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2025.09.28
「BEMS」8割超がよく知らず 導入先ではエネルギー可視化進む 民間調査
NEXER(東京都豊島区)とRENOXIA(同・足立区)は9月22日、会社員の男女359人を対象に、BEMS導入に関する共同調査を実施し、その結果を公表した。BEMSの認知度は13.1%にとどまったが、システム導入によりエネルギー使用の可視化につながっていることがわかった。
3割の人が勤務先へのBEMS導入を希望
調査では、86.9%の人がBEMSを知らないことが判明した。そこで、「知らない」と回答した人(N=312)に意味を説明した上で、勤務先や施設で導入してほしいを尋ねた。その結果、31.7%が勤務先や施設で導入してほしいと思うと回答した。
導入肯定派の理由では、「省エネや経費削減につながるから」「空調管理の自動化により快適さと効率が向上する」などの声が寄せられた。一方で、導入否定派からは、「仕組みがわからない」「勝手に操作されるのが不安」「高額な費用がかかりそう」などの意見が挙がった。
エネルギーコスト削減などが導入の主な目的
また、知っていると回答した人(N=47)のうち、31.9%の勤務先または施設が、BEMSを導入していることがわかった。
各者が思うBEMS導入の理由では、「エネルギーコストの削減」(34%)が最も多く、次いで「電気・ガス・空調などのエネルギー使用量の可視化」(27.7%)、「建物全体の運用効率化」(14.9%)が続いた。
BEMS導入により、エネルギーの見える化に貢献
調査では、9割を超える人がBEMSの導入により、エネルギー使用の見える化が進んでいると実感していることが明らかになった。
回答者からは「全社的にデータ管理している」「レポートなども作成されている」「エネルギー消費の内訳がわかるようになった」などの声が聞かれた。
NEXERは、デジタルマーケティング分野でSEO対策やWEBプロモーションを展開する企業。RENOXIAは、工場・倉庫・ビル向けのリノベーション事業などを手がけている。
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2025.09.27
九電みらい、福岡空港にPXP社製カルコパイライト太陽電池設置 性能検証
九電みらいエナジー(福岡県福岡市)は12月から、次世代太陽電池「カルコパイライト太陽電池」の実証実験を福岡空港(同)で実施する。1m2当たり0.8kgの軽量性と薄型という特徴を持つ同太陽光電池を国際線ターミナルビルの屋根に設置し、性能を検証する。
PXP・日揮・九電工が取り組みを支援
実証で使用する太陽電池は、PXP(神奈川県相模原市)製を使用。日揮(同・横浜市)による取り付け支援の下、九電工(福岡県福岡市)が施工を行う。11月中に設置工事を完了し、2025年12月から2026年2月にかけて発電データを収集。併せて、設備の施工性や設置場所における反射光の影響なども分析する。
なお福岡空港では、実証に関する展示が行われる予定。
タンデム型の普及拡大に向けた取り組み
「第7次エネルギー基本計画」では、再エネの主力電源化に向け、次世代タンデム型太陽電池開発を推進していく方針が示されている。中でも、異なる特性を持つ複数の太陽電池層を直列に重ね、それぞれが異なる波長の太陽光を吸収するタンデム型太陽電池への期待は大きい。
PXPは現在、カルコパイライト太陽電池を重ねるタンデム型モジュールの研究を進め、2024年4月にはペロブスカイトとカルコパイライトを重ねたタンデム太陽電池において変換効率26.5%を達成している。九電みらいエナジーは今後、同社との連携を通じて、同タンデム型の実用化を目指す。
なお、今回の実証は、福岡県の「福岡県ペロブスカイト太陽電池等実証事業」に採択されたことを受けて実施するもの。
【参考】
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2025.09.26
家電製品協会、「ZEHコーディネーター」新設 専門人材育成を後押し
一般財団法人家電製品協会(東京都千代田区)は9月18日、企業によるZEH推進の活発化を受け、新たな資格制度「ZEHコーディネーター」を創設すると発表した。同制度は、住宅・リフォームの営業現場での提案力を高められるための資格。受験者は、講義や試験を通じて、新ZEHなど省エネ住宅の営業に必要な知識を効率的に習得できる。第1回試験は2026年9月実施。以降、毎年2回(9月・3月)行う。
講義では、専門家が実践的なノウハウを解説
試験は、コンピューターを使ったCBT方式による1科目のみ。受験料は1万4000円(電子テキスト・講義用ウェブ動画込み)で、資格の有効期限は資格交付日から5年間(更新制)。
講義は、販売ノウハウ取得を目的とした実践的な内容となっており、スマホでの視聴も可能。講師は、一般社団法人ZEH推進協議会(東京都港区)理事の宜野座 俊彦氏が務める。
事前アンケートでは、約8割が資格の活用意向を示す
政府は現在、住宅部門の脱炭素化に向け、ZEHなど省エネ住宅の普及に注力しており、今後はZEHの定義見直しやZEH基準の水準を大きく上回る省エネ住宅制度の導入などが控えている。
こうした中、企業各社は専門人材の育成に関心を寄せる。家電製品協会が実施した調査では、約8割の企業が同資格を活用する意向を示したほか、約7割が「人材教育などに活用したい」と回答した。
家電製品の安全利用、環境負荷軽減に注力
一般財団法人 家電製品協会は、「特定家庭用機器再商品化法(家電リサイクル法)」に基づき、家電製品の安全な利用と環境負荷の低減を目的とした活動を行う法人。これまでにも「スマートマスター」「家電製品アドバイザー」などの資格制度を整備している。
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2025.09.25
太陽光パネルのリサイクル義務化見送り、JCLPら抗議表明
日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)は9月18日、太陽光パネルのリサイクル義務化制度の早期実現を求める意見書を公表し、太陽光パネルリサイクル義務化法案の国会提出が見送られている状況に対し、強い懸念を表明した。
「従来の考え方に囚われない柔軟な制度設計を」
太陽光パネルは、2030年代後半から廃棄量が増え約50万tに達する見通し。政府は太陽光パネルのリサイクルを義務付ける法案を検討してきたが、費用負担のあり方を巡り調整が難航し、法案提出を見送った。
JCLPは、意見書の中で、循環経済による資源調達の自立化や静脈産業発展による国内雇用確保、適切な発電施設での運営継続などを通じた乱開発・不法投棄の抑制を同時に進めることが重要と指摘。今後は脱炭素社会と循環社会の両立に向け、自ら取り組みを進めると宣言した。
一方で、事業者の自主的な取り組みだけでは限界があるとし、政府に対し、すべての発電事業者が回収・リサイクルに取り組めるよう、従来の枠組みに囚われない柔軟かつ先進的な制度設計を求めた。
環境大臣、制度案見直しを表明
浅尾 慶一郎環境大臣は8月29日の定例会見で、検討してきた太陽光パネルリサイクル制度の義務化を断念すると発表、制度案を見直すと明かした。会見の中では、所有者負担となっているその他リサイクル関連法制との整合性が指摘されたと説明した。
WWFジャパンらもリサイクル義務化を要求
環境大臣による断念発表を受け、同日、世界自然保護基金ジャパン(WWFジャパン/東京都港区)、国際環境NGOグリーンピース・ジャパン(同)など9団体は、政府に対して太陽光パネルのリサイクル義務化を求める共同声明を発出。「その他リサイクル関連法の費用負担の考え方と齟齬がある」との指摘については、拡大生産者責任(EPR)が重視される状況を踏まえ、新法で制度的枠組みを変更することに問題がないとの見方を示した。
JCLPは、「脱炭素社会」への移行をビジネス視点で捉える日本独自の企業グループ。アマゾンジャパン合同会社(東京都目黒区)、戸田建設(同・中央区)、積水ハウス(大阪府大阪市)など233社が加盟する。
【参考】
・環境省―浅尾大臣閣議後記者会見録 (令和7年8月29日(金)11:05~11:30 於:環境省第一会議室)
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2025.09.24
REXEV、高圧などの太陽光発電所向け蓄電池併設の運用を支援 提供開始
REXEV(東京都千代田区)は9月18日、太陽光発電所向けの「蓄電池併設の運用・市場取引支援」を開始すると発表した。まずは高圧連携や特別高圧連携の太陽光発電設備設備およびFIT単価32円以上の太陽光発電設備を対象にサービスを提供する。電気自動車(EV)のエネルギーマネジメントで培った制御・予測・市場連携の知見に基づき、出力抑制やFIP移行リスクに対応し、市場取引を通じて収益最大化を支援する。
蓄電池を活用した次世代エネルギーマネジメント
FIT制度の満了やFIP制度への移行により、太陽光発電事業者が直面する出力抑制・FIP移行・インバランスリスクに対応するため、蓄電池を活用した次世代エネルギーマネジメントサービスを提供する。
提供内容は以下の通り。
・蓄電池導入に関する設計・調達支援
・EMS制御プラットフォームの提供
・運用代行・レベニューシェア・SaaSの組合せによる負担軽減
・収益モニタリング・レポート支援
・市場取引との連携(JEPX値差取引、需給調整市場、容量市場)
初期段階では、高圧の太陽光発電事業者を中心にサービスを提供し、将来的には低圧市場におけるEV+V2Xに替わるソリューションにも展開する。
2つの導入スキームで対応
発電事業者の状況に応じ、発電事業者が蓄電池を投資し、REXEVが運用を代行する「自社投資モデル」と「第三者設置モデル」の2つの導入スキームで対応する。すでに2025年中の運用開始に向けて準備中のプロジェクトが先行するほか、2026年4月ごろを目処に順次運用開始するプロジェクトも予定している。
EV・エネルギー領域の知見を活用し企業や自治体の脱炭素化を促進
同社は企業や自治体向けにEVカーシェアリング事業の開始をフルパッケージでサポートするEVカーシェア支援サービスを展開している。さらに、EVカーシェア事業による知見を活かし、企業の脱炭素化を支援するコンサルティングサービス「グリーンコンサルティング」を2024年10月より開始した。
同社は、将来的には、商用・シェアリングなどで活用されたEVの使用済みバッテリーを適正に評価・回収し、リユースバッテリーとしての再利用を想定しており、劣化レベルに応じて、定置用蓄電池として地域や施設に再導入し、同社の制御基盤と組み合わせ、BCP・再エネ自家消費用途などに再活用する構想を描く。リユース電池やV2G制御、地域PPA事業との接続を通じて、社会実装フェーズへ本格的な展開を目指す。
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2025.09.23
自治体と企業の環境意識を高める契機に「eco検定」
複雑化・多様化する環境問題に関する知識を幅広く体系的に身に付けられる「環境社会検定試験(eco検定)」は、京都議定書発効翌年の2006年に東京商工会議所が始めた検定試験。東商の初代会頭である渋沢栄一の理念「道徳経済合一」を受け継いだ取り組みとして注目を集めている。2024年度までに累計66万人が受験し、39万人が合格。着実に社会的な認知を得ている。
環境を「自分ごと」として捉える
環境に関する一部分の知識を深掘りするのではなく、幅広い環境問題を歴史的背景から直近のトピックまで網羅的、かつ体系的に学べるのが『eco検定』の特徴だ。業種・職種、企業規模の大小に関係なく、現代のビジネスシーンで活かせる環境基礎知識を学べる。
企業がeco検定を導入する目的の1つは、環境経営や脱炭素の推進へ向けた社員・社内の環境意識の向上や企業風土の醸成だ。「eco検定」によって環境問題に関する正しい知識を学ぶことで、社員1人ひとりにとって環境問題が「自分ごと化」し、会社全体の環境意識の底上げにつなげる狙いがある。
企業におけるeco検定の導入は、社員や講師の日程調整が必要な通常の研修制度より容易だ。試験はオンライン形式で夏と冬の年2回行われ、各受験者が2週間ほどの試験期間中に都合のよい時間帯に受験できるのが強みだ。「団体申込」によって社員の申込状況や試験結果を担当者が簡単に確認できる機能もあり、会社・団体内部での受験状況の管理もしやすい。
東京商工会議所の担当者は「環境問題は急激に変化・複雑化し、目まぐるしく移り変わっています。こうした中、持続可能な社会を実現するためには、『1人ひとりが環境問題を自分ごととして考える』という共通認識を社会全体で醸成することが不可欠です。そのためにも、まずはeco検定を環境問題に取り組むファーストステップとしてもらうべく、検定試験の存在を広く周知し、受験者と合格者(エコピープル)を増やすことが必要だと考えます」と説明する。
経営戦略、KPIにeco検定を組み込む例も
企業の管理職や経営層の受験も進んでおり、社内コミュニケーションの共通言語や、ESG経営を実現するツールとしての利用も広がっている。企業の業種・受験者の職種を問わず、幅広く活用されていることも大きな特徴だ。
特に最近では、経営戦略に環境を取り入れる企業が増加しており、合格者数をKPIに組み込む例もある。また、若手社員の高い環境意識が原動力になり、それに応じる形で経営層も行動を変えるという組織全体の意識改革が見られる。東商の担当者は「若手社員をはじめ、高校生や大学生といった次世代を担う人材の環境意識は非常に高まっています。そのため、昨今の深刻な人手不足の中、会社全体で環境意識の底上げに取り組み、対外的な発信を強化していかないと就職活動で選ばれず、会社としての持続可能性も消失してしまいます。また、入社後のギャップを埋めるためにも、組織側の環境意識改革が求められていると思います」と話す。
目黒区、長岡市など自治体との連携進む
また、近年では世界的なカーボンニュートラル政策の推進を背景に、環境問題への取り組みが全国の自治体にも広がっており、職員や市民の環境意識向上のための一つのツールとしてeco検定を活用する自治体が増えている。中でも東京都目黒区や新潟県長岡市(同市省エネ・再エネ産業振興プラットフォーム)では、地域事業者にeco検定の受験料を補助することで、自治体が主体的に地域全体を巻き込み、持続可能な地域づくりに努めている。
2023年4月に東京23区で最初にeco検定助成制度を開始した目黒区では、先立つ2023年3月に、青木英二区長と東京商工会議所の菅野達之介・目黒支部会長が意見交換を実施。青木区長は「この助成事業が、事業者の方々にとって、地球規模の環境問題を自分ごととして受け止め、できることに取り組む契機となってほしい」と期待を表明。
菅野会長も「区と連携してeco検定の取得を支援することは大変意義深い。環境意識を変えるきっかけとなることを願う」と話した。
「自治体による地域の環境意識向上に向けた取り組みは、今までもあったと思います。しかし、2021年に地球温暖化対策の推進に関する法律(温対法)が改正され、2050年カーボンニュートラル宣言が国の基本理念に組み込まれたことで大きく前進しました。地方自治体としても、これまで以上に環境問題を『自分ごと』と捉えるきっかけとなり、地域を巻き込んだ取り組みの第一歩としてeco検定を活用いただくようになったのではないかと思います」(東商の担当者)
自治体における環境問題への取り組み意識が高まる中で、今後さらにeco検定を通じた連携が期待される。
「受験して終わり」ではなく、合格後の行動につなげる
企業や自治体での活用が広まっているeco検定だが、一般的な検定試験で言われている「合格すること」を終着点に置かず、試験を通じて得られた知識を合格後の実際の活動に活かすことに重点を置いている。
中でも、エコピープルが集まり形成された団体「エコユニット」の優れた環境活動の取り組みを表彰する「eco検定アワード」が特徴的だ。2008年から継続的に開催し、好事例を広く周知することで、受験者の実践的な活動を支えている。今後も合格者支援を通じて、eco検定のさらなる面的な広がりを図り、地域や企業の枠を超えた持続可能な社会づくりの一助となることを目指す。
公式テキストは教材としての評価高く大学で単位認定も
学習のベースとなる公式テキストは、国際会議や政府の動向を含む最新情報を反映し、2年ごとに内容を改訂。最新の動向が幅広く網羅され、ビジネス参考書としても高く評価されている。また、大学では環境分野を中心に授業の教科書として導入されている。一部の大学では「eco検定」に合格することで単位認定も行われているほどだ。
東商の担当者は「各環境分野の最前線で活躍する有識者の方々にご意見をいただきながら、環境人材として必須の知識をブラッシュアップできるよう、テキストに落とし込んでいます」と説明する。
東商創設者・渋沢栄一の理念に合致するeco検定
東京商工会議所を設立し、「近代日本資本主義の父」と呼ばれる渋沢栄一が唱えた「道徳経済合一」の精神がこのeco検定の底流にも流れている。
「人・企業・地域が自身の利益だけを追求するのではなく、環境問題のような社会全体の取り組むべき課題に1人ひとりが真摯に向き合う、これこそが渋沢栄一が目指した社会であり、その考え方を改めて広めることが商工会議所の責務と考えています。その中で、eco検定が1つのきっかけとなればいいなと思います」(東商の担当者)
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2025.09.22
三菱HCキャピタル、スコープ1・2排出量約60%削減 目標前倒しで達成
三菱HCキャピタル(東京都千代田区)は9月17日、「2030年度にGHG排出量(スコープ1・2)を2019年度対比で55%削減する」という目標を前倒しで達成したと発表した。オフィスビルでの再エネへの切り替えや非化石価値の購入が主な要因だという。
再エネ切り替えやオフィス統廃合などの施策により、GHG排出量約6800t削減
この目標は、「2023~2025年度中期経営計画」の非財務目標として掲げられたもので、三菱HCキャピタルは国内の連結子会社とともに、入居するオフィスビルにおいて、オーナーを通じて再エネ由来電力への切り替えを実施した。
2024年度は、この再エネ切り替えやオフィス統廃合により、GHG排出量を4800t-CO2eを削減。また、再エネ由来電力に切り替えていないオフィスビルに入居する拠点については、再エネ事業を展開する子会社である三菱HCキャピタルエナジー(東京都千代田区)が保有する太陽光発電所を指定した、トラッキング付き「非FIT証書(再エネ指定)」を購入し、GHG排出量を約2000t-CO2e削減した。これらの取り組みにより、スコープ1・2排出量は約60%削減した。
購入した非化石価値は第三者保証を取得
三菱HCキャピタルエナジーから購入した非化石価値については、第三者保証を取得し、透明性と信頼性を高めた。対象は、GHG排出量スコープ1・2(ロケーション基準、マーケット基準)および企業のバリューチェーンで発生するその他間接GHG排出量スコープ3(カテゴリー1・2・3・5・6・7・13・15)。
三菱HCキャピタルエナジーは、グループが保有する再エネ発電所から必要となる分の非化石価値を、一般社団法人日本卸電力取引所(JEPX/東京都港区)の取引口座を通じて、三菱HCキャピタルに提供した。今後オフィス移転や拡張を行う際にも、使用電力の増減に応じた非化石価値の購入が可能になるという。
同社グループは引き続き、脱炭素社会の実現に向け、自社のGHG排出量削減に加え、三菱HCキャピタルエナジーらグループ企業による再エネ電源開発や再エネ電力・非化石価値の販売などを推進し、企業の脱炭素を支援するソリューションを提供していく。
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2025.09.21
沖縄電力、初のオフサイトPPA オリオンホテル・戸田建設と契約
沖縄電力(沖縄県浦添市)は9月12日、オリオンホテル(同・本部町)および戸田建設(東京都中央区)と、オフサイトPPA契約を締結したと発表した。年間約1100tのCO2排出量削減効果を見込む。10月より供給を開始する。
沖縄電力では初のオフサイトPPA
この取り組みにおいて沖縄電力は、戸田建設の「浦添ロジスティクスセンター」(沖縄県浦添市)の屋根に設置された出力1045kWの太陽光発電設備で発電した再エネ電力を、オリオンホテルが所有・運営する施設「オリオンホテルモトブリゾート&スパ」に供給する。
年間発電量は約170万kWhで、同ホテルの年間電力消費量の約25%が再エネに転換される。
同社は、この契約において同社の電力系統を通じ電力供給するとともに、トラッキング付き非化石証書の割り当てなどを行う。
再エネ100%で運用する「浦添ロジスティクスセンター」
浦添ロジスティクスセンターは、戸田建設がオリオンビールの旧本社跡地を取得し2023年3月に竣工・開業したマルチテナント型物流倉庫。鉄骨造4階建てで、梁下有効高5.5mの広い倉庫空間のほか、26台分のトラックバース、ラウンジやコワーキングスペースを備えている。屋上に太陽光発電設備を設置し施設内での電力に使用。不足分はCO2フリー電力を購入することで再エネ100%での運用を実現している。
オンサイトPPAなども組み合わせ、脱炭素を促進
今回、沖縄電力初となるオフサイトPPAの取り組みは、同社がゼロエミッションの実現に向けて取り組む「再エネ主力化」の1つ。今後はオフサイトPPAの導入拡大に加え、オンサイトPPA「かりーるーふ」やCO2フリーメニューと組み合わせることで、多様な顧客ニーズに応じた最適な脱炭素ソリューションを提供。再エネの主力化を一層加速させる方針だ。
なお、沖縄電力グループのオンサイトPPA「かりーるーふ」は、初期費用をかけずに太陽光発電設備や蓄電池を導入できる第三者所有モデルで、これまでに2023年2月に豊見城市庁舎、3月に医療法人のもとぶ記念病院ともとぶふくぎの里、6月には沖縄美ら島財団の本部施設とそれぞれオンサイトPPA契約を締結している。
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2025.09.20
東京GXウィークスタート、次世代燃料の生産・利用拡大へ 初の国際会議
経済産業省は9月15日、エネルギー・環境関連の国際会議を集中的に開催する「東京GXウィーク」の一環として、大阪・関西万博と連携し、「持続可能燃料閣僚会議」と「水素閣僚会議」を大阪府で開催した。
今回が初開催となる「持続可能燃料閣僚会議」では、バイオ燃料や水素などの持続可能な燃料(次世代燃料)の生産と利用を、2035年までに少なくても2024年比4倍にする目標が示された。
5つの国際会議を開催
経産省は、9月15日から10月10日にかけて、持続可能燃料、水素、カーボンリサイクル、イノベーションの各分野に関して、各国閣僚を含む政府関係者や有識者が議論を行う「東京GXウィーク」を開催する。
開催する5つの会議は次の通り。
・持続可能燃料閣僚会議(9月15日)
・水素閣僚会議(9月15日)
・RD20国際会議(リーダーズ・セッション)(10月3日)
・ICEF(Innovation for Cool Earth Forum)(10月8日、9日)
・カーボンリサイクル産学官国際会議(10月10日)
これから開催する3つの会議は、会場とオンラインのハイブリッド形式で開催する予定。
2035年までに4倍の生産・利用を目標に設定、持続可能燃料閣僚会議
今回初めて開催した持続可能燃料閣僚会議は、日本とブラジルが共同議長を務め、34の国・機関が集まった。航空、海運、道路交通、産業など様々な分野において、バイオ燃料、バイオガス、水素、アンモニア、合成燃料や合成メタンなどといった持続可能燃料の生産と利用を拡大していくことの重要性について議論した。また、これに向けた国際協力や官民連携の必要性についても触れ、閣僚会議における議論を踏まえて、共同議長サマリーを発出した。
共同議長サマリーには、持続可能な燃料の生産と利用を2035年までに少なくとも4倍(2024年比)に拡大する目標に対し、ロードマップの策定、公共調達の活用といった様々な政策ツールを通じて、持続可能燃料の需要創出を促進するなど、重要となる取り組みもまとめている。
この会議は、2024年5月の日ブラジル首脳会談において立ち上げた「持続可能な燃料とモビリティのためのイニシアティブ:ISFM(アイスファム)」推進の一環として、また、2025年11月に同国で開催予定のCOP30も見据え、ブラジルと共催した。
また、村瀬 佳史資源エネルギー庁長官立ち会いの下、日独を代表する企業として、川崎重工業(東京都港区)、トヨタ自動車(愛知県豊田市)、関西電力(大阪府大阪市)、独Daimler Truck AG、独Hamburger Hafen und Logistik Aktiengesellschaft(HHLA)の5社間で、日独連携して競争力ある大規模水素サプライチェーンの構築に取り組むための覚書が締結された。水素の国際的な利活用推進を目指すとともに、日本とドイツの需要を合わせた共通の水素製造と出荷拠点の開発など、高い経済性を持つ水素サプライチェーンの構築を目標としている。
水素・アンモニアの社会実装も体験、第7回水素閣僚会議
第7回水素閣僚会議は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)と共催により開催された。国際エネルギー機関(IEA)による「Global Hydrogen Review 2025」の発表会が行われたほか、関係国・機関が、世界的な水素の需要喚起に向けて、「需要創出」をキーワードに、各国の水素政策の進捗共有や政策連携・国際協力の可能性を議論した。
水素利活用の実績確認、需要創出に向けて各国で取り組むべきアクション、実際の市場・投資動向の実態や、燃料アンモニア国際会議との統合などの内容を盛り込んだ議長サマリーを発出した。
会議終了後、参加者は、大阪・関西万博と連携した取り組みとして、日本初となる合成燃料で走行するバスと水素燃料電池船「まほろば」に乗り、また、万博会場では、液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」や、未来の都市パビリオンで水素関連の技術の展示、ガスパビリオンで合成メタンに関する展示を視察した。参加者に、持続可能燃料や水素・アンモニアの社会実装に向けた日本の取り組みを体感してもらった。
国際共同研究のあり方を発信、第7回RD20国際会議(リーダーズ・セッション)
クリーンエネルギー分野において世界最先端の技術開発を行うG20の研究機関のリーダーが登壇し、脱炭素化のためのイノベーション創出に向けた国際連携や人材育成について議論を行い、国際共同研究の在り方を発信していく予定。
RD20国際会議では、G20各国・地域の主要な研究機関によるカーボンニュートラルの実現に向けた研究開発やベストプラクティスを交換する機会や、国際共同研究の可能性を探るための機会を参加者に提供している。
今回の会議は、9月30日と10月1日にテクニカルセッション(公開)、10月2日にサイトビジットとワークショップ(非公開)、10月3日にリーダーズセッション(一部公開、一部非公開)が開催される。場所はホテル日航つくば(茨城県つくば市)で、オンラインでも配信する。
「GXと安全保障へのイノベーション」がテーマ、ICEF
ICEFは世界のカーボンニュートラル達成に必要なイノベーションに焦点を当てる国際会議。今年は、「GXと安全保障へのイノベーション」というメインテーマの下、カーボンニュートラルとエネルギー安全保障に向けた国際連携、気候変動への適応、水素、再生可能エネルギーなどについて多様な議論を行う。同時に日本企業などの取り組み・成果も発信していく予定。現在、会場とオンラインでの参加者の申し込みを受け付けている。
開催日は10月8日、9日。場所はウェスティンホテル東京(東京都目黒区)で、オンラインでも配信する。
会場限定のポスターセッションも、第7回カーボンリサイクル産学官国際会議
カーボンニュートラル実現のキーテクノロジーであるカーボンリサイクルについて、各国が将来的な社会実装に向けた技術開発・実証に取り組むことを確認するとともに、各国間の協力関係を強化すべく議論を行う。当日は、会場限定のポスターセッションやネットワーキングもあわせて実施する。会場とオンラインでの参加者の申し込みを受け付けている。
開催日は10月10日、場所はヒルトン大阪(大阪府大阪市)、オンラインでも配信する。
GXの実現に向けた国際連携をリード
地政学リスクの顕在化やAI普及に伴う新たな電力需要などにより、エネルギー政策を巡る環境が不確実性を増す中、ネットゼロに向け、各国の事情に応じた多様な道筋の下での脱炭素・経済成長・エネルギー安全保障を同時に達成するグリーントランスフォーメーション(GX)の重要性が高まっている。経産省は、「東京GXウィーク」の取り組みを通じて、GXの実現に向けた国際連携をリードする考え。
【参考】
・経済産業省―「東京GXウィーク」を開催します
・経済産業省―「持続可能燃料閣僚会議」及び「水素閣僚会議(第7回)」を開催しました
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2025.09.19
エネルギー・脱炭素での協業点は オランダ駐日大使と企業誘致局長に聞く
江戸幕府が鎖国政策をとるなかでも、日本と外交が続いたオランダ。ほかの欧州各国同様、気候危機対策に注力するオランダだが、海抜が低いため地球温暖化や豪雨による海面上昇で影響を特に受けているという一面も。
環境ビジネスは、駐日オランダ王国特命全権大使のヒルス ベスホー・プルッフ氏と、同国への海外直接投資支援を所管とする経済省企業誘致局のトップを務めるヒルデ・ファン・デル・メール氏に、エネルギー・脱炭素分野におけるオランダの特徴や、日本との協業の可能性などについて話を聞いた。
水素やCCSにも注力するオランダのエネルギー政策
―――グリーン分野におけるオランダの特徴は何ですか?
ヒルデ企業誘致局長:最も重要なのは、政府や企業、大学などが常に協力していることです。
企業は自分たちだけで物事を進めると、できることが限られ、また非常に費用がかかることに気づいたからです。
すべてはオープンイノベーションによって行われています。
企業が自社で研究開発やイノベーションを行うのは非常に時間がかかります。彼らが単独で行うと、国際競争力が不足し、非常に費用もかかります。国際的な協力が、スタートアップ、大学、研究機関、他の企業とも垣根なくできれば、結果ははるかに速く得られます。
そして、オープンイノベーションはオランダ国内だけでなく、ヨーロッパ諸国や世界各国とともに行われています。私たちにとって、多くのイノベーションを共有している国の1つが日本です。
ヒルス大使:重要なのはグリーンエネルギー、風力、太陽光、そして水素です。しかし、それには多くの投資が必要です。ですから、伝統的なエネルギーを使用し、その炭素部分に制限を設ける手段も講じています。
そうするなかで、私たちは水素に力点を置こうと努めています。水素は非常に便利なエネルギー手段です。
ただ、いくつか課題もあります。グリーン水素は、多くの再生可能エネルギー、つまりグリーン電力を必要とするため、生成するのが非常に困難です。ですから、現時点では、私たちは多くのグレー水素を使用しています。
私たちはかつてガスを生産していたため、オランダには広範なガスのインフラシステムが整備されています。この既存のガスパイプラインネットワークをCCS(炭素回収貯留)プロジェクトや別のガスである「水素」の輸送に活用することができるのです。
ですから、私たちは水素に非常に注目しているのです。
また、オランダには、Porthos(ポルトス)と呼ばれる大規模なCCSプロジェクトがあります。
ロッテルダム港の精油所、化学プラント、鉄鋼産業などから排出される CO2 を回収、輸送し、今は空になった北海のガス田に貯蔵します。
これは世界をリードする大規模プロジェクトです。
そして、原子力エネルギーも検討しています。なぜなら、私たちは開発を維持するためにエネルギーが必要だからです。
オランダでは、日本と同様に、原子力エネルギーを使用すべきかどうかについて多くの議論があります。おそらく十分な代替エネルギーが得られるまでの一時的なものとして。
しかし、日本とオランダの協力の最善の方法の一つは、短期的には風力と太陽エネルギーであり、 長期的には水素だと思います。
―――オランダは研究開発が特に盛んな国だと伺いました。その背景にはどのようなものがありますか?
ヒルデ企業誘致局長:オランダには研究開発を促進するビジネス環境が整っています。それは、イノベーションを刺激するインセンティブのみならず、欧州最大の港を含む優れた物理的インフラ、世界最大級のインターネット エクスチェンジ ポイントを含むデジタル インフラ、そして高度な教育を受け、デジタル リテラシーを兼ね備える人材プールなどによって支えられています。
この背景には政府が研究開発を増やすという目標を掲げていることにあります。イノベーションが最高レベルにある今、競争力を維持できると考えたからです。
どの国も特定の分野で秀でる必要があります。そこでオランダは、自分たちが秀でていること、そして秀でたいことを検討してきました。
オランダはとても小さな国なので、私たちはこれまで以上に競争優位性を高め、国際的に協力していく必要があります。
―――オランダと日本企業の協力の現状についても教えてください。
ヒルス大使:一般的に協力できる領域は3つあると思います。
1つ目は、グリーンエネルギーの開発を始めること。あるいは、既存のエネルギーを脱炭素化することです。
例えば、風力発電エネルギーです。私たちの国はこれに大変長けていると自負しています。オランダに面する北海はとても浅いので着床式を使っていますが、日本近海はとても深いので、そこでは浮体式が検討されています。
また、ソーラーダック(SolarDuck)というオランダの会社が、東京港で水上浮体式の太陽光パネルを設置する実験を行っています。嵐や大きな波の中でもかなり安定するものです。
2つ目は、エネルギーの使用量を減らすことです。 ここで、エネルギーをどのように使うかについて賢く考えることが重要になります。
この分野では、AIから多くの恩恵を受けることができます。もちろん人工知能を用いることは多くのエネルギーを消費することにつながるので、バランスをとらなければなりません。
3つ目は、循環型経済と廃棄物の利用だと思います。特に、廃棄物発電やバイオマス発電などの再生可能エネルギー技術によって再利用が可能となるエネルギー残留物を持つ廃棄物です。
アバンティウム(Avantium)というオランダの会社がペットボトルから生分解性プラスチックを製造しています。
グリーンエネルギー、エネルギー使用量の削減、そして循環型経済、これら3つのすべての分野で、日本とオランダの協力に非常に良い可能性があると思います。
オランダと協業するメリット
―――オランダに進出する企業には、どのような種類の補助金や支援制度がありますか?
ヒルデ企業誘致局長:まず大規模なヨーロッパの制度として「ホライズン・ヨーロッパ」(研究・イノベーションに向けたEUの資金助成プログラム)や、企業がオランダで研究開発を行う際に税金が減額されるWBSOという制度もあります。
研究開発の人材を雇用すると、イノベーション関連の税制優遇措置も受けられる場合があります。
また、オランダの様々な地域で、オランダにとって新しいイノベーションに特化した特定の補助金や参加制度もあります。
ですから、まだオランダにない特定のイノベーションを開発するために、日本企業がオランダで協働開発することは大変歓迎されています。
―――EUの国々と比較して、オランダの魅力は何だと思いますか?
ヒルス大使:私たちはもちろん自国の言語であるオランダ語を話しますが、大変小さな国であり、大きな国々に囲まれているため、ドイツ語、英語、フランス語のような他国の言語も話す必要があります。
非常に国際的な環境であり、誰もが英語を話すため簡単に働き始めたり、生活を始めたりすることができます。
またオランダ人は、既成概念にとらわれずに行動したいと考えており、通常、自分たちがすることについて非常に前向きでプラス思考です。
官民パートナーシップ、トリプル・ヘリックス(政府、研究機関、企業)、時にはクアドラプル・ヘリックス(政府、研究機関、企業、国民)でビジネスを行うというコンセプトが非常に良いエコシステムを構築しており、自分たちのビジネスに他の要素をどう取り込んでいくかを学ぶのに非常に役立っています。
現在開催中の大阪・関西万博の海外パビリオンにオランダは公式参加をしており、来る9月22日には持続可能なエネルギーへの移行を推進するビジネスイベントが開催される予定で、ここではオランダと日本のエネルギートランジションへのアプローチの違いや、将来の優先事項について議論がなされます。
ヒルデ企業誘致局長:オランダはリラックスしていて、ワークライフバランスがとても良いです。
ビジネス環境は非常に競争力があり、物流事情は大変良く、デジタル環境も優れています。そのため、オランダにはすでに800以上もの日本企業の拠点が展開されており、約5.2万人の人々を雇用しています。
他のヨーロッパ諸国と比較すると、オランダには大変多くの日本企業が進出していると思います。
―――オランダ人とコミュニケーションをとる際に、日本人が心にとどめておくべき重要なことは何ですか?
ヒルデ企業誘致局長:オランダ人は一般的に非常に直接的だと思います。あまり階層的ではありません。例えば、もしあなたが私の上司だとして、何かを頼んできた場合、上司が言うことに疑問を持たず、言われたことをやる、ということはせず、私は疑問に思えば「なぜこれをやるのですか?」と尋ねるでしょう。
私たちは常に「なぜ?」と尋ねます。私たちはお互いによく理解し合いたいのです。
それから、オランダの企業やオランダに進出している企業には、国際色豊かな人材が多く活躍しています。30~40カ国以上の国籍の従業員を雇用するのはごく一般的です。例えば、アムステルダムやロッテルダムのような都市では、180カ国以上の国籍の人々が共存しています。
非常に国際的な職場環境なので「ワンサイズ・フィット・オール(万人向け)」ではありません。オフィスで話されている言語は主にオランダ語と英語であり、世界中から人々が集まって働いています。
(了)
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