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2025.12.24
川崎重工系、「電気式気動車」開発 将来的には水素転用も可能に
川崎重工業(東京都港区)は12月19日、グループ会社の川崎車両(同)が、新型の鉄道車両「GreenDEC(グリーンデック)」を開発したと発表した。同車両は、ディーゼル機関で発電し、電気でモーターを動かす「電気式気動車」仕様。将来的には、部品交換により、水素転用も可能になるという。
従来ディーゼル車両と比べて、メンテナンス作業軽減・コスト減
「GreenDEC」は、一般的な電車と共用できる部品が多い点に特徴がある。モーターやインバーター、歯車減速機などの機器の交換部品が入手しやすくなり、メンテナンス作業が軽減される。これにより、維持コストの抑制にもつながるという。
また、同車両は、鉄道分野のカーボンニュートラル実現に寄与する新たな気動車と位置付けられており、将来の水素駆動機関などの採用や交換の発展性を見据えた構造やレイアウトが導入されている。
車体サイズは、長さ18m、幅2.8m。設計上の最高速度は時速95km。
2026年春、運行開始の予定
天竜浜名湖線を運営する「天竜浜名湖鉄道」(静岡県浜松市)と、甘木線を運営する「甘木鉄道」(福岡県朝倉市)が受注済みで、2026年春のダイヤ改正から営業運転を開始する予定。運行時には、各地域に合わせたデザインが施される。
非電化鉄道における環境負荷低減に向けて
国交省によると、日本国内の非電化路線は鉄道路線全体の約3割を占める。非電化鉄道を運行中の気動車は、ディーゼル機関と液体変速機を組み合わせた車両が多く、また近年はこれら気動車の老朽化に加え、液体変速機などが入手困難な状況にあり、非電化鉄道の環境負荷低減が求められている。
こうした中、国交省は9月、2040年を見据えた鉄道分野のGXに関する目標を設定。2030年度までに水素車両の運転開始や水素車両の製作を進める方針を示している。
【参考】
・国土交通省―「鉄道分野のGXに関する基本的考え方」を公表します
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2025.12.23
新たな蓄電池製造モデル「Swiftfab」始動 日立ら共同事業体設立へ
日立製作所(東京都千代田区)は12月18日、蓄電池製造設備産業の強化を目指す共同事業体「Swiftfab Energy Systems(仮称)」(同・港区)を設立すると発表した。このプロジェクトには、同社を含め一般社団法人 電池サプライチェーン協議会(BASC/同・中央区)に加盟する9社が参加。蓄電池設備産業の構造変革に向け、日本の蓄電池産業の国際競争力向上を図る。
建屋や生産装置を一体開発、蓄電池製造ラインを共同展開
今回設立する共同体は、日本国内の安定供給体制強化に向け、産業横断型のこれまでにない製造プラットフォームを構築するという画期的な取り組みとなる。設計から生産に至るプロセス全体を最適化し、圧倒的な短期間・低コストで、高品質を高次元で両立する電池製造拠点の提供を目指す。
具体的には、建屋・設備・生産装置・システムを一体で設計・開発するとともに、蓄電池製造ラインとして統合したソリューションを共同で構築・展開する。
日立、AIを活用した「HMAX Industry」を提供
日立製作所 コネクティブインダストリーズ(CI)セクターは、先進AIを活用したデジタルサービス「HMAX Industry」を、蓄電池などの成長産業へ水平展開する「Integrated Industry Automation」に注力している。これらの知見やノウハウを基に、同プロジェクトにおいても、中心的な役割を果たす。
共同事業体の設立後には、参画企業と共同で蓄電池製造工程のデジタルツイン実現のコアとなるシミュレーション技術を開発し、設計段階のリードタイム短縮や生産立ち上げ後の調整期間を短縮させるとしている。
また、プロジェクトで得られた成果は、BASC会員企業間で共有することで、共創型産業インフラとしての拡張を図り、国内製造設備産業の強靭化と日本発の競争力ある産業モデルの構築につなげたい考えだ。
日立製作所とともに同プロジェクトに参加するのは、西部技研(福岡県古賀市)、コマツNTC(富山県南砺市)、東伸(神奈川県秦野市)、豊電子工業(愛知県刈谷市)、ジェイテクト(同)、リコーエレメックス(同・豊田市)、平田機工(熊本県熊本市)、大気社(東京都新宿区)の8社。
蓄電池分野に関するケイパビリティで、国内蓄電池製造の課題解決へ
蓄電池製造は、工程が精密かつ複雑で、高い品質管理が求められる。装置ごとにサプライヤー・仕様が異なる場合では、生産ラインの各装置や建屋間の連係時のすり合わせに多大なコスト・時間を要し、案件ごとに材料や生産量などの諸条件が異なるケースでは、生産ラインの安定化までの調整期間が長期化する傾向にある。
日立製作所は、インフォマティクスを活用した材料開発や蓄電池製造の異物検査、ロボットを活用したラインビルディングなど、さまざまなプロダクト・設備、ソリューションとドメインナレッジを提供している。こうした蓄電池製造に関連する豊富なケイパビリティを活かし、蓄電池製造に伴う課題解決を目指している。
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2025.12.22
日立建機と九電、可搬式充電設備を活用した災害対策の実証 有効性確認
日立建機(東京都台東区)は6月12日、九州電力(福岡県福岡市)と、可搬式充電設備を活用した災害ソリューション構築のための実証試験を実施したと発表した。災害発生直後の初動対応において、可搬式充電設備が有効であることを確認した。
照明や医療機器の稼働に必要な電力を供給
日立建機と九州電力は、施工現場で稼働する電動建機などへの電力供給を目的に、可搬式充電設備を共同開発し、2024年9月から日本国内で販売を開始している。この可搬式充電設備は、災害時の非常用電源向けに開発されたものだが、平常時はEVの充電としても活用できる。
今回の実証は、熊本赤十字病院の協力を得て、災害時を想定して実施された。具体的には、可搬式充電設備1台を用いて、特殊医療救護車両「DISASTER RESCUE(ディザスター レスキュー)」内の照明や医療機器に電力を供給した。その結果、正常に作動することや、供給された電力により照明と医療機器を約7日間連続で使用できることを確認した。
災害発生直後の初動対応では、可搬式充電設備1台で十分な電力供給を行えると、日立建機は説明する。より多くの電力が必要な場合は、可搬式充電設備を複数台組み合わせることで対応可能だという。
日常と災害時を区別しない「フェーズフリー」という考え方
日本国内では、2011年の東日本大震災などの経験から、平常時・災害時を問わず活用できる「フェーズフリー」の考え方が浸透しつつある。熊本赤十字病院と九州電力総合研究所は、災害対応におけるリチウムイオン電源装置の有効性に関する実証試験に加え、国内・海外の救援活動において、同装置を用いた救援活動を展開している。
日立建機と九州電力は今後も、販売ネットワークやエネルギーマネジメント技術や災害救援機材の開発力などを生かし、災害時支援の高度化を図っていく。
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2025.12.21
東京ガスら、住宅の窓や壁にフィルム型ペロブスカイト設置 都実証事業の一環
東京ガス(東京都港区)は12月16日、飯田グループホールディングス(同・武蔵野市)、マクニカ(神奈川県横浜市)、麗光(京都府京都市)と共同で取り組む、住宅施設におけるフィルム型ペロブスカイト太陽電池の導入実証が、東京都の事業に採択されたと発表した。建物の壁面やバルコニーに次世代太陽電池を設置し、施工性・発電性能を評価する。
場所ごとに発電性能や施工方法の信頼性を評価
同実証は、2026年1月から12月までの約1年間、飯田GHDが提供する日野市のモデルハウスを使って行う。マクニカと麗光が開発・製造するAirソーラーを、東京ガスが開発する施工方法にて、垂直壁面(擬似壁面)・バルコニー・室内壁・窓に設置。場所ごとの発電性能の評価、施工方法の信頼性を評価する。窓での検証では、接着工法・窓枠固定工法を検証するという。
取り組みにおいて、全体統括や現地施工を担う東京ガスは、これまでの太陽光発電に関する研究や事業で培ってきた施工・解析技術を実証に転用する。
マクニカは、これまでのペロブスカイト太陽電池に関する実証事業で培った豊富なノウハウを活かし、技術力を提供 。飯田GHDは、実証フィールド提供を、麗光はAirソーラー製造を担う。
次世代太陽電池の実証費用を助成する「Airソーラー社会実装推進事業」
「第7次エネルギー基本計画」では、再エネの主力電源化と最大限の導入が掲げられ、2040年の電源構成に占める太陽光発電の割合を23~29%とする方針が示された。
都は、2035年までに都内に太陽光発電設備を350万キロワット導入するという政策目標を設定。電力のHTT「(H)へらす・(T)つくる・(T)ためる」をキーワードに、脱炭素社会の実現とエネルギーの安定確保に向けた取り組みを推進する。その1つとして、「薄く、軽く、曲がる」という特徴を持った日本生まれの太陽電池を「Airソーラー」と命名し、実用化を目指す開発事業者に対し実証費用の一部を助成する「Airソーラー社会実装推進事業」を実施している。今回の東京ガスの取り組みもこの一環である。
同推進事業は、Airソーラーの早期実用化に向け、開発事業者が実施する実証事業の経費の一部を助成することで、社会実装の加速化を図ることが目的。
要件として、都の地域特性を踏まえ、都内でのAirソーラーの普及に向けた課題抽出及び効果検証を行うものであることや助成対象事業の成果を都内で活用することなどが求められる。助成額は最大4000万円(予算は1億2000万円)で、申請総額が予算額に達した時点で申し込みは終了となる。
東京ガスらは今後、同実証を通じて、住宅におけるAirソーラーの社会実装を加速し、日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」の実現に貢献していきたい考えだ。
【参考】
・東京都―東京都、Airソーラー開発支援の対象事業者を採択しました!
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2025.12.20
70MW分のオフサイトPPAで東急グループに電力供給 東急が2社と協業
グローバル・インフラ・マネジメント(東京都千代田区)、東急(同・渋谷区)、クリーンエナジーコネクト(同・千代田区)は12月17日、東急グループ向け70MW分のオフサイトコーポレートPPAサービスに関する共同事業を開始すると発表した。
3社共同出資による発電合同会社が非FIT低圧太陽光発電所で発電した電力を東急グループの各施設に供給する。2026年3月から2027年度末にかけて順次供給を開始する。
東急グループの約8%相当の電力を供給
今回の取り組みでは、発電合同会社が国内にて約70MW-DCの非FIT低圧太陽光発電所を約800カ所開発・運営し、東急グループの小売電気事業者である東急パワーサプライ(東京都世田谷区)を通じて各施設に供給する。電力供給量は、年間7300万kWhを予定しており、これは東急グループ全体の年間使用電力量の約8%に相当する。
東急は9月に策定した「環境ビジョン2040」において、「環境と調和する街」の実現を目指して環境目標を更新・新設し、2050年までに「再エネ比率100%」という目標を掲げている。その達成に向け、アクション11にて「再エネを創る」を推進している。今回の取り組みはその具体的施策の一つとなる。
3社の知見を活かして連携
今回の取り組みは、異なる立ち位置と強みを持った3社が共同事業として参画し、それぞれの知見を活かして連携することで相乗効果を発揮することを狙いとしている。
グローバル・インフラ・マネジメントは、国管理空港初の民間運営事業である仙台空港特定運営事業で協働する、当時の東京急行電鉄と前田建設工業(東京都千代田区)により、設立された。インフラ投資への豊富な知見を有している。今回の共同事業について、脱炭素社会の実現に向けた重要なモデルケースとして大きな意義を持つと考えている。
クリーンエナジーコネクトは、オフサイトコーポレートPPAサービスをはじめとする脱炭素ソリューションを提供している。発電所の開発・運営とオフサイトコーポレートPPAサービスの提供のノウハウと実績(2025年11月現在2500カ所)を有する。これまでに、Amazon(アメリカ)、第一生命保険(東京都千代田区)、NTTドコモ(同)などNTTグループ、スギホールディング(愛知県大府市)、Google(アメリカ)、三菱地所(東京都千代田区)、千葉大学などと、顧客専用の太陽光発電所による生グリーン電力と環境価値の提供についてオフサイトコーポレートPPAサービスなどの長期契約を締結している。
12月5日には、オフサイトコーポレートPPAのプロジェクトにおける25MW-DCの非FIT低圧太陽光発電所の開発のため、横浜銀行(神奈川県横浜市)、山陰合同銀行(島根県松江市)、脱炭素化支援機構(JICN)から、プロジェクトファイナンスにより総額36.7億円の資金調達を実施したことを報告している。これにより、累計資金調達額は611億円になる。
東急は、電力小売り事業やインフラ運営への知見を有する。今後も様々なステークホルダーとの連携を通じて、グループの脱炭素化に向けた取り組みを推進していくとしている。
東急グループの東急建設(東京都渋谷区)は、クリーンエナジーコネクトと連携し、2024年にオフサイトPPA事業に参入している。また、東急建設はスタートアップを対象とした投資ファンドを通じてクリーンエナジーコネクトに出資している。
再生可能エネルギーを活用したオフサイトコーポレートPPAサービスは、需要家が長期的かつ安定的に再エネを調達できる手法として、また、再エネ発電総量増加に直接寄与する「追加性」のある取り組みとしても注目されている。分散型電源を活用するモデルは、環境負荷の低減や地域との共生にも貢献することが期待されている。なお、非FIT(Non-FIT)とは、FIT(固定価格買取制度)を利用しない太陽光発電の売電方式をいう。
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2025.12.19
大阪・関西万博の太陽光パネルをリユース 発電実証 DOWAエコシステムら
DOWAエコシステム(東京都千代田区)は12月16日、同社の子会社で金属や太陽光パネルリサイクル事業を手がける相双スマートエコカンパニー(相双SEC/福島県大熊町)の敷地内において、大阪・関西万博で使用した太陽光パネルなどを用いた発電試験を開始したと発表した。太陽光パネルの撤去・解体から性能検査、リユース・リサイクルまでを同社グループが一元的に行う「リユースPV発電事業」のモデル構築を目指す。
太陽光パネルのライフサイクル全体を通じ環境負荷低減・資源の有効活用を目指す
この実証には、UPDATER(東京都世田谷区)も開発企画・施工管理などで参画する。
11月より開始された相双SECにおける発電試験では、発電状況などのデータを新品の太陽光パネルと比較し、リユースパネルの実用性を検証する。製造年代や機種ごとの差異も把握し、より効率的なリユースパネルの活用を目指す。
モデル構築目指す「リユースPV発電事業」
DOWAグループが目指す「リユースPV発電事業」のモデル構築は以下のような手順で行われる。
まず、DOWAエコシステムの子会社であるジオテクノス(東京都墨田区)が使用済み太陽光パネルを撤去・収集し運搬。相双SECが、複数の調達ルートから使用済みの太陽光パネルを受け入れ、リユース可否を判断するための検査を実施。 検査を通過したパネルを相双SEC工場敷地内に設置し、発電試験に取り組み、これにより発電した電力を自家消費または売電するほか、将来的にはグループ企業での活用も検討する。
また、検査により再利用できないと判断された太陽光パネルは、同社が鉄や鋼、アルミなどの有用な金属を回収し、マテリアルリサイクルすることで工業製品の原材料として活用するなど、循環させていく。
協業するUPDATER、プロジェクト管理サービス提供などで参画
UPDATERは、開発企画・施工管理などで同事業に参画し、全般的なプロジェクト管理サービスを提供する。また、今回の発電試験に一部、リユース太陽光パネルを納入した。同社は、これまでリユース太陽光パネルを活用した発電事業を積極的に展開してきた。
国産のリユースパネルのみで都内廃校屋上プールで発電
10月に完成した都市型発電所「じりじりリユース発電所」(東京都世田谷区)では、世田谷区の廃校を利用した施設に、「HOME/WORK VILLAGE(旧池尻中学校)」屋上プール跡地に首都圏商業施設で使用されたリユース国産パネルのみを整備した。これにより発電された再エネ電気は、同区民が優先的に購入できる個人向けクラウド型発電サービス「ピーパ」(月額サブスクリプション)にて提供している。
国際的な規模でリユースパネルの循環モデル構築を目指す
UPDATERは、今回の協業による取り組みを皮切りに、回収・検査・選別・再利用・設置までを一体化したリユースパネルの循環モデルを、全国の自治体・企業との連携を通じて展開していく。また、同社は日本で使用された太陽光パネルをアフリカ・タンザニアで活用し、現地の農作物加工などを支援し地域経済の自立を目指す「Pole Solar」事業も手がけており、この支援事業とも連携し、日本発の国際循環モデル確立も目指す方針だ。
大阪・関西万博での太陽光パネルも活用、福島県や県内企業とも連携
今回の発電試験には、大和ハウス工業(大阪府大阪市)の提供・協賛で大阪・関西万博のシャトルバスターミナルにおいて実際に使用されていた太陽光パネルも納入された。これらのパネルはジオテクノスが、大阪・関西万博の会期終了後に撤去し、相双SECへ運搬した。
このほかにも、DOWAエコシステムは福島県および福島県内企業とも連携し、複数のルートから太陽光パネルを調達し試験を行っている。同社は今後も、調達先・協業先を拡大していく展望を持つ。
太陽光パネルをリユースする制度を整備し、海外への有価金属流出も防ぐ
太陽光発電など再エネの導入が進むが、施設の退去や建物用途の変更などに伴い、まだ発電可能な状態で撤去された太陽光パネルが、再利用されないまま廃棄されるという社会課題が生じている。
UPDATERは、こうした課題の背景には、撤去現場での個別診断・選別体制が不十分で、稼働可能なパネルも一括処分されがちな現状や、リユースパネルの流通基盤や品質基準、保管体制が整備途上で、再利用の実態把握やトレーサビリティが確保しにくいという問題点があると指摘する。また、再エネ政策が「新設・導入」を中心に設計されてきた結果、設備の再活用(リユース)に関する制度整備が遅れていることも要因として挙げる。また、リユースパネルの活用が、廃棄物の不正輸出や資源の国外流出を防ぐ効果につながるとし、再利用できるパネルの適切な選別・活用に注力していく考えだ。
一方のDOWAエコシステムは、廃棄パネルの大半が海外へ輸出されている現状について指摘している。パネルに含まれる銀や銅といった有価金属の国内における有効活用や、有害物質の適正処理の観点から、国内におけるリユース体制の迅速な構築が求められているため、リユース・リサイクル・適正処分を一体的に推進するビジネスモデルを構築することとした。
相双SECは、東日本大震災被害と原子力災害からの復興に向けて新たな産業基盤の構築を目指す「福島イノベーション・コースト構想」の一環として、DOWAエコシステムを含む8社が出資し設立した。復興事業に伴い発生する不燃性廃棄物および太陽光パネルのリサイクル事業を展開している。同県内における先進的なリサイクルシステムのさらなる拡大に向け、2025年11月よりリユース太陽光パネルによる発電試験を開始した。
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2025.12.18
荏原本社ビルで初のファサードイルミネーション 再エネ電気で点灯開始
荏原製作所(東京都大田区)は12月11日、本社ビルに供給される「再エネ100%電力」と「窓」を利用したイルミネーション演出「荏原ファサードイルミネーション」の点灯を開始した。同社初の試みで、地域貢献活動の一環として取り組む。2026年1月30日までの期間、18時から24時までの時間帯に点灯する。
再エネ電気で点灯、本拠地の大田区羽田旭町で地域貢献活動
ファサードイルミネーションとは、ビルや店舗などの建物において正面(ファサード)部分を照明で装飾・演出すること。「荏原ファサードイルミネーション」では、同社本社ビルのうち、東京モノレールや羽田空港がある東側の窓を活用した。
同社は2050年カーボンニュートラル実現を目指し、再エネ電力の調達・導入を進めており、本社ビルでは4月から荏原環境プラント(東京都大田区)を通じてCO2フリー電気を導入し、12月には本社ビルの100%再エネ化を果たした。
今回開始されたイルミネーションも、本社ビルに供給される再エネ電気で点灯・運用される。
荏原の本拠地・大田区羽田旭町における地域貢献活動 日頃から活発な地域交流
本社ビルの立地を活用したイルミネーションにより、近隣住民やモノレールの乗客などに楽しんでもらうことで地域活性化に貢献できると考え、同社はこの企画を実施した。
同社では、羽田地区のごみ拾い活動や地域イベントなどに参加するほか、日頃から区・町などの自治体や近隣企業と積極的に交流しているため、今回のイルミネーション企画も地域を盛り上げるイベントの一つとして、賛同や期待が集まったという。
また、環境に配慮しながら地域活性化に向けた取り組みを行うことにより、従業員エンゲージメントの向上にもつなげる。
2030年までに追加性や地域貢献性に優れた再エネ調達・導入を目指す
荏原製作所と、荏原環境プラント、東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS/神奈川県川崎市)の3者は7月29日、再エネ導入を中長期的に推進することを目的とした基本合意書を締結した。荏原グループが掲げる2050年カーボンニュートラルの達成に向け、2030年までに太陽光や水力、風力、バイオマスなどによる追加性や地域貢献性に優れた再エネ電力の調達・導入を目指す。
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2025.12.17
関西電、栃木県佐野市でバイオマス発電 バーチャルPPAで東京メトロに提供
関西電力(大阪府大阪市)は12月11日、栃木県佐野市でバイオマス発電事業に参画すると発表した。今後は、2028年9月に運転開始予定の「佐野発電所」で生み出される再エネ由来の環境価値を、バーチャルPPAの仕組みを活用し、東京地下鉄(東京メトロ/東京都台東区)に対し提供する。
出力7.1MW、年間発電量は57GWh
新設する「佐野発電所」は、関東地方の一般木材や未利用間伐材等を燃料とする木質専焼の発電所。出力7.1MWで、1年間で一般家庭1万8000世帯分の使用量に相当する約57GWhを発電する。
施設の運営は、関西電力のほか、バイオマス・フューエル(東京都千代田区)、ビーエイブル(福島県大熊町)、那須建設(山形県長井市)が出資する佐野バイオマス発電(群馬県館林市)が行う。
環境価値供給に向け、地下鉄初のバーチャルPPA契約締結
東京メトロは、環境価値供給に向け、佐野バイオマス発電と、地下事業者初となるバイオマス発電のバーチャルPPA契約を締結した。同契約に基づき、東京メトロは、約19年間にわたり年間約51GWh分の追加性のある再エネ由来の環境価値の提供を受ける。
この取り組みにより、東京メトロの年間のCO2排出量の6.5%にあたる約2万1981t削減される見込みだ。
2030年度53%減、2050年度実質ゼロ実現に向けた取り組み
東京メトロでは、長期環境目標「メトロCO2ゼロ チャレンジ 2050」を設定。グループ全事業のCO2排出量削減目標として、「2030年度に53%削減(2013年度比)、2050年度実質ゼロ」を目指している。
これまでも、エネルギー効率に優れた車両や環境負荷の少ない設備の導入に加え、国内鉄道業界初となる陸上風力を活用したバーチャルPPAによる銀座線の使用電力の一部を再エネ化や、電車がブレーキをかけたときに発生する回生電力の有効活用を目的とした省エネ施策などを実施してきた。
同社は今後も、目標達成に向けて、バーチャルPPAをはじめとした多様な手段による再エネの活用をさらに推進し、脱炭素・循環型社会の実現に貢献していきたい考えだ。
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2025.12.16
九州大とJCCL、排ガス由来CO2循環活用モデル構築 eーメタン証書取得
九州大学と同大学発のスタートアップ企業であるJCCL(福岡県福岡市)は12月11日、西部ガス(同)の都市ガス製造工場で回収した排ガス由来のCO2から、カーボンニュートラルな都市ガスである「eーメタン」 を合成し、クリーンガス証書を取得したと明かした。今回、排ガス由来の合成メタンに対し第三者認証を受けたことは、画期的な成果であると、両者は説明している。
共同開発したCO2回収装置を活用
九州大学とJCCLは、2022年に、西部ガス(福岡県福岡市)とともに、都市ガス燃焼後排ガス中のCO2利用に関する共同検討を開始。2023年11月からは、環境省の「地域原料活用によるコスト低減を目指したメタネーション地産地消モデルの実証」にも参画している。
3者は今回、九州大学とJCCLが共同開発したCO2回収装置(VPSA2)を用いて、西部ガスの都市ガス製造工場にて、都市ガスボイラ排ガスからCO2を回収し、99%まで濃縮した上で、西部ガスのメタネーション設備にCO2を安定的に供給する実証を完了した。
このCO2を原料に、同設備でメタンガス(都市ガスの主原料)を合成。製造されたeーメタンが、環境価値を有する「クリーンな都市ガス」として認証された。
認証取得により、環境価値の移転が可能に
クリーンガス証書とは、クリーンガス製造設備の認定を取得した製造設備で製造されたeーメタンやバイオガスが持つ、燃焼しても大気中のCO2が増えないと見なせる価値(環境価値)を、 クリーンガス相当量認証を通じて証書化したもの。 クリーンガス証書により、広く環境価値の移転が可能になる。
JCCL、CO2分離・回収拡大に向け、協業を強化
JCCLは、固体吸収法と膜分離法の両技術を有し、CO2分離・回収に関して、材料・性能評価・装置・プロセス設計技術までをワンストップで提供できる点に強みがある。
10月には、大日本印刷(DNP/東京都新宿区)と、CCU技術を活用した事業開発やGHG排出量削減などを目的とした協業を開始。この一環として、DNP科学分析センター(東京都港区)にJCCLのCO2分離回収装置を導入し、顧客向けにCO2分析サービスの提供を始めた。
CO2回収技術は、メタネーションなどカーボンリサイクル技術の基盤としてさらなる展開が期待される。JCCLは引き続き、CO2分離・回収技術の高度化、スケールアップや社会実装を推進し、脱炭素社会の実現と地域循環型エネルギーシステムの構築に貢献していく。
【参考】
・九州大学―九州大学・JCCLが西部ガスの都市ガス工場で回収したCO₂から カーボンニュートラルな都市ガス『e-methane』が合成され クリーンガス証書を取得しました!
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2025.12.15
日本初、核融合発電の電力売買契約締結 2030年代にも実用化の見込み
日本独自のヘリカル型核融合炉を開発するHelical Fusion(ヘリカルフュージョン/東京都中央区)は12月8日、愛知県内で食品スーパーを展開するアオキスーパー(愛知県名古屋市)と、国内初となるフュージョン(核融合)エネルギーによる電力売買契約を締結したと発表した。
ヘリカルフュージョンは現在、核融合炉によって発電した電力の実用化を目指す「Helix Program(ヘリックス計画」を推進する。計画では、2020年代に重要な開発要素の実証を完了し、2030年代の実用発電達成を目指している。
核融合エネルギーをスーパーマーケットに供給する未来の実現に向けた第一歩
フュージョンエネルギーは、太陽のエネルギーを生み出す核融合反応を地球上で再現し、高効率で持続可能なエネルギーを創出する技術。石油や天然ガスなどの化石燃料に依存せず、主に海水に豊富に含まれる重水素などを燃料とするCO2を排出しない次世代クリーンエネルギーであり、世界中で開発の推進や早期の社会実装が期待されている。
これまでは、高度な知見を要する研究・技術開発の側面が注目されてきたが、同技術がエネルギーインフラとして社会実装されるには、実際にフュージョンエネルギーを「使おう」という需要家の存在が不可欠となる。
今回電力購入を決めたアオキスーパーは、愛知県内に食品スーパー50店舗を展開する1941年創業の小売企業。7月に、持続可能な社会の実現と地球環境保全への貢献を目指す活動の一環として、Helical Fusionへの出資に参画。以来、売電契約の実現性について協議を進め、今回の発表に至った。
「出口」を示すことで、さらなる投資を促す
日本初の電力売買契約締結を重要なマイルストーンと捉え決断したアオキスーパーに対し、Helical Fusion代表取締役CEOの田口 昂哉氏は、感謝の意を示すととに、「これから実装に向けた開発・投資をする人にとって「出口」を示すことができた」とその意義を語った。
また「同契約をきっかけに、フュージョンエネルギーの社会実装への機運が高まり、それが同分野の開発・投資を促進するという好循環につながってほしい」と期待を寄せる。
「ヘリカル型核融合炉」開発を推進するスタートアップ
Helical Fusionは2021年、大学共同利用機関法人 自然科学研究機構 核融合科学研究所における核融合に関する研究成果を活用し創業したスタートアップ企業。日本独自の核融合炉形式である「ヘリカル方式」によるフュージョンエネルギーの実用化を目指す。
同社が掲げる「ヘリックス計画」では、2020年代中をめどに、二大開発要素である「高温超伝導マグネット」「ブランケット兼ダイバータ」の個別実証を終え、2030年代中には、最終実証装置「Helix HARUKA」による統合実証や発電初号機「Helix KANATA」による世界初の実用発電を達成する計画を打ち出している。
廃油活用などの取り組みを推進するアオキスーパー
アオキスーパーは、地球温暖化に伴う気候変動による農産物の栽培適地の変化や海水温の上昇による水産資源への影響を深刻な問題として認識。今回の核融合発電の導入検討以外にも、食料品を取り扱い、店舗などでエネルギーを使用する企業として、家庭・事業系の廃食用油をSAFの原料としてリサイクルする活動などを展開している。
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