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2025.12.31
関西電力とBIPROGY、PPAによるアワリーマッチング実証開始
関西電力(大阪府大阪市)とBIPROGY(東京都江東区)は12月22日、再エネの発電量と電力消費量がリアルタイムで一致していることを証明する「アワリーマッチングシステム」の実証を開始すると発表した。同システムの実用化を見据え、データ管理技術を構築と有用性を検証する。
リアルタイムの照合データをブロックチェーン上で管理
同システムは、コーポレートPPAに基づく再エネ設備の発電データと需要地点における電力消費データを用いて、発電量と消費量を1時間単位で照合する。これらのデータを改ざん困難なブロックチェーン上で管理することで、発電された再エネ電力がリアルタイムで消費されていることを証明する仕組みだ。
今回の実証では、真正性をデータ管理技術を構築し、実証の一部でCO2排出係数の可視化も行うという。具体的には、関西電力が立案およびシステム全体の評価を担い、BIPROGYが実証システムの開発と技術的課題の解決に向けた支援を行う。実証期間は2026年3月までを予定している。
注目される「アワリーマッチング」
近年、24時間365日ゼロカーボン電力を100%使用することを目指す「24/7 Carbon Free Energy」への関心が高まっている。あわせて、GHGプロトコルの改定に向けた検討においても、アワリーマッチングが論点の一つとなっており、再エネ電力と消費電力がリアルタイムで一致していることを担保する仕組みへのニーズが高まっている。
こうした背景から、関西電力はアワリーマッチングについて日清食品との実証や大阪関西万博における実証などを実施。今回の取り組みは、アワリーマッチングシステムの実用化を見据えたものだ。両社は、今回の取り組みを通じ、再エネのさらなる導入拡大に貢献するとしている。
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2025.12.30
第一生命保険、CCSボンドに約47億円投資 欧州港湾のプロジェクトを支援
第一生命保険(東京都千代田区)は12月22日、オランダのHavenbedrijf Rotterdam(ロッテルダム港湾公社)が発行するカーボン・キャプチャー&ストレージ・ボンドに約47億円を投資したと発表した。
資金使途をCO2の回収・貯留(CCS)に限定した世界初の社債で、調達された資金は、ロッテルダム港湾公社が合弁パートナーと共同で推進するCCSプロジェクト「Porthos」に充当される。
環境課題への戦略的対応
この債券の発行額は50百万ユーロ(約90億円)。償還期間は19年。発行にあたり、ロッテルダム港湾公社、第一生命保険、HSBC証券が協議を重ね、第一生命保険が最大投資家となった。
第一生命保険は、今回の投資を事業を通じて取り組むべき重要課題(コア・マテリアリティ)のひとつ「環境課題への戦略的対応」につながるものと位置づけ。安定的な運用収益を期待するとともに、ロッテルダム港湾公社の脱炭素化に向けた取り組みを資金面からサポートし、その進捗状況を継続的にモニタリングしていく。
年間250万tのCO2を15年間、回収・貯留
CCSプロジェクト「Porthos」は、北海の枯渇ガス田に、ロッテルダム港に拠点を置く企業から排出されたCO2を恒久的に貯留するための回収・輸送インフラを構築するもの。ブルー水素の製造や、化学・石油精製などの産業由来で排出されたCO2を対象とし、年間250万tのCO2を15年間にわたり回収し、恒久的に貯留する計画だ。
また、このプロジェクトは複数の企業が共同で利用できるオープンアクセス方式を採用している。特徴として、特定企業の専用ではなく産業全体で活用できる共通インフラとして整備される点を挙げている。
カーボン・ニュートラルな港へ取り組みを推進
ロッテルダム港は、欧州最大の物流ハブであり、化学・石油化学・物流などの産業施設が集積している。ロッテルダム港湾公社は、この港湾の管理・運営・開発を担っている。脱炭素化の推進が港湾の競争力強化にもつながるとの考えのもと、カーボン・ニュートラルな港の実現に向けて幅広い取り組みを実施している。
ロッテルダム港湾公社のCFO、ヴィヴィエンヌ・デ・レウ氏は、「当社の投資の多くは、『Porthos』CO2輸送・貯留プロジェクトにおけるCO2パイプラインインフラの建設など、CO2排出量の直接的な削減に寄与している。当社と第一生命保険との協働により、こうした脱炭素化プロジェクトの実現と、将来を見据えた港湾の構築が可能になる」と述べている。
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2025.12.29
三井不動産、東北・北海道でもメガソーラー電力を運営施設に供給 PPA活用
三井不動産(東京都中央区)は12月22日、東北電力(宮城県仙台市)、北海道電力(北海道札幌市)の各社と、メガソーラーを活用したフィジカルPPAに関する契約を締結したと発表した。2026年1月1月から、三井不動産が開発したメガソーラー由来の再エネ電力を、両電力会社を通じて、管理・運営する商業施設などの施設に供給する。
東北・北海道エリアで、発電者・需要者が同一の大規模なオフサイトPPAを実施
この取り組みにおいて、東北電力は、秋田県由利本荘市のメガソーラー(出力約3.1MW/年間発電量約339万kWh)で発電する再エネ電力を調達する。供給先は、宮城県仙台市内にある「三井アウトレットパーク仙台港」「三井ショッピングパークララガーデン長町」「三井ガーデンホテル仙台」の3施設。
北海道電力は、北見市の発電所(出力約3.1MW/年間発電量約400万kWh)を活用する。供給先は、札幌市内にある「三井アウトレットパーク札幌北広島」「札幌三井JPビルディング」「北一条三井ビルディング」「三井ガーデンホテル札幌」「三井ガーデンホテル札幌ウエスト」の5施設。
新規メガソーラー開発で再エネ導入拡大へ
三井不動産は、新規メガソーラー開発による再エネ導入拡大に取り組んでいる。今回連携を開始した東北電力、北海道電力のほか、7月には中国電力(広島県広島市)とも、同様のオフサイトフィジカルコーポレートPPAに関する契約を締結している。
また2024年10月には、東京電力エナジーパートナー(東京都中央区)と、太陽光発電由来のオフサイトフィジカルコーポレートPPAに関する提携を締結。この提携では、三井不動産が開発した複数の太陽光発電所における再エネ電力を、東京電力EPを通じて、東京ミッドタウン(同・港区)と東京ミッドタウン日比谷(同・千代田区)の共用部に供給している。
三井不動産は、2021年11月に策定した2050年度までのグループ行動計画において、2030年度のGHG排出量削減率を40%に引き上げた。その取り組みの1つとして、2030年度までに年間3.8億kWh分(既存8000万kWh・新規3億kWh)のメガソーラーの開発を目標に掲げ、メガソーラー用地の取得を順調に進めている。また、この行動計画において、2030年度までに「希望するテナント企業へのグリーン電力提供支援」と「当社が保有する国内全施設の共用部の使用電力100%グリーン化」を掲げる。
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2025.12.28
ライフ、首都圏9店に再エネ導入 東京ガスらとオフサイトPPA活用
東京ガス(東京都港区)は12月18日、東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES/同)とともに、ライフコーポレーション(大阪府大阪市)が運営する首都圏の9店舗に対し、オフサイトPPAを活用した再エネ電力の供給を開始すると発表した。この取り組みにより、対象店舗の年間電力使用量の約18%が再エネ由来に転換され、CO2排出量は年間約1000t削減される見込みだ。
北関東の太陽光発電所11カ所で発電した再エネ電気を供給
この取り組みでは、東京ガスは、小売電気事業者として、北関東エリアの太陽光発電所11カ所(総出力約2.2MW)由来の電力と非化石証書を調達。販売代理店のTGESを通じて、再エネ電力を供給する。
再エネ供給対象9店舗のPPA想定電力使用量は年間2.5GWhで、不足分に関しては、東京ガスが自社の他の電源からの電力で賄う計画となっている。
J-クレジット償却などの取り組みも支援
今回の取り組みは、2025年7月にライフコーポレーションとTGESが締結した「CO2排出量削減の取組みの検討に関する覚書」に基づき実施される。
この覚書では、コーポレートPPAとともに、環境価値商材の調達およびその組み合わせ方の検討や、提供後のJ-クレジット償却に関する助言などを含めたコンサルティングサービスも含まれている。
再エネ発電によるGHG削減に注力するライフ
スーパーマーケットチェーンを運営するライフコーポレーションは、GHG排出量削減目標として、2030年までにスコープ1・2のCO2排出量を2013年比で50%削減するという目標を掲げる。
現在は、再エネ活用に重点を置き、店舗屋上への太陽光発電設備の設置を進め、計27店舗で再エネを創出している。また、小売業では日本最大規模となるバイオガス発電設備を導入。自社の食品加工工場で排出される食品残渣由来のバイオガスを燃料に発電を行い、年間約4380tの食品廃棄物削減を実現している。
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2025.12.27
EVをマンションの運営エネに活用 九電と日立ビルシステムがパッケージ化
九州電力(福岡県福岡市)と日立ビルシステム(東京都千代田区)は12月22日、電気自動車(EV)を活用したマンション向けエネルギーソリューションを共同で提供開始すると発表した。両社は業務提携契約を締結し、マンション入居者の快適なEV利用を推進するとともに、レジリエンス向上による災害に強い仕組みを提供する。
EVシェアリング・充電サービスとV2Xシステムを連携
九州電力が展開するマンション入居者専用のEVシェアリングサービス「weev(ウィーブ)」および集合住宅向けEV充電サービス「PRiEV(プライブ)」と、日立ビルシステムが提供するV2Xシステム「Hybrid-PCS」を組み合わせ、パッケージサービスとして提供していく。
九州電力の「PRiEV」は、集合住宅の各駐車区画に、個人専用のEV充電器を設置し、入居者が自宅でいつでも充電できる環境を提供するサービスだ。2023年1月からサービスの提供を開始し、 首都圏、関西圏(一部県のみ)、中部圏(一部県のみ)、九州の集合住宅において展開している。なお九州エリアでは、充電に再エネ電気が活用されている。
一方の日立ビルシステムが提供する「Hybrid-PCS」は、EVと住宅・ビル・電力網などの間で電力の相互供給を可能にするV2Xシステムで、停電時にもEVからの給電によりエレベーターなどのビル設備の継続利用を可能にする。2023年7月の提供開始以来、機能を更新してきた。
災害時でもエレベーター使用可能に マンションのレジリエンスを高めるサービス
今回、両社が連携して提供するパッケージサービスでは、「weev」のシェアリング車両と「Hybrid-PCS」を接続し、災害時や停電時にはシェアリング車両から、マンションのエレベーターなど共用部設備へ給電する。同時に、「PRiEV」を通じて、各入居者のEV保有率を上げ、入居者が個人所有するEVをシェアリング車両のバックアップとしても活用する。
また、「Hybrid-PCS」により、V2Xシステムおよびエレベーターなどのビル設備から生成されるデータを活用し、日立グループのデジタルサービス「HMAX for Buildings:BuilMirai(ビルミライ)」を通じて、省エネ化や居住者のウェルビーイングなども含めたビルメンテナンスの効率化につながる新しい価値提供も行っていく。
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2025.12.26
野村不動産新横浜ビル、オフサイトPPAで再エネ化 電気料金低減も両立
FPS(東京都港区)は12月22日、野村不動産プライベート投資法人(NPR/同)が保有する「野村不動産新横浜ビル」に、オフサイトPPAスキームにより、再エネ由来の電力を供給開始したと発表した。電力はシン・エナジー(兵庫県神戸市)が運営する太陽光発電所で発電された再エネを活用する。
市場連動型電力と完全固定型電力を併合した「ハイブリット電力メニュー」も併用し、同ビルの電気料金削減を図る。
オフサイトフィジカルPPAで再エネ化、ハイブリッド電力メニュー導入で電気料金削減
3社は10月24日に、オフサイトフィジカルコーポレートPPAを締結した。これにより、FPSがアグリゲーターとして導入支援を担い、同ビルに供給される電力の一部を追加性のある再エネ由来の電力に転換した。
使用する再エネは、シン・エナジーが運営する4カ所の太陽光発電所(千葉県印西市、同・野田市、東京都羽村市、神奈川県相模原市)で発電された電力で、4カ所の太陽光パネルの合計出力は約1700kW。
オフサイトフィジカルコーポレートPPAであるため、これらの再エネ電力のほか非化石証書も活用し、同ビルの年間消費電力量は一般家庭約1090世帯分の年間消費電力量に相当する約429万kWhが実質再エネ化された。これらの取り組みによるCO2排出量は、年間約1814tを見込む。
また、これらの再エネ調達のほか、ハイブリッド電力メニューを活用し、同ビルの電気料金を低減させる。この電力メニューは、負荷追随部分では電力先物市場を活用した完全固定メニューと日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場価格に連動する市場連動メニューの2つの料金体系を組み合わせた設計で運用される。市場価格下落により電気料金が削減されるメリットを享受するとともに、市場価格上昇による電気料金上昇リスクも一定程度は回避できる仕組みとなっている。
入居するテナントのニーズにも対応した環境負荷低減施策
なおNPRは、同ビルに入居する企業であるソシオネクスト(神奈川県横浜市)と協議の結果、今回の取り組みを開始した。ソシオネクストは「2050年までにスコープ1・2のカーボンニュートラル実現」を目標として掲げており、同社の使用電力の再エネ化へのニーズにも対応することになる。
NPRは今後も、所有物件に入居する企業や店舗などとの対話を通じ、不動産の運用を通じたサステナビリティ施策に取り組む。
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2025.12.25
フィルム型ペロブスカイト太陽電池普及拡大へ 積水化学と福岡市が連携強化
積水化学工業(東京都港区)は12月22日、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の製品設計・製造・販売を担う積水ソーラーフィルム(大阪府大阪市)が、福岡市と「脱炭素社会の実現に向けた連携協定」を締結したと発表した。積水化学と福岡市は、これまでもフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証実験を重ねてきたが、今後は同市をフィールドとし、技術開発や実証をさらに進める。
公共施設へのペロブスカイト設置拡大や環境教育などで協業
積水化学工業と積水ソーラーフィルムは、都市部における大規模な再エネ設置の実現に向け、福岡市と連携し、「FGN(Fukuoka Growth Next)」屋上での防水材一体型施工や「香椎浜小学校」体育館屋根への導入など、公共施設を実証先としたフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証を進めてきた。
今後は、同協定に基づき、ペロブスカイト太陽電池の普及促進をはじめとする都市型地産地消創エネモデルの確立や市有施設などでの実証や率先的な導入など、地球温暖化対策に関する新技術の実装に向けた取り組み、環境エネルギー教育を通じた脱炭素への理解促進や啓発に向けた活動を展開する。
まずは市内小中学校3校に同太陽光電池を設置
直近の取り組みとしては、福岡市内の市内小中学校3校(「高宮中学校」「老司小学校」「原西小学校」)の体育館屋根に、同太陽電池を設置し、有効性を検証する。設置面積は合計約265m2、出力は合計約25kW。
建物外壁設置向けの改良工法を開発
積水化学グループ2社は現在、NTTデータ(東京都江東区)、日軽エンジニアリング(同・港区)と共同で、同太陽電池を建物外壁に設置するための改良工法開発を進めている。
新工法は、「NTT品川TWINS」DATA棟外壁で行ってきた設置実証で得られた知見や課題を基に考案したもの。アルミ押出形材を用いた固定金物を採用し、大量生産と軽量性を両立している。また、壁面施工時に発生しやすいフィルム型太陽電池の「しわ・よれ」を容易に調整し、意匠性を確保するという。
積水化学グループは今後、同工法のさらなる検証とともに、今回の協定に基づく実装および実証を進め、同太陽電池の社会実装を加速させるとしている。
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2025.12.24
川崎重工系、「電気式気動車」開発 将来的には水素転用も可能に
川崎重工業(東京都港区)は12月19日、グループ会社の川崎車両(同)が、新型の鉄道車両「GreenDEC(グリーンデック)」を開発したと発表した。同車両は、ディーゼル機関で発電し、電気でモーターを動かす「電気式気動車」仕様。将来的には、部品交換により、水素転用も可能になるという。
従来ディーゼル車両と比べて、メンテナンス作業軽減・コスト減
「GreenDEC」は、一般的な電車と共用できる部品が多い点に特徴がある。モーターやインバーター、歯車減速機などの機器の交換部品が入手しやすくなり、メンテナンス作業が軽減される。これにより、維持コストの抑制にもつながるという。
また、同車両は、鉄道分野のカーボンニュートラル実現に寄与する新たな気動車と位置付けられており、将来の水素駆動機関などの採用や交換の発展性を見据えた構造やレイアウトが導入されている。
車体サイズは、長さ18m、幅2.8m。設計上の最高速度は時速95km。
2026年春、運行開始の予定
天竜浜名湖線を運営する「天竜浜名湖鉄道」(静岡県浜松市)と、甘木線を運営する「甘木鉄道」(福岡県朝倉市)が受注済みで、2026年春のダイヤ改正から営業運転を開始する予定。運行時には、各地域に合わせたデザインが施される。
非電化鉄道における環境負荷低減に向けて
国交省によると、日本国内の非電化路線は鉄道路線全体の約3割を占める。非電化鉄道を運行中の気動車は、ディーゼル機関と液体変速機を組み合わせた車両が多く、また近年はこれら気動車の老朽化に加え、液体変速機などが入手困難な状況にあり、非電化鉄道の環境負荷低減が求められている。
こうした中、国交省は9月、2040年を見据えた鉄道分野のGXに関する目標を設定。2030年度までに水素車両の運転開始や水素車両の製作を進める方針を示している。
【参考】
・国土交通省―「鉄道分野のGXに関する基本的考え方」を公表します
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2025.12.23
新たな蓄電池製造モデル「Swiftfab」始動 日立ら共同事業体設立へ
日立製作所(東京都千代田区)は12月18日、蓄電池製造設備産業の強化を目指す共同事業体「Swiftfab Energy Systems(仮称)」(同・港区)を設立すると発表した。このプロジェクトには、同社を含め一般社団法人 電池サプライチェーン協議会(BASC/同・中央区)に加盟する9社が参加。蓄電池設備産業の構造変革に向け、日本の蓄電池産業の国際競争力向上を図る。
建屋や生産装置を一体開発、蓄電池製造ラインを共同展開
今回設立する共同体は、日本国内の安定供給体制強化に向け、産業横断型のこれまでにない製造プラットフォームを構築するという画期的な取り組みとなる。設計から生産に至るプロセス全体を最適化し、圧倒的な短期間・低コストで、高品質を高次元で両立する電池製造拠点の提供を目指す。
具体的には、建屋・設備・生産装置・システムを一体で設計・開発するとともに、蓄電池製造ラインとして統合したソリューションを共同で構築・展開する。
日立、AIを活用した「HMAX Industry」を提供
日立製作所 コネクティブインダストリーズ(CI)セクターは、先進AIを活用したデジタルサービス「HMAX Industry」を、蓄電池などの成長産業へ水平展開する「Integrated Industry Automation」に注力している。これらの知見やノウハウを基に、同プロジェクトにおいても、中心的な役割を果たす。
共同事業体の設立後には、参画企業と共同で蓄電池製造工程のデジタルツイン実現のコアとなるシミュレーション技術を開発し、設計段階のリードタイム短縮や生産立ち上げ後の調整期間を短縮させるとしている。
また、プロジェクトで得られた成果は、BASC会員企業間で共有することで、共創型産業インフラとしての拡張を図り、国内製造設備産業の強靭化と日本発の競争力ある産業モデルの構築につなげたい考えだ。
日立製作所とともに同プロジェクトに参加するのは、西部技研(福岡県古賀市)、コマツNTC(富山県南砺市)、東伸(神奈川県秦野市)、豊電子工業(愛知県刈谷市)、ジェイテクト(同)、リコーエレメックス(同・豊田市)、平田機工(熊本県熊本市)、大気社(東京都新宿区)の8社。
蓄電池分野に関するケイパビリティで、国内蓄電池製造の課題解決へ
蓄電池製造は、工程が精密かつ複雑で、高い品質管理が求められる。装置ごとにサプライヤー・仕様が異なる場合では、生産ラインの各装置や建屋間の連係時のすり合わせに多大なコスト・時間を要し、案件ごとに材料や生産量などの諸条件が異なるケースでは、生産ラインの安定化までの調整期間が長期化する傾向にある。
日立製作所は、インフォマティクスを活用した材料開発や蓄電池製造の異物検査、ロボットを活用したラインビルディングなど、さまざまなプロダクト・設備、ソリューションとドメインナレッジを提供している。こうした蓄電池製造に関連する豊富なケイパビリティを活かし、蓄電池製造に伴う課題解決を目指している。
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2025.12.22
日立建機と九電、可搬式充電設備を活用した災害対策の実証 有効性確認
日立建機(東京都台東区)は6月12日、九州電力(福岡県福岡市)と、可搬式充電設備を活用した災害ソリューション構築のための実証試験を実施したと発表した。災害発生直後の初動対応において、可搬式充電設備が有効であることを確認した。
照明や医療機器の稼働に必要な電力を供給
日立建機と九州電力は、施工現場で稼働する電動建機などへの電力供給を目的に、可搬式充電設備を共同開発し、2024年9月から日本国内で販売を開始している。この可搬式充電設備は、災害時の非常用電源向けに開発されたものだが、平常時はEVの充電としても活用できる。
今回の実証は、熊本赤十字病院の協力を得て、災害時を想定して実施された。具体的には、可搬式充電設備1台を用いて、特殊医療救護車両「DISASTER RESCUE(ディザスター レスキュー)」内の照明や医療機器に電力を供給した。その結果、正常に作動することや、供給された電力により照明と医療機器を約7日間連続で使用できることを確認した。
災害発生直後の初動対応では、可搬式充電設備1台で十分な電力供給を行えると、日立建機は説明する。より多くの電力が必要な場合は、可搬式充電設備を複数台組み合わせることで対応可能だという。
日常と災害時を区別しない「フェーズフリー」という考え方
日本国内では、2011年の東日本大震災などの経験から、平常時・災害時を問わず活用できる「フェーズフリー」の考え方が浸透しつつある。熊本赤十字病院と九州電力総合研究所は、災害対応におけるリチウムイオン電源装置の有効性に関する実証試験に加え、国内・海外の救援活動において、同装置を用いた救援活動を展開している。
日立建機と九州電力は今後も、販売ネットワークやエネルギーマネジメント技術や災害救援機材の開発力などを生かし、災害時支援の高度化を図っていく。
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