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2026.03.02
コスモ石油のガソスタ跡地、蓄電所にシフト 1.3億円の補助金も活用
コスモエネルギーホールディングス(東京都中央区)は2月25日、長崎県と宮城県で、ガソリンスタンド(サービスステーション/SS)跡地を活用した高圧系統用蓄電所を建設すると発表した。
SS跡地や遊休地を電力インフラとして再活用する取り組みで、これまでの蓄電ビジネス実証で得た知見を生かし、グループ一体で事業拡大を進める。
2拠点で計約4MW、2027年度より順次運転開始
コスモエネルギーHDは、コスモ石油マーケティング(東京都中央区)が管理する敷地で建設に着手した。2027年度下期の運転開始を予定している。ともに発電出力は約2MW、蓄電池容量は約8MWh。
長崎県松浦市に建設する蓄電所では、パワーエックス(東京都港区)製蓄電池を採用する。宮城県仙台市に建設する蓄電所で採用する蓄電池は未定だ。
なお、長崎県松浦市の蓄電所は、2025年12月に経済産業省の系統用蓄電池などの導入を支援する補助金に採択されている。補助額は約1億3327万円。
需給調節や容量市場への参画を計画
2拠点の蓄電所では、卸電力市場に加え、需給調整市場や容量市場への参画による取引を計画している。これらの取引業務は、グループ会社のコスモエネルギーソリューションズ(東京都中央区)が担う。
コスモエネルギーHDでは、この2拠点にとどまらず、今後も系統用蓄電所や再エネ併設蓄電池の開発・運用を継続的に検討していく予定。
SS跡地を低炭素社会に向けたインフラに転換
全国のSS数は、ガソリン需要の減少、地下タンク漏えい対策に係る負担、後継者難などにより減少し続けている。石油連盟(東京都千代田区)によると、SS数はピークを迎えた1994年度末の60,421カ所から2024年度末には27,009カ所へと減少しているという。
一方、近年、再エネの導入拡大に伴い、電力系統における混雑や出力制御の頻発が課題となっており、再エネの出力変動に応じて柔軟に充電・放電のできる蓄電池のニーズが高まってきている。
コスモエネルギーグループは、これまでの実証を踏まえ、高圧系統蓄電所はその規模感、全国的な配置可能性からSS跡地との親和性が高いことから、既存資産を活用した低炭素社会の実現を支えるインフラとして転換できると考えている。
また、同グループでは、中長期のビジョン「Vision 2030」で、再エネ発電~需給調整・蓄電~グリーン電力販売によるグリーン電力サプライチェーンの強化を掲げている。その一環として、石油エネルギーの供給地点であったSSを再エネの安定供給を支える電気エネルギーの調整拠点として再定義・活用していく。
実証で系統用蓄電池の運用ノウハウを蓄積
コスモエネルギーHDでは、これまで三重県四日市市、埼玉県幸手市、愛知県長久手市、大阪府東大阪市において蓄電池設備の実証に取り組んできた。これらの実証を通じて、蓄電池設備の建設から運用までをグループで一貫して手がける体制を構築するとともに、蓄電池の充放電制御を最適化する自社エネルギーマネジメントシステム(EMS)の構築や、EMSを活用した電力市場取引の最適化など、系統用蓄電池に関する運用ノウハウを蓄積してきた。
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2026.03.01
ENEOSから10物件を取得 系統用蓄電池向け用地拡大へ、ライフワン
系統用蓄電池物件のマッチングや売買ポータルサイト「系統用蓄電池.com」を運営するライフワン(東京都新宿区)は2月24日、系統用蓄電池用地として、ENEOS(同・千代田区)が保有する10物件の土地を取得したと発表した。再エネ拡大を背景に系統用蓄電池が独立インフラとして評価される中、事業拡大を見据えた複数物件の取得となる。
系統用蓄電池の一元的なサポートサービスを展開
電力会社の系統に直接接続する系統用蓄電池は、電力インフラの安定化に資するとともに電力取引きが行われる各市場において売買益を確保するモデルとして需要が高まっている。
日本全国で系統用蓄電池の用地取得および開発を手がけるライフワンは、土地の選定から設備設置、保守、最適運用まで一貫してサポートするサービスを提供している。同社は2025年12月23日に、東京ガス(東京都港区)と提携し、高圧系統用蓄電池を対象とした最適運用サービスを委託開始した。初号案件は、ライフワンが所有する系統用蓄電池(出力2MW、容量8MWh)5件について運用を委託したほか、今後の新規開発案件も優先的に東京ガスが運用を請け負うことで合意した。東京ガスとの業務提携を契機とし、ライフワンは自社物件の運用から得た生の市場データや最適運用の知見などを、同社が運営するプラットフォームのサービス向上に反映させることを目指す。
ENEOSから総面積1万5000m2以上を取得
今回、ENEOSから取得した用地は、東北から九州エリア計10カ所で、総面積は約1万5027.61m2。10物件の概要は以下の通り。
・東北電力エリア:宮城県仙台市(678.52m2)、秋田県能代市(602.34m2)、同・横手市(2,312.62m2)
・東京電力エリア:茨城県土浦市(1,245.32m2)、同・つくば市(1,613.66m2)、 同・稲敷郡(1,784.13m2)、群馬県藤岡市(1,337.54m2)
・中部電力エリア:愛知県犬山市(1,367m2)
・九州電力エリア:鹿児島県伊佐市(3,101.48m2)、同・指宿市(1,360.22m2)
ポータルサイトで用地売買情報を掲載
同社のポータルサイト「系統用蓄電池.com」では、系統接続見込みの用地売買情報が掲載されているほか、系統用蓄電池事業に新たに参入したい事業者や、用地選定を任される担当者、投資家などが活用できる情報なども提供している。
政府、大規模な系統用蓄電池など電力貯蔵システム導入支援に予算増大見込み
国は再エネの主力電源化に向け、電力需給調整を担う系統用蓄電池事業への参入を強力に推進しており、2026年度「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業」の当初予算案を、前年度の当初予算を大幅に増額し、350億円(補正予算80億円)とした。同事業の2025年度補助金(予算額400億円)は37案件が採択された。
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2026.02.28
中電ミライズ、米原長岡蓄電所が運転開始 「地域アグリゲータ事業」本格化へ
中部電力ミライズ(愛知県名古屋市)は2月20日、滋賀県米原市に新設した蓄電所「米原長岡蓄電所」の営業運転を開始した。同社にとって初の系統用蓄電所で、建設から保守、運用までを自社で一貫して手がける案件となる。
出力は990kW、容量は4936kWh
系統用蓄電池は、再エネ導入拡大に伴い不均衡になりやすい電力の需給バランス調整に有効な設備である。米原長岡蓄電所では、余剰電力時間帯の充電と不足時間帯の放電を遠隔で制御し、電力系統全体の安定化に寄与する運用を行う。
定格出力は990kW、容量は4,936kWhで、一般家庭約570世帯の1日分の消費電力量に相当する。リチウムイオン電池を採用し、関西エリアの送配電網に接続し、需給調整機能を担う。
「地域アグリゲータ事業」への足がかり、4月以降に京都で本格始動
中部電力ミライズは、同蓄電所を単なる設備運用ではなく、「地域アグリゲータ事業」として展開する計画だ。
同社はこれまでも顧客の蓄電池などのエネルギーリソースを最適制御し、調整力として複数用途に活用するマルチユース運用を実証してきた。実証では、同社が開発したDR高速制御エンジンを活用し、蓄電池など多様な需要側リソースを制御。各リソースの特性を踏まえた制御により、経済性の観点でリソースの価値を最大化している。
同社は、今回の取り組みを地域内の複数の蓄電リソース(事業者・自治体・顧客設備)を統合制御し、調整力や電力市場への供出価値を創出する事業モデルと位置付ける。4月以降には、宗教法人仁和寺をはじめとする京都市内の顧客設備などとの統合制御を進めるとしている。
パワーエックス、中部電力ミライズ向けに系統蓄電システム納入
同蓄電所は、パワーエックス(岡山県玉野市)社製の系統蓄電システム「MegaPower2700A」2台(合計容量4,936kWh)を採用した。中部電力ミライズへの納入は今回が初となる。
同製品は、標準20フィートISOコンテナタイプで、1台当たりの公称容量2,742kWh、定格容量2,468kWhのリン酸鉄リチウムイオン電池を搭載する。岡山県玉野市のパワーエックス国内製造ラインで生産しており、再エネ電力の吸収・放出を通じた需給調整と系統安定化の活用を想定している。
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2026.02.27
中国大手とレドックスフロー蓄電池システムを共同開発へ 正興電機製作所
正興電機製作所(福岡県福岡市)は2月24日、中国の蓄電池メーカー大手のRKP社と、日本市場向けレドックスフロー(RF)蓄電池システムの共同開発を開始したと発表した。北九州市で2026年秋以降の本格稼働を目指し、系統用蓄電池としての展開および地域のBCP対策電源としての活用を検討する。
北九州発・地域の防災対策に資する安全な再エネモデルを構築予定
まずは正興電機製作所の古賀事業所(福岡県古賀市)において、2月よりシステム構築および各種試験を開始.10月に北九州学術研究都市に竣工予定の「ひびきの研究開発センター」(同・北九州市)へ移設し、本格稼働する計画だ。
2026年秋以降には、稼働後の同システムを、「学研都市ひびきの」エリアのBCP対策用電源として非常時に活用できるよう、北九州市との枠組みを策定する予定だ。
この共同開発において、RKP社は高度な電池セル技術を提供するという。一方の正興電機製作所は、電池の特性を最大限に引き出し、安定した電力変換を行う専用パワーコンディショナ(PCS)および、高度な制御技術で電力需給の最適化・系統電力の安定化に資するエネルギーマネジメントシステム(EMS)の開発を担う。
大型案件を先行してきた住友電工、経産省の2025年度事業に3件採択
次世代の定置用大容量蓄電池として注目されるRF電池は、国内では、住友電気工業(大阪府大阪市)が長年にわたり開発を進め、複数の導入実績を持つ。同社のRF電池は国内外で採用され、海外では米国・欧州・豪州・アジアへ導入例がある。国内では、新出光(福岡県福岡市)が10月に運転開始予定の系統用蓄電所「長洲蓄電所」(環境省の地域脱炭素推進補助金の対象事業においてレドックスフロー電池が採用された初事例)や、鹿児島県南九州市の地域マイクログリッドを担う「黒木山太陽光発電所」、新潟県柏崎市の地域新電力の柏崎あい・あーるエナジーなどに再エネの調整力リソースとして導入されている。
同社は2月10日、経済産業省の2025年度「再生可能エネルギー導入拡大・系統用蓄電池等電力貯蔵システム導入支援事業費補助金」に、同社製のRF電池を用いた系統用蓄電所導入事業が3件採択されたと発表した。このうちの1件となるRSテクノロジーズ(東京都品川区)は、福島県浪江町での住友電工製のRF電池を用いた系統用蓄電池事業を計画し、電解液にグループ会社のLEシステム(同)が製造する電解液660m2を導入すると発表した。
また、プライム・スター(同・港区)は、2022年6月に太陽光発電システムと組み合わせたレドックスフロー電池の販売を開始しており、道の駅や自治体施設などへの導入実績を公表している。
今回の正興電機製作所とRKP社の共同開発は、これまで住友電工が大型案件で先行してきた国内RF電池市場に、新たなプレーヤーが加わる可能性を示す。セル技術を持つ海外大手と国内制御技術企業が組む形で、日本市場向けのシステム開発が進むことになる。
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2026.02.26
低圧の太陽光発電、FIP+蓄電システムへの移行で収益改善を 検証スタート
ブルースカイエナジー(東京都中央区)は2月18日、リミックスポイント(東京都港区)と同社子会社であるシールエンジニアリング(同)と共同で、低圧太陽光発電所のFIP制度移行に向けた事業性検証プロジェクトを開始すると改めて発表した。
この検証では、低圧太陽光発電所において、蓄電システムの併設と、FIT制度からFIP制度への移行を見据えた発電・蓄電・売電を含むシステム全体の運用最適化を図る。
低圧の太陽光発電所、収益向上と低圧アグリゲーションの事業性確立を検証
具体的には、ブルースカイエナジーが保有する鹿児島県志布志市の低圧太陽光発電所10区画と、リミックスポイントが保有する熊本県菊池市の10区画において、Tensor Energy(福岡市中央区)が提供する再生可能エネルギー発電事業プラットフォーム「Tensor Cloud」をアグリゲーション運用システムとして採用し、蓄電システムの併設とFIT制度からFIP制度への移行を見据えた運用の最適化を図る。これにより収益向上と低圧アグリゲーションの事業性確立を検証することを目的としている。
リミックスポイントは、アグリゲーターとして最適な蓄電システムの設計・提案・導入を担う。蓄電池事業を展開するシールエンジニアリングは太陽光発電所と蓄電システムの運用最適化を担う。ブルースカイエナジーは太陽光発電設備の改修・運営・管理を担う。また、Tensor Energyは、アグリゲーション運用システムとして、最先端のAIとデジタル技術を駆使した「Tensor Cloud」を提供する。
事業用太陽光発電の導入件数において、低圧の太陽光発電所は全体の9割を占める大きな市場規模を持つ一方、発電効率や手続き面の負担から採算性に課題があり、参入障壁の高い事業環境となっている。また、政府は2027年度以降、FIT/FIP支援制度の対象を見直す方針を示している。今回の取り組みでは、システム全体の運用最適化と蓄電池を活用して売電タイミングを最適化し、低圧太陽光発電事業の新たな可能性を検証する。
FIT制度かたFIP制度への移行プロジェクト、今後も順次拡大予定
FIT制度からFIP制度移行を見据えたプロジェクトは、リミックスポイントが保有する10区画のリュミエ菊池発電所(熊本県菊池市)と、ブルースカイエナジーが保有する10区画の志布志発電所(鹿児島県志布志市)で実施する。両発電所において、2026年春頃に蓄電システム増設などの設置工事を開始、2026年秋頃にFIP制度への移行手続き開始、2026年冬頃にFIP制度への移行を完了、運転を開始する予定。
リュミエ菊池発電所(熊本県菊池市)
・所有者:リミックスポイント
・発電出力:約500kW(1区画当たり低圧49.5kW)
・年間想定発電量:約594,000kWh(10区画)
・主な追加設備:蓄電池(定格容量)約2,090kWh(1区画当たり約209kWh)
志布志発電所(鹿児島県志布志市)
・所有者:ブルースカイエナジー
・発電出力:約500kW(1区画当たり低圧49.5kW)
・年間想定発電量:約744,000kWh(10区画)
・主な追加設備:蓄電池(定格容量)約2,610kWh(1区画当たり約261kWh)
今回の検証は、FIT制度からFIP制度移行を見据えた、リミックスポイントとブルースカイエナジーによる協業の第1号プロジェクトとして実施する。今回実施する2カ所にとどまらず、今後も協業範囲を順次拡大していく予定。
リパワリングと蓄電所開発、低圧の太陽光発電所でも協業で
リミックスポイントとシールエンジニアリングは、FIP制度下における低圧太陽光発電所の最適な運用を通じた事業性の検証を目的に、ブルースカイグループとの協業を開始した。2025年12月に、太陽光発電所の開発から運営・保守(O&M)に至るまでを一貫して手がける、ブルースカイグループ傘下のブルースカイソーラー(東京都港区)と、1月に、ブルースカイグループ傘下で、太陽光発電所・蓄電所の開発から運営・管理までを手がけるブルースカイエナジーと業務提携契約を締結している。
ブルースカイエナジーは、主に大規模開発を伴わない太陽光発電所のリパワリング工事や蓄電所に関するEPC事業や開発事業を行っている。全国に24カ所の拠点を有しており、土地の調達から発電所や蓄電所の開発・施工のほか、草刈りや除雪、日常の修繕といった管理業務を担っている。現在は、リパワリングと蓄電所の開発に注力しており、リパワリングは全国100カ所、150MW以上の実績があり、蓄電所については2027年までに全国50カ所以上の系統用蓄電所の開発、太陽光発電所併設型蓄電池の開発も進めている。
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2026.02.25
ヒラソル・エナジー、FIT発電所のFIP制度への移行を支援 福岡で
東京大学発スタートアップのヒラソル・エナジー(東京都文京区)は2月19日、FIT制度の既設太陽光発電所をFIP制度へ移行し、発電所の運用最適化を図る取り組みを、イースト・エンジニアリング(同・港区)と開始したと発表した。
対象となった発電所は、出力1.5MWの「福岡飯塚第一太陽光発電所」。両社は今後、同発電所の持続可能な運用と収益拡大を目指す。
発電所のEPC実績を持つイースト・エンジニアリングと連携
イースト・エンジニアリングは、発電所のEPC(設計・調達・建設)の豊富な知見・実績を、ヒラソル・エナジーは、太陽光発電量の高精度予測技術や独自開発のエネルギー制御システム(EMS)を用いた蓄電池制御の実績を有している。このプロジェクトにおいて、同社は、既設のFIT太陽光発電所の選定や設備のメンテナンスを行う。
ヒラソル・エナジーは、アグリゲーターとして、高精度な太陽光発電量予測技術および独自開発のエネルギー制御システム「J-EMS」を活用し、発電量予測やインバランス低減に向けた対応、発電計画の策定・電力広域的運営推進機関(OCCTO)への提出、非化石価値の取り扱いを含む日々のオペレーション業務を担う。
電力市場の需要と供給のバランス維持へFIP制度を導入
再エネの安定的活用に向けては、需給バランスに応じた電力市場の変動を考慮し発電量を調整し、再エネを主力電源化することが求められる。2022年度からFIT制度に加えて、市場連動型のFIP制度が導入された。
FIP制度は、固定価格での買取を行うFIT制度と異なり、市場価格と連動して変動するため、市場の動向に応じて発電収入も変動する。売電する際には、電力市場の需要と供給のバランスを保つために、事前に発電量の予測に基づく発電計画の提出や、実際の発電実績値と乖離がある場合は、「インバランス料金」としてペナルティの支払いが要求される。
これまではFIT制度により、再エネが急速に拡大した。しかし、FIT制度では電力市場の影響を受けず固定価格での電力の買取が保証されているため、電力の需給バランスを考慮する必要がなく、結果として、電力供給が需要を上回るなどバランスを崩す一因となっている。
特定卸供給事業者(アグリゲーター)に届出
ヒラソル・エナジーは、経済産業大臣に対し、特定卸供給事業制度に定められた特定卸供給事業者(アグリゲーター)の届出を行い、2024年に特定卸供給事業者一覧に掲載された。
特定卸供給事業者は、分散型電源を有する者やリソースアグリゲーターなど電気の供給能力を有する他の者(発電事業者を除く)から、1MWを超えて電気を集約・統合制御し、一般送配電事業者や小売電気事業者、特定送配電事業者、配電事業者に電気を供給する事業者をいう。
ヒラソル・エナジーは、今後は、アグリゲーターとして、このプロジェクトで得られた知見を活かし、既設のFIT太陽光発電所を対象に、FIP制度移行後の効率的な発電所運用を支援していく。
なお同社の太陽光発電量の予測技術は、2023年に開催された第1回「太陽光発電量予測AIコンペティション」にて、短期予測賞を受賞。これまで積み重ねてきた独自のシミュレーション技術により、発電量の予測精度を向上、正確な発電予測により、予測発電量と実績発電量の差異を最小限に抑えることができ、収益に影響するインバランス料金を削減・最適化を実現している。
このほか、米倉山次世代エネルギーシステム研究開発ビレッジ発電所(山梨県甲府市)にて、開発したエネルギー制御システム「ぷらマネリンク」を用いた複数台の蓄電池制御を行っている。
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2026.02.24
日本電気硝子、敷地外太陽光活用・自己託送スキーム実装 CO2年500t減
日本電気硝子(滋賀県大津市)は2月17日、滋賀県長浜市の「滋賀高月事業場」の敷地外に太陽光発電設備を新たに設置し、稼働を開始したと明かした。発電した電力は自己託送制度を活用し、同事業場へ供給する。
30分同時同量で、再エネ1200MWh供給
自己託送制度とは、発電設備や蓄電池などを保有する事業者が、一般送配電事業者の託送供給を利用して、自ら発電・放電した電力を同一法人内の別の需要場所(工場や事業場など)へ供給する仕組みを指す。近年、企業では再エネの自家消費拡大やスコープ2の削減手法として、同制度を活用する動きが広がっている。
同制度は「自家消費」を基本とする仕組みであり、FIT制度の適用を受けた電源をそのまま自己託送に充てることは認められていない。
自己託送を行う事業者は、発電設備を「発電バランシンググループ(発電BG)」、需要場所を「需要バランシンググループ(需要BG)」にそれぞれ属させ、30分単位で発電計画と需要計画を一致させる「計画値同時同量」の義務を負う。
実際の発電量や需要量が計画値と乖離した場合(インバランス)は、一般送配電事業者が系統全体として需給調整を行い、その調整に要した費用がインバランス料金として各バランシンググループに精算される仕組みとなっている。
日本電気硝子が新設した太陽光発電設備の年間発電電力量は、一般家庭約300世帯分の消費電力に相当する約1200MWhとなる。これにより、CO2排出量は年間約500t削減できる見込みだ。
メガソーラーシステムに続く再エネ活用
滋賀高月事業場は2023年4月、約5,000枚の太陽光パネルを設けたメガソーラーシステムを設置し、本格稼働を開始した。年間発電電力量は約3700MWhに上る。
製造業では、屋根面積の不足や建屋の構造的制約、敷地余地の限界といった理由から、自家消費型太陽光の導入拡大に課題を抱えるケースは少なくない。日本電気硝子は今回、敷地外設置と自己託送を組み合わせることで、再エネの自社利用拡大を図る。同社は今後も再エネの活用を推進する方針だ。
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2026.02.23
ESGファイナンスの表彰 ペロブスカイト太陽電池開発での資金調達等が受賞
環境省は2月16日、ESG金融に積極的に取り組む金融機関などや、サステナブル経営に取り組む企業を評価・表彰する、第7回「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」の受賞者を発表した。
積水化学工業(大阪府大阪市)は注目度の高いペロブスカイト太陽電池の開発に関わる資金調達により「資金調達者部門」で金賞を、伊藤忠商事(東京都港区)と積水ハウス(大阪府大阪市)は「環境サステナブル企業部門」で金賞を受賞した。
第7回は金賞7件、銀賞8件など35件が受賞
「ESGファイナンス・アワード・ジャパン」は、ESG金融の普及・拡大に向けて、2019年に環境省が創設した。上場企業を対象とした「環境サステナブル企業部門」と、投資家や金融機関、資金調達者を対象とした金融部門である「投資家部門」「間接金融部門」「資金調達者部門」「金融サービス部門」の全5部門を設けている。
第7回の応募では、環境大臣賞として金賞7件、銀賞8件、選定委員長賞として銅賞9件、特別賞4件、テーマ別賞7件を選定し、2月16日に各賞の授与を行った。また、開示充実度が一定の基準を満たしている59社を「環境サステナブル企業」として、開示の改善度合いが高くより一層の発展が期待される5社を「環境開示プログレス企業」として選定した。
また、環境省は、第7回への応募者を対象に、ESGに関する人材開発の状況についてアンケート調査の集計結果を取りまとめ公表した。
受賞者は以下の通り(※カッコ内はサブ部門名)。
投資家部門
金賞:ロベコ・ジャパン(アセットマネージャー部門)
銀賞:ニッセイアセットマネジメント(アセットマネージャー部門)
銅賞:明治安田生命(アセットオーナー部門)
特別賞:公益財団法人自動車リサイクル促進センター(アセットオーナー部門)間接金融部門
金賞:静岡銀行、みずほ銀行
銀賞:肥後銀行、横浜銀行
銅賞:山陰合同銀行
特別賞:福井銀行/福井鋲螺 ※連名受賞資金調達者部門
金賞:積水化学工業
銀賞:三菱HCキャピタル
銅賞:中日本高速道路
特別賞:該当なし金融サービス部門
金賞:大和証券(証券部門)
銀賞:格付投資情報センター(評価・情報提供部門)
銅賞:みずほ証券(証券部門)
特別賞:サステナブル・ラボ(評価・情報提供部門)テーマ別賞
ネット・ゼロ賞:池田泉州リース
ネイチャーポジティブ賞:滋賀銀行
サーキュラーエコノミー賞:大日本印刷環境サステナブル企業部門
金賞:伊藤忠商事、積水ハウス
銀賞:栗田工業、大和ハウス工業、明治ホールディングス
銅賞:大阪ガス、コニカミノルタ、すかいらーくホールディングス、TOPPANホールディングス、三菱マテリアル
特別賞:三井倉庫ホールディングステーマ別賞
ネット・ゼロ賞:東急不動産ホールディングス、日本郵船
ネイチャーポジティブ賞:ニッスイ
サーキュラーエコノミー賞:LIXIL革新性やモデルケース、市場底上げへの貢献などを評価
積水化学工業は、経営とファイナンスの統合や、GXのハイライトであるペロブスカイトに焦点を当てたシンボリックなファイナンスの事例として、R&Dとグリーンファイナンスを明確に結びつけた革新性が評価され、資金調達者部門の金賞を受賞した。
環境サステナブル企業部門で金賞を受賞した伊藤忠商事は、総合商社として環境関連のリスクや機会を包括的に把握し、成長戦略と同期した資本効率経営や強固なサステナビリティ・ガバナンスを実現していることが評価された。また、同社の天然ゴム事業における自然資本リスクへの対策も特徴的な取り組みとして認められた。
同じく金賞を受賞した積水ハウスは、植栽事業によるネイチャーポジティブへの貢献の定量的評価や、住宅の水平リサイクルに挑戦する「House to House」の取り組みなど、気候変動のみでなくさまざまな環境課題に対して先進的な対応を進めている点が評価された。
間接金融部門では、静岡県内の地域金融機関や自治体、地域産業との連携を深めるとともに、他地域への展開も見据えた具体的な取り組みを進める静岡銀行(静岡県静岡市)と、大企業との積極的な対話や、シップファイナンスやカーボンニュートラル分野において多角的な取り組みを展開する、みずほ銀行(東京都千代田区)が金賞を受賞した。
投資家部門・アセットマネージャー部門では、ロベコ・ジャパン(東京都港区)が、金賞を受賞した。グローバル展開している歴史ある責任投資家として日本と欧州の投資家をつなぐ橋渡し役を担うとともに、日本のサステナブルファイナンス市場の底上げに貢献している点が評価された。
ESG人材に求められる専門性トップは「気候変動」
第7回への応募者を対象にしたアンケート調査は、金融機関・企業などにおけるESG関連の人材開発について実態を把握することを目的に、2025年9月16日~10月31日に第7回の応募者を対象に行った。オンライン上またはExcelのフォームへの入力により実施し、金融部門44社、環境サステナブル 企業部門86社、計130社より回答を受領した。
ESGの取り組み実践にあたり、取り組んでいる人材開発の内容は、両部門とも「育成(従業員向けのESG研修など)」が最も多く、「中途採用」が続いた。自組織に最も求められるESG人材は、両部門とも自組織内での推進を担う「リーダー人材」が最も多く、「個別分野の専門人材」が続いた。
自組織に最も求められるESG人材の専門性は、「気候変動」が最も多く、金融部門で52%、環境サステナブル企業部門で43%を占めた。気候変動に次いで最も求められている専門性は、金融部門では「自然・生物多様性」(18%)、環境サステナブル企業部門では「循環経済・サーキュラーエコノミー」(24%)となった。
両部門とも、ESGへの取り組みが新卒・中途採用と人材流出防止の「いずれにも寄与している」と感じている回答が過半数で最も多かった。一方、ESG人材開発における主な課題として、両部門とも「育成を担う人材の不足」を挙げた回答が70%を占め最も多かった。
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2026.02.22
系統用蓄電所10カ所を共同開発へ エネフォワード、需給調整市場参入
エネフォワード(福岡県福岡市)は2月12日、ライジングコーポレーション(大阪府池田市)と業務提携し、2MW/8MWh規模の系統用蓄電所を約10カ所開発することを発表した。需給調整市場や容量市場を主な収益源とする商業運用を視野に入れ、再エネ拡大で変動が高まる電力市場への本格参入を図る。
系統用蓄電池事業へ新規参入のライジングコーポレーション
ライジングコーポレーションは、1月15日に系統用蓄電池事業へ参入することを発表した。
1月には岡山県和気町、熊本県南関町に、2月には兵庫県市川町への2MW/8MWhの系統用蓄電所の建設を決定してており、岡山と兵庫は2026年中、熊本は2027年2月の商業運転開始を予定している。取得額はいずれも約5.7億円で、総投資額は約17億円規模となる。設備は系統に直接接続し、需給調整市場などでの運用を見込む。
同社はこれまで、主に家庭用および産業用の太陽光発電システム・蓄電池などの販売施工を行ってきたが、系統用蓄電池事業に新規参入することでさらに事業拡大を図る。
系統用蓄電池を10件程度開発予定 事業範囲拡大も
今回の業務提携において、エネフォワードはEPCやマネジメントで培った実績を基に、ライジングコーポレーションが展開する系統用蓄電所事業に対し、設備の供給および運営・保守に関する専門的なノウハウを提供する。ライジングコーポレーションの強みとする販売活動や顧客開拓力と連携し、両社で系統用蓄電所事業の強力な推進体制を築いていく。
両社は今後、系統用蓄電所(出力2MW・容量8MWh規模)を、10件程度共同開発していく予定だ。また、蓄電池併設型の太陽光発電所やFIP転換案件の開発、分散型電源の運用事業など、事業領域を段階的に広げ、中長期的なエネルギーインフラ事業の展開について協働する。
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2026.02.21
日本材料技研、宇宙向けMXene太陽電池材料を開発 東京都助成に採択
日本材料技研(東京都中央区)は2月13日、同社が提案した「超軽量薄膜太陽電池に用いる電荷輸送層MXene(マキシン)の開発」が、東京都中小企業振興公社が実施する「宇宙製品等開発経費助成」に採択されたと発表した。人工衛星など宇宙用途向け次世代太陽電池を対象に、MXeneを活用した高耐久・高性能な電荷輸送層材料の開発を進める。
人工衛星の打上コスト削減に貢献する新材料技術
MXeneは、米ドレクセル大学で開発された二次元層状化合物。層状で異方性を持つナノシート構造を特徴とし、表面修飾による電子物性の制御や、インク化・塗布による低温成膜が可能なことから、宇宙用途向け薄膜太陽電池材料としての応用が期待される。
日本材料技研では、ナノシートが積層した多層MXene粉末や、ナノメートル(nm)スケールまで剥離したMXene水分散液のサンプル提供を行うほか、光電デバイスへの応用研究を進め、これまでに有機フォトダイオード型光センサの電子輸送層としての応用可能性を確認している。
同事業では、同社独自のMXeneに関する技術を基盤に、超軽量薄膜太陽電池向けのホール輸送層および電子輸送層材料の開発を行う。
プロジェクトには、東京大学大学院工学系研究科 横田 知之准教授も参画。実用化を見据えた産学連携体制の下、新規組成MXeneの開発や表面修飾技術の高度化、塗工インク化技術の確立に取り組む。宇宙用途に加え、将来的には民生用太陽電池や光デバイスへの展開も視野に入れる。
衛星軽量化と打ち上げコスト低減が課題
日本材料技研の発表によると、近年は人工衛星の打ち上げ数が急速に増加し、打ち上げコストの低減や搭載機器の軽量化が重要な課題だという。特に太陽電池は、衛星システム全体の重量の中でも大きな割合を占めることから、発電性能を維持しつつ軽量化を実現する技術が求められる。
東京大学 横田研究室が報告している超薄膜太陽電池は、従来型太陽電池と比べて単位重量当たりの発電量が大幅に高く、実用化されれば打ち上げコスト削減につながる可能性がある。一方、有機材料主体の構成では、宇宙線耐性や長期信頼性が課題とされている。
日本材料技研は今後、同事業を通じて人工衛星の打ち上げコスト低減と宇宙利用の高度化に貢献し、MXene材料の社会実装を加速させる。
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