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2026.01.07
多摩ブルー・グリーン賞、PXPの次世代太陽光電池開発など16件受賞
多摩信用金庫(東京都立川市)は12月23日、第23回「多摩ブルー・グリーン賞」の受賞者を発表し、技術・製品部門の最優秀賞に、PXP(神奈川県相模原市)の「次世代軽量フレキシブル太陽電池」が選ばれた。経営部門の最優秀賞には、MIRAI-LABO(八王子市)の「EVリパーパスバッテリー事業」が選出された。
PXPのkW級発電実証での実績を評価
PXPでは、従来型の重くて固い太陽光パネルが搭載できない屋根や外壁、移動体、道路・情報インフラなどを対象とした次世代太陽電池を開発している。最大の特徴は、ペロブスカイト層とカルコパイライト(CIS)層を重ねたタンデム構造にある。
同構造のモジュール開発では、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2025年度事業に採択されたほか、日産自動車(神奈川県横浜市)や名古屋電機工業(愛知県あま市)、神奈川中央交通(神奈川県平塚市)・豊田通商(愛知県名古屋市)、新潟県などと実証を展開している。近年は、国内の多くの自治体・企業と連携。kW級の発電実証を行うなどフィールドでの着実な実績が高く評価された。
ミライラボを中心に7社と座組形成、EVリパーパスバッテリー事業を展開
MIRAI-LABOは、7社と共同で、EVバッテリーの回収から診断・開発・製造・販売・物流までを一気通貫で行う「EVリパーパスバッテリー事業」を構築している。
同社は、過去にも多摩ブルー賞優秀賞を2度受賞しているが、今回は、7社連携による革新的なサーキュラーエコノミーのビジネスモデルを実現した点が評価され、多摩グリーン賞を初めて受賞した。
このま事業において、MIRAI-LABOは、EVバッテリーの劣化診断技術を提供している。同技術は、EVバッテリーのモジュールを高精度かつ短時間のうちに自動診断する。EVバッテリーを活用した製品は、保証を付け提供することが可能になるという。
応募総数114件、25年度は16件が受賞
「多摩ブルー賞」は優れた技術や製品を、「多摩グリーン賞」は新しいビジネスモデルを対象に、多摩地域の発展に貢献などした中小企業や団体、個人事業主を表彰するもの。このうち、独自性・革新性などで特筆すべきことの評価が最も高い事業者には特別賞が授与される。
第23回は合計114件の応募があり、最優秀賞2件・優秀賞4件・多摩みらい賞8件・特別賞2件が選ばれた。
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2026.01.06
ヤマハら5社、異業種連携でCO2回収装置を開発 検討開始
ヤマハ発電機(静岡県磐田市)は12月25日、サクラ工業(同・浜松市)、JCCL(福岡県福岡市)、東洋製罐グループホールディングス(東京都品川区)、三井物産プラスチック(同・千代田区)と共同で、CO2回収装置の技術開発およびビジネスモデルの構築に向けた検討を開始したと発表した。プラントのコンパクト化やほかのソリューションとの組み合わせを考慮することで、中小企業にも導入しやすいモデルの構築を目指すとしている。
JCCLらの技術開発にヤマハ発電機らも参加、実用化へ加速
九州大学発のスタートアップ企業で、2種類のCO2分離回収技術を有するJCCLは2025年4月から、東洋製罐グループHD・三井物産プラスチックとともに省エネ型CO2回収装置の開発を開始している。ここに、ヤマハ発動機とサクラ工業が新たに加わった。
異業種5社連携で開発に取り組む「CO2回収装置」は、工場の燃焼排ガスなど比較的高濃度の気体からCO2を回収するアミン含有ゲル技術に、排熱を利用した省エネ運転やNOX(窒素酸化物)/SOX(硫黄酸化物)の除去前処理を融合させた点に特徴があるという。
ヤマハの水素関連実証施設での開発を計画
CO2回収装置は、静岡県森町にあるヤマハ発動機の水素関連実証実験施設「ZERO BLUE LAB 未森」を拠点に開発を行い、2027年7月末に大型装置の完成と、フィージビリティスタディ(FS)の完了を予定している。
その後は、実証試験で得た知見を継続的にビジネスモデルにフィードバックし、検証を経てヤマハ発動機グループ各拠点への段階的な展開を進める計画だ。
2026年以降にはメタネーション実証も
「ZERO BLUE LAB 未森」は2025年11月に稼働を開始した実証施設で、水素ガスに対応した溶解炉および熱処理炉を導入。2026年以降には、グリーン水素を製造設備や排ガス中のCO2を合成メタンに変換するメタネーション装置の導入も検討されている。
ヤマハ発電機は、今回の取り組みを通じて、CO2のさらなる活用を進め、2035年のカーボンニュートラル達成につなげたい考えだ。
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2026.01.05
東大と富士通、ワット・ビット連携でデータセンター負荷軽減 実証開始
富士通(神奈川県川崎市)と東京大学は1月5日、ワット・ビット連携の技術開発と社会実装に向けた実証実験を開始した。
東京大学は2025年10月、東京電力パワーグリッド(東京都千代田区)と、ワット・ビット最適化モデル構築に向けたプロジェクトを始動。今回の実証はこの一環で、データセンター(DC)間で計算処理の負荷を他拠点に移動させるワークロードシフト技術を検証する。期間は3月31日までの約3カ月間。
東大情報基盤センターと富士通ソブリンクラウドサービスの計算環境を接続
同実証は、東京大学柏キャンパスの情報基盤センターと、富士通の国内DC向けのソブリンクラウドサービス「Fujitsu クラウドサービス powered by Oracle Alloy」の計算環境を接続し、アプリケーションと実行環境をパッケージ化する仮想技術を用いて、ロケーションに依存せずに計算処理できるかを検証する。
また、両者は電力会社と連携し、電力需給バランスや電力市場価格などの電力系統状況と連動した地域間でのワークロードシフトの有効性とその技術検証を行う。さらに、NTT(東京都千代田区)が提唱するIOWNの次世代通信インフラであるAPN活用による追加検証も実施する。
なお社会実装に向け、クラウド環境に接続し計算処理をシフトする実証は、国内初の取り組みとなる。
ソブリン性のある分散型DC実現目指す
ソブリンクラウドとは、データ主権(データの所有権・管理権)を確保し、自国の法律・規制に準拠してデータを国内で保存・処理できるクラウド環境を指す。経産省は、経済安全保障の一環としてクラウドプログラムを推進している。
富士通は、今回の実証において、ソブリンクラウド技術を提供し、ワット・ビット連携の社会実装に貢献するとともに、再エネ電源周辺地域を中心としたデータ主権や運用主権を担保したソブリン性のある分散型DC実現に必要な技術の開発を目指す。
データセンターでの電力需要拡大が課題に、キャンパスでGXに向けた取り組みを推進
経産省と総務省は2025年6月、DC電力ニーズ増加への対応として、ワット・ビット連携を強化する方針を示した。一般社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA/東京都千代田区)が発表した最新データによると、国内データセンター市場は2030年に5.6兆円規模に成長するという予測もある。
一方で、従来のDCは都市部に多く、立地の偏在による電力需給の逼迫や大規模災害時のリスクなどが課題となっている。また、世界的なエネルギーサプライチェーンリスクの高まりやエネルギー安全保障の観点から、再エネ電源が集中するエリア一体における電力需要の最適化が注目されている。
【参考】
・東京大学―東京大学と富士通、ワット・ビット連携の社会実装に向けて、国内初の電力系統状況と連動したクラウド接続による地域間ワークロードシフト技術の検証に関する実証実験を開始
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2026.01.04
リチウムイオン電池総合対策を策定 重大火災事故ゼロ&リサイクル体制構築へ
環境省は12月23日、リチウムイオン電池の使用時・廃棄時の火災防止やリチウムイオン電池の回収・再資源化の促進のために、関係省庁で連携して策定した「リチウムイオン電池総合対策パッケージ」を公表した。
対策パッケージでは、2030年までに、リチウムイオン電池に起因する重大火災事故ゼロを目指すとともに、国内に十分なリサイクル体制を構築することを目標に掲げている。
リチウムイオン電池の「3つのC」で啓発
身の回りにあるリチウムイオン電池が使用されている製品例としては、スマートフォン、モバイルバッテリ、携帯用扇風機、ワイヤレスイヤホン、ノートパソコン、スマートウォッチ、電動アシスト自転車、コードレス掃除機が挙げられている。
対策パッケージは、「国民・事業者への周知啓発」「製造・輸入・販売時の対策」「使用時の対策」「廃棄時の対策」「処理・再利用の対策」の5つの柱で構成される。
リチウムイオン電池の取り扱いでは、「賢く選ぶ」(Cool choice)・「丁寧に使う(Careful use)」・「正しく捨てる、そして資源循環(Correct disposal with better recycling)」が重要となる。
国民・事業者への周知啓発では、これらの英語の頭文字をとって、リチウムイオン電池の「3つのC」として、さまざまな機会を通じて情報発信を行っていく。多様な媒体や多言語(英語、中国語など)を活用するとともに、関係省庁の所管団体や地方公共団体などを通じて、政府全体ワンボイスでの呼びかけを実施する。また、情報を一元化するポータルサイトを消防庁に設置し、わかりやすい情報発信を行うこととしている。
安全規格の徹底、周知、制度的対応などで対策強化
製造・輸入・販売時の対策では、製品安全4法に関係する製造・輸入・販売事業者(届出・非届出事業者)のうち、一定の事由から連絡を試みるものの、連絡の取れなかった「連絡不通事業者リスト」をウェブサイトで公表する。また、NITE(製品評価技術基盤機構)において、リチウムイオン電池搭載製品の事故原因の本質的な解明を目指す体制強化を図る。
使用時の対策では、若者・高齢者などへの効果的な発信や、公共交通機関における持ち込みルールの徹底・留意事項の周知を行う。リチウムイオン電池火災に関する調査を関係機関と連携して実施していくほか、リチウムイオン電池火災に対する消火器などの試験方法について検討を行う。
廃棄時の対策では、5月に成立した改正資源有効利用促進法案において、リチウムイオン電池の自主回収・再資源化を促進するため、廃棄物処理の特例条項(認定制度による廃棄物処理法の業許可の不要化)を設置する(2026年4月1日施行)。あわせて、火災・発火事故などの状況を踏まえ、リチウムイオン電池を容易に取り外すことができない一体型製品である電源装置(モバイルバッテリー)、携帯電話用装置(スマートフォンなど)、加熱式たばこデバイスといった3品目を対象製品に追加するための政令改正を実施する(同施行)。
また、廃棄物となったリチウムイオン電池と、その使用製品について、廃棄物処理工程に意図せず混入し、廃棄物処理施設において火災が発生することを防止するため、廃棄物処理法に基づく制度的対応を行うほか、地方公共団体における利便性の高い分別回収体制の実証などを通じた構築の支援を行う。膨張・変形したリチウムイオン電池などの回収・処理状況について実態調査を行い、安全な処理方法などに関する方針を取りまとめることも挙げられている。
処理・再利用の対策では、廃棄物処理施設への高度選別機・検知設備の導入や、広域処理のための回収拠点拡大・収集体制の構築を支援する。
関係省庁で連携、対策パッケージを策定
近年、リチウムイオン電池の使用時・廃棄時の火災が頻繁に発生し、対策が急務となっている。また、リチウムイオン電池には特定国に依存している重要鉱物資源(リチウム、コバルト、ニッケル)が含まれており、経済安全保障・産業競争力強化の観点から、これらの回収・再資源化の促進も重要となっている。
そこで、政府では、関係省庁が緊密な連携を図りつつ必要な対応を検討し、リチウムイオン電池に関する総合的な対策を実施するため、「リチウムイオン電池総合対策関係省庁連絡会議」を10月に設置した。この連絡会での検討を経て、リチウムイオン電池総合対策パッケージを策定した。
環境省では、リチウムイオン電池などに関する特設サイトで、リチウムイオン電池の適正処理に関する詳しい情報を紹介している。また、9月から12月までの4カ月間を、「リチウムイオン電池による火災防止強化キャンペーン」期間とし、集中的な啓発活動に取り組んでいる。
【参考】
・環境省―リチウムイオン電池総合対策パッケージの策定について
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2026.01.03
NITE、安全な蓄電池システムのガイドライン公表 公共調達での活用を想定
製品評価技術基盤機構(NITE/東京都渋谷区)は12月23日、地方公共団体やインフラ事業者などに活用してもらうため、「公共調達・重要インフラ向け蓄電池システムの安全ガイドライン」の暫定版を作成・公表した。
安全な蓄電池システムの導入により、地震や台風などの非常時・災害時においても、衝撃や浸水による発火・破裂などの二次災害を防ぎ、重要インフラの機能維持・早期復旧に資することを目的としている。
確定版の公表は2026年5月頃を予定
このガイドラインは、行政サービスや情報通信、電力などの重要インフラに用いられる蓄電池システムの非常時・災害時などに求められる安全要件を記載している。また、リチウムイオン蓄電池に限らず「重要インフラにおいて使用されるすべての蓄電池システム」を対象とした。
地方公共団体やインフラ事業者などに、いち早く活用を検討してもらうために暫定版を公表。試験方法や判断基準を含む別紙を加えた確定版は、2026年5月頃に公開する。
ガイドライン策定の背景
蓄電池システムは、行政機能維持や通信基地局のバックアップ電源として使用されたり、再生可能エネルギーの導入拡大に伴う電力負荷平準化に用いられたりしており、重要インフラの機能維持を支えている。
一方で、国内外で蓄電池システムの事故が発生している。NITEの独自調査では、水没させただけで発煙することが確認されるなど、地震や洪水の災害発生時に事故に至るおそれの高い蓄電池システムが市場に流通していることが危惧されており、今後、再エネの導入に伴い、地方公共団体や電力関連施設などへ蓄電池システムがさらに普及することにより、事故件数の増加も予想される。
しかし、非常時・災害時などの蓄電池システムの安全性に関する基準はない。こうした中、経済産業省の蓄電池産業戦略推進会議では、リチウムイオン電池以外も含めた健全で多様な定置用蓄電池システムの導入を促進するために、NITEに対して2026年を目処に蓄電池システムの安全性や信頼性の向上に向けたガイドライン作成を求めた。
ガイドラインの概要
このガイドラインで想定する非常時、災害時などにおける蓄電池システムに求められる機能は以下の6機能とする。6機能毎に設置箇所に合わせた要件、基準を示した。
・行政機能維持・復旧(政府、自治体の政府・行政サービス機能維持)
・災害・治安機能維持・復旧(自衛隊、海上保安庁、警察、消防の政府・行政サービス 機能維持)
・生命維持機能・復旧(指定医療機関、指定避難所の運営など医療機能維持)
・交通機関機能維持・復旧(航空、空港、鉄道、港湾機能維持)
・ライフライン機能維持・復旧(情報通信、金融、電力、ガス、水道、物流、化学、クレジット、石油機能維持)
・公的設備機能維持・復旧(街灯、信号、EV給電施設の物流機能維持)
「設置時」「保守管理時」「耐地震波衝撃」「耐走行振動性」など各要件にはClassを規定し、基本的に数値があがるほど厳しい要件となるように設定した。また、「継続使用可能性」はClassとは区別してGradeと規定して、Class同様に基本的に数値があがるほど厳しくなるように設定した。
具体的な安全要件として、たとえば、耐地震波衝撃については以下のような要件を定めている。
・Class 3:震度7の地震振動後に発火・破裂と有害物による周辺への影響につながるような事象がないこと
・Class 2:震度6弱以上震度6強以下の地震振動後に発火・破裂と有害物による周辺への影響につながるような事象がないこと
・Class 1:各種法令等を遵守し、震度5強以下の地震振動後に発火・破裂と有害物による周辺への影響につながるような事象がないこと。
蓄電池メーカーや蓄電池システムインテグレータが、このガイドラインに沿ってモノづくりを行い、地方公共団体などがガイドラインを参照して作成した調達仕様書や補助金交付要綱によりそれらの製品を調達することで、非常時・災害時においても2次災害を起こさず継続使用できる重要インフラ用蓄電池システムが日本に普及することが期待される。
防災に関わる国際規格を参考
また、今回のガイドラインは、防災に関わる国際規格であるISO 37179:2024(スマートコミュニティインフラー防災ー実施のための基本枠組み)を参考にしている。このISO規格は、2030年までの国際的な防災指針「仙台防災枠組」を踏まえて防災を考慮したインフラの計画・建設・活用・維持・改善のための原則と基本要件をまとめた国際規格で、事前防災への投資を行うことで、災害リスクを軽減(DRR)させるとともに、災害後に速やかに回復することを目指している。
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2026.01.02
環境省、各種工事に電動建機導入 充電用電源がない施工現場での運用性実証
環境省は現在、建設機械の電動化普及に向けたモデルケース構築に向け、工事での電動建機導入を進めている。日立建機(東京都台東区)は、京都府京都市の公園駐輪場整備工事に、8tクラスのバッテリー駆動式ショベルZE85と可搬式充電設備を、西尾レントオール(大阪府大阪市)は、首都圏中央自動車道の工事現場に、同社保有の電動建機と独自改造建機を提供した。
充電用電源未整備のエリアでの電力供給を実現
日立建機は、12月1日から22日まで、環境省が実施した京都府京都市の国民公園「京都御苑」の駐輪場整備工事にて、8tクラスのバッテリー駆動式ショベルZE85とともに、九州電力(福岡県福岡市)と共同開発した可搬式充電設備「Go-ENE」をレンタル提供し、試行工事に参画した。
工事が実施されたエリアは、景観保護などを理由に、固定式充電設備の設置が制約される。今回の工事では、可搬式充電設備「Go-ENE」を活用し、場所を選ばず電動建機への充電を行い、充電用電源が未整備の都市部の施工現場においても、可搬式充電設備により効率的な充電環境を構築できることを実証した。
静音性に優れ、作業員同士の声がけや合図も明瞭に
バッテリー駆動式ショベルは内燃機関を持たず、稼働時の排気ガスと騒音が軽減される。そのため、実証では、来苑者の快適性を維持しながら施工が可能であることや、エンジン音がないため作業員同士の声がけや合図が明瞭になり、安全性向上にも寄与できることも確認した。
環境省の直轄工事において、日立建機のバッテリー駆動式ショベルが採用されたのは今回が初めて。日立建機グループは、試行工事で得られた知見を活かし、今後も環境省や関係各所と連携し、公共工事におけるカーボンニュートラル施工の普及・促進に貢献していく。
建機への給電にはHVO燃料を用いた発電機使用
西尾レントオールは、高規格幹線道路という大規模なインフラ工事現場を考慮し、実稼働環境下での性能や運用性確認を目的に、タイヤローラー「TZ701ニシオ改」と電動ハンドガイドローラー「HV620evo」の2機種を提供した。
同タイヤローラーは、酒井重工業(東京都港区)製のベース機を西尾レントオール技術部門が独自の改造を施したモデル。今回の試行における給電にはHVO(水素化処理植物油)燃料を用いた発電機が使用し、運用全体でのCO2排出削減を図った。
電動ハンドガイドローラーは、酒井重工業製で、排気ガスゼロ、低騒音を実現したバッテリー駆動式。トンネル内や住宅密集地など、環境配慮が求められる現場での活用が期待されているという。
同工事実施地は、首都圏中央連絡自動車道(一般国道468号)千葉県成田市川上~香取郡多古町間。期間は11月14日から11月28日までで、路盤準備工や下層路盤工などに用いられた。
西尾レントオールは引き続き、建設業界のカーボンニュートラル実現に向け、電動建機のレンタルラインナップ拡充や現場の課題解決に資する機材開発・改造を積極的に推進していく考え。
【参考】
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2026.01.01
経産省、「GX戦略地域」募集開始 自治体・企業の再エネ利用を後押し
経済産業省は12月23日、脱炭素社会の実現と経済成長の両立を目指す「GX戦略地域制度」の募集を開始した。
同制度は、産業資源であるコンビナートや地域に偏在する脱炭素電源などを核とした「新たな産業クラスター」の創出に向け、自治体・企業による先進的かつ意欲的な取り組みを支援することを目的としている。選定にあたっては3つの枠組みを用意し、地域の特性に合った計画を進める。
コンビナート跡地利用やDCを中核とした地域発展など
「GX戦略地域制度」募集では、
・コンビナートなど再生型
・データセンター集積型
・脱炭素電源活用型(GX産業団地)
の3つの類型を設け、各類型で異なる取り組みや計画を広く募集する。
コンビナートなど再生型
全国各地に存在するコンビナートや工業地域は、電力やガス、熱、水、道路など多様なインフラが高度に統合されているが、国際競争の激化やGX対応などを理由に、事業転換が必要とされるケースがある。そこで、地域のコンビナート跡地や空きスペースなど、いわゆるブラウンフィールドを有効活用し、GX関連企業の生産拡大や競争力向上に向けた取り組みを後押しし、新たなGX型の産業クラスター創出を促進する。
データセンター(DC)集積型
現在、DC需要が急増する中、電力インフラが逼迫し、系統接続に10年以上かかる場合もあると報告されている。こうした状況を打破しなければ、DC投資が海外に逃げる恐れがある。この枠組みでは、電力・通信インフラ整備の効率性を踏まえたデータセンター集積を図り、それを核とした産業クラスターの形成を図る。
脱炭素電源活用型(GX産業団地)
経産省によると、一部の電源立地地域では、脱炭素電源を活用した工業団地の造成などの動きがあるが、「要家側からみて魅力が十分ではない」「自治体に余力がない」などの理由から、構想段階でとどまっている案件が多いという。脱炭素電源の立地地域への産業集積を進め、供給増につなげていくという好循環の創出は、GX実現に向けた鍵となるものであり、こうした産業構造へのトランジションに向け、脱炭素電源を活用し新たな産業団地の整備をサポートし、投資の受け皿を整備する。
募集期間はいずれも2025年12月23日から2026年2月13日(17時)まで。
「GX産業立地WG」を中心に制度設計
2月に閣議決定されたGX2040ビジョンでは、「革新技術を活用し新たなGX事業が次々と生まれ、日本の強みである素材から製品に至るフルセットのサプライチェーンが、脱炭素エネルギーの利用やDXによって高度化された産業構造を目指す」という方針が示された。
4月からは、目指すべきGX産業構造とその実現に向けたGX産業立地政策の実行に向け、「GX産業立地ワーキンググループ(WG)」による議論を開始。8月には、自治体・事業者から寄せられた合計199件の提案を踏まえ、GX産業立地政策の具体的な措置として「GX戦略地域制度」を創設した。制度設計では、地域選定を行う3類型とともに、事業者選定を行う「脱炭素電源地域貢献型」に区分けし整理された。
【参考】
・経済産業省―GX戦略地域の選定に関する公募を開始します
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2025.12.31
関西電力とBIPROGY、PPAによるアワリーマッチング実証開始
関西電力(大阪府大阪市)とBIPROGY(東京都江東区)は12月22日、再エネの発電量と電力消費量がリアルタイムで一致していることを証明する「アワリーマッチングシステム」の実証を開始すると発表した。同システムの実用化を見据え、データ管理技術を構築と有用性を検証する。
リアルタイムの照合データをブロックチェーン上で管理
同システムは、コーポレートPPAに基づく再エネ設備の発電データと需要地点における電力消費データを用いて、発電量と消費量を1時間単位で照合する。これらのデータを改ざん困難なブロックチェーン上で管理することで、発電された再エネ電力がリアルタイムで消費されていることを証明する仕組みだ。
今回の実証では、真正性をデータ管理技術を構築し、実証の一部でCO2排出係数の可視化も行うという。具体的には、関西電力が立案およびシステム全体の評価を担い、BIPROGYが実証システムの開発と技術的課題の解決に向けた支援を行う。実証期間は2026年3月までを予定している。
注目される「アワリーマッチング」
近年、24時間365日ゼロカーボン電力を100%使用することを目指す「24/7 Carbon Free Energy」への関心が高まっている。あわせて、GHGプロトコルの改定に向けた検討においても、アワリーマッチングが論点の一つとなっており、再エネ電力と消費電力がリアルタイムで一致していることを担保する仕組みへのニーズが高まっている。
こうした背景から、関西電力はアワリーマッチングについて日清食品との実証や大阪関西万博における実証などを実施。今回の取り組みは、アワリーマッチングシステムの実用化を見据えたものだ。両社は、今回の取り組みを通じ、再エネのさらなる導入拡大に貢献するとしている。
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2025.12.30
第一生命保険、CCSボンドに約47億円投資 欧州港湾のプロジェクトを支援
第一生命保険(東京都千代田区)は12月22日、オランダのHavenbedrijf Rotterdam(ロッテルダム港湾公社)が発行するカーボン・キャプチャー&ストレージ・ボンドに約47億円を投資したと発表した。
資金使途をCO2の回収・貯留(CCS)に限定した世界初の社債で、調達された資金は、ロッテルダム港湾公社が合弁パートナーと共同で推進するCCSプロジェクト「Porthos」に充当される。
環境課題への戦略的対応
この債券の発行額は50百万ユーロ(約90億円)。償還期間は19年。発行にあたり、ロッテルダム港湾公社、第一生命保険、HSBC証券が協議を重ね、第一生命保険が最大投資家となった。
第一生命保険は、今回の投資を事業を通じて取り組むべき重要課題(コア・マテリアリティ)のひとつ「環境課題への戦略的対応」につながるものと位置づけ。安定的な運用収益を期待するとともに、ロッテルダム港湾公社の脱炭素化に向けた取り組みを資金面からサポートし、その進捗状況を継続的にモニタリングしていく。
年間250万tのCO2を15年間、回収・貯留
CCSプロジェクト「Porthos」は、北海の枯渇ガス田に、ロッテルダム港に拠点を置く企業から排出されたCO2を恒久的に貯留するための回収・輸送インフラを構築するもの。ブルー水素の製造や、化学・石油精製などの産業由来で排出されたCO2を対象とし、年間250万tのCO2を15年間にわたり回収し、恒久的に貯留する計画だ。
また、このプロジェクトは複数の企業が共同で利用できるオープンアクセス方式を採用している。特徴として、特定企業の専用ではなく産業全体で活用できる共通インフラとして整備される点を挙げている。
カーボン・ニュートラルな港へ取り組みを推進
ロッテルダム港は、欧州最大の物流ハブであり、化学・石油化学・物流などの産業施設が集積している。ロッテルダム港湾公社は、この港湾の管理・運営・開発を担っている。脱炭素化の推進が港湾の競争力強化にもつながるとの考えのもと、カーボン・ニュートラルな港の実現に向けて幅広い取り組みを実施している。
ロッテルダム港湾公社のCFO、ヴィヴィエンヌ・デ・レウ氏は、「当社の投資の多くは、『Porthos』CO2輸送・貯留プロジェクトにおけるCO2パイプラインインフラの建設など、CO2排出量の直接的な削減に寄与している。当社と第一生命保険との協働により、こうした脱炭素化プロジェクトの実現と、将来を見据えた港湾の構築が可能になる」と述べている。
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2025.12.29
三井不動産、東北・北海道でもメガソーラー電力を運営施設に供給 PPA活用
三井不動産(東京都中央区)は12月22日、東北電力(宮城県仙台市)、北海道電力(北海道札幌市)の各社と、メガソーラーを活用したフィジカルPPAに関する契約を締結したと発表した。2026年1月1月から、三井不動産が開発したメガソーラー由来の再エネ電力を、両電力会社を通じて、管理・運営する商業施設などの施設に供給する。
東北・北海道エリアで、発電者・需要者が同一の大規模なオフサイトPPAを実施
この取り組みにおいて、東北電力は、秋田県由利本荘市のメガソーラー(出力約3.1MW/年間発電量約339万kWh)で発電する再エネ電力を調達する。供給先は、宮城県仙台市内にある「三井アウトレットパーク仙台港」「三井ショッピングパークララガーデン長町」「三井ガーデンホテル仙台」の3施設。
北海道電力は、北見市の発電所(出力約3.1MW/年間発電量約400万kWh)を活用する。供給先は、札幌市内にある「三井アウトレットパーク札幌北広島」「札幌三井JPビルディング」「北一条三井ビルディング」「三井ガーデンホテル札幌」「三井ガーデンホテル札幌ウエスト」の5施設。
新規メガソーラー開発で再エネ導入拡大へ
三井不動産は、新規メガソーラー開発による再エネ導入拡大に取り組んでいる。今回連携を開始した東北電力、北海道電力のほか、7月には中国電力(広島県広島市)とも、同様のオフサイトフィジカルコーポレートPPAに関する契約を締結している。
また2024年10月には、東京電力エナジーパートナー(東京都中央区)と、太陽光発電由来のオフサイトフィジカルコーポレートPPAに関する提携を締結。この提携では、三井不動産が開発した複数の太陽光発電所における再エネ電力を、東京電力EPを通じて、東京ミッドタウン(同・港区)と東京ミッドタウン日比谷(同・千代田区)の共用部に供給している。
三井不動産は、2021年11月に策定した2050年度までのグループ行動計画において、2030年度のGHG排出量削減率を40%に引き上げた。その取り組みの1つとして、2030年度までに年間3.8億kWh分(既存8000万kWh・新規3億kWh)のメガソーラーの開発を目標に掲げ、メガソーラー用地の取得を順調に進めている。また、この行動計画において、2030年度までに「希望するテナント企業へのグリーン電力提供支援」と「当社が保有する国内全施設の共用部の使用電力100%グリーン化」を掲げる。
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