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2025.12.20
70MW分のオフサイトPPAで東急グループに電力供給 東急が2社と協業
グローバル・インフラ・マネジメント(東京都千代田区)、東急(同・渋谷区)、クリーンエナジーコネクト(同・千代田区)は12月17日、東急グループ向け70MW分のオフサイトコーポレートPPAサービスに関する共同事業を開始すると発表した。
3社共同出資による発電合同会社が非FIT低圧太陽光発電所で発電した電力を東急グループの各施設に供給する。2026年3月から2027年度末にかけて順次供給を開始する。
東急グループの約8%相当の電力を供給
今回の取り組みでは、発電合同会社が国内にて約70MW-DCの非FIT低圧太陽光発電所を約800カ所開発・運営し、東急グループの小売電気事業者である東急パワーサプライ(東京都世田谷区)を通じて各施設に供給する。電力供給量は、年間7300万kWhを予定しており、これは東急グループ全体の年間使用電力量の約8%に相当する。
東急は9月に策定した「環境ビジョン2040」において、「環境と調和する街」の実現を目指して環境目標を更新・新設し、2050年までに「再エネ比率100%」という目標を掲げている。その達成に向け、アクション11にて「再エネを創る」を推進している。今回の取り組みはその具体的施策の一つとなる。
3社の知見を活かして連携
今回の取り組みは、異なる立ち位置と強みを持った3社が共同事業として参画し、それぞれの知見を活かして連携することで相乗効果を発揮することを狙いとしている。
グローバル・インフラ・マネジメントは、国管理空港初の民間運営事業である仙台空港特定運営事業で協働する、当時の東京急行電鉄と前田建設工業(東京都千代田区)により、設立された。インフラ投資への豊富な知見を有している。今回の共同事業について、脱炭素社会の実現に向けた重要なモデルケースとして大きな意義を持つと考えている。
クリーンエナジーコネクトは、オフサイトコーポレートPPAサービスをはじめとする脱炭素ソリューションを提供している。発電所の開発・運営とオフサイトコーポレートPPAサービスの提供のノウハウと実績(2025年11月現在2500カ所)を有する。これまでに、Amazon(アメリカ)、第一生命保険(東京都千代田区)、NTTドコモ(同)などNTTグループ、スギホールディング(愛知県大府市)、Google(アメリカ)、三菱地所(東京都千代田区)、千葉大学などと、顧客専用の太陽光発電所による生グリーン電力と環境価値の提供についてオフサイトコーポレートPPAサービスなどの長期契約を締結している。
12月5日には、オフサイトコーポレートPPAのプロジェクトにおける25MW-DCの非FIT低圧太陽光発電所の開発のため、横浜銀行(神奈川県横浜市)、山陰合同銀行(島根県松江市)、脱炭素化支援機構(JICN)から、プロジェクトファイナンスにより総額36.7億円の資金調達を実施したことを報告している。これにより、累計資金調達額は611億円になる。
東急は、電力小売り事業やインフラ運営への知見を有する。今後も様々なステークホルダーとの連携を通じて、グループの脱炭素化に向けた取り組みを推進していくとしている。
東急グループの東急建設(東京都渋谷区)は、クリーンエナジーコネクトと連携し、2024年にオフサイトPPA事業に参入している。また、東急建設はスタートアップを対象とした投資ファンドを通じてクリーンエナジーコネクトに出資している。
再生可能エネルギーを活用したオフサイトコーポレートPPAサービスは、需要家が長期的かつ安定的に再エネを調達できる手法として、また、再エネ発電総量増加に直接寄与する「追加性」のある取り組みとしても注目されている。分散型電源を活用するモデルは、環境負荷の低減や地域との共生にも貢献することが期待されている。なお、非FIT(Non-FIT)とは、FIT(固定価格買取制度)を利用しない太陽光発電の売電方式をいう。
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2025.12.19
大阪・関西万博の太陽光パネルをリユース 発電実証 DOWAエコシステムら
DOWAエコシステム(東京都千代田区)は12月16日、同社の子会社で金属や太陽光パネルリサイクル事業を手がける相双スマートエコカンパニー(相双SEC/福島県大熊町)の敷地内において、大阪・関西万博で使用した太陽光パネルなどを用いた発電試験を開始したと発表した。太陽光パネルの撤去・解体から性能検査、リユース・リサイクルまでを同社グループが一元的に行う「リユースPV発電事業」のモデル構築を目指す。
太陽光パネルのライフサイクル全体を通じ環境負荷低減・資源の有効活用を目指す
この実証には、UPDATER(東京都世田谷区)も開発企画・施工管理などで参画する。
11月より開始された相双SECにおける発電試験では、発電状況などのデータを新品の太陽光パネルと比較し、リユースパネルの実用性を検証する。製造年代や機種ごとの差異も把握し、より効率的なリユースパネルの活用を目指す。
モデル構築目指す「リユースPV発電事業」
DOWAグループが目指す「リユースPV発電事業」のモデル構築は以下のような手順で行われる。
まず、DOWAエコシステムの子会社であるジオテクノス(東京都墨田区)が使用済み太陽光パネルを撤去・収集し運搬。相双SECが、複数の調達ルートから使用済みの太陽光パネルを受け入れ、リユース可否を判断するための検査を実施。 検査を通過したパネルを相双SEC工場敷地内に設置し、発電試験に取り組み、これにより発電した電力を自家消費または売電するほか、将来的にはグループ企業での活用も検討する。
また、検査により再利用できないと判断された太陽光パネルは、同社が鉄や鋼、アルミなどの有用な金属を回収し、マテリアルリサイクルすることで工業製品の原材料として活用するなど、循環させていく。
協業するUPDATER、プロジェクト管理サービス提供などで参画
UPDATERは、開発企画・施工管理などで同事業に参画し、全般的なプロジェクト管理サービスを提供する。また、今回の発電試験に一部、リユース太陽光パネルを納入した。同社は、これまでリユース太陽光パネルを活用した発電事業を積極的に展開してきた。
国産のリユースパネルのみで都内廃校屋上プールで発電
10月に完成した都市型発電所「じりじりリユース発電所」(東京都世田谷区)では、世田谷区の廃校を利用した施設に、「HOME/WORK VILLAGE(旧池尻中学校)」屋上プール跡地に首都圏商業施設で使用されたリユース国産パネルのみを整備した。これにより発電された再エネ電気は、同区民が優先的に購入できる個人向けクラウド型発電サービス「ピーパ」(月額サブスクリプション)にて提供している。
国際的な規模でリユースパネルの循環モデル構築を目指す
UPDATERは、今回の協業による取り組みを皮切りに、回収・検査・選別・再利用・設置までを一体化したリユースパネルの循環モデルを、全国の自治体・企業との連携を通じて展開していく。また、同社は日本で使用された太陽光パネルをアフリカ・タンザニアで活用し、現地の農作物加工などを支援し地域経済の自立を目指す「Pole Solar」事業も手がけており、この支援事業とも連携し、日本発の国際循環モデル確立も目指す方針だ。
大阪・関西万博での太陽光パネルも活用、福島県や県内企業とも連携
今回の発電試験には、大和ハウス工業(大阪府大阪市)の提供・協賛で大阪・関西万博のシャトルバスターミナルにおいて実際に使用されていた太陽光パネルも納入された。これらのパネルはジオテクノスが、大阪・関西万博の会期終了後に撤去し、相双SECへ運搬した。
このほかにも、DOWAエコシステムは福島県および福島県内企業とも連携し、複数のルートから太陽光パネルを調達し試験を行っている。同社は今後も、調達先・協業先を拡大していく展望を持つ。
太陽光パネルをリユースする制度を整備し、海外への有価金属流出も防ぐ
太陽光発電など再エネの導入が進むが、施設の退去や建物用途の変更などに伴い、まだ発電可能な状態で撤去された太陽光パネルが、再利用されないまま廃棄されるという社会課題が生じている。
UPDATERは、こうした課題の背景には、撤去現場での個別診断・選別体制が不十分で、稼働可能なパネルも一括処分されがちな現状や、リユースパネルの流通基盤や品質基準、保管体制が整備途上で、再利用の実態把握やトレーサビリティが確保しにくいという問題点があると指摘する。また、再エネ政策が「新設・導入」を中心に設計されてきた結果、設備の再活用(リユース)に関する制度整備が遅れていることも要因として挙げる。また、リユースパネルの活用が、廃棄物の不正輸出や資源の国外流出を防ぐ効果につながるとし、再利用できるパネルの適切な選別・活用に注力していく考えだ。
一方のDOWAエコシステムは、廃棄パネルの大半が海外へ輸出されている現状について指摘している。パネルに含まれる銀や銅といった有価金属の国内における有効活用や、有害物質の適正処理の観点から、国内におけるリユース体制の迅速な構築が求められているため、リユース・リサイクル・適正処分を一体的に推進するビジネスモデルを構築することとした。
相双SECは、東日本大震災被害と原子力災害からの復興に向けて新たな産業基盤の構築を目指す「福島イノベーション・コースト構想」の一環として、DOWAエコシステムを含む8社が出資し設立した。復興事業に伴い発生する不燃性廃棄物および太陽光パネルのリサイクル事業を展開している。同県内における先進的なリサイクルシステムのさらなる拡大に向け、2025年11月よりリユース太陽光パネルによる発電試験を開始した。
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2025.12.18
荏原本社ビルで初のファサードイルミネーション 再エネ電気で点灯開始
荏原製作所(東京都大田区)は12月11日、本社ビルに供給される「再エネ100%電力」と「窓」を利用したイルミネーション演出「荏原ファサードイルミネーション」の点灯を開始した。同社初の試みで、地域貢献活動の一環として取り組む。2026年1月30日までの期間、18時から24時までの時間帯に点灯する。
再エネ電気で点灯、本拠地の大田区羽田旭町で地域貢献活動
ファサードイルミネーションとは、ビルや店舗などの建物において正面(ファサード)部分を照明で装飾・演出すること。「荏原ファサードイルミネーション」では、同社本社ビルのうち、東京モノレールや羽田空港がある東側の窓を活用した。
同社は2050年カーボンニュートラル実現を目指し、再エネ電力の調達・導入を進めており、本社ビルでは4月から荏原環境プラント(東京都大田区)を通じてCO2フリー電気を導入し、12月には本社ビルの100%再エネ化を果たした。
今回開始されたイルミネーションも、本社ビルに供給される再エネ電気で点灯・運用される。
荏原の本拠地・大田区羽田旭町における地域貢献活動 日頃から活発な地域交流
本社ビルの立地を活用したイルミネーションにより、近隣住民やモノレールの乗客などに楽しんでもらうことで地域活性化に貢献できると考え、同社はこの企画を実施した。
同社では、羽田地区のごみ拾い活動や地域イベントなどに参加するほか、日頃から区・町などの自治体や近隣企業と積極的に交流しているため、今回のイルミネーション企画も地域を盛り上げるイベントの一つとして、賛同や期待が集まったという。
また、環境に配慮しながら地域活性化に向けた取り組みを行うことにより、従業員エンゲージメントの向上にもつなげる。
2030年までに追加性や地域貢献性に優れた再エネ調達・導入を目指す
荏原製作所と、荏原環境プラント、東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS/神奈川県川崎市)の3者は7月29日、再エネ導入を中長期的に推進することを目的とした基本合意書を締結した。荏原グループが掲げる2050年カーボンニュートラルの達成に向け、2030年までに太陽光や水力、風力、バイオマスなどによる追加性や地域貢献性に優れた再エネ電力の調達・導入を目指す。
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2025.12.17
関西電、栃木県佐野市でバイオマス発電 バーチャルPPAで東京メトロに提供
関西電力(大阪府大阪市)は12月11日、栃木県佐野市でバイオマス発電事業に参画すると発表した。今後は、2028年9月に運転開始予定の「佐野発電所」で生み出される再エネ由来の環境価値を、バーチャルPPAの仕組みを活用し、東京地下鉄(東京メトロ/東京都台東区)に対し提供する。
出力7.1MW、年間発電量は57GWh
新設する「佐野発電所」は、関東地方の一般木材や未利用間伐材等を燃料とする木質専焼の発電所。出力7.1MWで、1年間で一般家庭1万8000世帯分の使用量に相当する約57GWhを発電する。
施設の運営は、関西電力のほか、バイオマス・フューエル(東京都千代田区)、ビーエイブル(福島県大熊町)、那須建設(山形県長井市)が出資する佐野バイオマス発電(群馬県館林市)が行う。
環境価値供給に向け、地下鉄初のバーチャルPPA契約締結
東京メトロは、環境価値供給に向け、佐野バイオマス発電と、地下事業者初となるバイオマス発電のバーチャルPPA契約を締結した。同契約に基づき、東京メトロは、約19年間にわたり年間約51GWh分の追加性のある再エネ由来の環境価値の提供を受ける。
この取り組みにより、東京メトロの年間のCO2排出量の6.5%にあたる約2万1981t削減される見込みだ。
2030年度53%減、2050年度実質ゼロ実現に向けた取り組み
東京メトロでは、長期環境目標「メトロCO2ゼロ チャレンジ 2050」を設定。グループ全事業のCO2排出量削減目標として、「2030年度に53%削減(2013年度比)、2050年度実質ゼロ」を目指している。
これまでも、エネルギー効率に優れた車両や環境負荷の少ない設備の導入に加え、国内鉄道業界初となる陸上風力を活用したバーチャルPPAによる銀座線の使用電力の一部を再エネ化や、電車がブレーキをかけたときに発生する回生電力の有効活用を目的とした省エネ施策などを実施してきた。
同社は今後も、目標達成に向けて、バーチャルPPAをはじめとした多様な手段による再エネの活用をさらに推進し、脱炭素・循環型社会の実現に貢献していきたい考えだ。
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2025.12.16
九州大とJCCL、排ガス由来CO2循環活用モデル構築 eーメタン証書取得
九州大学と同大学発のスタートアップ企業であるJCCL(福岡県福岡市)は12月11日、西部ガス(同)の都市ガス製造工場で回収した排ガス由来のCO2から、カーボンニュートラルな都市ガスである「eーメタン」 を合成し、クリーンガス証書を取得したと明かした。今回、排ガス由来の合成メタンに対し第三者認証を受けたことは、画期的な成果であると、両者は説明している。
共同開発したCO2回収装置を活用
九州大学とJCCLは、2022年に、西部ガス(福岡県福岡市)とともに、都市ガス燃焼後排ガス中のCO2利用に関する共同検討を開始。2023年11月からは、環境省の「地域原料活用によるコスト低減を目指したメタネーション地産地消モデルの実証」にも参画している。
3者は今回、九州大学とJCCLが共同開発したCO2回収装置(VPSA2)を用いて、西部ガスの都市ガス製造工場にて、都市ガスボイラ排ガスからCO2を回収し、99%まで濃縮した上で、西部ガスのメタネーション設備にCO2を安定的に供給する実証を完了した。
このCO2を原料に、同設備でメタンガス(都市ガスの主原料)を合成。製造されたeーメタンが、環境価値を有する「クリーンな都市ガス」として認証された。
認証取得により、環境価値の移転が可能に
クリーンガス証書とは、クリーンガス製造設備の認定を取得した製造設備で製造されたeーメタンやバイオガスが持つ、燃焼しても大気中のCO2が増えないと見なせる価値(環境価値)を、 クリーンガス相当量認証を通じて証書化したもの。 クリーンガス証書により、広く環境価値の移転が可能になる。
JCCL、CO2分離・回収拡大に向け、協業を強化
JCCLは、固体吸収法と膜分離法の両技術を有し、CO2分離・回収に関して、材料・性能評価・装置・プロセス設計技術までをワンストップで提供できる点に強みがある。
10月には、大日本印刷(DNP/東京都新宿区)と、CCU技術を活用した事業開発やGHG排出量削減などを目的とした協業を開始。この一環として、DNP科学分析センター(東京都港区)にJCCLのCO2分離回収装置を導入し、顧客向けにCO2分析サービスの提供を始めた。
CO2回収技術は、メタネーションなどカーボンリサイクル技術の基盤としてさらなる展開が期待される。JCCLは引き続き、CO2分離・回収技術の高度化、スケールアップや社会実装を推進し、脱炭素社会の実現と地域循環型エネルギーシステムの構築に貢献していく。
【参考】
・九州大学―九州大学・JCCLが西部ガスの都市ガス工場で回収したCO₂から カーボンニュートラルな都市ガス『e-methane』が合成され クリーンガス証書を取得しました!
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2025.12.15
日本初、核融合発電の電力売買契約締結 2030年代にも実用化の見込み
日本独自のヘリカル型核融合炉を開発するHelical Fusion(ヘリカルフュージョン/東京都中央区)は12月8日、愛知県内で食品スーパーを展開するアオキスーパー(愛知県名古屋市)と、国内初となるフュージョン(核融合)エネルギーによる電力売買契約を締結したと発表した。
ヘリカルフュージョンは現在、核融合炉によって発電した電力の実用化を目指す「Helix Program(ヘリックス計画」を推進する。計画では、2020年代に重要な開発要素の実証を完了し、2030年代の実用発電達成を目指している。
核融合エネルギーをスーパーマーケットに供給する未来の実現に向けた第一歩
フュージョンエネルギーは、太陽のエネルギーを生み出す核融合反応を地球上で再現し、高効率で持続可能なエネルギーを創出する技術。石油や天然ガスなどの化石燃料に依存せず、主に海水に豊富に含まれる重水素などを燃料とするCO2を排出しない次世代クリーンエネルギーであり、世界中で開発の推進や早期の社会実装が期待されている。
これまでは、高度な知見を要する研究・技術開発の側面が注目されてきたが、同技術がエネルギーインフラとして社会実装されるには、実際にフュージョンエネルギーを「使おう」という需要家の存在が不可欠となる。
今回電力購入を決めたアオキスーパーは、愛知県内に食品スーパー50店舗を展開する1941年創業の小売企業。7月に、持続可能な社会の実現と地球環境保全への貢献を目指す活動の一環として、Helical Fusionへの出資に参画。以来、売電契約の実現性について協議を進め、今回の発表に至った。
「出口」を示すことで、さらなる投資を促す
日本初の電力売買契約締結を重要なマイルストーンと捉え決断したアオキスーパーに対し、Helical Fusion代表取締役CEOの田口 昂哉氏は、感謝の意を示すととに、「これから実装に向けた開発・投資をする人にとって「出口」を示すことができた」とその意義を語った。
また「同契約をきっかけに、フュージョンエネルギーの社会実装への機運が高まり、それが同分野の開発・投資を促進するという好循環につながってほしい」と期待を寄せる。
「ヘリカル型核融合炉」開発を推進するスタートアップ
Helical Fusionは2021年、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 核融合科学研究所における核融合に関する研究成果を活用し創業したスタートアップ企業。日本独自の核融合炉形式である「ヘリカル方式」によるフュージョンエネルギーの実用化を目指す。
同社が掲げる「ヘリックス計画」では、2020年代中をめどに、二大開発要素である「高温超伝導マグネット」「ブランケット兼ダイバータ」の個別実証を終え、2030年代中には、最終実証装置「Helix HARUKA」による統合実証や発電初号機「Helix KANATA」による世界初の実用発電を達成する計画を打ち出している。
廃油活用などの取り組みを推進するアオキスーパー
アオキスーパーは、地球温暖化に伴う気候変動による農産物の栽培適地の変化や海水温の上昇による水産資源への影響を深刻な問題として認識。今回の核融合発電の導入検討以外にも、食料品を取り扱い、店舗などでエネルギーを使用する企業として、家庭・事業系の廃食用油をSAFの原料としてリサイクルする活動などを展開している。
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2025.12.14
恵那電力、カーボンオフセット「栗きんとん」開発 4万個で1tのCO2相殺
新電力の恵那電力(岐阜県恵那市)は12月1日、J-クレジット制度を活用した「カーボンオフセット栗きんとん」を開発したと発表した。製造過程で排出されるCO2を恵那電力由来の環境価値でカーボンオフセット(相殺)する。
恵那市保有の環境価値を地元の特産品に活用
恵那電力では、恵那市内10カ所に設置した太陽光発電設備由来の環境価値(非化石証書)を同市に提供。これを市内事業者が販売する商品に付与することで、カーボンオフセット商品として販売するプロジェクトを支援している。
今回、地元菓子店の良平堂が取り組みに賛同したことで、「カーボンオフセット栗きんとん」が商品化された。同商品開発では、4万個を生産する過程で1tのCO2が相殺されるという。
商品は2026年2月頃まで良平堂店舗やウェブサイトで販売するほか、同市のふるさと納税返礼品として入手できる。
恵那電力は今後も、カーボンオフセット商品開発を継続的に支援し、さらなる商品開発を行っていく方針だ。
恵那市、地元域企業と連携し、再エネの地産地消を推進
恵那市は、「ゼロカーボンシティえな」を掲げ、2050年までにCO2排出実質ゼロ実現を目指している。達成に向けては、再エネの導入と地域経済の活性化に注力。環境に配慮した特産品開発もこの一環である。
恵那電力は、岐阜県恵那市、日本ガイシ(愛知県名古屋市)、中部電力ミライズ(同)の3者が共同出資する地域新電力で、2022年4月に事業を開始した。自社保有の太陽光発電設備および電力貯蔵用NAS電池により、FITに頼らない自立した再エネ活用を目指す「恵那モデル」を掲げ、カーボンニュートラルと地方創生の両立に取り組んでいる。
【参考】
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2025.12.13
福岡県の物流施設で九州最大約3.7MWメガソーラー稼働 日本ベネックス
日本ベネックス(長崎県諫早市)は11月5日、吉田海運ロジソリューションズ(同・佐世保市)が開発した福岡県久山町の物流施設「YKW久山久原」の屋根に、出力約3.7MWの太陽光発電所「ベネックス久山ソーラーポート」の運転を開始したと発表した。オンサイトPPA・全量FIP売電の2つの発電所を設置した点が特徴だ。
発電した電力は、自家消費のほかFIPで売電
日本ベネックスは今回、吉田海運ロジソリューションズの物流施設「YKW久山久原」の屋根を賃借し、太陽光発電所を設置した。太陽光電池容量は約3659.2kW、内訳は自家消費分(オンサイトPPA)が約0.5MW、全量FIP分が約3.1MW。全量FIP部分の年間発電量は、一般家庭約1155世帯分の消費電力に相当する約347万kWhを見込んでいる。
太陽光パネルはチントソーラー製、PCSはSUNGROW製と、いずれも中国メーカーの製品を採用。屋根借り方式の太陽光発電設備としては、九州最大級の規模となる。
なお日本ベネックスが吉田海運グループと協業するのは今回が初めて。
保有する自社発電所は52件、総出力は約70.2MWに
日本ベネックスは8月26日、長崎県諫早市に設置したFIT太陽光発電所「ベネックスソーラーポート」のFIP制度移行と蓄電池の併設が完了。9月24日には、京都府井手町の物流施設「田辺西物流センター」屋根にて、「ベネックス京都ソーラーポート」の運転を開始している。
今回の福岡県内発電所の稼働により、保有する自社発電所は52件・総出力は約70.2MWとなった。このうち物流施設の屋根借り太陽光発電所は35件・総出力約61.3MW、FIP太陽光発電所は27件・総出力約49.3MW。
日本ベネックスは今後も、太陽光発電所の建設および運営を通じて、再エネの普及拡大を図るとしている。
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2025.12.12
パシフィコ・エナジー、補助金に依存しない蓄電所を稼働 東京エリアへ参入
パシフィコ・エナジー(東京都港区)は12月9日、補助金に依存せず自己資金のみで開発したフルマーチャント型の系統用蓄電所「小金井蓄電所」(東京都内)の商業運転を開始した。
この稼働により同社は、北海道・九州に続き、3エリア目となる東京エリアの電力市場への参入を果たした。今後は高圧・特別高圧の系統用蓄電池に加え、太陽光発電所との併設型蓄電池の開発も全国的に拡大していく。
一貫した自社体制で蓄電池事業を推進
小金井蓄電所の出力は約2MW、容量は約10MWhで、5月に建設を開始した。開発から設計・調達・建設管理、市場取引方針の策定、アセットマネジメントに至るまで、一貫した自社体制で推進したのが特長。同社は、独自の市場分析とトレーディング手法と取引実績により、複雑で予測が難しい電力卸売市場において、補助金に依存しないフルマーチャント型での開発が実現したとし、今後は、さらなるスケールアップを図り、2030年までに約660MW/2.9GWh規模の導入を目指す。
2021年に系統用蓄電池事業に参入、北海道や福岡で商業運転
同社は、2021年以降、系統用蓄電池事業の開発を本格化し、2023年に北海道札幌市と福岡県糸島市で、電力市場向け系統用蓄電所の商業運転を開始した。複数エリアでの事業展開を通じて、地域ごとの系統特性や市場構造に対応する知見を蓄積しており、今後の全国展開に活用していく。
なお、北海道と九州の系統用蓄電池事業は、資源エネルギー庁の補助金に採択されている。また、エナリス(東京都千代田区)が系統用蓄電池の制御支援サービスを提供している。
再エネ電源と蓄電池によるグリッド・パリティを実現へ
パシフィコ・エナジーは再生可能エネルギー発電所の開発会社で、2012年の設立以来、累計1293MW(直流ベース)の太陽光発電所を開発・竣工している。ゴルフ場跡地を再利用した太陽光発電所では、除草剤を一切使用せず、より豊かな自然環境を再生する取り組みを行っている。
同社は、日本国内での太陽光発電と蓄電池事業での経験に加え、海外における先行事例から得た知見を活かし、再エネ電源と蓄電池の相互補完によるグリッド・パリティの実現、地域共生型の電源開発、主力電源化を見据えた長期安定電源の運営を目指して、今後も取り組んでいく。
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2025.12.11
佐川急便の九州中継センター着工へ 自家消費型太陽光採用でCO2削減
不動産の賃貸・管理・開発事業を展開するSGリアルティ(京都府京都市)は12月8日、福岡県篠栗町で「(仮称)佐川急便九州中継センター」の新築工事を着工したと発表した。太陽光設備の採用をはじめ環境に配慮した計画が検討されており、ZEB readyなどの環境認証取得が見込まれる。竣工は2027年5月の予定。
省エネ性能向上とともに、エネルギー消費量を削減
新施設は、九州自動車道「福岡IC」から約2.6kmに位置し、福岡市内や九州全域へのスムーズなアクセスが期待される。地上2階建てで、敷地面積は6万6853.43m2、延床面積は3万4270.92m2。
施設の屋根には、自家消費型太陽光発電設備を設置。発電した電力を施設内で使用することで、CO2排出量の削減と電力コストの低減を図る。また、建物の省エネ性能を最大限に高めるとともに、エネルギー消費量の削減を目指すとしており、CASBEE Aランク・ZEB readyなどの環境認証の取得を目指す方針だ。
災害対策を備えた設備も完備
環境負荷低減に向け、Low-Eガラスや全館LED照明、雨水流出抑制施設を採用するほか、72時間の稼働を可能にする非常用発電設備を設置。災害時においても事業継続できる事業継続計画(BCP)とする。
拠点集約によるCO2削減効果にも期待
SGホールディングス(京都府京都市)は現在、全国に25ある中継拠点を東京・関西・九州の3つの拠点に集約する大規模な再編計画を進めている。今回の建設プロジェクトもこの一環で、佐川急便(同)の既存の4拠点と2拠点の一部が新施設に集約されることとなる。
同社HDは、今回の拠点集約による中継業務の効率化で、積載効率の改善やトラック台数の適正化、それに伴うCO2排出量削減などの効果を見込む。
なお新施設には、最大117台の同時接車が可能なトラックバースや185台の大型駐車場が設けられるほか、充実した休憩スペースを確保する予定で、これにより、トラックの待機時間や荷物の積み降ろし時間の短縮、ドライバー・倉庫内のスタッフの労働環境の改善にもつながるとしている。
SGリアルティは今後も、顧客ニーズや社会課題に対応しながら、環境に配慮した物流不動産開発を推進していく。
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