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2026.01.03
NITE、安全な蓄電池システムのガイドライン公表 公共調達での活用を想定
製品評価技術基盤機構(NITE/東京都渋谷区)は12月23日、地方公共団体やインフラ事業者などに活用してもらうため、「公共調達・重要インフラ向け蓄電池システムの安全ガイドライン」の暫定版を作成・公表した。
安全な蓄電池システムの導入により、地震や台風などの非常時・災害時においても、衝撃や浸水による発火・破裂などの二次災害を防ぎ、重要インフラの機能維持・早期復旧に資することを目的としている。
確定版の公表は2026年5月頃を予定
このガイドラインは、行政サービスや情報通信、電力などの重要インフラに用いられる蓄電池システムの非常時・災害時などに求められる安全要件を記載している。また、リチウムイオン蓄電池に限らず「重要インフラにおいて使用されるすべての蓄電池システム」を対象とした。
地方公共団体やインフラ事業者などに、いち早く活用を検討してもらうために暫定版を公表。試験方法や判断基準を含む別紙を加えた確定版は、2026年5月頃に公開する。
ガイドライン策定の背景
蓄電池システムは、行政機能維持や通信基地局のバックアップ電源として使用されたり、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う電力負荷平準化に用いられたりしており、重要インフラの機能維持を支えている。
一方で、国内外で蓄電池システムの事故が発生している。NITEの独自調査では、水没させただけで発煙することが確認されるなど、地震や洪水の災害発生時に事故に至るおそれの高い蓄電池システムが市場に流通していることが危惧されており、今後、再エネの導入に伴い、地方公共団体や電力関連施設などへ蓄電池システムがさらに普及することにより、事故件数の増加も予想される。
しかし、非常時・災害時などの蓄電池システムの安全性に関する基準はない。こうした中、経済産業省の蓄電池産業戦略推進会議では、リチウムイオン電池以外も含めた健全で多様な定置用蓄電池システムの導入を促進するために、NITEに対して2026年を目処に蓄電池システムの安全性や信頼性の向上に向けたガイドライン作成を求めた。
ガイドラインの概要
このガイドラインで想定する非常時、災害時などにおける蓄電池システムに求められる機能は以下の6機能とする。6機能毎に設置箇所に合わせた要件、基準を示した。
・行政機能維持・復旧(政府、自治体の政府・行政サービス機能維持)
・災害・治安機能維持・復旧(自衛隊、海上保安庁、警察、消防の政府・行政サービス 機能維持)
・生命維持機能・復旧(指定医療機関、指定避難所の運営など医療機能維持)
・交通機関機能維持・復旧(航空、空港、鉄道、港湾機能維持)
・ライフライン機能維持・復旧(情報通信、金融、電力、ガス、水道、物流、化学、クレジット、石油機能維持)
・公的設備機能維持・復旧(街灯、信号、EV給電施設の物流機能維持)
「設置時」「保守管理時」「耐地震波衝撃」「耐走行振動性」など各要件にはClassを規定し、基本的に数値があがるほど厳しい要件となるように設定した。また、「継続使用可能性」はClassとは区別してGradeと規定して、Class同様に基本的に数値があがるほど厳しくなるように設定した。
具体的な安全要件として、たとえば、耐地震波衝撃については以下のような要件を定めている。
・Class 3:震度7の地震振動後に発火・破裂と有害物による周辺への影響につながるような事象がないこと
・Class 2:震度6弱以上震度6強以下の地震振動後に発火・破裂と有害物による周辺への影響につながるような事象がないこと
・Class 1:各種法令等を遵守し、震度5強以下の地震振動後に発火・破裂と有害物による周辺への影響につながるような事象がないこと。
蓄電池メーカーや蓄電池システムインテグレータが、このガイドラインに沿ってモノづくりを行い、地方公共団体などがガイドラインを参照して作成した調達仕様書や補助金交付要綱によりそれらの製品を調達することで、非常時・災害時においても2次災害を起こさず継続使用できる重要インフラ用蓄電池システムが日本に普及することが期待される。
防災に関わる国際規格を参考
また、今回のガイドラインは、防災に関わる国際規格であるISO 37179:2024(スマートコミュニティインフラー防災ー実施のための基本枠組み)を参考にしている。このISO規格は、2030年までの国際的な防災指針「仙台防災枠組」を踏まえて防災を考慮したインフラの計画・建設・活用・維持・改善のための原則と基本要件をまとめた国際規格で、事前防災への投資を行うことで、災害リスクを軽減(DRR)させるとともに、災害後に速やかに回復することを目指している。
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2026.01.02
環境省、各種工事に電動建機導入 充電用電源がない施工現場での運用性実証
環境省は現在、建設機械の電動化普及に向けたモデルケース構築に向け、工事での電動建機導入を進めている。日立建機(東京都台東区)は、京都府京都市の公園駐輪場整備工事に、8tクラスのバッテリー駆動式ショベルZE85と可搬式充電設備を、西尾レントオール(大阪府大阪市)は、首都圏中央自動車道の工事現場に、同社保有の電動建機と独自改造建機を提供した。
充電用電源未整備のエリアでの電力供給を実現
日立建機は、12月1日から22日まで、環境省が実施した京都府京都市の国民公園「京都御苑」の駐輪場整備工事にて、8tクラスのバッテリー駆動式ショベルZE85とともに、九州電力(福岡県福岡市)と共同開発した可搬式充電設備「Go-ENE」をレンタル提供し、試行工事に参画した。
工事が実施されたエリアは、景観保護などを理由に、固定式充電設備の設置が制約される。今回の工事では、可搬式充電設備「Go-ENE」を活用し、場所を選ばず電動建機への充電を行い、充電用電源が未整備の都市部の施工現場においても、可搬式充電設備により効率的な充電環境を構築できることを実証した。
静音性に優れ、作業員同士の声がけや合図も明瞭に
バッテリー駆動式ショベルは内燃機関を持たず、稼働時の排気ガスと騒音が軽減される。そのため、実証では、来苑者の快適性を維持しながら施工が可能であることや、エンジン音がないため作業員同士の声がけや合図が明瞭になり、安全性向上にも寄与できることも確認した。
環境省の直轄工事において、日立建機のバッテリー駆動式ショベルが採用されたのは今回が初めて。日立建機グループは、試行工事で得られた知見を活かし、今後も環境省や関係各所と連携し、公共工事におけるカーボンニュートラル施工の普及・促進に貢献していく。
建機への給電にはHVO燃料を用いた発電機使用
西尾レントオールは、高規格幹線道路という大規模なインフラ工事現場を考慮し、実稼働環境下での性能や運用性確認を目的に、タイヤローラー「TZ701ニシオ改」と電動ハンドガイドローラー「HV620evo」の2機種を提供した。
同タイヤローラーは、酒井重工業(東京都港区)製のベース機を西尾レントオール技術部門が独自の改造を施したモデル。今回の試行における給電にはHVO(水素化処理植物油)燃料を用いた発電機が使用し、運用全体でのCO2排出削減を図った。
電動ハンドガイドローラーは、酒井重工業製で、排気ガスゼロ、低騒音を実現したバッテリー駆動式。トンネル内や住宅密集地など、環境配慮が求められる現場での活用が期待されているという。
同工事実施地は、首都圏中央連絡自動車道(一般国道468号)千葉県成田市川上~香取郡多古町間。期間は11月14日から11月28日までで、路盤準備工や下層路盤工などに用いられた。
西尾レントオールは引き続き、建設業界のカーボンニュートラル実現に向け、電動建機のレンタルラインナップ拡充や現場の課題解決に資する機材開発・改造を積極的に推進していく考え。
【参考】
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2026.01.01
経産省、「GX戦略地域」募集開始 自治体・企業の再エネ利用を後押し
経済産業省は12月23日、脱炭素社会の実現と経済成長の両立を目指す「GX戦略地域制度」の募集を開始した。
同制度は、産業資源であるコンビナートや地域に偏在する脱炭素電源などを核とした「新たな産業クラスター」の創出に向け、自治体・企業による先進的かつ意欲的な取り組みを支援することを目的としている。選定にあたっては3つの枠組みを用意し、地域の特性に合った計画を進める。
コンビナート跡地利用やDCを中核とした地域発展など
「GX戦略地域制度」募集では、
・コンビナートなど再生型
・データセンター集積型
・脱炭素電源活用型(GX産業団地)
の3つの類型を設け、各類型で異なる取り組みや計画を広く募集する。
コンビナートなど再生型
全国各地に存在するコンビナートや工業地域は、電力やガス、熱、水、道路など多様なインフラが高度に統合されているが、国際競争の激化やGX対応などを理由に、事業転換が必要とされるケースがある。そこで、地域のコンビナート跡地や空きスペースなど、いわゆるブラウンフィールドを有効活用し、GX関連企業の生産拡大や競争力向上に向けた取り組みを後押しし、新たなGX型の産業クラスター創出を促進する。
データセンター(DC)集積型
現在、DC需要が急増する中、電力インフラが逼迫し、系統接続に10年以上かかる場合もあると報告されている。こうした状況を打破しなければ、DC投資が海外に逃げる恐れがある。この枠組みでは、電力・通信インフラ整備の効率性を踏まえたデータセンター集積を図り、それを核とした産業クラスターの形成を図る。
脱炭素電源活用型(GX産業団地)
経産省によると、一部の電源立地地域では、脱炭素電源を活用した工業団地の造成などの動きがあるが、「要家側からみて魅力が十分ではない」「自治体に余力がない」などの理由から、構想段階でとどまっている案件が多いという。脱炭素電源の立地地域への産業集積を進め、供給増につなげていくという好循環の創出は、GX実現に向けた鍵となるものであり、こうした産業構造へのトランジションに向け、脱炭素電源を活用し新たな産業団地の整備をサポートし、投資の受け皿を整備する。
募集期間はいずれも2025年12月23日から2026年2月13日(17時)まで。
「GX産業立地WG」を中心に制度設計
2月に閣議決定されたGX2040ビジョンでは、「革新技術を活用し新たなGX事業が次々と生まれ、日本の強みである素材から製品に至るフルセットのサプライチェーンが、脱炭素エネルギーの利用やDXによって高度化された産業構造を目指す」という方針が示された。
4月からは、目指すべきGX産業構造とその実現に向けたGX産業立地政策の実行に向け、「GX産業立地ワーキンググループ(WG)」による議論を開始。8月には、自治体・事業者から寄せられた合計199件の提案を踏まえ、GX産業立地政策の具体的な措置として「GX戦略地域制度」を創設した。制度設計では、地域選定を行う3類型とともに、事業者選定を行う「脱炭素電源地域貢献型」に区分けし整理された。
【参考】
・経済産業省―GX戦略地域の選定に関する公募を開始します
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2025.12.31
関西電力とBIPROGY、PPAによるアワリーマッチング実証開始
関西電力(大阪府大阪市)とBIPROGY(東京都江東区)は12月22日、再エネの発電量と電力消費量がリアルタイムで一致していることを証明する「アワリーマッチングシステム」の実証を開始すると発表した。同システムの実用化を見据え、データ管理技術を構築と有用性を検証する。
リアルタイムの照合データをブロックチェーン上で管理
同システムは、コーポレートPPAに基づく再エネ設備の発電データと需要地点における電力消費データを用いて、発電量と消費量を1時間単位で照合する。これらのデータを改ざん困難なブロックチェーン上で管理することで、発電された再エネ電力がリアルタイムで消費されていることを証明する仕組みだ。
今回の実証では、真正性をデータ管理技術を構築し、実証の一部でCO2排出係数の可視化も行うという。具体的には、関西電力が立案およびシステム全体の評価を担い、BIPROGYが実証システムの開発と技術的課題の解決に向けた支援を行う。実証期間は2026年3月までを予定している。
注目される「アワリーマッチング」
近年、24時間365日ゼロカーボン電力を100%使用することを目指す「24/7 Carbon Free Energy」への関心が高まっている。あわせて、GHGプロトコルの改定に向けた検討においても、アワリーマッチングが論点の一つとなっており、再エネ電力と消費電力がリアルタイムで一致していることを担保する仕組みへのニーズが高まっている。
こうした背景から、関西電力はアワリーマッチングについて日清食品との実証や大阪関西万博における実証などを実施。今回の取り組みは、アワリーマッチングシステムの実用化を見据えたものだ。両社は、今回の取り組みを通じ、再エネのさらなる導入拡大に貢献するとしている。
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2025.12.30
第一生命保険、CCSボンドに約47億円投資 欧州港湾のプロジェクトを支援
第一生命保険(東京都千代田区)は12月22日、オランダのHavenbedrijf Rotterdam(ロッテルダム港湾公社)が発行するカーボン・キャプチャー&ストレージ・ボンドに約47億円を投資したと発表した。
資金使途をCO2の回収・貯留(CCS)に限定した世界初の社債で、調達された資金は、ロッテルダム港湾公社が合弁パートナーと共同で推進するCCSプロジェクト「Porthos」に充当される。
環境課題への戦略的対応
この債券の発行額は50百万ユーロ(約90億円)。償還期間は19年。発行にあたり、ロッテルダム港湾公社、第一生命保険、HSBC証券が協議を重ね、第一生命保険が最大投資家となった。
第一生命保険は、今回の投資を事業を通じて取り組むべき重要課題(コア・マテリアリティ)のひとつ「環境課題への戦略的対応」につながるものと位置づけ。安定的な運用収益を期待するとともに、ロッテルダム港湾公社の脱炭素化に向けた取り組みを資金面からサポートし、その進捗状況を継続的にモニタリングしていく。
年間250万tのCO2を15年間、回収・貯留
CCSプロジェクト「Porthos」は、北海の枯渇ガス田に、ロッテルダム港に拠点を置く企業から排出されたCO2を恒久的に貯留するための回収・輸送インフラを構築するもの。ブルー水素の製造や、化学・石油精製などの産業由来で排出されたCO2を対象とし、年間250万tのCO2を15年間にわたり回収し、恒久的に貯留する計画だ。
また、このプロジェクトは複数の企業が共同で利用できるオープンアクセス方式を採用している。特徴として、特定企業の専用ではなく産業全体で活用できる共通インフラとして整備される点を挙げている。
カーボン・ニュートラルな港へ取り組みを推進
ロッテルダム港は、欧州最大の物流ハブであり、化学・石油化学・物流などの産業施設が集積している。ロッテルダム港湾公社は、この港湾の管理・運営・開発を担っている。脱炭素化の推進が港湾の競争力強化にもつながるとの考えのもと、カーボン・ニュートラルな港の実現に向けて幅広い取り組みを実施している。
ロッテルダム港湾公社のCFO、ヴィヴィエンヌ・デ・レウ氏は、「当社の投資の多くは、『Porthos』CO2輸送・貯留プロジェクトにおけるCO2パイプラインインフラの建設など、CO2排出量の直接的な削減に寄与している。当社と第一生命保険との協働により、こうした脱炭素化プロジェクトの実現と、将来を見据えた港湾の構築が可能になる」と述べている。
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2025.12.29
三井不動産、東北・北海道でもメガソーラー電力を運営施設に供給 PPA活用
三井不動産(東京都中央区)は12月22日、東北電力(宮城県仙台市)、北海道電力(北海道札幌市)の各社と、メガソーラーを活用したフィジカルPPAに関する契約を締結したと発表した。2026年1月1月から、三井不動産が開発したメガソーラー由来の再エネ電力を、両電力会社を通じて、管理・運営する商業施設などの施設に供給する。
東北・北海道エリアで、発電者・需要者が同一の大規模なオフサイトPPAを実施
この取り組みにおいて、東北電力は、秋田県由利本荘市のメガソーラー(出力約3.1MW/年間発電量約339万kWh)で発電する再エネ電力を調達する。供給先は、宮城県仙台市内にある「三井アウトレットパーク仙台港」「三井ショッピングパークララガーデン長町」「三井ガーデンホテル仙台」の3施設。
北海道電力は、北見市の発電所(出力約3.1MW/年間発電量約400万kWh)を活用する。供給先は、札幌市内にある「三井アウトレットパーク札幌北広島」「札幌三井JPビルディング」「北一条三井ビルディング」「三井ガーデンホテル札幌」「三井ガーデンホテル札幌ウエスト」の5施設。
新規メガソーラー開発で再エネ導入拡大へ
三井不動産は、新規メガソーラー開発による再エネ導入拡大に取り組んでいる。今回連携を開始した東北電力、北海道電力のほか、7月には中国電力(広島県広島市)とも、同様のオフサイトフィジカルコーポレートPPAに関する契約を締結している。
また2024年10月には、東京電力エナジーパートナー(東京都中央区)と、太陽光発電由来のオフサイトフィジカルコーポレートPPAに関する提携を締結。この提携では、三井不動産が開発した複数の太陽光発電所における再エネ電力を、東京電力EPを通じて、東京ミッドタウン(同・港区)と東京ミッドタウン日比谷(同・千代田区)の共用部に供給している。
三井不動産は、2021年11月に策定した2050年度までのグループ行動計画において、2030年度のGHG排出量削減率を40%に引き上げた。その取り組みの1つとして、2030年度までに年間3.8億kWh分(既存8000万kWh・新規3億kWh)のメガソーラーの開発を目標に掲げ、メガソーラー用地の取得を順調に進めている。また、この行動計画において、2030年度までに「希望するテナント企業へのグリーン電力提供支援」と「当社が保有する国内全施設の共用部の使用電力100%グリーン化」を掲げる。
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2025.12.28
ライフ、首都圏9店に再エネ導入 東京ガスらとオフサイトPPA活用
東京ガス(東京都港区)は12月18日、東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES/同)とともに、ライフコーポレーション(大阪府大阪市)が運営する首都圏の9店舗に対し、オフサイトPPAを活用した再エネ電力の供給を開始すると発表した。この取り組みにより、対象店舗の年間電力使用量の約18%が再エネ由来に転換され、CO2排出量は年間約1000t削減される見込みだ。
北関東の太陽光発電所11カ所で発電した再エネ電気を供給
この取り組みでは、東京ガスは、小売電気事業者として、北関東エリアの太陽光発電所11カ所(総出力約2.2MW)由来の電力と非化石証書を調達。販売代理店のTGESを通じて、再エネ電力を供給する。
再エネ供給対象9店舗のPPA想定電力使用量は年間2.5GWhで、不足分に関しては、東京ガスが自社の他の電源からの電力で賄う計画となっている。
J-クレジット償却などの取り組みも支援
今回の取り組みは、2025年7月にライフコーポレーションとTGESが締結した「CO2排出量削減の取組みの検討に関する覚書」に基づき実施される。
この覚書では、コーポレートPPAとともに、環境価値商材の調達およびその組み合わせ方の検討や、提供後のJ-クレジット償却に関する助言などを含めたコンサルティングサービスも含まれている。
再エネ発電によるGHG削減に注力するライフ
スーパーマーケットチェーンを運営するライフコーポレーションは、GHG排出量削減目標として、2030年までにスコープ1・2のCO2排出量を2013年比で50%削減するという目標を掲げる。
現在は、再エネ活用に重点を置き、店舗屋上への太陽光発電設備の設置を進め、計27店舗で再エネを創出している。また、小売業では日本最大規模となるバイオガス発電設備を導入。自社の食品加工工場で排出される食品残渣由来のバイオガスを燃料に発電を行い、年間約4380tの食品廃棄物削減を実現している。
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2025.12.27
EVをマンションの運営エネに活用 九電と日立ビルシステムがパッケージ化
九州電力(福岡県福岡市)と日立ビルシステム(東京都千代田区)は12月22日、電気自動車(EV)を活用したマンション向けエネルギーソリューションを共同で提供開始すると発表した。両社は業務提携契約を締結し、マンション入居者の快適なEV利用を推進するとともに、レジリエンス向上による災害に強い仕組みを提供する。
EVシェアリング・充電サービスとV2Xシステムを連携
九州電力が展開するマンション入居者専用のEVシェアリングサービス「weev(ウィーブ)」および集合住宅向けEV充電サービス「PRiEV(プライブ)」と、日立ビルシステムが提供するV2Xシステム「Hybrid-PCS」を組み合わせ、パッケージサービスとして提供していく。
九州電力の「PRiEV」は、集合住宅の各駐車区画に、個人専用のEV充電器を設置し、入居者が自宅でいつでも充電できる環境を提供するサービスだ。2023年1月からサービスの提供を開始し、 首都圏、関西圏(一部県のみ)、中部圏(一部県のみ)、九州の集合住宅において展開している。なお九州エリアでは、充電に再エネ電気が活用されている。
一方の日立ビルシステムが提供する「Hybrid-PCS」は、EVと住宅・ビル・電力網などの間で電力の相互供給を可能にするV2Xシステムで、停電時にもEVからの給電によりエレベーターなどのビル設備の継続利用を可能にする。2023年7月の提供開始以来、機能を更新してきた。
災害時でもエレベーター使用可能に マンションのレジリエンスを高めるサービス
今回、両社が連携して提供するパッケージサービスでは、「weev」のシェアリング車両と「Hybrid-PCS」を接続し、災害時や停電時にはシェアリング車両から、マンションのエレベーターなど共用部設備へ給電する。同時に、「PRiEV」を通じて、各入居者のEV保有率を上げ、入居者が個人所有するEVをシェアリング車両のバックアップとしても活用する。
また、「Hybrid-PCS」により、V2Xシステムおよびエレベーターなどのビル設備から生成されるデータを活用し、日立グループのデジタルサービス「HMAX for Buildings:BuilMirai(ビルミライ)」を通じて、省エネ化や居住者のウェルビーイングなども含めたビルメンテナンスの効率化につながる新しい価値提供も行っていく。
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2025.12.26
野村不動産新横浜ビル、オフサイトPPAで再エネ化 電気料金低減も両立
FPS(東京都港区)は12月22日、野村不動産プライベート投資法人(NPR/同)が保有する「野村不動産新横浜ビル」に、オフサイトPPAスキームにより、再エネ由来の電力を供給開始したと発表した。電力はシン・エナジー(兵庫県神戸市)が運営する太陽光発電所で発電された再エネを活用する。
市場連動型電力と完全固定型電力を併合した「ハイブリット電力メニュー」も併用し、同ビルの電気料金削減を図る。
オフサイトフィジカルPPAで再エネ化、ハイブリッド電力メニュー導入で電気料金削減
3社は10月24日に、オフサイトフィジカルコーポレートPPAを締結した。これにより、FPSがアグリゲーターとして導入支援を担い、同ビルに供給される電力の一部を追加性のある再エネ由来の電力に転換した。
使用する再エネは、シン・エナジーが運営する4カ所の太陽光発電所(千葉県印西市、同・野田市、東京都羽村市、神奈川県相模原市)で発電された電力で、4カ所の太陽光パネルの合計出力は約1700kW。
オフサイトフィジカルコーポレートPPAであるため、これらの再エネ電力のほか非化石証書も活用し、同ビルの年間消費電力量は一般家庭約1090世帯分の年間消費電力量に相当する約429万kWhが実質再エネ化された。これらの取り組みによるCO2排出量は、年間約1814tを見込む。
また、これらの再エネ調達のほか、ハイブリッド電力メニューを活用し、同ビルの電気料金を低減させる。この電力メニューは、負荷追随部分では電力先物市場を活用した完全固定メニューと日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場価格に連動する市場連動メニューの2つの料金体系を組み合わせた設計で運用される。市場価格下落により電気料金が削減されるメリットを享受するとともに、市場価格上昇による電気料金上昇リスクも一定程度は回避できる仕組みとなっている。
入居するテナントのニーズにも対応した環境負荷低減施策
なおNPRは、同ビルに入居する企業であるソシオネクスト(神奈川県横浜市)と協議の結果、今回の取り組みを開始した。ソシオネクストは「2050年までにスコープ1・2のカーボンニュートラル実現」を目標として掲げており、同社の使用電力の再エネ化へのニーズにも対応することになる。
NPRは今後も、所有物件に入居する企業や店舗などとの対話を通じ、不動産の運用を通じたサステナビリティ施策に取り組む。
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2025.12.25
フィルム型ペロブスカイト太陽電池普及拡大へ 積水化学と福岡市が連携強化
積水化学工業(東京都港区)は12月22日、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の製品設計・製造・販売を担う積水ソーラーフィルム(大阪府大阪市)が、福岡市と「脱炭素社会の実現に向けた連携協定」を締結したと発表した。積水化学と福岡市は、これまでもフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証実験を重ねてきたが、今後は同市をフィールドとし、技術開発や実証をさらに進める。
公共施設へのペロブスカイト設置拡大や環境教育などで協業
積水化学工業と積水ソーラーフィルムは、都市部における大規模な再エネ設置の実現に向け、福岡市と連携し、「FGN(Fukuoka Growth Next)」屋上での防水材一体型施工や「香椎浜小学校」体育館屋根への導入など、公共施設を実証先としたフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証を進めてきた。
今後は、同協定に基づき、ペロブスカイト太陽電池の普及促進をはじめとする都市型地産地消創エネモデルの確立や市有施設などでの実証や率先的な導入など、地球温暖化対策に関する新技術の実装に向けた取り組み、環境エネルギー教育を通じた脱炭素への理解促進や啓発に向けた活動を展開する。
まずは市内小中学校3校に同太陽光電池を設置
直近の取り組みとしては、福岡市内の市内小中学校3校(「高宮中学校」「老司小学校」「原西小学校」)の体育館屋根に、同太陽電池を設置し、有効性を検証する。設置面積は合計約265m2、出力は合計約25kW。
建物外壁設置向けの改良工法を開発
積水化学グループ2社は現在、NTTデータ(東京都江東区)、日軽エンジニアリング(同・港区)と共同で、同太陽電池を建物外壁に設置するための改良工法開発を進めている。
新工法は、「NTT品川TWINS」DATA棟外壁で行ってきた設置実証で得られた知見や課題を基に考案したもの。アルミ押出形材を用いた固定金物を採用し、大量生産と軽量性を両立している。また、壁面施工時に発生しやすいフィルム型太陽電池の「しわ・よれ」を容易に調整し、意匠性を確保するという。
積水化学グループは今後、同工法のさらなる検証とともに、今回の協定に基づく実装および実証を進め、同太陽電池の社会実装を加速させるとしている。
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