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2025.12.08
再生EVバッテリーで「消えない街灯」 緊急時にはスマホ300台充電可能
一般社団法人 八王子GX推進機構(東京都八王子市)は12月3日、EVの使用済みバッテリーを再製品化した自律型スマート街路灯について、市内への設置を進めると発表した。街路灯は太陽光で発電した電力を蓄電し、少ない電力で点灯する特許技術の仕組みを備える。電源のない地域でも利用でき、非常時には約300台のスマートフォンを充電できる非常用電源として防災力の向上も図る。
廃EVバッテリーを再生し、街灯を点灯
八王子GX推進機構が展開するのは、MIRAIーLABO(東京都八王子市)が開発した自立型スマート街路灯「THE REBORN LIGHT smart」。EVで役目を終え再製品化したバッテリーを搭載しており、上部に設置した太陽光パネルで発電した電力を蓄電することで、夜間点灯する。通常より少ない電力で点灯することができるリフレクター技術で、広範囲へ照射できるのも特長。電線不要のため、山間部や無電化地域など電源インフラが整備されていない場所でも「消えない街灯」として設置が可能だ。
災害対策として非常用電源を確保
さらに、裏面にコンセントを搭載。災害や停電などの緊急時には、約300人分のスマートフォンが充電できる。周辺の防犯カメラや通信機器、センサー類の電源としても活用でき、停電時の電力供給手段としても機能する。
電線に依存しない自律型であることから、災害による断線や停電の影響を受けにくく、地域の防災力やレジリエンス向上にも寄与できるという。
八王子市・商工会議所との連携協定を締結、設置場所を市民から募集
八王子GX推進機構は10月1日、八王子市および八王子商工会議所と「八王子市ゼロカーボンシティ実現に向けた連携協定」を締結。再生可能エネルギーの普及や公共施設への導入、防災・停電対応機能の強化などに取り組む。
今回の取り組みはその一環で、「THE REBORN LIGHT smart」の設置場所を市民から募集しており、市民参加型のプロジェクトとして進める。
なお八王子GX推進機構は、MIRAIーLABO、オークネット(東京都港区)、あいおいニッセイ同和損害保険(同・渋谷区)と共に4月に設立。行政と企業が連携してカーボンニュートラルと地域経済成長を図り、先進的なサーキュラーエコノミー技術を導入することで、防災力を高め、安心して暮らせるまちづくりへの貢献を目指す。
【参考】
・八王子市―八王子商工会議所・一般社団法人八王子GX推進機構とゼロカーボンシティ実現に向けた連携協定を締結しました
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2025.12.07
日本郵船など7社、液化CO2輸送船・新燃料船に共通設計導入 開発を効率化
日本郵船(東京都千代田区)、商船三井(同・港区)など7社は12月1日、液化CO2輸送船と新燃料船などの先進的な船において、MILES(同)が開発と基本設計を担う「標準設計スキーム」を構築することで覚書を締結した発表した。
7社は、MILESが開発した共通の基本設計に基づいて、国内の各造船所が機能設計・生産設計を行うことで、対象とする船の開発・初期設計を効率的に進める。
国際競争力のある船舶の開発・初期設計を実現
覚書を締結したのは、商船三井、日本郵船ほか、三菱造船(東京都港区)、川崎汽船(同・千代田区)、日本シップヤード(同)、ジャパン マリンユナイテッド(神奈川県横浜市)、今治造船(愛媛県今治市)の7社。
各社は標準設計スキームの構築を通じ、国内の造船所とともに、国際競争力のある船舶の開発・初期設計の実現を目指している。今後は、参画する国内の造船所の拡大を図るとともに、事業環境に応じて、対象船の拡大などを検討する。
5社はMILESへ出資、連携を加速
MILES(旧MILNGカンパニー)は、三菱重工と今治造船によるLNG運搬船の共同設計販売会社で、日本シップヤードからも一般商船の設計業務も受託している。1月1日付で社名を変更後、アンモニアなど環境負荷の低い燃料を使用する新燃料船や、回収したCO2を安全・大量に輸送する有効な手段として、今後需要拡大が期待される液化CO2輸送船(LCO22船)の開発・設計業務にも着手している。
川崎汽船、商船三井、日本郵船は、日本における業界の垣根を超えた連携を加速するため、このたびMILESへの出資を決定し、標準設計スキームを活用する多くの国内造船所での建造促進に取り組む。
また、ジャパン マリンユナイテッドと日本シップヤードも、日本造船業の国際競争力が力強く復活できるようMILESへの出資を決定している。MILESが提供する標準設計が国内造船業界において幅広く活用されるよう各社との連携を深めていく。
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2025.12.05
ダイヘン、初の消防認定「防災用蓄電池パッケージ」を販売 平常時にも活用可
ダイヘン(大阪府大阪市)は12月15日から、リチウムイオン電池を採用した消防・防災設備用の非常用電源「防災用蓄電池パッケージ」の受注販売を開始する。
同製品は、国内で初めて消防認定を取得。非常時だけでなく、平常時の再エネ活用や電力のピークカットにも使える。低騒音や排気ガスはなく、電気料金・メンテナンス費用削減など、非常用電源市場において、新たな選択肢を提供する。
消防法改正で非常用電源として設置可能に
非常用電源は、現在、介護施設や病院、工場、商業施設、ビル、公共施設など日本全国で約20万台が設置されており、そのうちの大半が非常時のみで稼働するディーゼル発電機だという。
今回、ダイヘンが市場投入する製品は、7月の消防法改正により常用・非常用兼用のリチウムイオン蓄電池が非常用電源として設置可能となったことを受け、同社が国内初の消防認定を取得して販売するもの。消防認定は12月中に取得する予定。
「防災用蓄電池パッケージ」の仕様は、定格出力が50kW。リチウムイオン電池の蓄電池容量は50kWh(初期公称容量)。騒音値は約75dB(設置条件により対策が必要な場合があり)。一般的なディーゼル発電機の騒音値は約105dB。
20年間でトータルコストを10%以上削減
製品の特長として同社は、安定・安全な稼働とコストメリットを挙げる。
平常時も活用することで、非常時の不始動や異常停止を未然に防止することができる。また、一般的なディーゼル発電機と比べて低騒音で、振動・排気ガス(黒煙)の発生がなく、稼働時の環境負荷を軽減する。
コストメリットでは、電気料金やメンテナンス費用の削減などにより運用開始後20年間でディーゼル発電機と比較しトータルコストを10%以上削減できると試算している。
電気料金は、平常時に電力のピークカットや、電力量単価が安い時間帯の電気を充電し使用することで削減する。自家消費型の太陽光発電設備を設置する施設では、余剰電力を蓄電池に貯めて使用することで、さらなる電気料金の削減ができ、脱炭素経営にも貢献する。
メンテナンス費用は、ディーゼル発電機で必要となる負荷試験、燃料・オイル・冷却水などの消耗品交換が、蓄電池ではすべて不要なため、大幅削減が可能となる。負荷試験は、実際に発電機を稼働させて消防設備などへの電力供給に問題ないかを確認する試験で、消防法で年一回の実施が義務付けられている。このほか、設置場所や周辺環境により必要となる騒音・振動・排気ガス対策費用が不要となる。
特定防火対象物向け非常用電源の役割
不特定多数の人が出入りする建物や災害時に避難援助を必要とする人(要介護者や障害者、入院患者など)が利用する施設「特定防火対象物」には、消防法、建築基準法に基づき非常用電源の設置が義務づけられている。
非常用電源は、停電時にスプリンクラー、屋内消火栓、火災報知器などの消防用設備や非常照明、排煙装置、非常用エレベーターなどの避難設備を稼働させ、有事の際に人命や財産を守る重要な設備で、使用時には確実に始動することが求められる。
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2025.12.04
キオクシア、四日市工場に太陽光導入 出力2.7MW・3棟目のPPAモデル
キオクシア(東京都港区)は12月1日、SMFLみらいパートナーズ(同・千代田区)と連携し、三重県四日市にある「四日市工場」新・第2製造棟に、PPAモデルを活用したオンサイト型自家消費太陽光発電システムを導入し、運転を開始した。四日市工場がPPAモデルを導入するのは今回が3棟目。この取り組みによる工場全体のCO2排出量削減効果は年間約4600tとなる見通し。
稼働済みの製造棟と合わせ、出力は約10MW・年間発電量は11GWhに
PPA導入に向け、キオクシアグループ会社であるキオクシアエネルギー・マネジメント(三重県四日市市)は、SMFLみらいパートナーズと、オンサイト型自家消費太陽光発電サービスに関する契約を締結した。
これに基づき、SMFLみらいパートナーズは、製造棟の屋根に出力約2.7MWの太陽光パネル(合計4600枚)を設置し、発電した電力の全量(年間発電量約3100MWh)を同工場に供給する。これにより、すでに稼働済みの第6製造棟・第5製造棟と合わせ、工場全体の発電設備能力は約10MW・年間発電量は11GWhに強化される見込みだ。
なお第6製造棟は2023年6月に、第5製造棟に2024年7月に稼働を開始。いずれもSMFLみらいパートナーズがサービスを提供した。
2040年度までに再エネ比率100%を目指すキオクシア
キオクシアは2021年、米Appleのサプライヤーとしてクリーンエネルギーへの取り組みを表明。また、キオクシアグループとして、2040年度までに再エネ比率を100%とする目標を掲げ、2023年に四日市工場のほか、岩手県北上市の北上工場にて自家消費型太陽光発電システムの導入を開始した。
キオクシアエネルギー・マネジメントは、2023年8月に設立したグループの再エネ運用を担う事業会社。四日市工場では、電力・動力・水・ガスを安定供給とともに、エネルギーの削減・効率化や再エネの活用を推進している。
SMFLみらいパートナーズは、三井住友ファイナンス&リース(SMFL/東京都千代田区)の戦略子会社。環境エネルギー事業では、自家消費型太陽光発電の導入支援やカーボンフリー電力の販売など、再エネ分野におけるファイナンスや出資・開発を展開。不動産事業では、CO2フリー電力導入や環境認証取得などの環境負荷低減策を進めている。
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2025.12.03
日立、設備シェアとマイクログリッドを融合した新たな電力活用モデル構築へ
日立製作所(東京都千代田区)は11月27日、日立パワーソリューションズ(同)とともに、茨城県ひたちなか市にある工業エリア内で、設備シェアリングとマイクログリッドを融合した複合型マネジメントのモデル構築に着手したと発表した。今後は、東京電力エナジーパートナー(東電EP/同・中央区)およびそのグループ会社の日本ファシリティ・ソリューション(JFS/同・品川区)と連携し実行する。
再エネ調達の効率化を図るとともに運用最適化、CO2削減につなげる
この取り組みでは、
・受変電システム更新および設備シェアリング型ファシリティマネジメントを用いた設備管理を効率化
・エネルギーマネジメントシステムによるエネルギー運用の全体最適化
・再エネ電力の共同利用によるCO2排出量削減
の3点に注力するという。
10事業者で国際規格に準拠した受変電システムをシェア
ファシリティマネジメントとして、日立パワーソリューションズは、日立産機システム(東京都千代田区)や日立エナジー(同・品川区)とともに、国際規格に準拠した受変電システム(デジタライズドアセット)に更新し、茨城県ひたちなか市にある工業エリア内の10事業者で設備をシェアリングする。また、エネマネシステムと連携することで、再エネ電力・系統電力の最適分配を図る。運用・保守においては、JFSとの協業を通じて、各事業者の設備管理に関する負担を軽減、人財不足の課題にも貢献する。
事業者ニーズに合わせて再エネ電力と系統電力分配
エネルギー運用の全体最適化では、三菱HCキャピタルとの連携に基づき、デジタル技術を活用したエネマネシステムを導入し、エネルギー運用最適化の支援を行う。具体的には、エリア内全体のエネルギーデータを統合し、各事業者のニーズに応じて再エネ電力と系統電力を最適に分配することで、再エネ電力を無駄なく活用するという。今後、データ蓄積とともに分配範囲の拡張を進め、全体最適の観点でのさらなるCO2排出量削減に活用していく。
使用電力量の約60%以上を再エネ電力に置き換え
再エネ電力の共同利用に向けては、東電EPが提供するオフサイトフィジカルコーポレートPPAサービスを活用し、関東エリアに設置する太陽光発電所からの再エネ電力を、日立が一括調達する。この再エネ電力をエリア内日立グループ5事業者が活用し、当該エリアで使用する電力量の約60%以上を再エネ電力に置き換える。この取り組みにより、CO2排出量は年間約1万5000t削減が見込まれる。
2027年2月に運用開始、将来的には自治体向けに取り組み拡大も
日立と日立パワーソリューションズでは、「エネルギー&ファシリティマネジメントサービス(EFaaS)」の下、日立グループ内におけるファシリティとエネルギーの複合型マネジメントの導入を進めている。今回の取り組みは、こうした活動を基に日立グループ外の事業者に初展開するもので、2027年2月の運用開始を目指す。
また、データ活用事例を増やし、同エリア内にて日立ビルシステムが展開を予定している「HMAX for Buildings : BuilMirai(ビルミライ)」とデータ連携し、効率的かつ持続可能なエリアマネジメントへと進化させていくという。さらに、日立市と日立が推進する次世代未来都市の実現に向けた共創プロジェクトをはじめ、自治体でのマイクログリッド構築に向けた取り組みでのサービス展開も検討していく。
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2025.12.02
九州電、「CO2鉱物化」に関する覚書締結 国内実証に向けた協力体制構築
九州電力(福岡県福岡市)は11月27日、ENEOS Xplora(東京都港区)および一般財団法人 カーボンフロンティア機構(JCOAL/同)と、「CO2鉱物化」の社会実装に向けた協力に関する包括的な覚書を締結した。CO2を岩石と水に反応させ、安定した鉱物として地下に固定・貯留する新たな技術の早期実用化を目指す。
「CO2鉱物化」に向けた新たな枠組み
九州電力は、これまでもカーボンニュートラル実現を目的に、それぞれの立場からビジョンやロードマップを策定し、技術開発や知見の蓄積、国内外の関係機関との連携に取り組んできた。今回の覚書締結は、国内におけるCO2鉱物化の実証・事業化に向け、具体的かつ協調的に進めることを目的としており、各社は、活動の経験やノウハウを活かし、社会実装に向けた検討を共同で進めていく。
国内に広く分布する「火成岩」を活用するCCS技術
カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みが世界的に加速する中、「CO2鉱物化」は、長期的かつ安全にCO2を地中に埋められるとして、新たなCCS技術のひとつとして注目を集めている。
一般的なCCSでは、CO2を圧入する先は「砂岩」が対象となるが、CO2鉱物化は、マグマが冷却、固結してできた岩石である「火成岩」を利用する。火成岩は国内に広く存在するため、CO2圧入の新たな技術が確立されることで、貯留先となる岩石の選択肢が増え、日本国内におけるCO2貯留可能量の増加が期待されると、九州電力は取り組みの意義を強調する。
3者は今後、国内外の知見を融合し、将来的な国内実証試験や事業化に向けた検討を加速・深化させることで、日本だけでなく、世界のカーボンニュートラル実現に貢献していく。
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2025.12.01
パナソニックエナジー、ロボタクシー分野に参入 米アマゾン系にEV電池供給
パナソニック エナジー(大阪府守口市)は11月25日、米Amazon傘下のZoox, Inc.(ズークス)が開発するロボタクシー(自動運転)車両向けに、EV電池を供給すると発表した。提供は複数年の予定で、2026年初頭から、最新の円筒形EV電池セル「2170」の供給を開始する。
完全自動運転の配車サービスを展開するズークスに提供
ズークスは、米国カリフォルニア州に本社を構える企業で、自動運転技術を活用した配車サービスを展開する。ロボタクシー開発では、既存車両の改造でなく、専用に設計された車両を手がけている。
6月には同州ヘイワードにロボタクシーを量産する初の生産施設を設け、同年9月からラスベガスにてロボタクシーによる完全自動運転の配車サービスを開始した。
パナ、今後は米国内でもEVセルを生産
パナソニック エナジーは、2025年9月末時点で、グローバル全体において、EV約400万台分に相当する累計約200億個の車載用円筒形EV電池を供給。これまで同社電池に起因する車両リコールは1件も発生しておらず、高品質で信頼性の高い電池セルとして評価されているという。ズークス向けに供給するセル「2170」に関しても、高いエネルギー密度や安全性、信頼性を兼ね備え、高性能ロボタクシーにとって不可欠な電池になるとしている。
今回供給するセルは、初期は日本で生産し、将来的には同社カンザス工場でも生産される予定。
パナソニック エナジー社長執行役員の只信 一生氏は、「ズークスは非常に独創的な存在であり、このパートナーシップは、次世代のモビリティ革新に貢献する機会として、同社にとって重要な一歩になる」とコメント。また「都市交通の変革に挑むズークスに動力を供給することで、より安全で持続可能かつコネクテッドな未来の実現に貢献していく」と述べた。
米国ロボタクシー市場、2024年に約703億円規模に
インドと米国に拠点を置く市場調査会社Grand View Research(グランドビューリサーチ)の最新市場レポートによると、米国のロボタクシー市場は、2024年に約4億5000万ドル(約703億円)規模に達し、2030年までに年平均成長率70%超まで拡大すると予測されている。
市場規模拡大の背景には、サンフランシスコ・ロサンゼルス・オースティン・マイアミなどの先進的な都市政策推進がある。特にフェニックスやサンフランシスコ、ラスベガスなどの都市圏では、オンデマンド型のロボタクシーの導入が加速している。
世界市場は、2030年までに400~500億ドル(6兆2496億円〜7兆8116億円)を超える見込みで、北米およびアジア太平洋地域が主要市場として台頭すると予想される。
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2025.11.30
ENEOS、千葉県でセルロースを活用した藻場造成を実証 有効性確認
ENEOSリニューアブル・エナジー(ERE/東京都港区)は11月21日、千葉県内房で、コンブの一種「アラメ」の遊走子を混合したセルロースポリマー溶液を海中に散布する手法による藻場造成を行い、一定の有効性があることを確認したと発表した。同手法は北海道大学が中心となり研究を進めてきたもの。道内では実績があったが、同エリア以外の海域では初の実証となる。
散布地点でアラメの密度、1.78から6.4倍に
この実証は、千葉県内房地域での磯焼け対策への取り組みの一環として、EREが北海道大学と岡部(東京都墨田区)に委託し、2023年から実施している。北海道大学は、北海道海域で同実証の実績があり、建設関連製品事業や海洋事業を手がける岡部は、自社施設において、同手法の先行試験実績を持つ。
千葉県内房地域においては、アラメを対象とし、水深約3mの岩盤に対してセルロースポリマー溶液に遊走子(海中を遊泳する胞子)を混合させ散布を数回実施した。2024年10月に散布を行い、2025年8月に追跡調査を行ったところ、散布地点の1m2当たりのアラメの密度は、無散布地点に比べ1.78~6.4倍と高い数値となった。散布地点では周囲にアラメが確認されていることから、天然由来の加入に加え、この手法による散布の効果があったと、EREは解説する。
セルロースを活用した藻場造成について
この手法は、コンブ類の遊走子をセルロースなどの粘弾性ポリマー溶液と混合させて海中に散布することで、海中において胞子が飛散しにくい状態のまま海底面に運ぶことを可能とする。これにより、特定の狙った範囲において効率的にコンブ類の海藻を着生・増殖させることができるようになる。また、セルロースは天然成分由来の原料であり、環境への負荷も小さく、低コストで特殊技術も必要としない。
ブルーカーボン・クレジットの認証も視野に
EREは洋上風力発電の事業者として海洋環境を改善するためにさまざまな取り組みを検討している。今回の実証を通じて藻場が造成されることで、海洋環境の改善や漁業資源の回復につながるとともに、海中でCO2を吸収するブルーカーボンが創出される。JREは、将来的にはブルーカーボン・クレジットの認証取得も視野に入れ、洋上風力発電事業と地域への貢献、海からの地球温暖化防止に寄与することを目指している。
岡部は2024年に、海藻種苗培養技術を生かし、CO2の効果的な固定方法についての検証試験を開始した。1月にはブルーカーボンを専門事業領域とする新規部署を立ち上げた。同社が従来行ってきた海藻種苗生産、藻場礁の製作・設置にとどまらず、今回の手法に代表されるようなさまざまな手法を検討・模索し、磯焼け対策とブルーカーボンの創出に引き続き貢献する。
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2025.11.29
ウエストHDと東芝ESS、再エネと蓄電池分野で業務提携 協業強化へ
ウエストホールディングス(ウエストHD/広島県広島市)と東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS/神奈川県川崎市)は11月25日、再生可能エネルギーおよび蓄電池分野での協業推進を目的に、業務提携基本契約を締結したと発表した。需要家に対し、再エネと蓄電池を活用した総合的なエネルギーマネジメントを提供する。
提携における両社の役割
今回の業務提携でウエストHDは、再エネ発電所および蓄電所の開発、建設、維持・保有を担う。
一方、東芝ESSは、ウエストHDが開発した発電所・蓄電所の運用において、電⼒の市場価格予測、蓄電池の充放電計画の作成、本蓄電所の制御、市場取引による収益化及びバランシング業務注などのアグリゲーション業務を担う。
これにより、発電事業者や蓄電事業者に対して、開発から電力運用まで一貫したサービス提供が可能になる。特に再エネ関連事業では、FIP転換したFIT発電所や非FIT発電所を主な対象に需要家に対し電力と環境価値を提供する。
また、両社の知見を活かし、GX経営を進める企業や自治体に対して、自家消費型太陽光、蓄電池、バーチャルPPA、余剰売電を含む総合エネルギーサービスの提案も行う考えだ。
脱炭素エネルギーへの転換をめざし、新サービス開発も視野
今回の提携について東芝ESSは、「ウエストホールHDの開発⼒と東芝ESSのアグリゲーション技術を融合させることで、分散型電源を活かした新たなエネルギービジネスを創出する」とコメント。両社は今後、国内の脱炭素エネルギーへの転換をめざし、非FIT発電所や自治体資産を活用したコーポレートPPA、既存発電所への蓄電池併設による新サービス開発など、継続的な共同検討を進める。
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2025.11.28
晴れた昼間は電気料金が安くなる傾向 7割以上が「知らない」 民間調査
Looop(東京都台東区)は11月25日、20~60代の男女を対象に「天気と電気のつながり」に関する調査を実施した結果を発表した。
この調査では、需給バランスを保つために発電量を抑制する「出力制御」と「晴れた昼間は電気が安くなる」傾向について7割以上が「知らない」と回答。一方で、7割以上が「晴れの日に電気代が安くなるサービスを利用したい」と回答した。
正しい理解の促進と情報提供が必要
電気には市場(日本卸電力取引所 スポット市場)が存在し、需給バランスや天候などさまざまな要素によりその価格が変動する。特に近年は太陽光発電の普及により、晴天の昼間には発電量が需要を上回り、発電量を抑制する「出力制御」という社会問題も発生している。
今回、暖房器具の使用が増える冬を目前に控え、電気代意識が高まる中、「天気と電気のつながり」に関する生活者の意識や、「出力制御」・「晴れ割」の認知度を探る調査を実施した。その結果、天気と電気との関係性はまだまだ知られていないことがわかった。「出力制御」や「晴れの日に電気が安くなる傾向がある」という事実は、再エネの有効活用のためにも、正しい理解の促進と情報提供をする必要性があるとレポートしている。
調査結果の概要は以下の通り。
日常的に電気代をチェックする頻度は低い
はじめに、「『天気』をどの程度チェックしているか?」と質問したところ、「ほぼ毎日」と回答した方の割合は67.4%で、「週に数回程度」も含めると9割近くの人が日常的に天気をチェックする習慣があることが伺えた。
続いて「『電気代』をどの程度チェックしているか?」と質問したところ、「チェックしない」と「月に1回程度」を合わせると8割近くの人が電気代をチェックする習慣がなく、天気とは反対に、電気代を頻繁に確認する習慣のある人は少ないことがわかった。
晴れたときに電気代の削減を想起する人はわずか
「天気が『晴れ』だった場合、どのようなことを思うか?」と質問したところ、「洗濯物がよく乾く」(64.2%)、「外出したくなる」(36.5%)、「気持ちが前向きになる」(24.1%)が上位にあがった。一方で、「電気代を削減できそう」と回答した人は4.3%と少なかった。
「晴れた昼間は電気が安くなる」傾向を4人中3人が知らず
「晴れた昼間に太陽光発電由来の電気が余って捨てられてしまうため発電量を抑える『出力制御』という問題を知っているか?」との質問に、65.5%が「知らない」と回答、また、「太陽光発電の普及により、電力の市場において、晴れた昼間の電気が安くなる傾向にあることを知っているか?」との質問に、73.9%が「知らない」と回答した。
「晴れの日に電気代が安くなるサービス」への期待は高い
「晴れの日に電気代が安くなるサービスがあった場合、利用したいと思うか?」と質問したところ、「非常に思う」(21.5%)、「やや思う」(48.8%)を合わせ、約7割が前向きな回答を示した。
Looop、「晴れ割」第2弾の募集開始
今回の調査は、10月31日~11月4日にインターネット調査で実施した。調査人数は1019人、調査回答時に20~60代の男女と回答したモニターを対象とした。
なお、調査を行ったLooopは、電気を使う時間帯を変える「ピークシフト」という新しい電気の使い方を提案している。7月には、天気と連動した電気代割引「晴れ割」を実施。今回、電気の需要が高まる年末年始の時期にあわせて、11月21日より第2弾の募集を開始した。
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