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2026.02.27
中国大手とレドックスフロー蓄電池システムを共同開発へ 正興電機製作所
正興電機製作所(福岡県福岡市)は2月24日、中国の蓄電池メーカー大手のRKP社と、日本市場向けレドックスフロー(RF)蓄電池システムの共同開発を開始したと発表した。北九州市で2026年秋以降の本格稼働を目指し、系統用蓄電池としての展開および地域のBCP対策電源としての活用を検討する。
北九州発・地域の防災対策に資する安全な再エネモデルを構築予定
まずは正興電機製作所の古賀事業所(福岡県古賀市)において、2月よりシステム構築および各種試験を開始.10月に北九州学術研究都市に竣工予定の「ひびきの研究開発センター」(同・北九州市)へ移設し、本格稼働する計画だ。
2026年秋以降には、稼働後の同システムを、「学研都市ひびきの」エリアのBCP対策用電源として非常時に活用できるよう、北九州市との枠組みを策定する予定だ。
この共同開発において、RKP社は高度な電池セル技術を提供するという。一方の正興電機製作所は、電池の特性を最大限に引き出し、安定した電力変換を行う専用パワーコンディショナ(PCS)および、高度な制御技術で電力需給の最適化・系統電力の安定化に資するエネルギーマネジメントシステム(EMS)の開発を担う。
大型案件を先行してきた住友電工、経産省の2025年度事業に3件採択
次世代の定置用大容量蓄電池として注目されるRF電池は、国内では、住友電気工業(大阪府大阪市)が長年にわたり開発を進め、複数の導入実績を持つ。同社のRF電池は国内外で採用され、海外では米国・欧州・豪州・アジアへ導入例がある。国内では、新出光(福岡県福岡市)が10月に運転開始予定の系統用蓄電所「長洲蓄電所」(環境省の地域脱炭素推進補助金の対象事業においてレドックスフロー電池が採用された初事例)や、鹿児島県南九州市の地域マイクログリッドを担う「黒木山太陽光発電所」、新潟県柏崎市の地域新電力の柏崎あい・あーるエナジーなどに再エネの調整力リソースとして導入されている。
同社は2月10日、経済産業省の2025年度「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」に、同社製のRF電池を用いた系統用蓄電所導入事業が3件採択されたと発表した。このうちの1件となるRSテクノロジーズ(東京都品川区)は、福島県浪江町での住友電工製のRF電池を用いた系統用蓄電池事業を計画し、電解液にグループ会社のLEシステム(同)が製造する電解液660m2を導入すると発表した。
また、プライム・スター(同・港区)は、2022年6月に太陽光発電システムと組み合わせたレドックスフロー電池の販売を開始しており、道の駅や自治体施設などへの導入実績を公表している。
今回の正興電機製作所とRKP社の共同開発は、これまで住友電工が大型案件で先行してきた国内RF電池市場に、新たなプレーヤーが加わる可能性を示す。セル技術を持つ海外大手と国内制御技術企業が組む形で、日本市場向けのシステム開発が進むことになる。
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2026.02.26
低圧の太陽光発電、FIP+蓄電システムへの移行で収益改善を 検証スタート
ブルースカイエナジー(東京都中央区)は2月18日、リミックスポイント(東京都港区)と同社子会社であるシールエンジニアリング(同)と共同で、低圧太陽光発電所のFIP制度移行に向けた事業性検証プロジェクトを開始すると改めて発表した。
この検証では、低圧太陽光発電所において、蓄電システムの併設と、FIT制度からFIP制度への移行を見据えた発電・蓄電・売電を含むシステム全体の運用最適化を図る。
低圧の太陽光発電所、収益向上と低圧アグリゲーションの事業性確立を検証
具体的には、ブルースカイエナジーが保有する鹿児島県志布志市の低圧太陽光発電所10区画と、リミックスポイントが保有する熊本県菊池市の10区画において、Tensor Energy(福岡市中央区)が提供する再生可能エネルギー発電事業プラットフォーム「Tensor Cloud」をアグリゲーション運用システムとして採用し、蓄電システムの併設とFIT制度からFIP制度への移行を見据えた運用の最適化を図る。これにより収益向上と低圧アグリゲーションの事業性確立を検証することを目的としている。
リミックスポイントは、アグリゲーターとして最適な蓄電システムの設計・提案・導入を担う。蓄電池事業を展開するシールエンジニアリングは太陽光発電所と蓄電システムの運用最適化を担う。ブルースカイエナジーは太陽光発電設備の改修・運営・管理を担う。また、Tensor Energyは、アグリゲーション運用システムとして、最先端のAIとデジタル技術を駆使した「Tensor Cloud」を提供する。
事業用太陽光発電の導入件数において、低圧の太陽光発電所は全体の9割を占める大きな市場規模を持つ一方、発電効率や手続き面の負担から採算性に課題があり、参入障壁の高い事業環境となっている。また、政府は2027年度以降、FIT/FIP支援制度の対象を見直す方針を示している。今回の取り組みでは、システム全体の運用最適化と蓄電池を活用して売電タイミングを最適化し、低圧太陽光発電事業の新たな可能性を検証する。
FIT制度かたFIP制度への移行プロジェクト、今後も順次拡大予定
FIT制度からFIP制度移行を見据えたプロジェクトは、リミックスポイントが保有する10区画のリュミエ菊池発電所(熊本県菊池市)と、ブルースカイエナジーが保有する10区画の志布志発電所(鹿児島県志布志市)で実施する。両発電所において、2026年春頃に蓄電システム増設などの設置工事を開始、2026年秋頃にFIP制度への移行手続き開始、2026年冬頃にFIP制度への移行を完了、運転を開始する予定。
リュミエ菊池発電所(熊本県菊池市)
・所有者:リミックスポイント
・発電出力:約500kW(1区画当たり低圧49.5kW)
・年間想定発電量:約594,000kWh(10区画)
・主な追加設備:蓄電池(定格容量)約2,090kWh(1区画当たり約209kWh)
志布志発電所(鹿児島県志布志市)
・所有者:ブルースカイエナジー
・発電出力:約500kW(1区画当たり低圧49.5kW)
・年間想定発電量:約744,000kWh(10区画)
・主な追加設備:蓄電池(定格容量)約2,610kWh(1区画当たり約261kWh)
今回の検証は、FIT制度からFIP制度移行を見据えた、リミックスポイントとブルースカイエナジーによる協業の第1号プロジェクトとして実施する。今回実施する2カ所にとどまらず、今後も協業範囲を順次拡大していく予定。
リパワリングと蓄電所開発、低圧の太陽光発電所でも協業で
リミックスポイントとシールエンジニアリングは、FIP制度下における低圧太陽光発電所の最適な運用を通じた事業性の検証を目的に、ブルースカイグループとの協業を開始した。2025年12月に、太陽光発電所の開発から運営・保守(O&M)に至るまでを一貫して手がける、ブルースカイグループ傘下のブルースカイソーラー(東京都港区)と、1月に、ブルースカイグループ傘下で、太陽光発電所・蓄電所の開発から運営・管理までを手がけるブルースカイエナジーと業務提携契約を締結している。
ブルースカイエナジーは、主に大規模開発を伴わない太陽光発電所のリパワリング工事や蓄電所に関するEPC事業や開発事業を行っている。全国に24カ所の拠点を有しており、土地の調達から発電所や蓄電所の開発・施工のほか、草刈りや除雪、日常の修繕といった管理業務を担っている。現在は、リパワリングと蓄電所の開発に注力しており、リパワリングは全国100カ所、150MW以上の実績があり、蓄電所については2027年までに全国50カ所以上の系統用蓄電所の開発、太陽光発電所併設型蓄電池の開発も進めている。
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2026.02.25
ヒラソル・エナジー、FIT発電所のFIP制度への移行を支援 福岡で
東京大学発スタートアップのヒラソル・エナジー(東京都文京区)は2月19日、FIT制度の既設太陽光発電所をFIP制度へ移行し、発電所の運用最適化を図る取り組みを、イースト・エンジニアリング(同・港区)と開始したと発表した。
対象となった発電所は、出力1.5MWの「福岡飯塚第一太陽光発電所」。両社は今後、同発電所の持続可能な運用と収益拡大を目指す。
発電所のEPC実績を持つイースト・エンジニアリングと連携
イースト・エンジニアリングは、発電所のEPC(設計・調達・建設)の豊富な知見・実績を、ヒラソル・エナジーは、太陽光発電量の高精度予測技術や独自開発のエネルギー制御システム(EMS)を用いた蓄電池制御の実績を有している。このプロジェクトにおいて、同社は、既設のFIT太陽光発電所の選定や設備のメンテナンスを行う。
ヒラソル・エナジーは、アグリゲーターとして、高精度な太陽光発電量予測技術および独自開発のエネルギー制御システム「J-EMS」を活用し、発電量予測やインバランス低減に向けた対応、発電計画の策定・電力広域的運営推進機関(OCCTO)への提出、非化石価値の取り扱いを含む日々のオペレーション業務を担う。
電力市場の需要と供給のバランス維持へFIP制度を導入
再エネの安定的活用に向けては、需給バランスに応じた電力市場の変動を考慮し発電量を調整し、再エネを主力電源化することが求められる。2022年度からFIT制度に加えて、市場連動型のFIP制度が導入された。
FIP制度は、固定価格での買取を行うFIT制度と異なり、市場価格と連動して変動するため、市場の動向に応じて発電収入も変動する。売電する際には、電力市場の需要と供給のバランスを保つために、事前に発電量の予測に基づく発電計画の提出や、実際の発電実績値と乖離がある場合は、「インバランス料金」としてペナルティの支払いが要求される。
これまではFIT制度により、再エネが急速に拡大した。しかし、FIT制度では電力市場の影響を受けず固定価格での電力の買取が保証されているため、電力の需給バランスを考慮する必要がなく、結果として、電力供給が需要を上回るなどバランスを崩す一因となっている。
特定卸供給事業者(アグリゲーター)に届出
ヒラソル・エナジーは、経済産業大臣に対し、特定卸供給事業制度に定められた特定卸供給事業者(アグリゲーター)の届出を行い、2024年に特定卸供給事業者一覧に掲載された。
特定卸供給事業者は、分散型電源を有する者やリソースアグリゲーターなど電気の供給能力を有する他の者(発電事業者を除く)から、1MWを超えて電気を集約・統合制御し、一般送配電事業者や小売電気事業者、特定送配電事業者、配電事業者に電気を供給する事業者をいう。
ヒラソル・エナジーは、今後は、アグリゲーターとして、このプロジェクトで得られた知見を活かし、既設のFIT太陽光発電所を対象に、FIP制度移行後の効率的な発電所運用を支援していく。
なお同社の太陽光発電量の予測技術は、2023年に開催された第1回「太陽光発電量予測AIコンペティション」にて、短期予測賞を受賞。これまで積み重ねてきた独自のシミュレーション技術により、発電量の予測精度を向上、正確な発電予測により、予測発電量と実績発電量の差異を最小限に抑えることができ、収益に影響するインバランス料金を削減・最適化を実現している。
このほか、米倉山次世代エネルギーシステム研究開発ビレッジ発電所(山梨県甲府市)にて、開発したエネルギー制御システム「ぷらマネリンク」を用いた複数台の蓄電池制御を行っている。
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2026.02.24
日本電気硝子、敷地外太陽光活用・自己託送スキーム実装 CO2年500t減
日本電気硝子(滋賀県大津市)は2月17日、滋賀県長浜市の「滋賀高月事業場」の敷地外に太陽光発電設備を新たに設置し、稼働を開始したと明かした。発電した電力は自己託送制度を活用し、同事業場へ供給する。
30分同時同量で、再エネ1200MWh供給
自己託送制度とは、発電設備や蓄電池などを保有する事業者が、一般送配電事業者の託送供給を利用して、自ら発電・放電した電力を同一法人内の別の需要場所(工場や事業場など)へ供給する仕組みを指す。近年、企業では再エネの自家消費拡大やスコープ2の削減手法として、同制度を活用する動きが広がっている。
同制度は「自家消費」を基本とする仕組みであり、FIT制度の適用を受けた電源をそのまま自己託送に充てることは認められていない。
自己託送を行う事業者は、発電設備を「発電バランシンググループ(発電BG)」、需要場所を「需要バランシンググループ(需要BG)」にそれぞれ属させ、30分単位で発電計画と需要計画を一致させる「計画値同時同量」の義務を負う。
実際の発電量や需要量が計画値と乖離した場合(インバランス)は、一般送配電事業者が系統全体として需給調整を行い、その調整に要した費用がインバランス料金として各バランシンググループに精算される仕組みとなっている。
日本電気硝子が新設した太陽光発電設備の年間発電電力量は、一般家庭約300世帯分の消費電力に相当する約1200MWhとなる。これにより、CO2排出量は年間約500t削減できる見込みだ。
メガソーラーシステムに続く再エネ活用
滋賀高月事業場は2023年4月、約5,000枚の太陽光パネルを設けたメガソーラーシステムを設置し、本格稼働を開始した。年間発電電力量は約3700MWhに上る。
製造業では、屋根面積の不足や建屋の構造的制約、敷地余地の限界といった理由から、自家消費型太陽光の導入拡大に課題を抱えるケースは少なくない。日本電気硝子は今回、敷地外設置と自己託送を組み合わせることで、再エネの自社利用拡大を図る。同社は今後も再エネの活用を推進する方針だ。
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2026.02.23
ESGファイナンスの表彰 ペロブスカイト太陽電池開発での資金調達等が受賞
環境省は2月16日、ESG金融に積極的に取り組む金融機関などや、サステナブル経営に取り組む企業を評価・表彰する、第7回「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」の受賞者を発表した。
積水化学工業(大阪府大阪市)は注目度の高いペロブスカイト太陽電池の開発に関わる資金調達により「資金調達者部門」で金賞を、伊藤忠商事(東京都港区)と積水ハウス(大阪府大阪市)は「環境サステナブル企業部門」で金賞を受賞した。
第7回は金賞7件、銀賞8件など35件が受賞
「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」は、ESG金融の普及・拡大に向けて、2019年に環境省が創設した。上場企業を対象とした「環境サステナブル企業部門」と、投資家や金融機関、資金調達者を対象とした金融部門である「投資家部門」「間接金融部門」「資金調達者部門」「金融サービス部門」の全5部門を設けている。
第7回の応募では、環境大臣賞として金賞7件、銀賞8件、選定委員長賞として銅賞9件、特別賞4件、テーマ別賞7件を選定し、2月16日に各賞の授与を行った。また、開示充実度が一定の基準を満たしている59社を「環境サステナブル企業」として、開示の改善度合いが高くより一層の発展が期待される5社を「環境開示プログレス企業」として選定した。
また、環境省は、第7回への応募者を対象に、ESGに関する人材開発の状況についてアンケート調査の集計結果を取りまとめ公表した。
受賞者は以下の通り(※カッコ内はサブ部門名)。
投資家部門
金賞:ロベコ・ジャパン(アセットマネージャー部門)
銀賞:ニッセイアセットマネジメント(アセットマネージャー部門)
銅賞:明治安田生命(アセットオーナー部門)
特別賞:公益財団法人自動車リサイクル促進センター(アセットオーナー部門)間接金融部門
金賞:静岡銀行、みずほ銀行
銀賞:肥後銀行、横浜銀行
銅賞:山陰合同銀行
特別賞:福井銀行/福井鋲螺 ※連名受賞資金調達者部門
金賞:積水化学工業
銀賞:三菱HCキャピタル
銅賞:中日本高速道路
特別賞:該当なし金融サービス部門
金賞:大和証券(証券部門)
銀賞:格付投資情報センター(評価・情報提供部門)
銅賞:みずほ証券(証券部門)
特別賞:サステナブル・ラボ(評価・情報提供部門)テーマ別賞
ネット・ゼロ賞:池田泉州リース
ネイチャーポジティブ賞:滋賀銀行
サーキュラーエコノミー賞:大日本印刷環境サステナブル企業部門
金賞:伊藤忠商事、積水ハウス
銀賞:栗田工業、大和ハウス工業、明治ホールディングス
銅賞:大阪ガス、コニカミノルタ、すかいらーくホールディングス、TOPPANホールディングス、三菱マテリアル
特別賞:三井倉庫ホールディングステーマ別賞
ネット・ゼロ賞:東急不動産ホールディングス、日本郵船
ネイチャーポジティブ賞:ニッスイ
サーキュラーエコノミー賞:LIXIL革新性やモデルケース、市場底上げへの貢献などを評価
積水化学工業は、経営とファイナンスの統合や、GXのハイライトであるペロブスカイトに焦点を当てたシンボリックなファイナンスの事例として、R&Dとグリーンファイナンスを明確に結びつけた革新性が評価され、資金調達者部門の金賞を受賞した。
環境サステナブル企業部門で金賞を受賞した伊藤忠商事は、総合商社として環境関連のリスクや機会を包括的に把握し、成長戦略と同期した資本効率経営や強固なサステナビリティ・ガバナンスを実現していることが評価された。また、同社の天然ゴム事業における自然資本リスクへの対策も特徴的な取り組みとして認められた。
同じく金賞を受賞した積水ハウスは、植栽事業によるネイチャーポジティブへの貢献の定量的評価や、住宅の水平リサイクルに挑戦する「House to House」の取り組みなど、気候変動のみでなくさまざまな環境課題に対して先進的な対応を進めている点が評価された。
間接金融部門では、静岡県内の地域金融機関や自治体、地域産業との連携を深めるとともに、他地域への展開も見据えた具体的な取り組みを進める静岡銀行(静岡県静岡市)と、大企業との積極的な対話や、シップファイナンスやカーボンニュートラル分野において多角的な取り組みを展開する、みずほ銀行(東京都千代田区)が金賞を受賞した。
投資家部門・アセットマネージャー部門では、ロベコ・ジャパン(東京都港区)が、金賞を受賞した。グローバル展開している歴史ある責任投資家として日本と欧州の投資家をつなぐ橋渡し役を担うとともに、日本のサステナブルファイナンス市場の底上げに貢献している点が評価された。
ESG人材に求められる専門性トップは「気候変動」
第7回への応募者を対象にしたアンケート調査は、金融機関・企業などにおけるESG関連の人材開発について実態を把握することを目的に、2025年9月16日~10月31日に第7回の応募者を対象に行った。オンライン上またはExcelのフォームへの入力により実施し、金融部門44社、環境サステナブル 企業部門86社、計130社より回答を受領した。
ESGの取り組み実践にあたり、取り組んでいる人材開発の内容は、両部門とも「育成(従業員向けのESG研修など)」が最も多く、「中途採用」が続いた。自組織に最も求められるESG人材は、両部門とも自組織内での推進を担う「リーダー人材」が最も多く、「個別分野の専門人材」が続いた。
自組織に最も求められるESG人材の専門性は、「気候変動」が最も多く、金融部門で52%、環境サステナブル企業部門で43%を占めた。気候変動に次いで最も求められている専門性は、金融部門では「自然・生物多様性」(18%)、環境サステナブル企業部門では「循環経済・サーキュラーエコノミー」(24%)となった。
両部門とも、ESGへの取り組みが新卒・中途採用と人材流出防止の「いずれにも寄与している」と感じている回答が過半数で最も多かった。一方、ESG人材開発における主な課題として、両部門とも「育成を担う人材の不足」を挙げた回答が70%を占め最も多かった。
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2026.02.22
系統用蓄電所10カ所を共同開発へ エネフォワード、需給調整市場参入
エネフォワード(福岡県福岡市)は2月12日、ライジングコーポレーション(大阪府池田市)と業務提携し、2MW/8MWh規模の系統用蓄電所を約10カ所開発することを発表した。需給調整市場や容量市場を主な収益源とする商業運用を視野に入れ、再エネ拡大で変動が高まる電力市場への本格参入を図る。
系統用蓄電池事業へ新規参入のライジングコーポレーション
ライジングコーポレーションは、1月15日に系統用蓄電池事業へ参入することを発表した。
1月には岡山県和気町、熊本県南関町に、2月には兵庫県市川町への2MW/8MWhの系統用蓄電所の建設を決定してており、岡山と兵庫は2026年中、熊本は2027年2月の商業運転開始を予定している。取得額はいずれも約5.7億円で、総投資額は約17億円規模となる。設備は系統に直接接続し、需給調整市場などでの運用を見込む。
同社はこれまで、主に家庭用および産業用の太陽光発電システム・蓄電池などの販売施工を行ってきたが、系統用蓄電池事業に新規参入することでさらに事業拡大を図る。
系統用蓄電池を10件程度開発予定 事業範囲拡大も
今回の業務提携において、エネフォワードはEPCやマネジメントで培った実績を基に、ライジングコーポレーションが展開する系統用蓄電所事業に対し、設備の供給および運営・保守に関する専門的なノウハウを提供する。ライジングコーポレーションの強みとする販売活動や顧客開拓力と連携し、両社で系統用蓄電所事業の強力な推進体制を築いていく。
両社は今後、系統用蓄電所(出力2MW・容量8MWh規模)を、10件程度共同開発していく予定だ。また、蓄電池併設型の太陽光発電所やFIP転換案件の開発、分散型電源の運用事業など、事業領域を段階的に広げ、中長期的なエネルギーインフラ事業の展開について協働する。
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2026.02.21
日本材料技研、宇宙向けMXene太陽電池材料を開発 東京都助成に採択
日本材料技研(東京都中央区)は2月13日、同社が提案した「超軽量薄膜太陽電池に用いる電荷輸送層MXene(マキシン)の開発」が、東京都中小企業振興公社が実施する「宇宙製品等開発経費助成」に採択されたと発表した。人工衛星など宇宙用途向け次世代太陽電池を対象に、MXeneを活用した高耐久・高性能な電荷輸送層材料の開発を進める。
人工衛星の打上コスト削減に貢献する新材料技術
MXeneは、米ドレクセル大学で開発された二次元層状化合物。層状で異方性を持つナノシート構造を特徴とし、表面修飾による電子物性の制御や、インク化・塗布による低温成膜が可能なことから、宇宙用途向け薄膜太陽電池材料としての応用が期待される。
日本材料技研では、ナノシートが積層した多層MXene粉末や、ナノメートル(nm)スケールまで剥離したMXene水分散液のサンプル提供を行うほか、光電デバイスへの応用研究を進め、これまでに有機フォトダイオード型光センサの電子輸送層としての応用可能性を確認している。
同事業では、同社独自のMXeneに関する技術を基盤に、超軽量薄膜太陽電池向けのホール輸送層および電子輸送層材料の開発を行う。
プロジェクトには、東京大学大学院工学系研究科 横田 知之准教授も参画。実用化を見据えた産学連携体制の下、新規組成MXeneの開発や表面修飾技術の高度化、塗工インク化技術の確立に取り組む。宇宙用途に加え、将来的には民生用太陽電池や光デバイスへの展開も視野に入れる。
衛星軽量化と打ち上げコスト低減が課題
日本材料技研の発表によると、近年は人工衛星の打ち上げ数が急速に増加し、打ち上げコストの低減や搭載機器の軽量化が重要な課題だという。特に太陽電池は、衛星システム全体の重量の中でも大きな割合を占めることから、発電性能を維持しつつ軽量化を実現する技術が求められる。
東京大学 横田研究室が報告している超薄膜太陽電池は、従来型太陽電池と比べて単位重量当たりの発電量が大幅に高く、実用化されれば打ち上げコスト削減につながる可能性がある。一方、有機材料主体の構成では、宇宙線耐性や長期信頼性が課題とされている。
日本材料技研は今後、同事業を通じて人工衛星の打ち上げコスト低減と宇宙利用の高度化に貢献し、MXene材料の社会実装を加速させる。
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2026.02.20
蓄電池+コンテナでどこでもデータセンター開設可能に IIJなど2社が協業
パワーエックス(東京都港区)とインターネットイニシアティブ(IIJ/同・千代田区)は2月13日、蓄電システムとコンテナデータセンターを活用した協業について覚書を締結したと発表した。
電力供給とデジタルインフラを融合する「ワット・ビット連携」の具体化に向け、 ユースケースや事業スキームの開発を進めていく。
1台から設置可能なコンテナデータセンター パワーエックスが2027年より量産開始
パワーエックスは、コンテナデータセンター「Mega Power DC」を商品化し、2027年より同社の岡山工場で量産開始する予定だ。同製品は、同社が大型蓄電システムの開発や製造を手がける中で培ったパッケージング、直流電力制御、熱管理などの技術を活用し開発した。蓄電システムを搭載し、約1年程度の短納期で、新設にかかる費用も低コスト(一般のデータセンター比で25%削減)でデータセンターを開設できる。
設置は1台から可能で、都市部の事業所敷地内や駐車場、高架下などを有効活用したエッジ・オンサイトデータセンターの開設から、1ha程度の用地に125台以上設置することでハイパースケールデータセンターとしての展開も可能だ。
デジタルインフラの電力供給を最適化する事業スキームを開発する
両社は、データセンターの開設時に課題となる電力・建設・計算資源確保という複雑に関連する要素を最適化し、電力(Watt)と情報通信(Bit)を効率運用する「ワット・ビット連携」の具体化に向け、以下について検討していく。
・蓄電システムの調整力と演算基盤を一体化したコンテナデータセンターの共同開発
・分散ネットワークを活用したデジタルインフラのユースケース
・蓄電システムによる電力活用スキームの開発
再エネ導入拡大による電力市場価格の変動に対応するため、安価な電力を蓄電しコンテナ内のサーバ機器に使用することや、余剰電力を需要が高い時間帯で蓄電システムから販売することなども検討していく。
西日本で稼働実績を持つコンテナ型DCの知見を提供するIIJ
IIJは2011年より、島根県松江市でコンテナ型のデータセンター「松江データセンターパーク」を開設し運用してきた。西日本におけるコロケーション/ハウジングサービスの拠点であり、自社サービスの設備拠点として運用している。最大受電容量は4MW、約16000m2の敷地にコンテナモジュール「IZmo(イズモ)」500ラックが稼働する。
同社が独自開発した「IZmo」は、ITモジュールと空調モジュール(直接外部冷却方式)で構成されており、大量のIT機器を効率よく収容できる。
今回の協業で、同社はこの自社データセンターを開発・運用するノウハウを基に、最適な技術要件の検討とコンテナデータセンターの開発支援を行う。
分散処理型のITインフラ基盤の構築を目指す
AI需要が高まるにつれ、GPUサーバなどの計算資源を運用する大規模な電力消費を伴うデータセンターの需要が増加している。こうしたハイパースケールデータセンターでの集中処理については、電力の確保、AIのデータ処理を運用する上での最適化などが課題とされる。
その一方で、コンテナデータセンターやエッジデータセンターでの分散処理や、地域電源との連携による安定した電力供給が注目され、データセンターの脱炭素化の推進なども期待されている。
こうした背景を踏まえ、パワーエックスとIIJは、大型蓄電システムとコンテナデータセンターの活用によって、AI社会を支える電力・デジタルインフラの構築・拡大を目指すこととした。
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2026.02.19
JR東日本の水力発電を地域電源に 十日町・小千谷77施設に再エネ供給
新潟県十日町市と小千谷市は2月12日、UPDATER(東京都世田谷区)を通じて、両市に立地する東日本旅客鉄道(JR東日本/東京都渋谷区)の水力発電所「信濃川発電所」由来の再エネ100%電力を77公共施設に導入することを発表した。
これにより、エネルギーの地産地消を現するとともに、両市合計で年間約5,500tのCO2排出量削減を見込む。JR東日本が信濃川発電所の電力を鉄道事業以外に供給する初めて。
ゼロカーボンシティの実現に向けて官民連携
UPDATERは、地域の電気を地域で使う「電力経済圏」を通じ、脱炭素と地域経済の両立に取り組んでいる。今回の取り組みでは、JR東日本と協力して、十日町市と小千谷市の公共施設に、信濃川発電所を主とした再生可能エネルギー由来の電力に、同発電所の環境価値を組み合わせた、CO2を排出しない再エネ100%電力を導入する。
十日町市では4月1日から、小千谷市では6月1日から、庁舎、小学校、中学校、体育施設、上下水道施設、衛生関係施設などに再エネ100%電力の導入を開始する。十日町市では、十日町市役所本庁舎や十日町市医療福祉総合センター、馬水浄水場など47施設を、小千谷市では、小千谷市役所本庁舎や小千谷小学校、小千谷市学校給食センターなど30施設を再エネ100%電力に切り替える。
十日町市と小千谷市は、「ゼロカーボンシティ」の実現に向け、それぞれ地球温暖化対策実行計画を策定している。具体的には、2030年度までにCO2の排出量を十日町市は46%削減(2013年度比)、小千谷市は50%削減(同)することを目指している
JR東日本・信濃川発電所は、十日町市・小千谷市にある「千手発電所」「小千谷発電所」「小千谷第二発電所」の3つの水力発電所の総称。発電した電気は、首都圏や上越線、新幹線の電車や鉄道施設などに送られており、鉄道事業を支えるエネルギー源として重要な役割を担っている。
UPDATERが進める再エネの地産地消、甲斐市では木質バイオマス発電由来の再エネを導入
UPDATERは2月3日、山梨県甲斐市、グリーン・サーマル(東京都千代田区)とともに、甲斐市内の公共施設43施設において使用する電力を、市内にある木質バイオマス発電所由来の再エネへ切り替えることを発表した。
UPDATERは、独自のブロックチェーン技術により、発電する人や地域の背景が見える、再エネ100%の電力小売サービス「みんな電力」を提供してきた。特に地域や特定の発電所・発電方法からの供給を強みに、これまで全国の自治体と連携し、エネルギー調達の透明化や、地域資源を生かした地域創生支援を行ってきた。
また、地域資源の活用、電力の地産地消、再エネの導入促進を通じて、持続可能な地域社会の形成と創生に寄与する「電力経済圏」の取り組みを進めている。
【参考】
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2026.02.18
蓄電ビジネスに6億円 クラダシ「高い収益性見込める」出資で事業拡大
クラダシ(東京都品川区)は2月12日、2025年から開始した系統用蓄電池事業をさらに拡大すると発表した。系統用蓄電池事業を展開する「合同会社ジャパンパワーストレージ1」(同)に対し、6億円の匿名組合出資を行う。ファンド形式による資本効率を重視した取り扱い電力量の拡大と自社運営を組み合わせ、単独投資では成し得ないスピードで運用規模を拡大、国内の再生可能エネルギー導入拡大の加速を目指す。
6案件に分散投資、早期展開をねらう
ソーシャルグッドマーケット「Kuradashi」を通じた食品ロス削減ビジネスを中心に展開してきたクラダシは、事業領域拡大の一環として、2025年1月から再エネ分野への取り組みをすすめている。特に系統用蓄電池事業は、中期経営計画(2025年6月期〜2027年6月期)でも中長期的な成長機会を持つ領域と位置付け。既に、自社による系統用蓄電所の運営も開始した。
今回出資を決定したファンドでは、系統用蓄電所6案件の開発を予定しており、複数案件への投資によりリスク分散をしながら、単独投資では難しいスピードで運用規模を拡大するねらい。出資総額は6億円で、出資比率は13.37%となる。
社会課題の解決と高い収益性に着目、系統用蓄電事業を加速
同社は系統用蓄電所の運営を通じて、電力需給の安定化による社会課題の解決と、事業としての高い収益性の両立が見込めると判断。匿名組合出資を通じ、中長期的な収益基盤の強化と企業価値の向上につながるとの考えから、今回の系統用蓄電所ファンドへの出資を決めたとしている。なお、2026年6月期の通期連結業績への影響については、現在精査中だ。
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