システム運営者の1社として採択されて開始する。
エナリスオリジナルの「MRV支援システム」
エナリスが運用するMRV支援システム「eneGX MRV’S(エネジーエックス マーブス)」は、ブロックチェーン技術と環境省が主導する実証への参画などを通じて得た知見をもとに構築したものだ。
このMRV支援システムは、「太陽光発電設備の導入(EN-R-002)」を対象としたJ-クレジットの検証に必要な一連の工程業務(測定・報告・検証から管理まで)の効率化を支援する。国のJ-クレジット登録簿システム等と連携しており、創出されたクレジットに関する情報をブロックチェーンに記録し、創出後のJ-クレジット情報の管理も行う。
エナリスは今後、審査機関との協議を経て、「eneGX MRV’S」をエナリスが登録するJ-クレジットプロジェクト「エナリスPV価値創出プロジェクト」に活用していく計画だ。
J-クレジットの創出と流通を支援へ
エナリスは、「eneGX MRV’S」の今後の展開に向けて、さらなる効率化を支援できるシステムへと機能拡充に取り組んでいく。また、国の検討結果を踏まえながら、「太陽光発電設備の導入(EN-R-002)」以外の方法論にも対応するシステムへの拡充を検討していく。将来的なJ-クレジットの事業の展開としては、J-クレジットの創出支援だけでなく販売・買取のサービスも充実させていく計画だ。
J-クレジットの創出に向けた課題を解決へ
J-クレジット制度は、温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度。「省エネ設備の導入」や「再生可能エネルギーの導入」など、温室効果ガス削減・吸収につながるさまざまな取り組みからJ-クレジットを創出することができる。
一方、J-クレジット制度におけるプロジェクト登録からクレジット取引までの各段階における手続は、人手の少ない中小企業や家庭にとっては、コストと時間がかかる上、自らの削減活動ではクレジット発行量が小さいため単独で参加することが難しいという課題がある。
そこで、環境省は2020年から、ブロックチェーンを活用したJ-クレジット創出プロセスのデジタル化について検討を進め、J-クレジット創出に向けた測定・報告等の一連の検証工程業務の効率化を支援、かつJ-クレジット登録簿システムと連携するシステム環境(MRV支援システム)の構築を目指してきた。
2024年度事業では、太陽光発電方法論を対象に、MRV支援システムの実運用に向けて、エナリス、富士通(神奈川県川崎市)、IHI(東京都江東区)、日立製作所(同・千代田区)、日本電気(NEC/東京都港区)の5社が採択され、J-クレジット登録簿システムと連携したMRV支援システム環境の構築に取り組んだ。
また、MRV支援システム運営者としてエナリスのほか、富士通、IHI、日立製作所の4社を採択している。
需要拡大が見込まれるJ-クレジット
2023年に東京証券取引所(東京都中央区)がカーボン・クレジット市場を設立、2025年3月には東京都が自治体初のカーボン・クレジット取引システムの運営を開始。さらに2026年度には排出量取引制度(GX-ETS)の開始が予定されるなど、企業が排出するCO2に価格をつけることにより、CO2排出を抑えるように誘導する「カーボンプライシング」の導入が拡大しつつある。こうした流れを受けて、今後特にJ-クレジットの需要が高まると想定されている。
なお、エナリスは、J-クレジット制度における方法論「太陽光設備の導入(EN-R-002)」では、次の条件のすべてを満たす場合にプロジェクト登録をすることができるとして、紹介している。
条件1:太陽光発電設備を設置すること。又は設置済みの太陽光発電設備に対して追加的な設備投資を実施すること
条件2:原則として、太陽光発電設備で発電した電力の全部又は一部を、自家消費すること
条件3:太陽光発電設備で発電した電力が、系統電力等を代替するものであること【参考】
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2025.05.06
佐賀市、廃食油を市の脱炭素化に活用 田中鉄工が企業版ふるさと納税で支援
田中鉄工(佐賀県基山町)は4月21日、佐賀県佐賀市に対し、「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」の寄付を行ったと発表した。佐賀市は企業版ふるさと納税を活用し、家庭などから発生する使用済み食用油のリサイクルの実施費用に充てる。
地産地消エネルギーとして廃食油を活用
同市は2016年12月に、清掃工場を核にごみ焼却由来のCO2を用いる「持続可能な脱炭素・資源循環まちづくりプロジェクト」を開始。食品ロス削減や未利用バイオマスの活用、再エネや未利用エネルギーの普及などを通じて、「廃棄物であったものがエネルギーや資源として価値を生み出しながら循環するまち」を目指している。
家庭系廃食油のリサイクルもこの一環であり、市内に設置された回収BOXは101カ所(2024年4月時点)に及ぶ。廃食油は佐賀市の清掃工場でバイオディーゼル燃料として精製して市内のごみ収集車や市営バスの燃料に活用している。
なお、このプロジェクトでは今後、脱炭素施策に対する市民の行動変容分析・効果測定、家庭系廃食油回収を軸とした脱炭素施策・啓蒙活動などを行う予定だ。
土浦市でも企業版ふるさと納税による取り組みを始動
田中鉄工は、地域の家庭や飲食店などから発生した廃食油を、アスファルト合材の製造に使用する重油代替燃料として、その地域の誰もが利用する道路や歩道に還元するスキームを構築。このスキームを官民一体型の取り組み、「Roa(d)cal SDGs Project」として、北海道小樽市や佐賀県多久市など全国各地で展開している。
このほか、気候変動対策では、4月16日、事業構想大学院大学(東京都港区)、茨城県土浦市と、土浦市域において新規事業創出と人材育成を目的とするプロジェクトを開始すると明かした。この取り組みでも、企業版ふるさと納税を活用する。
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2025.05.05
蓄電池・電力制御ソフトをセットで販売 村田製作所とGSユアサが連携
株式会社村田製作所と株式会社GSユアサは、それぞれ自社で販売する電力制御ソフト「efinnos(エフィノス)」と蓄電池システム「ラインバック メガグリッド」をセットで販売するパッケージを導入した。
ターゲットは、500kW以上の自家消費型太陽光発電システムを導入する工場や事業所。
日本企業2社による共同展開で迅速なサポートの提供などを強みとして打ち出し、自社製品の導入拡大を目指す。
efinnosとラインバック メガグリッドの性能
「efinnos」は、気象状況や諸条件によって変動する発電量と消費量をAIで予測し、必要な時に蓄電池に吸収した余剰電力を放電することで再生可能エネルギーの自家消費率向上とピークカットにつなげる制御ソフトだ。
リアルタイムで発電や蓄電の状況を確認することもできるという。
「ラインバック メガグリッド」は、単機の出力が500kW。2~16面まで接続でき、電池の定格容量を420kWhから最大3.3MWh程度まで増減できる。
需要家の設置スペースの広さや求める容量などに応じて、柔軟にニーズに対応できるという。
高品質な商品を求める需要家層に共通点
村田製作所の担当者は、今回GSユアサと連携した理由について、「競争力のある蓄電池を探していたなかで、GSユアサさんの製品は非常に安全性にも優れていてサポートも手厚い」と話しており、GSユアサとしても、高品質な製品を求める点で自社と村田製作所の需要家層が似通っていると考えていたという。
2024年秋から、両社はパッケージでの提供に向けた連携の動きを進めてきた。これまでに工場での導入実績が1件と、調整・検討中の案件が複数件あるとのこと。村田製作所の担当者は、「太陽光電力は、曇ったら出力が下がり、晴れたら上がると天気によって変動が大きい。消費電力も、生産規模や稼働率に応じて変動する。需要家の再生可能エネルギー比率を高め、日本全体のカーボンニュートラルにも貢献することを目指したい」とコメントした。
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2025.05.04
余剰電力活用にトレーサビリティ技術生かす アイグリッドと慶應大の共同研究
イ・グリッド・ソリューションズ(東京都千代田区)は4月30日、慶應義塾大学 未来光ネットワークオープン研究センター (山中 直明 特任教授)とともに、地域における余剰電力の発電場所や消費場所、その量を追跡する新サービス創出に向けた共同研究を開始すると発表した。仮想マッチングを実施し、再エネの付加価値を高める新たなビジネスモデルを探索する。
余剰電力にトレーサビリティを付与し特定
共同研究では、アイ・グリッドで蓄積した余剰電力のデータを活用し、発電場所と消費場所の紐づけを目指す。具体的には、アイ・グリッドの余剰電力にトレーサビリティを付与することで、余剰電力の発電・需要拠点の仮想マッチングを行う。これにより、同一企業の拠点間での余剰電力融通に加え、地域内の余剰電力循環によるエネルギーの地産地消を示すことができるようになるという。
このほかに、余剰電力含む再エネを最大限リアルタイムで消費するため、蓄電池やEVチャージャーを活用したエネルギー消費のタイムシフトに関する研究も行う。期間は2025年4月1日から2028年6月30日までの予定。
再エネ拡大により生じる系統負荷の増加、解決のカギは出力制御の最適化
2025年2月に「第7次エネルギー基本計画」が閣議決定され、2040年度におけるエネルギー需給の見通しが示された。このうち再エネは電源構成の4、5割程度とし、太陽光は23~29%程度に引き上げられた。今後は再エネ総量増に向け、追加性のある再エネ導入がさらに重要となる。一方で、再エネ導入拡大により、系統負荷増加による出力抑制といった課題が生じる。原因は電力を必要としている時間や場所と実際に発電される時間と場所の不一致にある。この問題解決に向け、両者は今回、共同研究に着手した。
アイ・グリッドは、PPAに関する独自のプラットフォームを開発。施設の屋根上に設置した太陽光パネルによる発電のうち自家消費し切れない電力を、他施設に供給する余剰電力循環スキームを生かした太陽光PPAサービスを提供している。
共同研究に参加する同研究センター長の山中教授は「EVNO(Energy Virtual Network Operator)」研究の第一人者として知られる。「EVNO」は、既存の電力網と各需要家が保有するエネルギーを結ぶ仮想発電所をつくり、送電を行う電力会社と電力配分を手がける事業会社に分けて管理するというもの。電力会社は消費者と発電者間の需要と供給に基づき、送配電システム上で特定の複数の発電源、需要家を最適にマッチング制御し、送配電コストのみを事業会社に支払う仕組みとなっている。
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2025.05.03
JTOWER、消費電力35%減の5G対応共用装置を整備 ららぽーと安城に
JTOWER(東京都港区)は4月25日、大型商業施設「三井ショッピングパーク ららぽーと安城」(愛知県安城市)において、インフラシェアリングを活用した4G・5Gの通信環境を整備し、新たに開発した共用装置を運用開始したと発表した。
消費電力を35%削減する独自開発の5G対応の新型共用装置で、今回が初めての運用。全4キャリアに対応しており、環境に配慮した建物内の電波環境整備に貢献する。
東京都庁などに導入した5G対応の共有装置、更に改良
同社は、自社の技術開発部門で、携帯キャリアの要求品質を踏まえた共用装置の開発を行っている。2020年に開発した5G対応共用装置は、同年に東京都庁が国内で初めて導入し、その後は累計133物件(2024年12月末時点)への導入実績を持つ。
今回導入したのは、さらに改良を重ね、開発をした新しい共用装置。5G Sub6帯域に対応しており、消費電力を約35%削減を実現するもので、今回が初めての運用となる。
新たな装置の導入では、携帯キャリアとの仕様検討・接続試験、携帯キャリア側での認証取得、携帯キャリアとの運用フロー構築などのプロセスを着実に経ることで、通信インフラの一端を担う高い通信品質を提供するという。
インフラシェアリングでネットワーク整備効率化や運用コスト削減
インフラシェアリングは、商業施設やオフィスビルなどにおける携帯電波環境整備において、携帯事業者が個別にアンテナを設置、配線、中継装置の設置など実施していたものを、共用設備を用いて一つにまとめて実施する方法。5G整備が積極的に進められる中、ネットワーク整備の効率化や、設備投資・運用コストの削減、環境配慮の観点から、インフラシェアリングを活用するケースが増えており、今後も市場拡大が見込まれる。
JTOWERは、通信インフラシェアリングの分野においては後発の日本において、世界最先端のインフラシェアリングの整備を目指し2012年に設立した。主な事業は、情報通信インフラの設計・構築、通信関連ソリューションの設計・開発、情報通信サービスの提供を展開している。
なお「三井ショッピングパーク ららぽーと安城」は、大型商業施設で、三井不動産(同・中央区)が2025年4月に開業した。
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2025.05.02
東大、フュージョンエネルギーの社会連携講座5月に開設 丸紅らが参画
東京大学は5月1日、丸紅(東京都千代田区)ら企業8社と共同で、「フュージョンシステム設計学」社会連携講座を開設する。丸紅のほかには、Starlight Engine(同・大田区)、京都フュージョニアリング(同)、電源開発(Jパワー/同・中央区)、フジクラ(同・江東区)、古河電気工業(同・千代田区)、日揮(神奈川県横浜市)、他1社が参加する。
フュージョンシステムに関する革新的技術の開発を目指す
フュージョンエネルギーとは、水素などの軽い原子核同士が高温・高圧下で融合して別の重い原子核に変わる際に発生する「核融合エネルギー」のこと。カーボンフリーな上、連鎖反応や爆発のリスク、高レベル放射性廃棄物がなく、脱炭素社会の実現とエネルギー安全保障の観点から早期の実用化が期待される。
近年は世界各地で発電実証に向けた競争が激化。日本においても内閣府主導の下、世界に先駆けて2030年代の発電実証の達成を目指し、Starlight Engineが推進するフュージョンエネルギー発電実証プロジェクト「FAST」などがすでに始まっている。
フュージョンプラントの構成は、閉じ込め方式、用途(試験、商用発電、RI製造、工業用熱源など)、規制法・規格に大きく左右されるが、現在これらの設計を支える学術体系、技術体系は未だ構築段階だという。今後は、フュージョンエネルギーに携わる次世代人材の戦略的な育成が求められる。
今回、東京大学らが開講する社会連携講座では、核融合研究の第一人者である同大学院新領域創成科学研究科の江尻 晶教授を担当教員とし、2025年4月1日に新設した同研究科附属フュージョンエネルギー学際研究センターとともに、フュージョンプラント設計に関する学術の基礎を築く。
また、フュージョンプラントを構成する以下の要素などについて産学連携で進める。
- フュージョンシステムの高度化に向けた革新技術の研究
- フュージョンエネルギーの多様な応用可能性の検討
- 法規制・規格基準の整備状況を踏まえた施設・機器の要件とその確立に関する検討
- そのほか、フュージョンエネルギーの実用化、社会実装にかかわる課題
今後は、現在フュージョンに関連する勉学を志している学生とともにフュージョンシステム設計に関する研究を推進し、これらの設計を支える学術体系および技術体系の整備と、フュージョンエネルギーの早期実現を目指す。またフュージョンエネルギー人材を育成し、産業界の発展に貢献していく。
【参考】
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2025.05.01
大手5行、固定金利下げ 変動は据え置き 5月住宅ローン
大手銀行5行は30日、5月の住宅ローン金利を発表した。 代表的な固定期間10年の基準金利を5行ともに引き下げた。トランプ米政権の関税政策を背景に、日銀の追加利上げのタイミングが後ろ倒しになるとの見方から、長期金利が低下傾向だったことを踏まえた。変動金利は5行ともに据え置いた。
10年固定の最優遇金利は、三菱UFJ銀行が前月から0.26%引き下げ年1.63%、三井住友銀行は0.2%引き下げ1.80%、みずほ銀行は0.25%引き下げ1.60%、三井住友信託銀行は0.19%引き下げ1.865%、りそな銀行は0.23%引き下げ2.055%となる。
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2025.04.30
住宅やビル等の省エネ・省CO2先導プロジェクトに助成金、最大3億円
国土交通省は4月18日、省エネ・省CO2に係る先導的な技術を導入する住宅・建築物のリーディングプロジェクトを支援する補助事業について、2025年度の提案の募集を開始した。CO2の削減、健康、災害時の継続性等に寄与する先導的な技術が導入されるプロジェクトに対し、最大3億円を補助するもので、ライフサイクルカーボンをより的確に算出し削減する取り組みなどを積極的に評価する。応募期間は5月30日まで。
「先進性」と「普及・波及性」を備えたプロジェクトを先導的と評価
事業名は2025年度「サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)」。この事業では、住宅や住宅以外のオフィスビル等の非住宅建築物(非住宅)に関する次の(1)~(4)のいずれか、またはそれらの組み合わせによるプロジェクトであって、省CO2の推進に向けたモデル性、先導性が高いものとして選定されたものを補助の対象とする。
(1)住宅・建築物の新築
(2)既存の住宅・建築物の改修
(3)省CO2のマネジメントシステムの整備
(4)省CO2に関する技術の検証(社会実験・展示等)なお、「ライフサイクルカーボンをより的確に算出し削減する取組」に資するプロジェクト等を積極的に評価する。
また、プロジェクトの規模に応じた取り組みや特定分野の取り組みを支援するため、次の2つの部門に分けて提案を募集する。なお2025年度は、共同住宅・LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)低層共同住宅部門の募集は行わない。
- 一般部門(非住宅、共同住宅、戸建住宅)
- 中小規模建築物部門(非住宅)
応募可能な事業について
先導技術の一例として、建築物では「熱・電力融通、エリア熱回収等の広域でのエネルギーマネジメント」「生ゴミ発電、井水ヒートポンプ等の未利用エネルギーの活用」住宅では「太陽光発電と蓄電池の併用によるレジリエンス性の向上」「地域の卓越風の最適利用による省エネ化」などをあげている。
補助対象は、設計費・建設工事費等のうち、先導的と評価された部分。補助率は、補助対象工事の1/2で、限度額は1プロジェクトあたり原則3億円。採択年度を含め原則4年以内(戸建住宅は原則3年以内)。
「評価にあたっての考え方」など、事業の詳細は、この事業の評価事務局を務める国立研究開発法人 建築研究所(茨城県つくば市)のウェブサイトで募集要領等を確認のこと。
概要は以下の通り。
一般部門(非住宅、共同住宅、戸建住宅)
住宅・建築物プロジェクト総体として、省CO2の実現性に優れたリーディングプロジェクトを支援する。「評価にあたっての考え方」に記載するとおり、提案するプロジェクトで実施する様々な取り組みについて、総合的な観点で先導性を評価する。
「非住宅」「共同住宅」は原則4年以内に完了する事業を対象とする。4年を超える事業として提案する場合は、提案書類に全体工程に関する説明を記載すること。「戸建住宅」については、採択された年度を含めて原則3年以内に完了する事業を対象とする。
一般部門のプロジェクトにおいて、次の課題1~6の優先課題に対応する取り組みを提案するものについては重点的に評価する。
課題1.街区や複数建築物におけるエネルギー融通、まちづくりとしての取り組み
課題2.省CO2の実現とともに、健康性・快適性等の向上を図る先導的な取り組み
課題3.非常時のエネルギー自立と省CO2の実現を両立する取り組み
課題4.被災地において省CO2の推進と復興に資する取り組み
課題5.地方都市等での先導的省CO2技術の波及・普及につながる取り組み
課題6.ホールライフカーボンを算定し、CO2排出量を低減させる取り組み中小規模建築物部門(非住宅)
延べ面積が概ね5000m2以下(最大で10000m2未満)の非住宅を新築する事業を対象とした「中小規模建築物部門」を設け、大規模プロジェクトや複数棟のプロジェクト等とは区分して評価する。新築・既存建物において相当程度の割合を占め、今後の省CO2対策の波及・普及が期待され、地方都市でも多く建築される中小規模建築物の取り組みを支援することを目的としている。
中小規模建築物部門では、「評価にあたっての考え方」に記載するとおり、一定の環境性能、省エネルギー性能等を満足するものを先導性のあるプロジェクトとして評価し、積極的に支援する。原則4年以内に完了する事業を対象とする。4年を超える事業として提案する場合は、提案書類に全体工程に関する説明を記載する。
主な事業要件(一般部門・中小規模建築物部門)
- 新築される住宅・建築物については、ZEH・ZEB水準の省エネルギー性能を満たすものであること
- 材料、設備、設計、運用システム等において、CO2の削減、健康、災害時の継続性等に寄与する先導的な技術が導入されるものであること
補助率・補助限度額(一般部門・中小規模建築物部門)
- 補助率:補助対象費用の1/2
- 補助限度額:1プロジェクトあたり原則3億円 ※標準単価方式による場合は採択プロジェクトの総事業費の3.5%と比較していずれか少ない金額)を補助限度額とする。
補助率・補助限度額(非住宅と共同住宅(一般部門))
非住宅と共同住宅(一般部門)の新築事業については、建設工事費に該当する費用の補助額は当該建設工事費の5%以内の額とする。戸建住宅(一般部門:新築、改修、マネジメント、技術の検証)については、原則として建設工事等に係る補助額の上限を、1戸あたり200万円とする。
応募方法・採択
応募は、応募期間内に提案書を郵送により提出する(消印有効)。応募提案については、学識経験者から構成される評価委員会による評価結果を踏まえて、国土交通省が採択事業を決定する。9月中旬頃を目処に採択事業を公表する予定。
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2025.04.29
川崎港で、船舶にバイオ燃料供給 NX商事ら3者が共同実証
川崎市、NX商事(東京都港区)、兼松ペトロ(同・千代田区)の3者は4月25日、川崎港で船舶にバイオ燃料を供給する実証事業を実施すると発表した。バイオ燃料の利用により、CO2排出量は24%削減できるという。
廃食用油から製造したFAMEを重油に混合
実証実験では、川崎港のカーボンニュートラル化を目指す川崎市と、船舶燃料の脱炭素化に取り組むNX商事、兼松ペトロの2社が、川崎市内の港湾施設に設置した船舶への燃料供給用ステーションバージ(台船)に、国内や海外から調達したバイオ燃料を供給する。バイオ燃料はバージ内で重油と混合し、混合した燃料として船に給油される。
実証に使用するバイオ燃料は、廃食用油から製造したFAME(脂肪酸メチルエステル)をA重油に24%混合したB24燃料と呼ばれるもので、エンジン換装などが不要なドロップイン燃料かつCO2排出量を24%削減できるという特性がある。
今回の公共港湾施設を活用し常設のバージを介して船舶用バイオ燃料供給の取り組みは国内でも珍しい事例であり、3者は港湾の脱炭素化に向け、バイオ燃料の供給体制を構築し、CO2削減効果の検証やニーズ把握、運用上の課題抽出などを行う。
NX商事、2024年にバイオ燃料の提供開始
NXグループにおいて、物流サポートを担うNX商事は2024年に、ロジスティクス分野から排出されるCO2削減への取り組みとして、船舶向けバイオ燃料の供給を開始。同年11月には、五洋建設(東京都文京区)に対し、B24燃料を提供している。
兼松ペトロは、これまで船舶燃料の供給を担ってきた。今回の実証においてもその知見を生かし実務面をサポートし、安定的なバイオ燃料供給の実現に貢献していく。川崎市は、脱炭素戦略「かわさきカーボンゼロチャレンジ2050」の実現に向け取り組みを加速させるとしている。
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2025.04.28
東急不動産と自然電力、営農型太陽光発電事業で新会社 第1号は帯広畜産大に
東急不動産(東京都渋谷区)と自然電力(福岡県福岡市)は4月21日、地域や農業生産に重点をおいた営農型太陽光発電事業を共同で開発・推進するための新会社「リエネ自然ファーム合同会社」(同・中央区)を設立したと発表した。今後、約2年間で合計10MWの開発を行う予定。農業エリアで発電した再エネ電気を地域の需要家に供給する地産地消モデルの確立を目指す。
第1号案件は、帯広畜産大学敷地内で国内最大規模の垂直式太陽光発電設置
新会社の第1号案件は、帯広畜産大学(北海道帯広市)の敷地内に、垂直式太陽光発電としては国内最大規模となる定格出力708.48kWの太陽光発電設備を設置し、その電力を同大学に供給する。
同事業で採用した垂直式太陽光発電は、土地に対して設備の専有面積が少なく、設置方位によって発電のピークを朝や夕方に切り替え可能で、さらに地面からの反射光(特に積雪時)で発電量が向上するのが特長。従来の営農型と比べ、収益と収量両方の安定的な確保が見込まれる。
設置場所である帯広畜産大学の農場運営についても、帯広市川⻄農業協同組合(JA帯広かわにし)との持続可能な農畜産業とGXを両立できる環境が整っていることから、同事業の実施に至ったという。
垂直式太陽光発電パイロット設備が2025年2月に竣工
同事業は、同大学と北海道自然電力(同・札幌市)が共同で実施するソーラーシェアリング実証研究の一環として実施される。
両者は2024年8月に、北海道十勝地域のカーボンニュートラル化についての連携協定を締結。この協定に基づき実施される共同研究のうち、今回開始される本格的な大規模化に先立ち、パイロット実験『垂直型太陽光と傾斜型太陽光の発電量等の比較検証』として、2025年2月に帯広畜産大学構内の実習圃場に5kW(3アレイ)の垂直式太陽光パネルが設置された。
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