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2025.07.19
ハンファジャパン、宮崎県日向市の新体育館に太陽光発電設備を寄贈
ハンファジャパン(東京都港区)は7月14日、同社が主催するSDGsパートナーシップ制度「Green Alliance(グリーンアライアンス)」において、宮崎県日向市と、太陽光発電設備寄贈契約を締結したと発表した。
老朽化を理由に建て替えが進められている「日向市総合体育館」に対し、太陽光発電モジュール32枚(出力13.12kW)、パワーコンディショナー2台、ハイブリッド蓄電システム1台を寄贈する。
地域課題に貢献するグリーンアライアンス
日向市では、自治体の財政が厳しいことや将来的な人口減少を見据え、公共施設の再編が喫緊の課題だとする。特に頻発する自然災害への備えとして、市民の命と安全を守る防災拠点の機能強化が重要なテーマとなる。日向市総合体育館は建設から約50年が経過し、老朽化と耐震性について課題を抱えていた。
こうした地域の現状とニーズに応えるため、グリーンアライアンスは新設される体育館に太陽光発電システムおよび蓄電池を寄贈することとした。寄贈する太陽光発電システムは、年間約1万5943kWhの発電が見込まれ、災害発生時には避難所の非常用電源としても機能する。
非常時には緊急支援物資の保管も行う地域の『最後の砦』
防災拠点としての役割が強化される新体育館は、地域の『最後の砦』として、また非常時には緊急支援物資の保管や長期避難所としても活用される計画。2025年3月より本格的な建設工事に着手し、2026年度中に完成する予定だ。
日本企業や自治体との連携を推し進める韓国の総合商社
ハンファジャパンが主催するSDGsパートナーシップ制度「グリーンアライアンス」は、企業や自治体と協働し、再エネの供給を柱とし、地域貢献やグローバル連携などによる社会課題解決に取り組んでいる。同社は7月8日、大阪府とも連携協定を締結し、同府内の公立学校などに太陽光発電設備を設置する方針を明らかにしている。
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2025.07.18
横国大ら、排ガス中のCO2と太陽光パネルのシリコン廃材からギ酸合成
横浜国立大学は7月14日、同大学大学院工学研究院の本倉健教授らの研究グループが、電源開発(Jパワー/東京都中央区)、産業技術総合研究所(JST)と共同で、火力発電所由来の排ガスに含まれるCO2と、廃棄太陽光パネルから回収されたシリコンを直接反応させて、ギ酸を合成することに成功したと明かした。
各者は、太陽光パネルの新たな有価値リサイクル方法の確立と排ガス中CO2の有効利用へ向け、研究が大きく進展したと説明している。
開発したギ酸合成プロセス、特殊な処理工程は不要
研究チームは今回、実際の廃棄太陽光パネルから分離・回収されたシリコン部位を活用し、火力発電所からの排ガス中のCO2と反応させることで、ギ酸と多孔質シリカを合成する触媒反応を開発した。研究ではまず、太陽光パネルから分離されたシリコンを用いて、純粋なCO2との反応を実施した。その結果、表面に付着する不純物(アルミニウム)により、サンプルによっては、CO2の還元反応が進行しないものが存在することがわかった。そこで、研究チームらは、塩酸を使ってアルミニウムを除去。すべてのサンプルにおいて、ギ酸を生成することに成功した。
次に、実際の排ガスに含まれるCO2の活用を試みた。Jパワー社の微粉炭火力発電所を使用し、排ガス(約14vol%)を直接ボンベに回収。ガスを9気圧に昇圧させ、廃棄シリコンとの反応を検証した。その結果、最高1.10mmol(ミリモル)のギ酸(ギ酸収率は73%)が合成できた。火力発電所からの排ガスを直接反応容器に導入しても、ほぼ同様のギ酸収率が得られたという。
これらの結果は、特殊な処理工程を経ることなく排ガスをシリコンとの反応に用いられることを示しており、CO2からのギ酸合成プロセスの確立に近づいたと、研究チームは成果を強調している。
今後は、廃棄シリコンのさらなる特性調査などを進める
ギ酸は、年間約2万トンの国内需要があり、現在は防腐剤・殺菌剤・洗浄剤など幅広く活用されている。研究グループは、これまでに純粋なCO2と高純度シリコンを反応させCO2を還元しギ酸が得られることを確認していたが、今回は実際の廃棄シリコン・排ガスを活用できることを初めて実証した。
一方で、研究では、シリコンサンプルによる反応性の違いや触媒効率など実用化へ向けた解決すべき課題が明確になったとし、今後はプロセスの実用化へ向けて、廃棄シリコンのさらなる詳細な特性調査と前処理条件の精査を実施するとともに、性能と経済性を両立する高性能触媒の探索を進めるとしている。
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2025.07.17
ワタミエナジー、ソーラーシェアリング向けに蓄電池設置 稼働開始
ワタミ(東京都大田区)は7月11日、同子会社のワタミエナジー(同)が、岩手県陸前高田市にある農業テーマパーク「ワタミオーガニックランド」内に、出力48kWの蓄電池(容量)を設置し、稼働を開始したと発表した。
電気料金売り上げの1%を再エネ開発に充当
ワタミエナジーでは、電気料金売上の1%を再エネ開発に投資する取り組みを進めている。今回の蓄電池設置もこの一環である。
今回の用途は、ソーラーシェアリング向けで、昼間にブドウ畑上に設置した太陽光パネルで発電した再エネを新設する蓄電池に蓄え、夜間に放電することで園内のイルミネーションに利用する。また、災害時には、緊急電源の役割も担うという。
第4弾の再エネ開発投資も計画
ワタミエナジーによる再エネ開発投資は、本件を含め過去3回実施。現在は、第4弾として、奈良県五條市で小水力発電所の建設を予定している。
ワタミオーガニックランドは2021年4月、東日本大震災で被災し甚大な被害を受けた陸前高田市泉北地区にオープンした施設。同社は今後も、施設の整備を進め、農業や環境、エネルギーを通じて楽しみながら学べる場を提供していく。
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2025.07.16
日立、次世代SOFC技術を開発 半導体技術の応用で高出力と低温動作を両立
日立製作所(東京都千代田区)は7月10日、低温で高出力な発電を可能にする次世代固体酸化物形燃料電池(SOFC)技術を開発したと発表した。産業用分散電源の高効率化を支え、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する技術として期待される。
従来技術の課題に半導体技術を応用
従来のSOFCは約700℃という高温での稼働が必要で、起動に時間がかかるうえ、断熱材も厚くせざるを得ないなど、適用範囲に制約があった。そのため、低温での運用を目指して電解質層の薄膜化が検討されてきたが、信頼性の確保が課題とされていた。同社はこの課題に対し、半導体分野で培った技術を応用。SOFCの動作温度を約700℃から519℃まで下げつつ、1W/cm2を超える高出力と高信頼性を両立したという。
具体的には、燃料電池の構造を細かく分けて管理する手法を導入し、各セル単位で性能を評価して不良セルをあらかじめ除去した。これにより故障リスクを抑えつつ信頼性を高めたという。さらに、発電に重要な電解質層を、厚さを保ったまま均一かつ薄く仕上げることで出力密度の向上を実現した。
低温・高出力の両立で用途拡大 社会実装と脱炭素社会の実現をめざす
同技術は、断熱材の使用削減やコスト低減が可能となり、工場の自家発電や災害時の非常用電源など、産業用分散電源や可搬型電源など幅広い用途への適用が期待されるものだ。同社は今後、パートナー企業や補機メーカーとの協創を通じて同技術の社会実装をめざし、カーボンニュートラル社会の実現に貢献するとしている。
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2025.07.15
定置用蓄電池・蓄電所は再エネ事業の「中核」 産業用・系統用に脚光
太陽光など再生可能エネルギーで生みだした大容量の電力をためられる定置用蓄電池・蓄電所のニーズが高まっている。エネルギー資源が乏しい日本にとって、特に規模が大きい産業用蓄電池や系統用蓄電池は、発電した再エネ電力を無駄なく使うために不可欠である。蓄電池が再エネ事業の「中核」になりつつある。
目次
1.政府動向: 定置用蓄電池、市場規模は年々拡大
2.産業動向: 系統用蓄電池・蓄電所、開設の動き活発
3.展示会: 定置用蓄電池、展示会も多数開催 中国系に勢い
4.展望・分析:蓄電池・蓄電所はエネルギー政策の行方左右 俯瞰的視点で運用を
1.政府動向
定置用蓄電池、市場規模は年々拡大
経産省の定置用蓄電システム普及拡大検討会は、定置用蓄電池の定義を以下のように規定している。
家庭用:需要家側に設置される蓄電システムのうち、戸建住宅向け、集合住宅向けに供される系統連系タイプの蓄電システム
業務・産業用:需要家側に設置される蓄電システムのうち、商業施設・産業施設・公共施設に併設される電力貯蔵システム
系統用・再エネ併設:系統側に設置され、系統安定化、周波数調整等に使用される系統直付けもしくは系統設備併設の蓄電システム(系統用)、太陽光発電や風力発電のような再エネ発電所に併設される蓄電システム(再エネ併設)
つまり、需要家側、系統側に設置する大きな蓄電システムを、広い意味で定置用蓄電池と呼ぶ。
このような日本国内の定置用蓄電システムの市場規模は、年々拡大している。三菱総研によれば、国内の定置用蓄電システムの導入量は2023年で10000MWhを超え、2020年の倍近くに達した。天候や時間によって発電量に大きな差がある再エネの安定供給に向け、多くの電力をためられる定置用蓄電池は存在感を急速に高めている。
政府、定置用蓄電池導入を支援
政府は2024年度補正予算で、家庭用、業務産業用、再エネ併設用蓄電システムの導入支援事業として127億円を計上。系統用蓄電システムについても、2024年度に27案件(補助金額約346億円)を交付決定した。
ただ、業務・産業用蓄電システムのコストは原材料高、資材価格の高騰などの影響を受けて高止まり傾向にある。経産省によると、「経済性、運用収益の定量評価が難しいために導入に至らないケースも依然として存在する」という。
系統用・再エネ併設蓄電システムについても、産業用蓄電池と同様、集積性やコスト面での課題がある。特に系統用・再エネ併設蓄電システムは為替や市場価格、制度変更など収益性に影響を及ぼす要因が流動的であり、事業計画が立てにくい面は否めない。さらに再エネと定置用蓄電池事業を拡大するためには、ビジネスとして成立することが欠かせない要素になっている。
2.産業動向
系統用蓄電池・蓄電所、開設の動き活発
定置用蓄電池のうち、特に系統用蓄電池・蓄電所を開設する動きが活発になっている。発電事業者、需要家ともに、発電した再生可能エネルギーを可能な限り有効活用したいというニーズが急速に高まっていることが影響している。
JPN、系統用蓄電池事業で新連携 2026年度までに出力10MW開発へ
日本エネルギー総合システム(香川県高松市)は6月30日、秋山興産(同)と系統用蓄電池事業に関する業務提携を締結したと発表した。両社は系統用蓄電所2基の開発で連携を開始する。
三菱HCキャピタルなど4社、北海道千歳市の系統用蓄電池事業で設備着工
三菱HCキャピタルエナジー(東京都千代田区)、三菱地所(同)、大阪ガス(大阪府大阪市)、韓国のサムスン物産は6月16日、北海道千歳市で計画する系統用蓄電事業の設備施工に着手したと発表した。開発する蓄電所は、出力25MW、容量50MWhで、運転開始は2027年1月の予定。
TAOKE、栃木・小山の系統用蓄電所を公開 一気通貫ソリューションに強み
TAOKE ENERGY(東京都港区)は6月17日、同社が手掛けた栃木県小山市の系統用蓄電所を公開した。6月30日から受電を開始する。土地選定から蓄電所の運用まで一気通貫のソリューションを提供できるのが同社蓄電システムの特徴。再生可能エネルギーの有効利用に向け蓄電池への関心が高まる中、今後さらに系統用蓄電所を増やす考えだ。
3.展示会
定置用蓄電池、展示会も多数開催 中国系に勢い
定置用蓄電池・蓄電所に関連する展示会としては、「SMART ENERGY WEEK ~スマートエネルギー WEEK~【秋】2025」(9月17~19日、幕張メッセ)と「SMART ENERGY WEEK ~スマートエネルギー WEEK~【関西】2025」(11月19~21日、インテックス大阪)がある。
定置用は特に中国系の企業に勢いがあり、価格面だけでなく、技術やサービス面でも優位性がある。今後日本の蓄電池市場がどうなるかを見極める上でも、展示会への参加は大きな意味を持ちそうだ。
4.展望・分析
蓄電池・蓄電所はエネルギー政策の行方左右 俯瞰的視点で運用を
経済産業省は蓄電池メーカーなどの事業予見性を高めるため、定置用蓄電池の導入見通しを設定している。系統用蓄電池は2030年に累計14.1~23.8GWh程度、家庭用・業務産業用蓄電池は2030年に累計約24GWh程度を想定している。
ただ、今の社会・経済情勢を鑑みると、エネルギー政策や脱炭素に関わる取り組みが原材料高や株式市場の動向、国際政治などの「外部要因」に大きく左右されている。いくら推計値を出しても、先行きの不透明さは変わりようがない。
政府は2025年2月にまとめた第7次エネルギー基本計画で、2040年までに太陽光や風力などの再エネ比率を40~50%に高める目標を示した。この高い目標達成のためには、再エネを気候や時間に関係なく効率的に使える蓄電池・蓄電所の設置拡大が必須条件である。
再エネは今や、企業だけの利益にとどまらず、日本のエネルギー政策の行方を左右する。太陽光、風力など「単体」での導入ではなく、今後は蓄電池やエネルギーマネジメントシステム(EMS)、電力の効率運用を司るアグリゲーターの選定なども含め、より俯瞰的、複合的な視点で再エネの運用を考える必要があるだろう。
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2025.07.14
脱炭素支援のモデル事業を他自治体に横展開、環境省が後押し 今治市を採択
愛媛県今治市は7月8日、東京海上日動火災保険(東京都千代田区)らと推進している、地域の中小企業に対する脱炭素経営支援の取り組み「今治モデル」が、環境省モデル事業の新設枠に採択されたと発表した。同モデルを県内自治体に横展開し、県全体の脱炭素化を加速させる。
「今治モデル」県内への横展開、地域の人材不足などを解消
同市は、環境省の2024年度「地域ぐるみでの脱炭素経営支援体制構築モデル事業」において、東京海上日動火災保険・伊予銀行(愛媛県松山市)・愛媛銀行(同)・今治商工会議所(同・今治市)などと共同で、同モデルを構築した。
この取り組みでは、独自の脱炭素経営プログラムに基づき、企業の意識変容から行動変容、さらには行動サポートまでを一貫して支援する。プログラム修了者は、脱炭素経営伝道師「今治グリーンフェロー(バリグリ)」認定が取得でき、地域における脱炭素の推進役となるスキームを確立している。

脱炭素経営支援のスキーム図(出所:今治市役所) 今治モデルを八幡浜市・内子町でも実施へ
環境省モデル事業は、2025年度に「過年度採択地域(モデル地域)による展開先地域(フォロー地域)への横展開」枠を新設。今治モデルが全国で唯一選ばれた。
今年度は、今治モデルを県内の八幡浜市・内子町に横展開し、人材・ノウハウ・連携体制の不足などの各地域の課題解決を目指す。特に、各地の共通課題である「行政側のマンパワー不足」解消が期待される。
なお、7月7日には今治市内で記者会見が行われ、両市町の関係者は「今治モデルの知見を活かし、地域の特色を活かした脱炭素支援を進めたい」など、今後の展望を語った。
ゼロカーボンシティを目指す今治市
今治市は、2023年11月にゼロカーボンシティ宣言を行い、脱炭素の取り組みを推進している。5月には愛媛県内自治体として初めて脱炭素先行地域にも選ばれた。選考では、今治モデルが評価されたという。
同市は今後も、東京海上日動火災保険をはじめとする多様な関係機関と連携し、地域での取り組みを継続するとともに、各自治体の地域事情に合わせた支援体制の構築に向け、運営ノウハウや脱炭素経営プログラムを提供していく。
【参考】
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2025.07.13
大阪府とハンファジャパン、公立学校への太陽光発電導入促進で連携合意
大阪府とハンファジャパン(東京都港区)は7月8日、同社が主催するSDGsパートナーシップ制度「Green Alliance(グリーンアライアンス)」において、太陽光発電の普及および環境教育の推進に関して協業すると発表した。同月16日に、両者間での連携協定が締結され、同府内の児童福祉施設や学校教育施設などに、ハンファジャパンが提供する太陽光発電設備が設置されることとなる。
自治体や企業と連携し、太陽光発電設備設置を推進するハンファジャパン
グリーンアライアンスは、2024年6月に発足したハンファジャパン主催のSDGsパートナーシップ制度。再生可能エネルギーや住宅関連企業であるパートナー企業と協働し、クリーンエネルギーの供給を中核に、地域貢献やグローバル連携など、多様な社会課題の解決に取り組んでいる。
2025年6月12日に始動したグリーンアライアンス第2期では、重点施策として、地域社会への再エネ導入加速、J-クレジットによる植林プロジェクト、環境教育の推進、クリーンモビリティとの連携に取り組んでいる。
太陽光発電設備の提供や子供たちへの環境教育では、すでに神奈川県をはじめとする他自治体とのSDGsパートナーシップを推進してきた実績など、官民連携による具体的な成果を上げているという。
大阪府は、2050年カーボンニュートラルに向け、多岐にわたる施策を積極的に展開し、「SDGs未来都市」としてSDGs推進を図っており、グリーンアライアンスの活動方針と、大阪府が目指す「持続可能な社会の実現」と「子どもたちへの環境教育の推進」という目標が一致したことにより、連携協定を締結することで合意した。今後は、大阪府内の児童福祉施設や学校教育施設を対象に、太陽光発電設備の寄贈に向けた公募を実施する。

(出所:ハンファジャパン) 【参考】
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2025.07.12
三菱重工系、水素混焼可能・450kWガスコジェネシステムの販売開始
三菱重工エンジン&ターボチャージャ(MHIET/神奈川県相模原市)は7月4日、東邦ガス(愛知県名古屋市)と共同開発した、体積比で最大15%の水素混焼が可能な出力450kWのガスコジェネレーションシステム「SGP M450」を発売すると発表した。ラインナップには、新設時は都市ガス専焼仕様で、最小限の現地改造により水素混焼仕様に変更可能なパッケージも加わるという。
運転中、都市ガス専焼モードと水素混焼モードへの切り替えも可能
「SGP M450」は、都市ガス専焼ガスエンジン「GS6R2」をベースに、燃料ガス系統やエンジン制御装置を改良した水素混焼エンジン。
水素混合率は、従来のガスエンジンからの変更範囲を最小限するため最大15%に設定した。運転モードは、都市ガス13A専焼モードと水素混焼モードの2種類で、負荷運転中に任意に切り替えられる。このうち水素混焼モードでは、エンジン始動時に都市ガスのみを用いる仕様とすることで、停電発生時の初期負荷投入量を都市ガス専焼仕様と同等とし、BCPにも対応する。
また、将来の水素利活用を検討中の顧客向けに、「水素レディ」パッケージも発売する。予め水素混焼に必要な機器や機能を組み込んでおくことで、水素混焼仕様への改造にかかる工事期間の短縮を図る。
発売開始に向け、500時間以上に及ぶ実証を実証
発売開始に向けては、東邦ガス技術研究所(愛知県東海市)で500時間以上に及ぶ実証試験を行い、発電設備に必要な電力需要の変動に応じた高い調整力やさまざまな条件下で運転の安全性を検証した。その結果、異常燃焼などのリスクはなく、都市ガス専焼仕様と同じ運用が可能なことが確認された。
コジェネシステムは、カーボンニュートラルの実現に貢献する分散型エネルギーリソースとして期待される技術の一つである。大規模災害などによる停電時にも対応可能な電源であることから、レジリエンス強化という点でも期待される。MHIETは今後も、水素利用の拡大および分散型電源の普及を推進し、脱炭素社会の実現や社会全体のレジリエンス向上に貢献していく。
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2025.07.11
世田谷区、住宅用太陽光の余剰電力を地産地消 実証事業のモニターを募集
東京都世田谷区は6月30日、住宅用太陽光発電の余剰電力を活かした地域内エネルギー循環の実証事業の実施に向けて、余った電気の売り手、買い手となるモニターの募集を開始すると発表した。
実証は、TRENDE(東京都千代田区)とJERA Cross(同・中央区)が、世田谷区、全国農業協同組合連合会(JA全農/同・千代田区)およびJAグループでエネルギー事業を展開する全農エネルギー(同)と連携し実施する。
P2P電力取引システムの効果を検証
各者は、TRENDEのP2P電力取引技術を活用し、世田谷区で発電された住宅用太陽光発電の余剰電力を、全農エネルギーを通じて世田谷区内の一般家庭向けに供給することで、電力の地産地消を目指す。
具体的には、余剰電力として系統に売電している再エネ電力(非FIT、卒FIT電力など)と域内の電力需要家との間で、小売電気事業者(全農エネルギー)などを介した自動的な個人間電力売買ネットワーク(P2P電⼒取引)を構築する実証を行う。

事業概要(出所:世田谷区) P2P電力取引市場においては、市場原理による価格決定メカニズムに基づいた余剰電力(再エネ)の取引を行い、経済性と環境性の両立を目指す。夜間などの不足する電力(電力需要家)については、P2P電力取引市場外から実質再エネ電力を供給する。
併せて、P2P電力取引の供給量が不足している時間帯などの下げDR、供給量が多い時間帯の上げDRや、デジタル地域通貨「せたがやPay」による市場参加へのインセンティブ付与も併せて実施し、電力の売り手・買い手の流動性を高め、市場全体の経済的メリット向上に取組む。実証期間は2025年7月~2027年3月(予定)。
なお、P2P電力取引は、ブロックチェーンなどの技術により、発電側(住宅の太陽光発電など)と需要側(域内の電力需要家)を直接結びつけ、個人間で電力取引が行える仕組みをいう。TRENDEはJA全農・全農エネルギーと共に、群馬県下にてすでにP2P個人間電力取引の商用サービスを開始している。
モニター募集の概要
この実証は、世田谷区内における固定価格での太陽光余剰電力買取期間が満了した、いわゆる卒FIT家庭から余剰電力を買い取り、世田谷区内の家庭に「せたがや産の再エネ電気」を供給することを目指すもの。発電量や電力需要を予測し、システム上で自動的に売買されるため、参加モニターが自ら取引を行う必要はない。
募集するモニターは、売り手が200件程度、買い手が100件程度。プラン詳細・料金シミュレーション・申込み方法は、特設のウェブサイトで確認できる。
住宅地での地域再エネの地産地消とポテンシャルの最大化へ
世田谷区の住宅地の余剰電力を活用したP2P個人間電力取引とDRなどに係る地産地消ネットワーク構築実証事業は、東京都の補助事業に採択されている。
この事業では、P2P電力取引システムやフレキシブル太陽光モジュールなどの実証を通じて、将来的な住宅地における地域再エネの地産地消とポテンシャルの最大化の手法確立を目指している。
フレキシブル太陽光モジュールなど次世代分散型電源の実装では、事業用で商用化されている薄型軽量型のフレキシブルモジュールについて、モニター住宅で実証、課題検証を行う。また、住宅用太陽光発電により発電された電気を効率的に活用するため、系統への逆潮流が可能な蓄電池を住宅に設置し、P2P個人間電力取引市場への効果、課題検証を行う。
世田谷区は、家庭部門の脱炭素化推進や、この実証事業への相互協力と連携のため、JERA(東京都千代田区)、JERA子会社のJERA Cross、TRENDEなど5者と基本合意を締結し、P2P電力取引ネットワークやフレキシブル太陽光モジュールなどの活用による事業検討を進めている。
TRENDEとJERA Crossは、今回の実証を通じて、P2P電力取引の普及・拡大を目指す。
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2025.07.10
ダイヘン、省スペース型蓄電池パッケージ発売 FIP制度対応
ダイヘン(大阪府大阪市)は7月4日、太陽光発電併設型「蓄電池パッケージ」を開発し、販売を開始したと明かした。コンパクトかつ分割搬送が可能な設計で、余剰スペースの少ない施設にも設置しやすい製品となっている。
ダイヘン独自のEMS「Synergy Link」も搭載
同製品は、業界初のコンパクトなユニット型のパワコンとキャビネットタイプの蓄電池を採用。狭隘道路や重量制限のある橋梁などを経路とする太陽光発電所への搬入、余剰スペースが限られる太陽光発電所において優位性を発揮するという。
また、パワコン・蓄電池・連系設備・変圧器のパッケージを構成する全機器を合わせても重量は6トン未満で、6トントラックによる分割搬送が行える。これにより、山間部の道路幅員の制限や橋梁の耐荷重にも対応する。このほか、同社独自のEMS「Synergy Link(シナジーリンク)」を搭載。出力抑制が行われる昼間に発電した電気を蓄電池に貯め、市場価格が高い時間帯に売るなど効率的な売電収入が期待できる。
なお、同製品は複数台の組み合わせが可能。同社では、設置環境や必要容量に応じたシステムの構築から、FIP制度活用のための機器・システムを一括で提案する。
FIP制度での運用を想定していない既設の太陽光発電施設
再エネ導入促進には需給バランス調整が必要であり、政府は、従来のFIT制度からFIP制度への移行を促している。FIP制度では、事業者は市場価格が高い時に蓄電池に貯めた電力を売電することで収益増加が見込める。
一方で、既設太陽光発電所は、設計当初は蓄電池の設置を想定しておらず、稼働のためのスペースがないことや、搬入が困難といった課題があり、導入が進んでいないのが実情である。特に搬入では、従来のコンテナ型蓄電池はパワコン・蓄電池・連系設備・変圧器が一体構造かつ大型であるため、山間部の施設には搬送できず、また運搬に使用する車両重量は40トン以上となるケースもあり、耐荷重超過のため橋梁を走行できないなどのトラブルがあるという。
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