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2025.10.04
パルシステム千葉、EVトラック初導入 「パルシステムでんき」の再エネ活用
生活協同組合パルシステム千葉(千葉県船橋市)は9月26日、配送拠点の松戸センター(松戸市松飛台)にEVトラックを初めて導入すると発表した。パルシステムでは東京、神奈川で既に導入しており、グループとしては9台目のEVトラックとなる。EVトラックの充電にはパルシステム電力(東京都新宿区)が供給する再エネ「パルシステムでんき」を主体とする電力を使用する。
いすゞのEVトラック「ISUZU ELFmio」採用、安全機能を評価
今回導入した車両は、いすゞ自動車(神奈川県横浜市)の「ISUZU ELFmio」。普通免許で運転可能なほか、ドライバーの表情から異常を検知する「EDSS(ドライバー異常時対応システム)」を搭載する。また、住宅街での配送に適した静音性や振動の少ない乗り心地が特長でこれらの点が評価され、採用に至ったという。
パルシステムグループでは、同車種を2024年10月にパルシステム東京で初めて導入した。
同日開催の納車式では、関係者の挨拶やセレモニーのほか、EV車両の紹介・見学も行われる予定だ。
約7割の拠点では再エネを活用
パルシステムグループは、2030年までに2013年度比でCO2排出量を46%削減、2050年には実質ゼロを目指し、配送に使用するトラックや軽自動車を含むEV車両の導入を積極的に進めている。グループの配送・物流センターの約7割の拠点では、太陽光などの自家発電や「パルシステムでんき」が供給する再エネ+FIT電気を活用。今回導入したEV車両の充電でも、同再エネを活用する。
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2025.10.03
越谷市、災害時にEV搭載可搬型バッテリーで電力供給 NTT東日本らと連携
NTT東日本(東京都新宿区)は9月29日、埼玉県越谷市、イハシライフ(越谷市)と、越谷市内で災害発生時に電気自動車(EV)に搭載した可搬型バッテリーを活用した電力供給に関する協定を締結した。
NTT東日本グループ会社が所有するバッテリー交換式EVコンバージョンカーに搭載された可搬型バッテリーを、イハシライフが市内学校の屋根上に設置する太陽光発電設備で充電し、電力不足の避難所へ運搬して電力供給を行う。
蓄電池を社用車で活用、被災時には運搬・転用
災害発生時にEVの可搬型バッテリーを避難所に供給する取り組みは、東日本エリアで初の試み。今回の取り組みは、越谷市と民間事業者など10者で、市域の脱炭素・地域課題解決を推進するため設立した「こしがや脱炭素コンソーシアム」事業の一環として実施する。
具体的には、越谷市が災害発生時における避難所の電力供給状況の把握し、事業者への協力を要請。イハシライフが、市内学校(大相模中学校)の屋根上の太陽光発電による電力を提供する。NTT東日本グループのNTT東日本埼玉南支店(埼玉県さいたま市)が社用車のCEVの可搬型バッテリーを運搬・提供する。
最大12時間放電できる可搬バッテリー、通常は社用車で活用
災害時に活用するNTT東日本グループのバッテリー交換式EVコンバージョンカー(CEV)は、ガソリン車を可搬型バッテリー搭載EVへ転換(改造)したもの。可搬型バッテリー(1500W)で8~12時間の放電ができる。
CEVは、通常は社用車として活用し、災害時には避難所にて可搬型バッテリーを降ろし、電力を供給する。通常は未使用のまま保管される災害用蓄電池を、日常的に活用し、被災時にはそのまま運搬・転用できる仕組みを構築した。
市内7小中学校で太陽光発電事業を手掛けるイハシライフ
イハシライフは、2014年より市内の小中学校7校において越谷市より屋根を借りて太陽光発電事業を実施してきた。同社は関東を中心にプロパンガスの販売や太陽光発電などの事業を手がけている。また、グループ会社のイハシエネルギー(埼玉県越谷市)では、サービスステーションの運営や自動車整備など、モビリティー事業を展開している。
埼玉県の補助金を活用
今回の取り組みでは、事業用太陽光発電の電力を活用し災害時などの地域のエネルギーレジリエンスの強化を支援する、埼玉県の「自立運転切替装置等電力供給設備導入補助金」を費用の一部に活用する予定。
脱炭素・地域課題解決へ各社のノウハウを活用
越谷市は、2021年に埼玉県東南部地域5市1町(草加市、越谷市、八潮市、三郷市、吉川市、松伏町)として「ゼロカーボンシティ」を表明し、脱炭素を推進している。2024年には、越谷市と民間事業者など10者と「こしがや脱炭素コンソーシアム」を設立した。このコンソーシアムでは、各社の知識や技術を共有しながら、地域の脱炭素化と社会・経済課題の同時解決に向けた具体的な施策を検討している。
【参考】
・埼玉県越谷市-イハシライフ株式会社、NTT東日本株式会社と災害時における電気自動車搭載可搬型バッテリーを活用した電力供給に関する協定を締結
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2025.10.02
蓄電池ビジネスのリスクとチャンス(第3回)系統用の接続検討申込が急増
「その土地を購入して本当に大丈夫ですか」
2025年9月24日に開催された、経産省の総合資源エネルギー調査会、電力・ガス事業分科会、再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会、次世代電力系統ワーキンググループの資料によると、2025年6月末時点で、東北電力管内では累計で56.6GWの系統用蓄電池の接続検討申込がされ、中国電力管内18.2GW、九州電力管内16.8GW、東京電力管内16.5GWがこれに続いている。日本全国で累計143GWの系統用蓄電池の接続検討申込がされていることになる。
系統連系までの時間が延びている
500kW以上の発電等設備で見ると、2022年度の系統用蓄電池の接続検討申込が約6GW、2023年度が約16GW、2024年度が95GWとここ数年で急激に増加している。これはもはや異常な過熱状態と言わざるを得ない。実際に系統用蓄電池で接続契約申込まで進んだものは18GWのみである。系統用蓄電池の接続検討申込が急激に伸びた煽りをうけて、他の電源の接続検討回答に遅れが生じ、系統連系までの時間が延びている。
土地所有権と系統接続契約をセットで売却するビジネスも登場
これは2012年から2015年にかけての、いわゆる利潤配慮期間の高額FIT(40円、36円、32円/kWh)の太陽光発電バブルを彷彿とさせる事態である。地元の不動産会社や建設会社等、自分自身では系統用蓄電池の開発をする意図がない者が、土地所有権/利用権と系統接続契約の地位をセットとして、権利売買の形で実際の系統用蓄電池の開発事業者に売却するビジネスを行っている。
系統接続契約の地位だけで、1MW当たり1000万円で取引されるような事例もみられるので、一般送配電事業者に支払う接続検討申込の費用の22万円とその他の技術的書類作成経費を考慮にいれても、権利売買は大きな儲けが期待できる。さらに地方の辺鄙な土地であれば、1平方メートルあたり数千円で購入ができ、それに系統接続契約の地位をセットとして、土地の価格にプレミアムをつけて売却することもできる。条件次第ではあるが、2MWの系統接続契約の地位と2MW用の土地とセットとし、5000万円で売却している事例もみられる。
接続検討の工事費、事前の予測は不可能
また、連系地点の⼯事費負担⾦は、⼀般送配電事業者が保有する系統設備を踏まえて必要になる設備構成から⾒積もられるため、接続検討の申請前に予測することは不可能であり、接続検討の回答書が提⽰されることで明らかになる。蓄電池事業者、蓄電システムメーカー、⼀般送配電事業者らへのヒアリングからは、「系統連系⼿続の規定上、⼤量に接続検討を⾏うことについて何も制約がない。いかに多額の接続検討費⽤が⽣じても、それに⾒合った安価な⼯事費負担⾦の連系地点が⾒つかれば接続検討に要した費⽤は回収可能となる」という声が聞かれた。
確度が低い接続検討案件が大量に発生
そのため、「事業者による連系地点の検討が不⼗分であったとしても⼤量に接続検討を⾏う⾏動が促され、結果的に案件確度が低い接続検討が⼤量に発⽣することになる」(蓄電池事業者、蓄電システムメーカー、⼀般送配電事業者)という。系統用蓄電池の接続をめぐる問題点が浮かび上がってきた。
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2025.10.01
東北電力、農業由来クレジット活用 農業支援と脱炭素推進の地域モデルを提示
東北電力(宮城県仙台市)は9月24日より、東北6県・新潟県におけるサステナブル(持続可能)な農業の実現に貢献するため、農業由来カーボンクレジットを購入・活用を開始すると発表した。
この取り組みより、生産者は新たな収入源が確保され、就農者の確保や設備導入などにつながる。地域の生産者が創出したクレジットを地域企業が活用することで、農業の活性化を支援するとともに脱炭素を推進する。
エネルギーと農業が連携、共創モデルを発信
今回の取り組みでは、東北・新潟の生産者がJ-クレジット制度の「水稲栽培における中干し期間の延長」という方法論に基づき、温室効果ガス(メタン:CH4)の排出削減量として認証を受けたクレジットを同社が購入する。
購入したクレジットは、同社が主催・協賛するイベントや同社事業所の一部から排出される温室効果ガスのオフセットに活用する。また、顧客ニーズに応じた販売などを通じて、東北・新潟内で有効活用・循環を図ることで、経済的安定性と境保全性の両面から、サステナブルな農業の実現に貢献する。
プロジェクト管理のフェイガーと連携
この取り組みにあたっては、農業由来カーボンクレジットの生成から販売までを一貫して手がけるフェイガー(東京都千代田区)と連携する。クレジット創出を希望する地域・生産者は、東北電力がフェイガーに取り次ぎ、同社のプロジェクトに参加することになる。すでに秋田県の大潟村農業協同組合から賛同を得ており、同農協は2026年度からフェイガーのプロジェクトに参加し、クレジット創出に取り組む予定。
フェイガーは、「東北エリアにおけるカーボンクレジット地産地消推進協議体」を発足、東北銀行(岩手県盛岡市)とも連携した取り組みも進めている。
サステナブルな農業の実現に貢献へ
東北電力グループは創立以来、「地域社会との共栄」を経営理念に掲げている。東北・新潟において、農業は地域経済の根幹を担う重要な産業のひとつで、東北電力は、兼ねてより、事業と地域農業の共存を図る取り組みを進めてきた。たとえば、十和田発電所(⻘森県)では、十和田湖の⽔を活⽤して発電を⾏っており、発電後の⽔はかんがい⽤⽔として活⽤されている。
農業では、近年、収益性の低下、就農者の高齢化・後継者不足、異常気象による高温障害・生育不良などさまざまな課題が深刻化しており、サステナブルな農業の実現が求められている。東北電力では、その実現に向けた取り組みとして7月、エネルギー事業で培った知見をシイタケ栽培に活かすため、農事組合法人のENEX de AGRI(秋田県美郷町)と共同で、新会社「Agri-e」(同)を設立している。また、8月には営農型太陽光発電事業を展開するため、千葉エコ・エネルギー(千葉県千葉市)、Cyrinx(東京都渋谷区)と業務提携した。今回は新たな取り組みとして、農業由来カーボンクレジットの活用を開始する。この取り組みを推進するとともに、その社会的意義を発信していく。
水田由来カーボンクレジットについて
J-クレジット制度は、省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用、適切な森林管理、農業での取り組みなどによって削減または吸収された温室効果ガスの量を、「クレジット」として国が認証する制度。
「水稲栽培における中干し期間の延長」では、出穂前に一度、水田の水を抜いて田面を乾かす中干し(水抜き)の期間を過去2カ年の平均より7日間以上延長することで、メタンの排出量を3割削減し、その削減量分を「クレジット」として認証を受けることができる。
同方法論によるJークレジット創出では、Green Carbon(東京都港区)は2023年4月に稲作コンソーシアムを発足させ、取り組んでいる。農家、農業関連機関、企業、自治体など参画者は保有する水田を、このコンソーシアムに登録すると、まとめてJ-クレジットに申請するもので、個々では登録・申請までの申請書作成や手続きなどの簡素化を図ることができる。なお、このコンソーシアムには、2024年5月時点で、合計4万ha以上の農家と、フェイガーを含む約300社以上の企業が参画している。
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2025.09.30
シャープ、新FIT制度対応エネマネサービス開始 AI活用で2段階制対応
シャープ(大阪府堺市)は9月24日、同社のクラウドHEMSサービス「COCORO ENERGY」において、新FIT制度に対応したエネルギーマネジメントサービスを開始した。同社独自のAIを活用した蓄電池制御を提供し、新FIT制度下の再エネ利用を最適化する。
新FIT制度の「2段階制」に対応
FIT(固定価格買取制度)は、再エネの普及促進を目的に、太陽光発電システムなどで発電した電気を、電力会社が原則10年間、固定価格で買い取ることを国が保証する制度で、2012年7月に始まった。2019年11月以降には、前身の余剰電力買取制度において10年が経過し買取期間が満了を迎える、いわゆる「卒FIT電力」の活用も議論となった。
再エネ電力に関しては、今後も普及促進が見込まれることから、10月1日に制度改定が行われる。新制度では、従来の10年固定を改め、設置後4年間は初期投資を回収しやすくなるよう高単価で買い取り、5年目以降の6年間は市場価格相当での買取に移行する「2段階制」が採用される。
シャープは今回、新制度に合わせ、蓄電池のAI制御を開発。新制度開始日の10月1日から、「COCORO ENERGY」にて提供を開始する。
設置後4年間は、必要な分だけ充電・可能な限り売電するよう制御
新FIT制度では、設置後4年間は、余剰電力を24円/kWhの買取単価で売電できる。夜間の電気代単価が24円/kWhを下回る場合は、夜間電力で蓄電池を最大限充電し、電気代単価が割高な昼間はその時間帯に使い切るだけの余剰電力を充電して残りを売電するのが経済的となる。
同社独自のAIがユーザーの生活パターンを学習し、昼間の時間帯に必要な消費電力量を高い精度で予測。予測に基づき、蓄電池に充電する余剰電力量を制御することで効率的に売電を行い、安価な夜間電力を最大限活用して電気代を削減する。
2段階目移行後は、自動で自家消費を優先するモードに切り替え
4年経過後は2段階目に移行し、買取単価が市場価格相当まで低下する。同社では、買取単価の低下に合わせて、自動でモード切り替えを行う機能を搭載。ユーザーに代わって蓄電池を自家消費運転に切り替えることで、モード切り替えにかかる手間を省き、自動で最適な運転を実現する。
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2025.09.29
「選手村レガシー」晴海地区 最終超高層タワー2棟が完成 低炭素建築認定
三井不動産レジデンシャル(東京都中央区)など10社は9月24日、東京2020オリンピック・パラリンピック選手村の再開発事業において、最終開発の超高層タワー棟「HARUMI FLAG SKY DUO」が竣工したと発表した。全住戸に蓄電池とエネファームを設置したほか、環境配慮の取り組みを実現し、高い省エネ性能を持つ住宅の証となる「低炭素建築物認定」を取得した。
選手村レガシーとして誕生する街
東京都が実施する晴海五丁目西地区の開発事業は、開発区域のタウンネームを「HARUMI FLAG」として、官民連携の下、街区と道路・公園などを一体的に整備する開発が進められてきた。約13haの広大な土地に、5632戸の分譲住宅・賃貸住宅と商業施設の合計で24棟を建築するほか、保育施設、介護住宅、シェアハウスなどを整備。太陽光発電、蓄電池、水素など次世代エネルギーをフル活用する、人口約1万2000人規模の街づくりとなる。
2024年1月から入居が始まり、同年3月には水素ステーションがオープンし水素の街区供給も開始、、同年5月にはまち開きが行われた。
街のシンボルとなる超高層タワー棟
今回竣工した2棟の「HARUMI FLAG SKY DUO」は、超高層棟50階建て、総戸数1455戸で、湾岸エリアの突端部に竣工した。外観デザインには線の重なりや陰影といった日本らしい美しさを意識したという。
免震構造・制震装置を採用するとともに、劣化対策や省エネ性、バリアフリー性など安心・安全と快適性を追求し、長期優良住宅の認定を取得。また、構造躯体を表す「スケルトン」と内装・設備を表す「インフィル」を分離することで、居住空間の有効面積最大化を実現した。
蓄電池とエネファーム、HEMSなど「低炭素建築」認定
さらに、日本では初めてとなる蓄電池とエネファームの両方を全住戸に設置という特長に加え、1次エネルギー消費量の削減を目指した計画の下、HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)、節水機能の高い水栓の採用などにより、「低炭素建築物認定」も取得した。なお、HARUMI FLAGでは、先に完成した分譲街区において、日本で初めて蓄電池とエネファームの両方を全住戸に設置している。
世界でもトップレベルの環境先進型都市へ
多くのエネルギー需要が見込まれるHARUMI FLAGでは、新エネルギーとして注目される水素の日本初となる社会実装によるインフラとしての供給のほか、太陽光や蓄電池などを活用した多重なエネルギーインフラを有効活用する。運用には、AI機能を搭載したエリア・エネルギー・マネジメント・システム(AEMS)を導入し、エネルギーインフラの複雑なエネルギー管理を可能にした。
4つの環境認証を取得したトップレベルの環境配慮
HARUMI FLAGでは、4つの環境認証を取得し、世界でもトップレベルの環境への配慮が認められている。世界的な街づくりにおける環境認証制度である「LEED(リード)」の街づくり部門「ND(近隣開発)」における計画認証と、ランドスケープのサステナビリティを主に評価する「SITES(サイツ)」における予備認証の双方でGOLD認証を取得した。また、生物多様性保全の取り組みに対する新規の環境認証制度である「ABINC ADVANCE(エ イビンク アドバンス)」の第1号物件として認証を取得、国内にて街づくりの取り組み全般を評価する「CASBEE街区」では、マンション開発を中心とする事業として、国内で初めてSランク認証を取得している。
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2025.09.28
「BEMS」8割超がよく知らず 導入先ではエネルギー可視化進む 民間調査
NEXER(東京都豊島区)とRENOXIA(同・足立区)は9月22日、会社員の男女359人を対象に、BEMS導入に関する共同調査を実施し、その結果を公表した。BEMSの認知度は13.1%にとどまったが、システム導入によりエネルギー使用の可視化につながっていることがわかった。
3割の人が勤務先へのBEMS導入を希望
調査では、86.9%の人がBEMSを知らないことが判明した。そこで、「知らない」と回答した人(N=312)に意味を説明した上で、勤務先や施設で導入してほしいを尋ねた。その結果、31.7%が勤務先や施設で導入してほしいと思うと回答した。
導入肯定派の理由では、「省エネや経費削減につながるから」「空調管理の自動化により快適さと効率が向上する」などの声が寄せられた。一方で、導入否定派からは、「仕組みがわからない」「勝手に操作されるのが不安」「高額な費用がかかりそう」などの意見が挙がった。
エネルギーコスト削減などが導入の主な目的
また、知っていると回答した人(N=47)のうち、31.9%の勤務先または施設が、BEMSを導入していることがわかった。
各者が思うBEMS導入の理由では、「エネルギーコストの削減」(34%)が最も多く、次いで「電気・ガス・空調などのエネルギー使用量の可視化」(27.7%)、「建物全体の運用効率化」(14.9%)が続いた。
BEMS導入により、エネルギーの見える化に貢献
調査では、9割を超える人がBEMSの導入により、エネルギー使用の見える化が進んでいると実感していることが明らかになった。
回答者からは「全社的にデータ管理している」「レポートなども作成されている」「エネルギー消費の内訳がわかるようになった」などの声が聞かれた。
NEXERは、デジタルマーケティング分野でSEO対策やWEBプロモーションを展開する企業。RENOXIAは、工場・倉庫・ビル向けのリノベーション事業などを手がけている。
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2025.09.27
九電みらい、福岡空港にPXP社製カルコパイライト太陽電池設置 性能検証
九電みらいエナジー(福岡県福岡市)は12月から、次世代太陽電池「カルコパイライト太陽電池」の実証実験を福岡空港(同)で実施する。1m2当たり0.8kgの軽量性と薄型という特徴を持つ同太陽光電池を国際線ターミナルビルの屋根に設置し、性能を検証する。
PXP・日揮・九電工が取り組みを支援
実証で使用する太陽電池は、PXP(神奈川県相模原市)製を使用。日揮(同・横浜市)による取り付け支援の下、九電工(福岡県福岡市)が施工を行う。11月中に設置工事を完了し、2025年12月から2026年2月にかけて発電データを収集。併せて、設備の施工性や設置場所における反射光の影響なども分析する。
なお福岡空港では、実証に関する展示が行われる予定。
タンデム型の普及拡大に向けた取り組み
「第7次エネルギー基本計画」では、再エネの主力電源化に向け、次世代タンデム型太陽電池開発を推進していく方針が示されている。中でも、異なる特性を持つ複数の太陽電池層を直列に重ね、それぞれが異なる波長の太陽光を吸収するタンデム型太陽電池への期待は大きい。
PXPは現在、カルコパイライト太陽電池を重ねるタンデム型モジュールの研究を進め、2024年4月にはペロブスカイトとカルコパイライトを重ねたタンデム太陽電池において変換効率26.5%を達成している。九電みらいエナジーは今後、同社との連携を通じて、同タンデム型の実用化を目指す。
なお、今回の実証は、福岡県の「福岡県ペロブスカイト太陽電池等実証事業」に採択されたことを受けて実施するもの。
【参考】
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2025.09.26
家電製品協会、「ZEHコーディネーター」新設 専門人材育成を後押し
一般財団法人家電製品協会(東京都千代田区)は9月18日、企業によるZEH推進の活発化を受け、新たな資格制度「ZEHコーディネーター」を創設すると発表した。同制度は、住宅・リフォームの営業現場での提案力を高められるための資格。受験者は、講義や試験を通じて、新ZEHなど省エネ住宅の営業に必要な知識を効率的に習得できる。第1回試験は2026年9月実施。以降、毎年2回(9月・3月)行う。
講義では、専門家が実践的なノウハウを解説
試験は、コンピューターを使ったCBT方式による1科目のみ。受験料は1万4000円(電子テキスト・講義用ウェブ動画込み)で、資格の有効期限は資格交付日から5年間(更新制)。
講義は、販売ノウハウ取得を目的とした実践的な内容となっており、スマホでの視聴も可能。講師は、一般社団法人ZEH推進協議会(東京都港区)理事の宜野座 俊彦氏が務める。
事前アンケートでは、約8割が資格の活用意向を示す
政府は現在、住宅部門の脱炭素化に向け、ZEHなど省エネ住宅の普及に注力しており、今後はZEHの定義見直しやZEH基準の水準を大きく上回る省エネ住宅制度の導入などが控えている。
こうした中、企業各社は専門人材の育成に関心を寄せる。家電製品協会が実施した調査では、約8割の企業が同資格を活用する意向を示したほか、約7割が「人材教育などに活用したい」と回答した。
家電製品の安全利用、環境負荷軽減に注力
一般財団法人 家電製品協会は、「特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)」に基づき、家電製品の安全な利用と環境負荷の低減を目的とした活動を行う法人。これまでにも「スマートマスター」「家電製品アドバイザー」などの資格制度を整備している。
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2025.09.25
太陽光パネルのリサイクル義務化見送り、JCLPら抗議表明
日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)は9月18日、太陽光パネルのリサイクル義務化制度の早期実現を求める意見書を公表し、太陽光パネルリサイクル義務化法案の国会提出が見送られている状況に対し、強い懸念を表明した。
「従来の考え方に囚われない柔軟な制度設計を」
太陽光パネルは、2030年代後半から廃棄量が増え約50万tに達する見通し。政府は太陽光パネルのリサイクルを義務付ける法案を検討してきたが、費用負担のあり方を巡り調整が難航し、法案提出を見送った。
JCLPは、意見書の中で、循環経済による資源調達の自立化や静脈産業発展による国内雇用確保、適切な発電施設での運営継続などを通じた乱開発・不法投棄の抑制を同時に進めることが重要と指摘。今後は脱炭素社会と循環社会の両立に向け、自ら取り組みを進めると宣言した。
一方で、事業者の自主的な取り組みだけでは限界があるとし、政府に対し、すべての発電事業者が回収・リサイクルに取り組めるよう、従来の枠組みに囚われない柔軟かつ先進的な制度設計を求めた。
環境大臣、制度案見直しを表明
浅尾 慶一郎環境大臣は8月29日の定例会見で、検討してきた太陽光パネルリサイクル制度の義務化を断念すると発表、制度案を見直すと明かした。会見の中では、所有者負担となっているその他リサイクル関連法制との整合性が指摘されたと説明した。
WWFジャパンらもリサイクル義務化を要求
環境大臣による断念発表を受け、同日、世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン/東京都港区)、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(同)など9団体は、政府に対して太陽光パネルのリサイクル義務化を求める共同声明を発出。「その他リサイクル関連法の費用負担の考え方と齟齬がある」との指摘については、拡大生産者責任(EPR)が重視される状況を踏まえ、新法で制度的枠組みを変更することに問題がないとの見方を示した。
JCLPは、「脱炭素社会」への移行をビジネス視点で捉える日本独自の企業グループ。アマゾンジャパン合同会社(東京都目黒区)、戸田建設(同・中央区)、積水ハウス(大阪府大阪市)など233社が加盟する。
【参考】
・環境省―浅尾大臣閣議後記者会見録 (令和7年8月29日(金)11:05~11:30 於:環境省第一会議室)
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