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2025.11.27
名古屋電機、道路設備にカルコパイライト太陽電池活用 福岡県で実証
名古屋電機工業(愛知県あま市)は12月から、福岡県内で、道路情報板および道路監視カメラにカルコパイライト太陽電池を活用した実証実験を順次開始する。発電性能の評価とともに、将来的な設備のオフグリッド化を念頭に、実用性を検証する。
災害時の自立稼働など設備のオフグリッド化実現へ
同実証では、福岡県大牟田市・京都郡みやこ町・八女市の県内3カ所に設置されている道路情報板・道路監視カメラに、PXP(神奈川県相模原市)製のカルコパイライト太陽電池を設置し、発電量や耐久性、実運用における効果を検証する。
また、同実証は、当該設備の外部電源に依存しない独立電源化(オフグリッド化)を目的としており、単なる発電性能の評価にとどまらず、電源インフラが限定的な場所での使用や、災害など電力供給が断絶された状況を想定し、道路設備が自立的に稼働できるかなども検討する予定。
福岡県補助金事業の一環として実施
同実証は、福岡県「ペロブスカイト太陽電池等実証事業補助金」に採択されており、実証の成果は、2026年3月までに結果をとりまとめ報告を行う。また同社は補助金事業の期間終了後も開発や検証を継続し、実用化を目指す方針。
同補助金事業では、同社のほか、九電みらいエナジー(福岡県福岡市)の福岡空港国際線ターミナルビル屋根にカルコパイライト太陽電池を設置する実証や、九州旅客鉄道(JR九州/同)の「博多駅ホーム屋根におけるペロブスカイト太陽電池の発電実証実験」がある。
タンデム型太陽電池の実用化も視野に
名古屋電機工業は現在、ペロブスカイトとカルコパイライトを組み合わせた、タンデム型太陽電池の技術検証を進めている。今後は、今回の実証で得た基礎データを、同技術の実用化に活用するとしている。
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2025.11.26
パナソニック、電力市場価格の安価な時間にEV充電 100世帯で実証開始
パナソニック(大阪府門真市)は11月20日、TGオクトパスエナジー(東京都港区)と、東京都の戸建て住宅に住む100世帯を対象に、電力市場価格が安い時間帯へ自動的に電気自動車(EV)の充電時間をシフトする遠隔制御の実証を開始すると発表した。
ユーザーの手を煩わせることなく電気代負担を削減し、電力消費を需要ピークから移す「ピークシフト(上げDR)」の効果を検証する。実証に参加するモニターの募集を始めた。
ピークシフトとユーザー利便性の両立を検証
太陽光発電の比率が高まる昼間や、需要が集中する夕方以降の時間帯など、電力市場価格の上下動が顕著になる中、家庭部門においても、電力使用を電力市場価格の安い時間帯にシフトする「デマンドレスポンス(DR)」が求められている。
そこで、今回の実証では、電力市場価格に応じたEV充電の最適化を通じて、家庭部門におけるピークシフトの可能性とユーザー利便性の両立を検証する。具体的には、パナソニックの戸建てEV所有者向けアプリ「おうちEV充電サービス」を活用し、顧客のライフスタイルを加味した上で、EV充電設備(IoT EVコンセント)を遠隔制御することで、電力市場価格の安い時間に自動でEV充電する。実証期間は2026年3月~5月の3カ月間を予定。
事業としての成立性も検証
今回の取り組みは、家庭・家電・電力をつなぐスマートエネルギー実証として、両社が協力して実施する。検証項目として、次の3つをあげる。
・電力市場価格が安く、かつ利用者の生活/充電ニーズに沿った時間帯での充電自動制御(遠隔制御のもとEV充電に消費された電力量には特別料金単価を適用)
・利用者の便益(電気代削減、利便性)の評価と電力消費のピークシフト効果の定量分析
・事業としての成立性(ユニット粗利、参加率、運用コストなど)の検証
TGオクトパスエナジーは、モニター(実証対象者)への電力供給、充電スケージュルの策定を担う。パナソニックは、遠隔制御プラットフォーム(機器・システム・アプリ)を提供し、沿革制御を実施する。
TGオクトパスエナジーの顧客を対象にモニターを募集
TGオクトパスエナジーは、電力プラン「EVオクトパス」の電気需給契約を結ぶ顧客のうち、東京都内の戸建てに住み、EV・EV充電設備を持つ契約者を対象に、モニターの募集を開始した。募集期間は11月21日〜12月15日(予定)。モニターは上限数に達し次第受付を終了する。モニターの要件として、EVコンセントにIoT制御モジュールを組み合わせた「IoT EVコンセント」の設置など、必要となる準備を2026年2月末までに実施することなどがあげられている。
英国・オクトパスエナジーは、2016年から英国で電力小売事業をスタートし、現在、日本を含む8か国で、1000万以上の世帯に再エネ由来の電力を提供している。日本では、2021年に東京ガス(東京都港区)との合弁会社「TGオクトパスエナジー」を設立し、事業を開始した。
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2025.11.25
ファストリ、2030年までのスコープ3削減目標引き上げ 19年度比30%
ファーストリテイリング(山口県山口市)は11月19日に、サプライチェーン(スコープ3)における2030年度のGHG排出量削減目標を、「従来の2019年土比20%削減」から「同30%削減」に引き上げると発表した。生産パートナーとの協業による効率化などにより、当初目標を前倒しで達成できる見込みとなったためだと説明している。
店舗・主要オフィス由来のGHG排出量、2019年度比8割以上削減
同社では、サプライチェーンにおけるGHG排出量を、同社ブランド「ユニクロ」「ジーユー」商品の原材料生産・素材生産・縫製に関わる排出量と位置付け、削減に向けた取り組みを推進。2024年8月期までに18.6%削減を実現した。
具体的な進捗としては、
・自社領域(店舗・主要オフィス)におけるGHG排出量:「2030年8月期までに90%削減する」という目標に対 し、2024年8月期時点(以下同)で、2019年度比83.3%削減を達成
・再エネの調達比率:「2030年8月期までに100%達成」に対し、84.7%に上昇
・リサイクル素材などGHG排出量が少ない素材の使用割合:「2030年8月期までに全使用素材の約50%」という目標に対し、19.4%を達成
などが確認されている。
こうした各種取り組みの着実な進捗を踏まえ、今回2030年8月期までの削減目標を30%に上方修正した。同社は今後も、石炭使用量削減や再エネへの切り替えのさらなる推進、GHG排出量の少ない素材の使用拡大、工事におけるエネルギー効率改善などを進めていく方針。
同社取締役 グループ上席執行役員 柳井 康治氏は、今回の成果について、「生産パートナーとの緊密な協働により、サプライチェーンのGHG排出量削減が計画を上回るペースで進捗し、目標の引き上げにつながった」と説明。また「これからも、LifeWearを軸に、社会の持続的な発展に貢献できる新たなビジネスモデルを追求していく」と意欲を示す。
なお、新目標は、科学的知見と整合した目標として、Science Based Targetsイニシアティブより認定されている。
トレーサビリティに関する新施策も実施中
GHG削減の新目標は、同社の新ビジョン「LifeWear=新しい産業」に関するメディア・アナリスト説明会にて発表されたもので、併せて、豪州でのトレーサービリティの新プロジェクトやサステナビリティの主要領域における2030年度目標に向けた進捗、生産現場における取引先工場とのパートナーシップの実践についての紹介があった。
豪州のプロジェクトは、同社が進める、最終商品から原材料調達レベルまでサプライチェーン全体を可視化し、品質や調達、生産体制、環境・人権対応の自社基準を全行程に適用する施策の一環で、ウールを指定農場から調達するという取り組みを2025年に開始した。
同国ではこれまでも、2023年に綿商品を対象に紡績工場を特定し、定期監査を導入。2024年にはカシミヤ100%商品の生産に携わるサプライヤーを特定し、「2024年秋冬商品」から、洗毛工場および紡績工場への定期トレーサビリティ監査を導入している。
同社は今後も、「LifeWear」の考え方の下、持続可能性と事業の成長を両立する新たなビジネスモデルへの転換を進めていく。
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2025.11.24
マクニカ、亜熱帯環境下のタイでペロブスカイト太陽電池実証 JCMの一環
マクニカ(神奈川県横浜市)は11月19日、タイで、ペロブスカイト太陽電池(PSC)の亜熱帯環境下における世界初の実証事業を開始したと発表した。高温・高湿、大気汚染(PM2.5)など厳しい亜熱帯環境下において、PSCがどの程度性能を維持できるか、耐久性と発電性能を検証する。実証は、タイの再エネ企業SENA Green Energy Company Limitedと共同で行う。
なお、同事業は、環境省の「二国間クレジット制度(JCM)資金支援事業」に採択されており、同制度を活用し、日本からタイへの優れた脱炭素技術の普及を目指す。
運用からメンテナンスまで一貫した実施体制の確立目指す
PSCは、「軽い・薄い・曲がる」といった特性を活かし、これまで太陽光パネルの設置が難しかった建物の壁面などへの設置を可能にする。その一方で、熱や湿気、紫外線などの影響を受けやすく、亜熱帯環境下での性能検証が求められていた。今回の実証が行われるタイはこれまでPSCの導入実績がなく、また現地の電気規格に適合するシステムがないことも検討事項であった。
そこで、同社は今回、高温・湿潤な環境下でのPSC適合性を検証する。さらに、現地における運用からメンテナンスまでの一貫した実施体制を確立し、継続的なCO2排出削減に寄与することを実証することで、タイをはじめとする東南アジアでのPSC普及促進を目指す。
PSC初期評価は実施済み、2025年度は本格的な実証を実施
取り組みは、2024年度からすでに始まっており、現地での電気規格調査や現地規格に適合するシステムの構築および稼働検証が完了。SENA社保有の住宅屋上にPSCを8枚設置し、初期的な評価も実施済みである。
2025年度は、本格的な実証と運用体制の確立を進める。今後は、屋根だけでなく、住宅の壁を含め全方位にPSC約60枚を設置し、亜熱帯仕様(高温多湿かつ多量な紫外線)および大気汚染(PM2.5)された環境での耐久性と発電性能を検証。またPSCをIoT機器と接続し、出力をモニタリングすることで、メンテナンス体制の確立も実証する。
実証において、マクニカは、実証向けPSCの開発・提供や実証環境のシステム構築・技術的指導、性能モニタリング・データ収集・解析を行う。SENA社は、タイ王国内のPSC実証環境の提供とともに、実証環境での設置工事。性能モニタリングを担当する。
実証期間は、2025年10月中旬から2026年2月中旬まで。
環境省JCM資金支援事業、2024年度から3年間の実証
同実証は、環境省の2024年度「二国間クレジット制度資金支援事業のうち水素等新技術導入事業」に採択されたことを受け実施するもの。期間は2024年度からの3年間。実施に向けては、PSCの発明者である桐蔭横浜大学の宮坂 力特任教授の指導の下、マクニカは代表事業者として、共同実施者であるSENA社と2社で推進している。
マクニカホールディングス 執行役員兼マクニカ イノベーション戦略事業本部 本部長の佐藤 篤志氏は、「今回の実証事業はその目標に向けた記念すべき第一歩であり、今後はペロブスカイト太陽電池を用いた自家発電・自家消費を広く普及させていきたい」と述べた。
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2025.11.23
PXPのタンデム型「曲がる太陽電池」、NEDO事業に採択へ
PXP(神奈川県相模原市)は11月17日、同社のペロブスカイトCIS軽量タンデム太陽電池モジュールの開発が、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2025年度事業に採択されたと発表した。同事業を通じて、同太陽電池の変換効率・耐久性向上と、大面積モジュール化に取り組む。
産業屋根や道路・通信インフラなど新領域での拡大目指す
同社は今回、NEDO事業のうち「太陽光発電導入拡大等技術開発事業」に係る枠組みに応募し、次世代型太陽電池技術開発テーマの一事業として採択された。
同社のペロブスカイトCIS軽量タンデム太陽電池は、ペロブスカイトとカルコパイライト(CIS)の2種類の太陽電池を重ねた「曲がる太陽電池」。超軽量かつ高い変換効率が期待できる。先行して実用化が進んでいるペロブスカイトSiタンデム太陽電池と比べても吸収波長の制御が可能で、理論変換効率が高いという特性がある。
重さは、セルが1m2当たり0.2kg、モジュールが1m2当たり0.7kgと超軽量。厚さに関しても0.7mmと薄く、フレキシブルで割れないことから、多用途への展開も見込まれる。
これらの特長を活かし、同事業では、変換効率・耐久性向上や大面積モジュール化を進め、早期の実用化を図る。具体的には産業屋根・営農、移動体、道路・通信インフラ市場をターゲットに新領域拡大を目指すとしている。
従来設置されてこなかった新市場への太陽光導入拡大を目指すNEDO事業
気候変動対策への世界的な関心が高まる中、日本においては、エネルギー基本計画に示される再エネの主力電源化に向け、導入加速が急務となっている。一方で、日本の太陽光設備はすでに世界一過密な状況にあり、従来型の太陽光パネルを設置するための適地は限られる。
NEDOの「太陽光発電導入拡大等技術開発事業」は、太陽光発電の導入拡大時の適地制約・期待されるニーズの多様化といった課題解決にあたり、太陽光発電システムが従来設置されてこなかった新市場への最大限の導入拡大に貢献するための取り組みである。
PXPは今後も、国産の「曲がる太陽電池」の可能性を追求しながら、これまで太陽電池の取り付けられなかった新領域への展開を加速させ、日本が目指す2050年カーボンニュートラル実現に貢献していく。
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2025.11.22
東京ガス不動産、環境配慮の学生賃貸住宅竣工 屋上太陽光とソーラー街灯設置
東京ガス不動産(東京都港区)は11月18日、屋上太陽光やソーラー街灯設置した学生専用賃貸住宅「ラティエラアカデミコ北千住」(同・足立区)の竣工を発表した。同シリーズ「ラティエラ」は、環境配慮とレジリエンス向上を重視した仕様が特長で、都市型賃貸レジデンスブラントとして首都圏で展開している。
太陽光発電で「脱炭素」と「非常時の安心」を両立
同物件は、屋上には太陽光パネルを設置し、発電した電力を集会所など共用部に供給する計画。非常時には、余剰電力により充電した蓄電池から電力を供給できる仕組みを採用しており、電気料金の削減と非常時の電力確保する。
また、敷地内にはコンセント付のソーラー街灯を設置。余剰電力を街灯に付属する蓄電池に充電し、非常時にはコンセント電源として活用できるという。
賃貸住宅の累計は36棟・2298戸に
今回の物件により、同社が手がける賃貸住宅の累計は、36棟・2298戸となった。同社は引き続き保有地や新規取得用地の開発を推進する。
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2025.11.21
TOPPAN、「景観に優しい」太陽光パネル用フィルム 眩しさも軽減
TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPAN(東京都文京区)は11月19日、太陽光パネル向けの新型透過加飾フィルム「ダブルビューフィルム」を開発したと発表した。発電性能を維持したまま、デザイン性を高めた「景観に優しい」フィルムで、近隣住民とトラブルになりやすいパネル反射に伴う眩しさも軽減されるという。今後、建物の壁面向けなど新フィルムを用いた太陽光パネルの用途拡大を狙う。
発電効率・耐久性は「フィルムなし」とほぼ同じ
ダブルビューフィルムは、光を透過する機能がある太陽光パネル向けのフィルムで、発電効率や耐久性はフィルムを貼らない状態とほぼ同じ。表面へのデザイン印刷が可能なため、無機質で景観を損なうとの批判も少なくない太陽光パネルに様々なデザインを施すことができる。高い意匠性が必要な住宅など建築物の壁面に太陽光パネルを設置する用途も想定する。
また、ダブルビューフィルムを貼ることで、太陽光発電パネルの反射を低減できるといい、近隣住民とのトラブル回避にも役立つという。
太陽光向け、2026年度中に量産化
2050年のカーボンニュートラル達成に向け、国は太陽光や風力など再生可能エネルギーのさらなる拡大を目指している。再エネの柱である風力発電事業で期待通りに計画が進まない中、太陽光にかかる期待はさらに高まっている。ただ、太陽光には無機質なパネル表面が並ぶことで景観や外観を損なうという課題がある。
TOPPANは同製品がパネル表面の反射も含めたこれらの課題を解決できるという点をアピールし、製品の販売拡大を目指す。同社は「ダブルビューフィルムをオフィスやマンションエントランス、ホテルといった建築内装用途だけではなく、モビリティや家具・家電、産業資材等の幅広い業界に向けて展開したい。太陽光向けは2026年度中の量産化を目指したい」とコメントしている。
「無機質」から意匠性・加飾できるパネルへ
無機質な太陽光パネルが与える景観・外観への影響に、配慮しようとする取り組みが始まっている。
屋根一体型太陽光パネルの設置事業などを手掛けるモノクローム(東京都中央区)は6月、祇園祭(会期:2025年7月1日〜31日)において、重要文化財である長刀鉾(なぎなたほこ)の提灯屋台に屋根一体型太陽光パネル「Roof-1」を設置し、提灯屋台の献灯に明かりを灯す取り組みを発表。
アイシン(愛知県刈谷市)は9月、「ネッツトヨタ郡山 安積店」の壁面に、青色に加飾した装飾性の高いパネルを設置し、色調変化や反射光、発電効率などを評価し、デザインや都市景観と調和する同太陽電池の商品モデル確立を実証すると発表した。
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2025.11.20
エスポア、80MWh規模蓄電池開発に向けシグエナジーと協業開始
不動産事業を展開するエスポア(東京都渋谷区)は11月13日、中国Sigenergy Technologyの日本法人Sigenergy Japan(シグエナジー/同・中央区)と、日本国内における系統用蓄電池事業を中心とした包括基本合意書を締結した。両社は、2026年12月末までに蓄電池発電所約10カ所分に相当する80MWh規模の蓄電池製品の販売・設置を目標に、協業体制を敷く方針。
ニーズ高まる蓄電池事業における競争力強化などが狙い
エスポアは、不動産事業に加え、近年は系統用蓄電池開発など再エネ事業に注力している。シグエナジーは2024年9月の設立以来、AI技術やデジタル制御を組み合わせたエネルギー貯蔵ソリューションを開発や蓄電システム、太陽光インバータ、EV充電器などを主軸とした事業を展開。スタッカブル分散型光+蓄電一体機ソリューションや世界初の実用化型一体化V2Xソリューションなどは国内外で高く評価されている。
80MWh規模の共同販売目標達成に向けては、エスポアの案件開発力・販売チャネルとシグエナジー社の製品供給・技術面の強みを活かし、市場浸透を加速させるとともに、複数の系統用案件の共同展開を行い、プロジェクトごとにスケールメリットを得ながら効率的な導入を進めていく。
また今後は、シグエナジー社製蓄電システムの取り扱いが可能となることから、ラインアップの大幅拡充とともに蓄電池事業の競争力が強化されると、エスポアは協業のメリットを強調する。さらに、シグエナジー社との連携による投資家ネットワーク拡大や販売支援を通じて、蓄電所開発プロジェクトの早期収益化や案件規模の大型化などが図られ、蓄電池事業ポートフォリオが拡充するとしている。
全国で蓄電池発電所プロジェクトを推進
両社は、現在エスポアが開発中の案件を含む10件のプロジェクトについても協業を進める予定で、今後も、全国で複数の蓄電池発電所プロジェクトを展開し、クリーンエネルギーの安定供給と電力インフラの分散化に貢献していく。
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2025.11.19
パナソニックとAGC、ガラス型ペロブスカイト太陽電池の開発・実証で連携
パナソニックホールディングス(パナソニックHD/大阪府門真市)は11月14日、グリーンイノベーション基金事業において、AGC(東京都千代田区)と、建材一体型太陽電池(BIPV)の活用に向け、ガラス型ペロブスカイト太陽電池の量産技術開発とフィールド実証に着手すると発表した。公共・商業施設を中心に、耐荷重の小さい屋根やビル壁面への設置など国内外の市場を想定して実証を展開する予定。
量産技術開発とフィールド実証へ
このプロジェクトは、パナソニックHDが、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が実施する2025年度グリーンイノベーション基金事業「次世代型太陽電池の開発」のうち、「次世代型太陽電池実証事業」に採択されて実施するもの。
従来は太陽電池の設置が困難だった都市部などへの再エネ導入を加速するため、建物の窓や壁・バルコニーなどにガラス型ペロブスカイト太陽電池を設置する事業の実用化に向け技術開発を進める。
具体的には、安定した品質の大量生産を可能にする量産技術の確立に向け、一連の生産プロセスとして高いスループット・歩留まりを実現する技術を開発。量産技術開発と並行し、同太陽電池の特性を活かした施工方法を含む性能検証のため、建築物など実用環境での施工・運用試験を実施する。事業期間は2025年度~2029年度(最大5年間)。
エンドユーザーのニーズを反映、技術開発・社会実装へ
同事業では、エンドユーザーのニーズを反映した技術開発や社会実装の加速を目的に、太陽電池メーカー単独でなく、ユーザー企業などと連携したコンソーシアムによる提案が求められる。そこで、パナソニックHDを幹事企業としたコンソーシアムを組成し、AGCと、パナソニックグループのパナソニック環境エンジニアリング(大阪府吹田市)が事業における委託・連携パートナーとして参画する。
幹事会社のパナソニックHDは、量産技術の開発に関するモジュール出力、信頼性を含む品質安定化、量産プロセス最適化に加え、フィールド実証を通じた施工・配線・システムの検証に取り組む。AGCは、BIPVの実績や施工、エンジニアリング技術を活かし、構造設計・品質確保を含む施工を支援とともに、実証実験を通じた開発へのフィードバックを行う。
パナソニック環境エンジニアリングは、建築・ガラスと太陽光・蓄電池などのエンジニアリング技術に基づく設計・施工のサポート開発のフィードバックを実施する。
都市部を含めた太陽電池の設置場所の拡大に貢献
パナソニックHDは、BIPVとして、ガラス型ペロブスカイト太陽電池の開発を進めている。
同太陽電池は、極薄の太陽電池の膜を、建築基準に適合した強度・厚みのガラスに塗布し合わせガラス化したもの。その特長として、サイズや透過性、グラフィックパターンの自由度などがある。また、建材一体化することで、さまざまなガラス仕様に対応できる上、耐風圧性能など建築材として求められる基準を満たし、太陽電池としての耐久性が高められる。これにより、建築業界で確立された幅広い施工方法を活用可能となり、都市部を含めた太陽電池の設置場所の拡大にもつながり、建築物と自然に調和する形でオンサイト発電を可能にする新たなソリューションとして、新たな選択肢となることを目指している。
一方、AGCは、太陽光発電セルを2枚のガラスにはさみ込んだBIPVを展開する。3月には東京建物(東京都中央区)と「東京建物八重洲ビル」に、AGC製太陽光発電ガラスの導入したことを公表した。
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2025.11.18
住友化学、リチウム電池用セパレータの国内生産終了へ 韓国子会社に機能集約
住友化学(東京都中央区)は11月13日、国内でのリチウムイオン二次電池用セパレータ事業から撤退し、韓国の子会社SSLM社(韓国大邱市)に製造および関連機能を集約すると発表した。事業再編は2026年3月末をめどに完了する予定。
2006年に生産を開始した住友化学のセパレータ「ペルヴィオ」
住友化学が開発した「ペルヴィオ」は、アラミドの持つ優れた耐熱性と信頼性などの特性を活かしたリチウムイオン二次電池用セパレータで、2006年に愛媛県新居浜市の「大江工場」で量産を開始。近年は、EVやプラグインハイブリッド自動車の販売拡大を受け、大江工場の増強やSSLM社での工場新設など、ペルヴィオの生産能力引き上げを実施してきた。
韓国のSSLM社は、2017年に生産体制の整備が完了。薄膜化や耐久性の改良、生産性向上による競争力強化など、拡大する需要に対応できていることから、今回の再編に至ったという。
国内では今後、柔固体型電池など次世代に向けた革新的材料の研究開発に専念する。この再編により、中長期的に成長が見込まれるEV市場およびリチウムイオン二次電池材料市場における同事業の競争力強化を図っていく。
2022年には、柔固体型電池を開発
住友化学は2022年11月、京都大学・鳥取大学と共同で、柔固体型電池を開発した。
全固体電池は、リチウムイオン二次電池に用いられる電解液を固体にしたもので、容量と充放電時間の長さに特長があるものの、安定した電池動作に課題があった。同社らが開発した柔固体型は、柔軟性を兼ね備えた固体電解質により、圧力を加えなくても電極との界面接合が可能。実証では、無加圧方式で約230Wh/kgの容量を達成している。
住友化学は引き続き、産学共同など専門分野の垣根を超えた研究を継続し、電池材料分野において革新的な技術開発に取り組み、EVの普及をはじめとするスマートモビリティ社会推進への貢献を目指す。
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