- ホーム
- インフォメーション
-
2025.09.19
エネルギー・脱炭素での協業点は オランダ駐日大使と企業誘致局長に聞く
江戸幕府が鎖国政策をとるなかでも、日本と外交が続いたオランダ。ほかの欧州各国同様、気候危機対策に注力するオランダだが、海抜が低いため地球温暖化や豪雨による海面上昇で影響を特に受けているという一面も。
環境ビジネスは、駐日オランダ王国特命全権大使のヒルス ベスホー・プルッフ氏と、同国への海外直接投資支援を所管とする経済省企業誘致局のトップを務めるヒルデ・ファン・デル・メール氏に、エネルギー・脱炭素分野におけるオランダの特徴や、日本との協業の可能性などについて話を聞いた。
水素やCCSにも注力するオランダのエネルギー政策
―――グリーン分野におけるオランダの特徴は何ですか?
ヒルデ企業誘致局長:最も重要なのは、政府や企業、大学などが常に協力していることです。
企業は自分たちだけで物事を進めると、できることが限られ、また非常に費用がかかることに気づいたからです。
すべてはオープンイノベーションによって行われています。
企業が自社で研究開発やイノベーションを行うのは非常に時間がかかります。彼らが単独で行うと、国際競争力が不足し、非常に費用もかかります。国際的な協力が、スタートアップ、大学、研究機関、他の企業とも垣根なくできれば、結果ははるかに速く得られます。
そして、オープンイノベーションはオランダ国内だけでなく、ヨーロッパ諸国や世界各国とともに行われています。私たちにとって、多くのイノベーションを共有している国の1つが日本です。
ヒルス大使:重要なのはグリーンエネルギー、風力、太陽光、そして水素です。しかし、それには多くの投資が必要です。ですから、伝統的なエネルギーを使用し、その炭素部分に制限を設ける手段も講じています。
そうするなかで、私たちは水素に力点を置こうと努めています。水素は非常に便利なエネルギー手段です。
ただ、いくつか課題もあります。グリーン水素は、多くの再生可能エネルギー、つまりグリーン電力を必要とするため、生成するのが非常に困難です。ですから、現時点では、私たちは多くのグレー水素を使用しています。
私たちはかつてガスを生産していたため、オランダには広範なガスのインフラシステムが整備されています。この既存のガスパイプラインネットワークをCCS(炭素回収貯留)プロジェクトや別のガスである「水素」の輸送に活用することができるのです。
ですから、私たちは水素に非常に注目しているのです。
また、オランダには、Porthos(ポルトス)と呼ばれる大規模なCCSプロジェクトがあります。
ロッテルダム港の精油所、化学プラント、鉄鋼産業などから排出される CO2 を回収、輸送し、今は空になった北海のガス田に貯蔵します。
これは世界をリードする大規模プロジェクトです。
そして、原子力エネルギーも検討しています。なぜなら、私たちは開発を維持するためにエネルギーが必要だからです。
オランダでは、日本と同様に、原子力エネルギーを使用すべきかどうかについて多くの議論があります。おそらく十分な代替エネルギーが得られるまでの一時的なものとして。
しかし、日本とオランダの協力の最善の方法の一つは、短期的には風力と太陽エネルギーであり、 長期的には水素だと思います。
―――オランダは研究開発が特に盛んな国だと伺いました。その背景にはどのようなものがありますか?
ヒルデ企業誘致局長:オランダには研究開発を促進するビジネス環境が整っています。それは、イノベーションを刺激するインセンティブのみならず、欧州最大の港を含む優れた物理的インフラ、世界最大級のインターネット エクスチェンジ ポイントを含むデジタル インフラ、そして高度な教育を受け、デジタル リテラシーを兼ね備える人材プールなどによって支えられています。
この背景には政府が研究開発を増やすという目標を掲げていることにあります。イノベーションが最高レベルにある今、競争力を維持できると考えたからです。
どの国も特定の分野で秀でる必要があります。そこでオランダは、自分たちが秀でていること、そして秀でたいことを検討してきました。
オランダはとても小さな国なので、私たちはこれまで以上に競争優位性を高め、国際的に協力していく必要があります。
―――オランダと日本企業の協力の現状についても教えてください。
ヒルス大使:一般的に協力できる領域は3つあると思います。
1つ目は、グリーンエネルギーの開発を始めること。あるいは、既存のエネルギーを脱炭素化することです。
例えば、風力発電エネルギーです。私たちの国はこれに大変長けていると自負しています。オランダに面する北海はとても浅いので着床式を使っていますが、日本近海はとても深いので、そこでは浮体式が検討されています。
また、ソーラーダック(SolarDuck)というオランダの会社が、東京港で水上浮体式の太陽光パネルを設置する実験を行っています。嵐や大きな波の中でもかなり安定するものです。
2つ目は、エネルギーの使用量を減らすことです。 ここで、エネルギーをどのように使うかについて賢く考えることが重要になります。
この分野では、AIから多くの恩恵を受けることができます。もちろん人工知能を用いることは多くのエネルギーを消費することにつながるので、バランスをとらなければなりません。
3つ目は、循環型経済と廃棄物の利用だと思います。特に、廃棄物発電やバイオマス発電などの再生可能エネルギー技術によって再利用が可能となるエネルギー残留物を持つ廃棄物です。
アバンティウム(Avantium)というオランダの会社がペットボトルから生分解性プラスチックを製造しています。
グリーンエネルギー、エネルギー使用量の削減、そして循環型経済、これら3つのすべての分野で、日本とオランダの協力に非常に良い可能性があると思います。
オランダと協業するメリット
―――オランダに進出する企業には、どのような種類の補助金や支援制度がありますか?
ヒルデ企業誘致局長:まず大規模なヨーロッパの制度として「ホライズン・ヨーロッパ」(研究・イノベーションに向けたEUの資金助成プログラム)や、企業がオランダで研究開発を行う際に税金が減額されるWBSOという制度もあります。
研究開発の人材を雇用すると、イノベーション関連の税制優遇措置も受けられる場合があります。
また、オランダの様々な地域で、オランダにとって新しいイノベーションに特化した特定の補助金や参加制度もあります。
ですから、まだオランダにない特定のイノベーションを開発するために、日本企業がオランダで協働開発することは大変歓迎されています。
―――EUの国々と比較して、オランダの魅力は何だと思いますか?
ヒルス大使:私たちはもちろん自国の言語であるオランダ語を話しますが、大変小さな国であり、大きな国々に囲まれているため、ドイツ語、英語、フランス語のような他国の言語も話す必要があります。
非常に国際的な環境であり、誰もが英語を話すため簡単に働き始めたり、生活を始めたりすることができます。
またオランダ人は、既成概念にとらわれずに行動したいと考えており、通常、自分たちがすることについて非常に前向きでプラス思考です。
官民パートナーシップ、トリプル・ヘリックス(政府、研究機関、企業)、時にはクアドラプル・ヘリックス(政府、研究機関、企業、国民)でビジネスを行うというコンセプトが非常に良いエコシステムを構築しており、自分たちのビジネスに他の要素をどう取り込んでいくかを学ぶのに非常に役立っています。
現在開催中の大阪・関西万博の海外パビリオンにオランダは公式参加をしており、来る9月22日には持続可能なエネルギーへの移行を推進するビジネスイベントが開催される予定で、ここではオランダと日本のエネルギートランジションへのアプローチの違いや、将来の優先事項について議論がなされます。
ヒルデ企業誘致局長:オランダはリラックスしていて、ワークライフバランスがとても良いです。
ビジネス環境は非常に競争力があり、物流事情は大変良く、デジタル環境も優れています。そのため、オランダにはすでに800以上もの日本企業の拠点が展開されており、約5.2万人の人々を雇用しています。
他のヨーロッパ諸国と比較すると、オランダには大変多くの日本企業が進出していると思います。
―――オランダ人とコミュニケーションをとる際に、日本人が心にとどめておくべき重要なことは何ですか?
ヒルデ企業誘致局長:オランダ人は一般的に非常に直接的だと思います。あまり階層的ではありません。例えば、もしあなたが私の上司だとして、何かを頼んできた場合、上司が言うことに疑問を持たず、言われたことをやる、ということはせず、私は疑問に思えば「なぜこれをやるのですか?」と尋ねるでしょう。
私たちは常に「なぜ?」と尋ねます。私たちはお互いによく理解し合いたいのです。
それから、オランダの企業やオランダに進出している企業には、国際色豊かな人材が多く活躍しています。30~40カ国以上の国籍の従業員を雇用するのはごく一般的です。例えば、アムステルダムやロッテルダムのような都市では、180カ国以上の国籍の人々が共存しています。
非常に国際的な職場環境なので「ワンサイズ・フィット・オール(万人向け)」ではありません。オフィスで話されている言語は主にオランダ語と英語であり、世界中から人々が集まって働いています。
(了)
記事内容へ -
2025.09.18
太陽光発電オフサイトPPAを活用し、複数需要家に再エネ供給 日鉄エンジら
日鉄エンジニアリング(東京都品川区)は9月11日、石油資源開発(JAPEX/同・千代田区)、エンバイオC・ウェスト合同会社(同)、からくさホテルズ関西(大阪府大阪市)と共同で、物流施設屋上で発電した再エネをオフサイトPPAで活用するスキームを構築し、運用を開始したと発表した。この取り組みは、需要特性の異なる複数の需要家に電力を供給する点に特徴がある。
年間発電量は約3471MWh、CO2年1468t削減へ
運用スキームとしては、まずエンバイオC・ウェストGKが、物流施設「ロジスクエア京田辺A」に設置・所有する出力1875kWの太陽光発電設備にて、再エネ電力を創出する。特定卸供給事業者であるJAPEXが、発電した電力を調達し、小売電気事業者である日鉄エンジニアリングが、からくさホテルズ関西などの複数の需要家に託送供給を行う。
初年度の年間発電量は約3471MWhの見込みで、CO2排出量は年間1468t削減できるという。
供給先に電力需要の特性が異なる施設を組み合わせることで、再エネ由来余剰電力の低減につながり、効率的な再エネ活用が実現できると、日鉄エンジニアリングらは同スキームのメリットを説明している。
「発電余剰電力融通型」オンサイトPPAに着目
日鉄エンジニアリングは、これまで20年以上にわたり、地産地消電力による地域循環共生圏の構築やPPAによる再エネ電源導入促進、発電・蓄電設備などの調整力の需給調整市場への活用を含めた電力ソリューションを提供している。
近年は、オンサイトPPAの新たな活用法として「発電余剰電力融通型」に着目し、導入を進めている。2024年には、YKK AP(東京都千代田区)向けに、埼玉県美里町の「YKK AP埼玉工場」新建屋で発電した再エネ電力を、埼玉県内の別の2拠点に託送する取り組みを開始した。この取り組みにより、初年度は年間約117万kWhを発電、CO2排出量削減効果は年間512tとなる見込みだ。
記事内容へ -
2025.09.17
NEDOのGI基金ペロブスカイト実証、リコー・エネコートなど3事業採択
新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は9月10日、グリーンイノベーション(GI)基金事業「次世代型太陽電池の開発」プロジェクトの追加公募を行い、リコー(東京都大田区)、エネコートテクノロジーズ(京都府久御山町)、パナソニック ホールディングス(大阪府門真市)による実証事業を採択したと発表した。このうちリコーは、インクジェット印刷ペロブスカイト太陽電池生産に関する実証を行う。
インクジェット印刷で、ペロブスカイト普及拡大に寄与
リコーは、複合機開発で培った有機感光体技術やインクジェットヘッド技術などの技術を複合的にかけ合わせることで、ペロブスカイト太陽電池の高変換効率化・高耐久化に加え、高生産性や低コスト化を目指している。
インクジェット印刷は、高精度パターニングにより任意の場所に全機能層を積層できる。意匠性の付与やサイズのカスタマイズが自在であり、太陽電池のさらなる普及拡大を後押しすると、同社は説明する。
今回の実証では、大和ハウス工業(大阪府大阪市)、NTTアノードエナジー(東京都港区)とコンソーシアムを組織し、インクジェット印刷ペロブスカイト太陽電池の生産技術とともに、施工設計技術・電装設計技術の開発を手がける。太陽電池・施工・電装の一連の技術をワンストップで行うことで、早期の社会実装につなげる狙いがある。
期間は2029年度までの5年間の予定で、2030年度に年間製造能力300MW以上、発電コスト14円/kWh達成を目指す。
エネコート、ペロブスカイトの屋外定置事業を本格始動へ
エネコートテクノロジーズは、同事業において、生産方式として創業来初めてとなる「ロールt ロール工法」を導入し、同社の強みであるフィルム型によるペロブスカイト太陽電池市場の形成を進める。また、同事業の採択を機会に、屋外定置を目的としたペロブスカイト太陽電池事業に本格参入するとしている。
事業推進に向けては、同社の起源である京都大学のほか、日揮(神奈川県横浜市)、KDDI(東京都港区)、NPEX(同)、YKK AP(同・千代田区)、トヨタ自動車(愛知県豊田市)、豊田合成(同・清須市)、青山学院大学などと企業・アカデミア連合を組成。研究開発の成果を社会実装へとつなげ、国内外への大規模普及を進めていく。
パナソニックはガラス型太陽電池の量産化に関する開発を推進
パナソニック ホールディングスは、ガラス型ペロブスカイト太陽電池の量産技術開発とフィールド実証を行う。
同事業の名称は「次世代型太陽電池実証事業」。事業期間は、2024年度から2030年度までの7年間で、総予算は378億円。
【参考】
・新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)―グリーンイノベーション基金事業「次世代型太陽電池の開発/次世代型太陽電池実証事業」で3件を新規採択しました
記事内容へ -
2025.09.16
11カ所の中央卸売市場で再エネ100%調達へ 東京都が東電HDと連携
東京都は9月10日、豊洲市場など11カ所ある東京都中央卸売市場における調達電力の再エネ100%化の実現に向けて、東京電力ホールディングス(東電HD/東京都千代田区)と連携協定を締結した。この協定に基づき東電HDは、各市場施設の再エネ調達向上とエネルギー利用を最適化するエネルギーマネジメント実現に向けた調査などを実施する。
蓄電池とEMSを組み合わせ高度にエネルギー管理
具体的には、東電HDは、各市場施設におけるオンサイト・オフサイト型太陽光発電設備や蓄電池の導入、エネマネシステム(EMS)などによる再エネと蓄電池を組み合わせたピークカット、再エネ余剰の蓄電池充電、VPPによる市場間での効率的な電力の分配などに関する調査・検討を行う。また、この調査・検討に併せて、蓄電池とEMSを組み合わせた際のより高度なエネマネの実現可能性についても検討する。なお、蓄電池は、最新の安全規格「JIS C4441」と同社が独自に設定した高い安全基準に適合した蓄電池設備を想定している。
東電HDは、東京都をはじめ、顧客の多様なエネルギー活用に応える市場開拓力と課題解決に向けた技術力・提案力を有する。今後も地域や企業の脱炭素化を支援し、エネルギーの地産地消による再エネ率の向上やレジリエンス強化の取り組みを加速させる。
全市場をゼロエミッション化へ
東京都中央卸売市場は「経営計画」(2022~2026年度)において、2040年代の目標として、全市場の電力を再エネ100%で調達することを示しており、太陽光発電装置の設置などにより再エネの導入などこれまでの取り組みに加え、再エネの割合をさらに引上げが求められる。
また、市場のゼロエミッション化に向けて、照明器具のLED化や、冷蔵庫設備などについてGWP(地球温暖化計数)の低いグリーン冷媒を使用する機器への更新、市場業者の小型特殊自動車車(ターレット式構内運搬自動車とフォークリフトなど)のZEV化、容器類などの排出量削減に取り組むこととしている。
【参考】
・東京都―再生可能エネルギー導入拡大の取組に係る東京電力ホールディングス株式会社との事業連携協定の締結について
記事内容へ -
2025.09.15
日本特殊陶業が新電力設立、グリーン電力地産地消で地域CN化に貢献
Niterraグループの日本特殊陶業(愛知県名古屋市)は9月9日、新会社となるNiterra電力(同・小牧市)を設立したと明かした。地域で電力コストを削減し、将来的には災害に強いコミュニティ形成も目指し、グリーン電力の地産地消および最大活用するためのソリューションを提供する。
電力の地産地消で地域の電力コストダウン、カーボンニュートラル化など
新電力会社は、太陽光発電のPPA、電気小売り、および環境価値の証書化・販売を行い、この取り組みにより生成される電力や環境価値の分配を事業とする。
まずは、同社グループの顧客や取引先、従業員、グループの工場などを対象に、サービスを提供。将来的には自治体との連携も視野に入れ、地域分散型グリーン電力インフラの構築を推進する。
また今後、同社グループが取り組んでいる水素関連やCO2回収などの環境・エネルギー分野の事業とも統合し、電力だけでなくエネルギー事業への展開も進めていく考えだ。
2025年6月に設立
Niterra電力は、2025年6月に設立した。資本金は1億円。
記事内容へ -
2025.09.14
三井住友建設、浮体式洋上太陽光発電システムの実証 NEDO事業に採択
三井住友建設(東京都中央区)は9月9日、中国電力(広島県広島市)および中電技術コンサルタント(同)と、「浮体式洋上太陽光発電システムの研究開発」を共同提案し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成事業に採択されたと発表した。波浪の進入がある海域に設置し、同システムの性能を検証する。
波風・潮位変動・塩害などによる影響を検証
三井住友建設は、これまでも水上太陽光発電開発を推進し、ため池などで8件の運用実績がある。
今回のモデルは、海上に設置可能な仕様としたもので、太陽光パネルの出力は約50kW。国内初の取り組みとして、波浪が進入する広島県大崎上島の近海に設置し、波風・潮位変動・塩害などに対して安全かつ安定した発電が可能であることを確認するとともに、事業性を評価する。
事業期間は、2025年度下期から2028年度末までで、今後は浮体式洋上太陽光発電システムの設計などの研究開発を進めた上で、2027年度上期に洋上設置を終える予定。
なお、三井住友建設は、東京湾で同発電システムの実証を行っており、洋上での波浪に対する浮体の安定性などを確認している。
NEDO、研究開発テーマ20件・動向調査テーマ4件採択
三井住友建設らのプロジェクトは今回、NEDOが2025年度に開始した「太陽光発電導入拡大等技術開発事業」として採択された。
同事業では、6つの技術テーマの下、太陽光発電に関するさまざまな技術開発が進められており、浮体式システムは「設置場所に応じた太陽光発電システム」の枠組みで選出された。
そのほかのテーマおよび採択された24事業は以下の通り。
設置場所に応じた太陽光発電システム技術開発
・シースルー型有機薄膜太陽電池モジュールシステムの開発:麗光(京都府京都市)、中国電力(広島県広島市)
・多様な設置場所に応用可能な薄膜太陽電池のシート状架台による施工方法の開発:日揮(神奈川県横浜市)
・農業ハウスに搭載して快適な農業と収穫量向上に貢献する太陽光発電技術の研究開発:DIC(東京都中央区)、 MORESCO(兵庫県神戸市)、アイテム(大阪府大阪市)
・商用車用太陽光発電システムの研究開発:システック(神奈川県川崎市)、パワーエックス(東京都港区)、セブン‐イレブン・ジャパン(同・千代田区)
次世代型太陽電池技術開発
・高効率高耐久性多接合太陽電池モジュールの開発:カネカ(東京都港区)
・次世代型太陽電池の総発電量向上と長寿命化技術の開発:東芝エネルギーシステムズ(神奈川県川崎市)、京セラ(京都府京都市)
・ペロブスカイトCIS軽量タンデム太陽電池モジュールの開発:PXP(神奈川県相模原市)
発電設備の長期安定電源化技術開発
・太陽光発電の安全性向上および導入拡大のための設計・施工・リパワリング技術の基盤整備およびガイドライン策定:産業技術総合研究所(産総研)、一般社団法人構造耐力評価機構(大阪府大阪市)、大成建設(東京都新宿区)、SOMPOリスクマネジメント(同)、太陽光発電技術研究組合(同・港区)、一般社団法人太陽光発電協会(JPEA/同)、愛知工業大学、中部大学
・発電量高度予測に向けた日射量高精度予測技術開発:一般社団法人日本気象協会(東京都豊島区)、一般社団法人電力中央研究所(同・千代田区)、産業技術総合研究所(産総研)、東京理科大学
循環型社会構築リサイクル技術開発
・ガラス剥離技術を用いた建材一体型ペロブスカイト太陽電池モジュールの資源循環技術開発:パナソニック ホールディングス(大阪府門真市)
・ペロブスカイト太陽電池の大量導入を見据えたマテリアルリサイクル技術の開発:東京大学
共通基盤技術開発
・壁面設置型BIPV用日射熱取得率高精度評価技術開発:太陽光発電技術研究組合
・多用途・多形状に対応する新用途太陽電池モジュールの評価・測定技術の研究開発:宮崎大学
・新型太陽電池の発電性能・信頼性評価基盤技術の開発:産業技術総合研究所
・高耐久・高効率ペロブスカイトCIS軽量タンデム太陽電池の研究開発:東京科学大学、産業技術総合研究所
・化合物3接合型太陽電池の革新的作製プロセス技術開発:産業技術総合研究所、東京大学
・高耐久ワイドギャップ太陽電池の開発:東京大学
・高効率・高耐久ペロブスカイト太陽電池の開発とタンデムへの展開:東京大学
・界面材料化学を基軸とする高性能オールペロブスカイトタンデム型太陽電池の研究開発:京都大学
動向調査研究
・太陽光発電の技術・産業・市場動向に関する総合調査:資源総合システム(東京都中央区)
・太陽光発電システムにおける国際技術協力プログラムに関する総合調査:資源総合システム
・太陽電池モジュールのリサイクルに関する動向調査:みずほリサーチ&テクノロジーズ(東京都千代田区)、三菱総合研究所(同)、早稲田大学
・ペロブスカイト太陽電池の社会実装に係わる標準化等に関する動向調査:三菱総合研究所
【参考】
・新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)―太陽光発電の導入拡大への課題解決に向けたテーマ24件を採択しました
記事内容へ -
2025.09.13
中部電系、使用済みパネル使用発電所からIGアリーナに再エネ提供
中部電力ミライズ(愛知県名古屋市)は9月8日、名古屋市の新体育館「IGアリーナ」を運営する愛知国際アリーナ(同)と、リユースパネルを活用した太陽光発電所によるオフサイトPPA導入に関する合意書を締結した。アリーナにある3つの大型ディスプレイの年間消費電力に相当する電力量を再エネで賄う。
国内初・リユースパネル活用太陽光の再エネをオフサイトPPAで供給
再エネを供給するIGアリーナ専用の太陽光発電所は、使用するすべての太陽光パネルに、品質検査をクリアしたリユースパネルを採用した。出力は約90kW、年間想定発電量は約75MWhで、アリーナに設置されたセンターハングビジョン・リングビジョン・リボンビジョンの3つの機材の使用電力として、再エネ由来の電力を供給する。発電所の運転開始は2025年度内の予定。
なお、再利用パネルを活用した太陽光由来の電力を、オフサイトPPAの仕組みを用いて供給するのは、国内では初めて。
再エネの追加性を高める狙い
IGアリーナは7月に、中部電力ミライズ提供のCO2フリー電気「Greenでんき」を導入し、再エネ化を進めてきた。今回電力の一部を、リユース発電所由来の電力に切り替えることで、再エネの追加性を高めるとしている。
今後、急増する太陽光パネル廃棄問題に対応
2012年にFIT制度が始まり、国内では太陽光発電設備の設置が急速に進んだ。これにより、太陽光パネルの寿命が尽き始める2030年代後半以降には、パネルの廃棄問題が顕在化すると予測されている。
両社は今後、リユースパネルを活用した太陽光発電所由来電力を使用することで、再エネ拡大とともに、資源循環促進につなげていきたい考えだ。
CASBEESランク取得の環境配慮型アリーナ
IGアリーナは、屋根上に設置した太陽光パネルによる発電や全館空調の効率化などを行い、建築物環境配慮制度「CASBEE」のSランクを取得済み。このほか、館内の飲食店舗では、ペットボトルをリサイクルし再利用する取り組みなども展開している。
記事内容へ -
2025.09.12
GBP、移動式太陽光発電所を開発 折りたたみ可能で最大144kW
太陽光発電を中心とした再エネ事業を展開するGBP(東京都港区)は9月8日、折りたたみ可能な 「移動式太陽光発電所」を開発し、発売を開始したと発表した。太陽光パネル200枚を搭載、最大出力は144kW。展開後、すぐに電力供給を開始できるのが特長だ。
全6種・最軽量タイプは12t、狭小地での利用も可
同製品は、従来の固定タイプの太陽光発電設備のように設置工事や長時間の準備を必要とせず、折りたたみを開くだけで現場到着後から電力供給が行える。モデルによっては最短1分程度で展開できるという。
太陽光パネルは、片側のみの展開も可能で、狭小な場所や限られた環境でも電力供給を実現。使用後はパネルを再び折りたたみ、コンパクトに収納できる。同社では、避難所や医療施設、工事・建設現場、仮説住宅、充電ステーションなどでの利用を想定している。
モデルは全6種で、定格出力は最小10.08kWから最大144kW(パネル枚数は14~200枚)まで。重量は最軽量12t、最重量60t。
レジリエンス強化に向け、開発に着手
地震・台風など災害が多発する日本では、停電時においても、安全かつ安定的に電力を確保できる仕組みが欠かせない。一方で、現在主流となっている固定式の太陽光発電設備は、被災状況や設置環境に左右されやすいという課題があった。
同社は今後、同製品の提供を通じて、防災需要に応えていくとともに、持続可能なエネルギーインフラとして日本のレジリエンス強化に寄与していく。
記事内容へ -
2025.09.11
マクニカ、ペロブスカイト実証最終年度 苛烈環境と通常環境の性能比較
マクニカ( 神奈川県横浜市)は9月5日、発電効率を向上したペロブスカイト太陽電池(PSC)による苛烈環境下での実証事業を開始したと発表した。新規開発したPSCユニットを異なる工法で設置し、苛烈環境と通常環境における耐久性・発電対応力を比較する。期間 は2025年9月1日から2026年2月28日まで。
耐久性向上とともに、2024年度を超える発電実績を目指す
この実証は、環境省が実施する「地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業」の一環で、「港湾などの苛烈環境におけるPSCの活用に関する技術開発(委託)」として2023年度から3年間にわたり技術開発と実証を継続している。
2024年度は、接着しない独自の新工法にてPSC72枚を設置し、正常稼働できることを確認したほか、蓄電池やIoT機器を含め設計した出力1.5kWのPSCユニットを用いて、重耐塩環境下で出力1kW規模での発電と定常電力利用を実現した。
最終年度となる2025年度は、蓄電池やIoT機器とのシステム統合を実施し、独自の新しい2通りのPSCユニット設置工法を比較する。設置場所は、「横浜港大さん橋」デッキ上の国際客船ターミナル屋上広場で、発電効率を向上させた1kW相当規模のPSCユニット60枚を設置し、昨年以上の発電量を目指す。また、重耐塩環境下に加え、「横浜港大さん橋」デッキ上と同じPSCユニットを通常環境下のオフィスビル(非開示)に設置。約6カ月の期間、重耐塩環境下と通常環境下でのPSCユニットのデータを測定し、耐久性および発電対応力を比較する検証を行う。
一連の実証は、ペロブスカイト太陽電池の発明者である桐蔭横浜大学の宮坂 力特任教授の指導の下、共同実施者であるペクセル・テクノロジーズ(神奈川県横浜市)およびペロブスカイトの製造を担当する麗光(京都府京都市)との3社で推進している。
次世代太陽光電池開発に加え、サーキュラーエコノミーを推進
マクニカは、半導体の取り扱いに加え、多様なパートナー企業とともに、環境問題解決に向けた取り組みに注力。サーキュラーエコノミー事業では、「エネルギーマネジメント」「省エネマネジメント」「資源循環マネジメント」「環境ライフマネジメント」の4つの事業を展開し、ソリューション提供を通じてCO2排出量削減や持続可能な社会の実現を目指している。
【参考】
・環境省―地域共創・セクター横断型カーボンニュートラル技術開発・実証事業
記事内容へ -
2025.09.10
アイシン、加飾したペロブスカイト太陽電池を検証 郡山のネッツトヨタで
アイシン(愛知県刈谷市)は9月5日、意匠性を加味したペロブスカイト太陽電池の耐久性や発電性能を評価するための検証を開始すると発表した。福島県郡山市の「ネッツトヨタ郡山 安積店」において、施設壁面に、青色に加飾した装飾性の高いパネルを設置。色調変化や反射光、発電効率などを評価し、デザインや都市景観と調和する同太陽電池の商品モデルの確立を目指す。
人目につきやすい壁面設置、意匠性も重要な要素
ペロブスカイト太陽電池は、薄型・軽量・曲がるという特徴があり、耐荷重に制限がある屋根や建物の壁面などにも適用できる。同社は、人目につきやすい壁面への設置は、意匠性も普及に向けた重要な要素と位置づけ、加飾パネルの開発にも取り組んでいる。
今回の実証では、同社が開発した同太陽電池をネッツトヨタ郡山の店舗カラーと親和性の高い青色に加飾。9月7日にオープンした「ネッツトヨタ郡山 安積店」の店舗壁面に設置した。郡山市は内陸性気候で寒暖差の大きい環境でもあり、パネル色調の変化や周囲への反射光の影響の有無などを調査。また、加飾を施していないパネルとの発電性能や耐久性の比較評価も実施する。
なお、今回店舗壁面で発電した電気は、店舗内の一部の100Vコンセント、店舗外の一部の照明の電力として使用する。
有機系太陽電池の研究技術でペロブスカイト太陽電池開発
アイシンは、長年にわたる有機系太陽電池開発や発電効率と耐久性向上に向けた研究ノウハウを生かし、ペロブスカイト太陽電池の開発や実証を進めている。6月には大林組(東京都港区)とともに、同太陽電池の新たな交換方法と年間発電量を最大化する設置方法を検証する実証を開始した。
記事内容へ





































































