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2025.05.11
リコー本社、再エネ電力の一部を福島県の営農型オフサイトPPAに転換
リコー(東京都大田区)は5月1日、本社事業所に導入している再エネ電力の一部を、グループ初の営農型オフサイトPPAによる再エネ電力に転換したと発表した。UPDATER (東京都世田谷区)、二本松ご当地エネルギーをみんなで考える(ゴチカン/福島県二本松市)と共に行う取り組みで、地域社会への貢献につなげる。年間想定発電量は19万5477kWhで、リコー本社事業所における総電力量の約5%相当となる見込み。
福島県の地域新電力が開発したソーラーシェアリングによる再エネを活用
2018年に設立した地域新電力のゴチカンは、地域のインフラ基盤を支える存在として、営農型太陽光発電設備設置を中心とした事業を展開してきた。
今回、リコー向けに再エネ電力を供給する発電所2基(福島県福島市/発電量:164.2kWdc)は、耕作放棄地を活用し、地元農家が主体となる理想的なソーラーシェアリングの取り組みとして、農林水産省の「営農型太陽光発電のモデル的取組支援事業」に採択されている。
垂直設置型などを導入し、発電効率を向上
同発電所は発電効率を高めるため、以下の発電設備を導入した。
- 可動式架台型太陽光パネル
農作物の生育に応じて日射を制御し、太陽光の日射角度に応じて最適な発電量を確保する - 垂直設置型太陽光パネル
朝夕などの日射が低い時間帯にも発電効率を高めると同時に、放牧柵としての機能も担う。同時に、農地の中央に配置した太陽光パネルは、放牧中の牛を夏の強い日射から防ぐ役割も併せ持つ100%再エネのリコー本社、一部を切り替え地域に貢献
リコーグループは2017年に日本企業として初めて「RE100」へ参加。また、2021年度より導入した再エネ総合評価制度に基づき、契約する電力会社および電力メニューを、経済面・社会面・環境面で総合的に評価し、電力の調達先を選定している。
現在、リコーの本社事業所は、UPDATERが供給する質の高い再エネ電力により、既に再エネ率100%を実現しているが、今回新たに導入した営農型太陽光発電所からの再エネに一部転換することにより、地域貢献につなげる。
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2025.05.10
アイシン、トルコ太陽光発電所が稼働 欧州の再エネ導入100%達成
アイシン(愛知県刈谷市)は5月7日、欧州子会社を通じて、トルコ国内に太陽光発電施設を建設したと発表した。新施設の稼働により、トルコを含む欧州全生産拠点での再エネ導入率は100%となる。
2040年に欧州エリアでのカーボンニュートラル達成目指す
アイシンはグループ全体の脱炭素目標として、「2040年に欧州地域でカーボンニュートラルを達成」という目標を掲げている。その一環として、2025年「全生産拠点での再エネ100%」実現に向け、太陽光や風力など再エネへの切り替えを進めている。今回のトルコでの取り組みでは、年間4200トンのCO2排出量削減効果を見込む。
建設する太陽光発電施設の概要
新設する施設の名称は、「AISIN TURKIYE SOLAR POWER PLANT」。所在地はトルコ・マラティヤ県。建設面積は12万6893m2で、2025年4月に発電を開始した。なお施設の開発は、トルコに本社を構える子会社のAISIN OTOMOTIV PARCALARI SANAYI VE TICARET A.S.が手がけた。
アジア生産拠点の脱炭素化に向け、自然電力と連携
海外拠点の脱炭素化では、2021年に自然電力(福岡県福岡市)およびタイの再エネ企業コンスタントエナジーと、コーポレートPPA契約を締結。タイ現地法人ATACの屋根置き太陽光発電を1MWから3.7MWに拡張Lしている。アイシンは今後も、さらなる省エネ化や再エネの有効活用を進めていく。
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2025.05.09
神奈川県、再エネ・省エネなど支援メニューを公表 太陽光補助金を拡充
神奈川県は4月25日、住宅用太陽光発電と蓄電池を併せた導入と、ペロブスカイト太陽電池など次世代型太陽電池の早期普及を支援する補助金を新設するなど、太陽光発電の導入拡大に向けて、取り組みを大幅に強化すると発表した。
事業者や家庭における再エネ・省エネなど脱炭素化を支援する補助金などのメニューをパッケージで用意して、補助金については一部を除き4月25日より受付を開始した。
「事業者向け」「家庭・住宅向け」など4つの支援パッケージ
太陽光発電に係る取り組み強化では、補助金の新設のほか、補助金額も増額する。具体的には、住宅向けに初期費用ゼロで太陽光発電を導入するサービス(住宅用0円ソーラー)を提供する事業者に対する補助金額と、アパートなどの共同住宅への太陽光発電や蓄電池の導入に対する補助金額、また、事業者向けの自家消費型の再エネ発電設備・蓄電池の導入に対する補助金額を増額する。
支援パッケージは「事業者向け支援」、「家庭・住宅向け支援」、「次世代型太陽電池の早期普及に向けた支援」、「EV・FCVの導入支援」の4つの柱で構成される。詳細は「かながわ脱炭素ポータルサイト」で公開している。このポータルサイトでは、脱炭素の取り組みに関する県の事業のほか、国や県内の市町村の事業を紹介している。
事業者向け支援
事業者向けの支援パッケージの概要は以下の通り。
(1)カーボンニュートラルワンストップ相談窓口(受付中)
神奈川産業振興センターに相談窓口を設置し、脱炭素のあらゆる相談に無料で答える。相談員による企業訪問や県支援策を利用する事業者に対して次の取り組みにつなげる伴走支援も行う。
対象者 事業者 費用 無料 予算額 3167万円 (2)かながわCO2見える化トライアル(5月15日受付開始)
自社のCO2排出量の把握を容易にする、CO2排出量管理システムを無料で利用できる。
対象者 県内に工場等を所有する中小企業など 支援件数 210件 費用 無料 予算額 3423万円 申込み期限 2026年1月16日 (3)省エネルギー診断(4月25日受付開始)
省エネの専門家が事業所を訪問し、省エネ対策を提案する。
対象者 県内に工場等を所有する中小企業など 診断件数 150件 費用 無料 予算額 4000万円 申請期限 12月26日 (4)中小企業省エネルギー設備導入費等補助金(6月2日受付開始)
省エネ設備の導入(更新)や保守等に係る経費の一部を補助する。
対象者 所有権を有する県内の土地または建物において事業を実施する中小企業など 対象経費 事業に要する設計費、設備費、工事費 補助額 補助率1/3(上限500万円)
(「かながわ再エネ電力利用認定事業者」または「かながわ脱炭素チャレンジャー」は上限600万円)予算額 3億7500万円 申請期限 11月28日 (5)太陽光発電設備の導入提案(4月25日受付開始)
専門家が事業所を訪問し、太陽光発電の導入に関する提案書を無料で作成する。
対象者 太陽光発電の導入に関心のある事業者 診断件数 100件 費用 無料 予算額 4005万円 申請期限 12月26日 (6)事業所用太陽光発電の共同購入(通年募集)
事業者向けに太陽光発電の導入希望者を広く募ることで、スケールメリットにより、価格低減を図る事業。2024年度からエナーバンクと協定を締結し、連携して事業を実施している。自己所有(購入)での設置に加えて、PPAやリースの選択も可能。
対象者 県内に太陽光発電の設置を希望する事業者 予算額 0円(県との協定に基づく予算を伴わない官民連携事業) (7)自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金(4月25日受付開始)<増額>
太陽光発電等の導入に係る経費の一部を補助する。
太陽光発電の補助額は6万円/kW(2024年度)から8万円/kWに、大企業の上限は1,000万円(2024年度)から3,000万円に、蓄電池の補助額は15万円/台(2024年度)から5万円/kWh(上限500万円)に増額する。
対象者 自家消費型再生可能エネルギー(※1)発電設備を導入する(※2・3)法人または青色申告を行っている個人事業者 対象経費 再生可能エネルギー発電設備の設計費、設備費、工事費 蓄電池を併せて導入する場合は、蓄電池の設計費、設備費、工事費 補助額 発電出力1kW当たり8万円を乗じた額(上限:大企業3000万円)
かながわ脱炭素チャレンジャーは、1kW当たり10万円を乗じた額
蓄電池を併せて導入する場合は、補助額を上乗せ(1kWh当たり5万円)予算額 9億9300万円 申請期限 2026年2月27日 (※1)太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス
(※2)県内に設置し、県内で消費するものに限る。
(※3)ペロブスカイト太陽電池については後日公表となる。(8)かながわ脱炭素チャレンジ中小企業認証制度(5月頃受付開始予定)
脱炭素化に向けた意欲ある中小企業を県が「かながわ脱炭素チャレンジャー」として認証する制度。認証を受けた事業者には、中小企業省エネルギー設備導入費など補助金の上限額上乗せなど、脱炭素化の取り組みを積極的に後押しする。
対象者 県内に工場等を所有する中小企業など 予算額 0円 家庭・住宅向け支援
家庭・住宅向けの支援パッケージの概要は以下の通り。
(1)住宅用太陽光発電・蓄電池導入費補助金(4月25日受付開始)<新設>
住宅用の太陽光発電と蓄電池を併せた導入に係る経費の一部を補助する。
対象者 県内の住宅所有者 対象経費 太陽光発電・蓄電池の設計費、設備費、工事費 補助額 太陽光発電)発電出力1kW当たり7万円を乗じた額
(蓄電池)1台当たり15万円予算額 3億4400万円 申請期限 12月26日 (2)太陽光発電初期費用ゼロ促進事業費補助金(4月25日受付開始)<増額>
リース等の活用により、初期費用の負担なく住宅用太陽光発電や蓄電池を導入できる住宅用0円ソーラーに係る経費の一部を補助する。
太陽光発電等の設置・運転維持コストの増加に対応し、導入拡大につなげるため、補助金額は、太陽光発電が5万円/kW(2024年度)から7万円/kWに、蓄電池は12万円/台(2024年度)から15万円/台に増額する。
対象者 県内において住宅用0円ソーラーを提供している事業者 対象経費 太陽光発電の設計費、設備費、工事費
蓄電池を併せて導入する場合は、蓄電池の設計費、設備費、工事費補助額 発電出力1kW当たり7万円を乗じた額
蓄電池を併せて導入する場合は、補助額を上乗せ(1台当たり15万円)予算額 1億2700万円 申請期限 12月26日 (3)共同住宅用自家消費型太陽光発電等導入費補助金(4月25日受付開始)<増額>
共同住宅への自家消費型の太陽光発電の導入に係る経費の一部を補助する。
補助金額は、太陽光発電が5万円/kW(2024年度)から7万円/kWに、蓄電池は12万円/台(2024年度)から15万円/台に増額する。
対象者 県内の分譲共同住宅の管理組合、県内の賃貸共同住宅を所有する個人または法人 対象経費 太陽光発電の設計費、設備費、工事費
蓄電池を併せて導入する場合は、蓄電池の設計費、設備費、工事費補助額 発電出力1kW当たり7万円を乗じた額
蓄電池を併せて導入する場合は、補助額を上乗せ(1台当たり15万円)予算額 540万円 申請期限 12月26日 (4)住宅用太陽光発電・蓄電池の共同購入事業(募集中)
住宅向けに太陽光発電と蓄電池の導入希望者を広く募ることで、スケールメリットにより、価格低減を図る。アイチューザーと協定を締結し、連携して事業を実施する。
対象者 県内在住の個人など 設置プラン 太陽光発電
太陽光発電と蓄電池
戸建向け蓄電池
マンション向け蓄電池予算額 0円(県との協定に基づく予算を伴わない官民連携事業) 募集期間 4月9日~9月4日 (5)ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス導入費補助金(4月25日受付開始)
中小工務店が施工するネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の導入に係る経費の一部を補助する。
対象者 県内の住宅の建築主(新築)、購入者(建売)、所有者(既築) 対象経費 中小工務店が施工するZEHの導入に係る経費 補助額 ZEH+(Nearly ZEH+含む):90万円/戸(定額)
ZEH(Nearly ZEH含む):55万円/戸(定額)
ZEH Oriented:50万円/戸(定額)
再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率「35%以上」の場合は、補助額を上乗せ(20万円/戸)
経費が上記の金額を下回る場合は、経費の千円未満を切り捨てた額予算額 7500万円 申請期限 12月26日 (6)既存住宅省エネ改修事業費補助金(4月25日受付開始)
既存住宅の窓等の省エネ改修工事に係る経費の一部を補助する。
対象者 県内の既存住宅の所有者 対象経費 省エネ改修工事の材料費、労務費 補助額 補助率1/3(上限20万円) 予算額 6000万円 申請期限 12月26日 次世代型太陽電池の早期普及に向けた支援<新設>
今回新設した次世代型太陽電池の早期普及に向けた支援は以下の通り。
(1)次世代型太陽電池普及促進事業費補助金(5月1日受付開始)
ペロブスカイト太陽電池など次世代型太陽電池は、「薄くて、軽くて、曲げられる」という特長から、これまで設置が困難だったビルの壁面や耐荷重が小さい工場の屋根等にも、設置が可能となる新技術。ペロブスカイト太陽電池など次世代型太陽電池について、多くの県民や事業者に、見て、知ってもらう「見える化」を図る実証の取り組みなどに係る経費の一部を補助する。
対象者 県内で次世代型太陽電池の見える化の実証の取組等を行う事業者 対象経費 実証や普及啓発に係る経費 補助額 実証に係る経費:補助率2/3(上限20万円)
普及啓発に係る経費:補助率10/10(上限200万円)予算額 6607万円 申請期限 6月13日 
ペロブスカイト太陽電池活用イメージ(出所:神奈川県) (2)自家消費型再生可能エネルギー導入費補助金(再掲)
次世代型太陽電池の継続的な需要拡大に向けて、流通開始後の初期導入に係る経費の一部を補助する(受付開始時期等の詳細は後日公表)。
EV・FCVの導入支援
EV・FCVの導入支援は以下の通り
(1)事業用等EV導入費補助金(4月25日受付開始)
事業用等EVの導入に係る経費の一部を補助する。
対象者 県内でバス事業、タクシー事業、トラック事業、レンタカー事業を営む法人など 対象経費 事業用等EVの車両本体の購入に係る経費など 補助額 EVバス:補助率1/3(上限1500万円)
EVタクシー:補助率1/3(上限100万円)
EVトラック:補助率1/4(上限500万円)
EV軽トラック:定額20万円
EVレンタカー:補助率1/3(上限100万円)予算額 6億2600万円 申請期限 12月26日 (2)乗用FCV導入費補助金(4月25日受付開始)
燃料電池自動車(FCV)の導入に係る経費の一部を補助する。
対象者 県内に在住する個人又は県内に事業所を有する法人など 対象経費 FCVの車両本体の購入に係る経費 補助額 定額100万円 予算額 5000万円の一部 申請期限 12月26日 (3)FCトラック導入費・燃料費等補助金(4月25日受付開始)
燃料電池トラック(FCトラック)の導入・運用に係る経費の一部を補助する。
対象者 県内でFCトラックを導入及び運用する法人など 対象経費 【導入費】FCトラックの車両本体の購入に係る経費など
(同等ディーゼル車の車両本体の購入に係る経費等との差額)
【燃料費等】FCトラックの水素燃料費(軽油相当額との差額)など補助額 【導入費】補助率1/4(上限850万円)
【燃料費等】補助率1/4(上限105万円)予算額 9550万円 申請期限 【導入費】12月26日
【燃料費等】2026年1月30日(4)FCフォークリフト導入費補助金(4月25日受付開始)
燃料電池フォークリフト(FCフォークリフト)の導入に係る経費の一部を補助する。
対象者 県内の事業所にFCフォークリフトを導入する法人など 対象経費 環境省補助金の補助対象経費と一般的なエンジン式車両の導入経費との差額 補助額 補助率1/2(上限500万円) 予算額 5000万円の一部 申請期限 12月26日 (5)EV急速充電設備整備費補助金(4月25日受付開始)
EV急速充電設備の整備に係る経費の一部を補助する。
対象者 県内に公共用、バス・タクシー事業所用のEV急速充電設備を整備する法人など 対象経費 EV急速充電設備の整備に係る設備費・設置工事費 補助額 新規 補助率1/3(上限200万円)
入替 補助率1/3(上限100万円)予算額 1億4000万円 申請期限 12月26日 (6)EV普通充電設備整備費補助金(4月25日受付開始)
EV普通充電設備の整備に係る経費の一部を補助する。
対象者 県内に共同住宅用、月極駐車場用、事業所の従業員・社用車専用駐車場用、宿泊施設用、大規模小売店舗用、観光施設等用のEV普通充電設備を整備する者 対象経費 EV普通充電設備の整備に係る設備費・設置工事費 補助額 普通充電設備・充電用コンセントスタンド:定額15万円
充電用コンセント:補助率1/3(上限10万円)予算額 3000万円 申請期限 12月26日 (7)水素ステーション整備費補助金(4月25日受付開始)
水素ステーションの整備に係る経費の一部を補助する。
対象者 県内に定置式水素ステーションを整備する法人など 対象経費 設備機器費、設計費、設備工事費、工事負担金、経費・管理費など 補助額 補助対象経費に5の4を乗じた額から経済産業省補助金交付額を差し引いた額(上限3500 万円。ただし、定置式水素ステーションが設置されていない市町村に新たに整備する場合、または大規模な定置式水素ステーションを整備する場合は上限4200万円) 予算額 4200万円 申請期限 6月30日 (8)水素ステーション運営費補助金(5月頃受付開始予定)
水素ステーションの運営に係る経費の一部を補助する。
対象者 県内で商用FCV対応の水素ステーションを運営する法人など 対象経費 運営費、土地賃借料など 補助額 補助対象経費から経済産業省補助金等を差し引いた額
新たに設置する水素ステーション:上限2000万円
既存の水素ステーション:上限1000万円予算額 5000万円 【参考】
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2025.05.08
長岡技科大発スタートアップ、新型風力発電「縦型リニアドライブ風車」実証
長岡技術科学大学発のスタートアップ・パンタレイ(新潟県長岡市)は4月24日、風力発電の新技術である「縦型リニアドライブ風車」の実証実験を長岡市寺泊水族博物館(同)にて開始した。世界5カ国の特許を取得した低騒音・高トルクを実現する技術で、都市部の商業施設やビルの屋上、住宅地などへの設置を想定した「地産地消型」の新しい風力発電システムの社会実装に向けて評価を行う。
3次元の縦渦を発生させ空気を力強く吸い込む新構造
同社が開発した「縦型リニアドライブ風車」は、従来の風車とは全く異なる原理で回転し発電を行う。
円柱状のプロペラと、その後流に設置されたリング状の平板により3次元構造の縦渦を発生させ、前方の空気を強力に吸い込む事で回転力を得る。この構造により、極めて低い低騒音を実現しながらも、高トルクを発生させることができるという。また、強風や突風に強く、台風並みの風速20mでも安定した回転を保ち、理論上は70mまで回転可能だ。技術的にはシンプルであるため、高強度の装置を安価に製造出来るという特長ももつ。
日本海側の厳しい高風速で実証
実証の地に選んだ長岡市寺泊水族博物館は、日本海に面しており、冬場は厳しい高風速の環境。今回この環境のもと、安心安全に発電可能であることを実証し、長時間の可動で部品の脱落、共振の有無、異常な発熱、温度安定性、及び安定した風力発電の取り出し能力を社会実装に向けて評価する。
強風・突風に強く、低騒音を実現した新型風力発電
同社は、2050年までに世界全体発電量のうち風力発電が占める割合が25%となると予測されている一方で、日本の風力発電の導入はいまだ数%と遅れが顕著であると指摘。国内における風力発電の潜在的需要は高いが、従来型の風車は、強風や突風に弱く、発電の際に生じる騒音が住民問題を起こすなど様々な技術的な課題があり、普及の障壁となっていると分析する。
今回、同社が実証を開始した「縦型リニアドライブ風車」は、強風や突風に強く、また低騒音が特徴で都市部や住宅地などへの設置も可能としており、一基あたりの発電量は小規模ながら、普及が進めば将来的に重要なエネルギー源となる可能性があるとみている。
レオロジー技術を基軸にして長岡技科大発のスタートアップ
パンタレイは、長岡技術科学大学発のスタートアップベンチャー企業。レオロジー(流動学)の技術を基軸に、革新的なテクノロジーの開発を進める。再生エネルギーの問題解決に向け開発した「縦型リニアドライブ風車」は、すでに日本、アメリカ、ドイツ、イギリス、オーストラリアの5カ国で特許を取得している。
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2025.05.07
エナリス、MRV支援システム運用へ 太陽光によるJ-クレジット創出を支援
エナリス(東京都千代田区)は4月24日、J-クレジットのモニタリング・報告・検証等の業務の効率化に資する「MRV支援システム」の実運用を2025年度に開始すると発表した。太陽光発電設備を導入する法人などに対してJークレジットの発行業務の効率化を支援する同社オリジナルのシステムで、環境省事業のMRV支援システム運営者の1社として採択されて開始する。
エナリスオリジナルの「MRV支援システム」
エナリスが運用するMRV支援システム「eneGX MRV’S(エネジーエックス マーブス)」は、ブロックチェーン技術と環境省が主導する実証への参画などを通じて得た知見をもとに構築したものだ。
このMRV支援システムは、「太陽光発電設備の導入(EN-R-002)」を対象としたJ-クレジットの検証に必要な一連の工程業務(測定・報告・検証から管理まで)の効率化を支援する。国のJ-クレジット登録簿システム等と連携しており、創出されたクレジットに関する情報をブロックチェーンに記録し、創出後のJ-クレジット情報の管理も行う。
エナリスは今後、審査機関との協議を経て、「eneGX MRV’S」をエナリスが登録するJ-クレジットプロジェクト「エナリスPV価値創出プロジェクト」に活用していく計画だ。
J-クレジットの創出と流通を支援へ
エナリスは、「eneGX MRV’S」の今後の展開に向けて、さらなる効率化を支援できるシステムへと機能拡充に取り組んでいく。また、国の検討結果を踏まえながら、「太陽光発電設備の導入(EN-R-002)」以外の方法論にも対応するシステムへの拡充を検討していく。将来的なJ-クレジットの事業の展開としては、J-クレジットの創出支援だけでなく販売・買取のサービスも充実させていく計画だ。
J-クレジットの創出に向けた課題を解決へ
J-クレジット制度は、温室効果ガスの排出削減量や吸収量を「クレジット」として国が認証する制度。「省エネ設備の導入」や「再生可能エネルギーの導入」など、温室効果ガス削減・吸収につながるさまざまな取り組みからJ-クレジットを創出することができる。
一方、J-クレジット制度におけるプロジェクト登録からクレジット取引までの各段階における手続は、人手の少ない中小企業や家庭にとっては、コストと時間がかかる上、自らの削減活動ではクレジット発行量が小さいため単独で参加することが難しいという課題がある。
そこで、環境省は2020年から、ブロックチェーンを活用したJ-クレジット創出プロセスのデジタル化について検討を進め、J-クレジット創出に向けた測定・報告等の一連の検証工程業務の効率化を支援、かつJ-クレジット登録簿システムと連携するシステム環境(MRV支援システム)の構築を目指してきた。
2024年度事業では、太陽光発電方法論を対象に、MRV支援システムの実運用に向けて、エナリス、富士通(神奈川県川崎市)、IHI(東京都江東区)、日立製作所(同・千代田区)、日本電気(NEC/東京都港区)の5社が採択され、J-クレジット登録簿システムと連携したMRV支援システム環境の構築に取り組んだ。
また、MRV支援システム運営者としてエナリスのほか、富士通、IHI、日立製作所の4社を採択している。
需要拡大が見込まれるJ-クレジット
2023年に東京証券取引所(東京都中央区)がカーボン・クレジット市場を設立、2025年3月には東京都が自治体初のカーボン・クレジット取引システムの運営を開始。さらに2026年度には排出量取引制度(GX-ETS)の開始が予定されるなど、企業が排出するCO2に価格をつけることにより、CO2排出を抑えるように誘導する「カーボンプライシング」の導入が拡大しつつある。こうした流れを受けて、今後特にJ-クレジットの需要が高まると想定されている。
なお、エナリスは、J-クレジット制度における方法論「太陽光設備の導入(EN-R-002)」では、次の条件のすべてを満たす場合にプロジェクト登録をすることができるとして、紹介している。
条件1:太陽光発電設備を設置すること。又は設置済みの太陽光発電設備に対して追加的な設備投資を実施すること
条件2:原則として、太陽光発電設備で発電した電力の全部又は一部を、自家消費すること
条件3:太陽光発電設備で発電した電力が、系統電力等を代替するものであること【参考】
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2025.05.06
佐賀市、廃食油を市の脱炭素化に活用 田中鉄工が企業版ふるさと納税で支援
田中鉄工(佐賀県基山町)は4月21日、佐賀県佐賀市に対し、「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」の寄付を行ったと発表した。佐賀市は企業版ふるさと納税を活用し、家庭などから発生する使用済み食用油のリサイクルの実施費用に充てる。
地産地消エネルギーとして廃食油を活用
同市は2016年12月に、清掃工場を核にごみ焼却由来のCO2を用いる「持続可能な脱炭素・資源循環まちづくりプロジェクト」を開始。食品ロス削減や未利用バイオマスの活用、再エネや未利用エネルギーの普及などを通じて、「廃棄物であったものがエネルギーや資源として価値を生み出しながら循環するまち」を目指している。
家庭系廃食油のリサイクルもこの一環であり、市内に設置された回収BOXは101カ所(2024年4月時点)に及ぶ。廃食油は佐賀市の清掃工場でバイオディーゼル燃料として精製して市内のごみ収集車や市営バスの燃料に活用している。
なお、このプロジェクトでは今後、脱炭素施策に対する市民の行動変容分析・効果測定、家庭系廃食油回収を軸とした脱炭素施策・啓蒙活動などを行う予定だ。
土浦市でも企業版ふるさと納税による取り組みを始動
田中鉄工は、地域の家庭や飲食店などから発生した廃食油を、アスファルト合材の製造に使用する重油代替燃料として、その地域の誰もが利用する道路や歩道に還元するスキームを構築。このスキームを官民一体型の取り組み、「Roa(d)cal SDGs Project」として、北海道小樽市や佐賀県多久市など全国各地で展開している。
このほか、気候変動対策では、4月16日、事業構想大学院大学(東京都港区)、茨城県土浦市と、土浦市域において新規事業創出と人材育成を目的とするプロジェクトを開始すると明かした。この取り組みでも、企業版ふるさと納税を活用する。
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2025.05.05
蓄電池・電力制御ソフトをセットで販売 村田製作所とGSユアサが連携
株式会社村田製作所と株式会社GSユアサは、それぞれ自社で販売する電力制御ソフト「efinnos(エフィノス)」と蓄電池システム「ラインバック メガグリッド」をセットで販売するパッケージを導入した。
ターゲットは、500kW以上の自家消費型太陽光発電システムを導入する工場や事業所。
日本企業2社による共同展開で迅速なサポートの提供などを強みとして打ち出し、自社製品の導入拡大を目指す。
efinnosとラインバック メガグリッドの性能
「efinnos」は、気象状況や諸条件によって変動する発電量と消費量をAIで予測し、必要な時に蓄電池に吸収した余剰電力を放電することで再生可能エネルギーの自家消費率向上とピークカットにつなげる制御ソフトだ。
リアルタイムで発電や蓄電の状況を確認することもできるという。
「ラインバック メガグリッド」は、単機の出力が500kW。2~16面まで接続でき、電池の定格容量を420kWhから最大3.3MWh程度まで増減できる。
需要家の設置スペースの広さや求める容量などに応じて、柔軟にニーズに対応できるという。
高品質な商品を求める需要家層に共通点
村田製作所の担当者は、今回GSユアサと連携した理由について、「競争力のある蓄電池を探していたなかで、GSユアサさんの製品は非常に安全性にも優れていてサポートも手厚い」と話しており、GSユアサとしても、高品質な製品を求める点で自社と村田製作所の需要家層が似通っていると考えていたという。
2024年秋から、両社はパッケージでの提供に向けた連携の動きを進めてきた。これまでに工場での導入実績が1件と、調整・検討中の案件が複数件あるとのこと。村田製作所の担当者は、「太陽光電力は、曇ったら出力が下がり、晴れたら上がると天気によって変動が大きい。消費電力も、生産規模や稼働率に応じて変動する。需要家の再生可能エネルギー比率を高め、日本全体のカーボンニュートラルにも貢献することを目指したい」とコメントした。
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2025.05.04
余剰電力活用にトレーサビリティ技術生かす アイグリッドと慶應大の共同研究
イ・グリッド・ソリューションズ(東京都千代田区)は4月30日、慶應義塾大学 未来光ネットワークオープン研究センター (山中 直明 特任教授)とともに、地域における余剰電力の発電場所や消費場所、その量を追跡する新サービス創出に向けた共同研究を開始すると発表した。仮想マッチングを実施し、再エネの付加価値を高める新たなビジネスモデルを探索する。
余剰電力にトレーサビリティを付与し特定
共同研究では、アイ・グリッドで蓄積した余剰電力のデータを活用し、発電場所と消費場所の紐づけを目指す。具体的には、アイ・グリッドの余剰電力にトレーサビリティを付与することで、余剰電力の発電・需要拠点の仮想マッチングを行う。これにより、同一企業の拠点間での余剰電力融通に加え、地域内の余剰電力循環によるエネルギーの地産地消を示すことができるようになるという。
このほかに、余剰電力含む再エネを最大限リアルタイムで消費するため、蓄電池やEVチャージャーを活用したエネルギー消費のタイムシフトに関する研究も行う。期間は2025年4月1日から2028年6月30日までの予定。
再エネ拡大により生じる系統負荷の増加、解決のカギは出力制御の最適化
2025年2月に「第7次エネルギー基本計画」が閣議決定され、2040年度におけるエネルギー需給の見通しが示された。このうち再エネは電源構成の4、5割程度とし、太陽光は23~29%程度に引き上げられた。今後は再エネ総量増に向け、追加性のある再エネ導入がさらに重要となる。一方で、再エネ導入拡大により、系統負荷増加による出力抑制といった課題が生じる。原因は電力を必要としている時間や場所と実際に発電される時間と場所の不一致にある。この問題解決に向け、両者は今回、共同研究に着手した。
アイ・グリッドは、PPAに関する独自のプラットフォームを開発。施設の屋根上に設置した太陽光パネルによる発電のうち自家消費し切れない電力を、他施設に供給する余剰電力循環スキームを生かした太陽光PPAサービスを提供している。
共同研究に参加する同研究センター長の山中教授は「EVNO(Energy Virtual Network Operator)」研究の第一人者として知られる。「EVNO」は、既存の電力網と各需要家が保有するエネルギーを結ぶ仮想発電所をつくり、送電を行う電力会社と電力配分を手がける事業会社に分けて管理するというもの。電力会社は消費者と発電者間の需要と供給に基づき、送配電システム上で特定の複数の発電源、需要家を最適にマッチング制御し、送配電コストのみを事業会社に支払う仕組みとなっている。
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2025.05.03
JTOWER、消費電力35%減の5G対応共用装置を整備 ららぽーと安城に
JTOWER(東京都港区)は4月25日、大型商業施設「三井ショッピングパーク ららぽーと安城」(愛知県安城市)において、インフラシェアリングを活用した4G・5Gの通信環境を整備し、新たに開発した共用装置を運用開始したと発表した。
消費電力を35%削減する独自開発の5G対応の新型共用装置で、今回が初めての運用。全4キャリアに対応しており、環境に配慮した建物内の電波環境整備に貢献する。
東京都庁などに導入した5G対応の共有装置、更に改良
同社は、自社の技術開発部門で、携帯キャリアの要求品質を踏まえた共用装置の開発を行っている。2020年に開発した5G対応共用装置は、同年に東京都庁が国内で初めて導入し、その後は累計133物件(2024年12月末時点)への導入実績を持つ。
今回導入したのは、さらに改良を重ね、開発をした新しい共用装置。5G Sub6帯域に対応しており、消費電力を約35%削減を実現するもので、今回が初めての運用となる。
新たな装置の導入では、携帯キャリアとの仕様検討・接続試験、携帯キャリア側での認証取得、携帯キャリアとの運用フロー構築などのプロセスを着実に経ることで、通信インフラの一端を担う高い通信品質を提供するという。
インフラシェアリングでネットワーク整備効率化や運用コスト削減
インフラシェアリングは、商業施設やオフィスビルなどにおける携帯電波環境整備において、携帯事業者が個別にアンテナを設置、配線、中継装置の設置など実施していたものを、共用設備を用いて一つにまとめて実施する方法。5G整備が積極的に進められる中、ネットワーク整備の効率化や、設備投資・運用コストの削減、環境配慮の観点から、インフラシェアリングを活用するケースが増えており、今後も市場拡大が見込まれる。
JTOWERは、通信インフラシェアリングの分野においては後発の日本において、世界最先端のインフラシェアリングの整備を目指し2012年に設立した。主な事業は、情報通信インフラの設計・構築、通信関連ソリューションの設計・開発、情報通信サービスの提供を展開している。
なお「三井ショッピングパーク ららぽーと安城」は、大型商業施設で、三井不動産(同・中央区)が2025年4月に開業した。
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2025.05.02
東大、フュージョンエネルギーの社会連携講座5月に開設 丸紅らが参画
東京大学は5月1日、丸紅(東京都千代田区)ら企業8社と共同で、「フュージョンシステム設計学」社会連携講座を開設する。丸紅のほかには、Starlight Engine(同・大田区)、京都フュージョニアリング(同)、電源開発(Jパワー/同・中央区)、フジクラ(同・江東区)、古河電気工業(同・千代田区)、日揮(神奈川県横浜市)、他1社が参加する。
フュージョンシステムに関する革新的技術の開発を目指す
フュージョンエネルギーとは、水素などの軽い原子核同士が高温・高圧下で融合して別の重い原子核に変わる際に発生する「核融合エネルギー」のこと。カーボンフリーな上、連鎖反応や爆発のリスク、高レベル放射性廃棄物がなく、脱炭素社会の実現とエネルギー安全保障の観点から早期の実用化が期待される。
近年は世界各地で発電実証に向けた競争が激化。日本においても内閣府主導の下、世界に先駆けて2030年代の発電実証の達成を目指し、Starlight Engineが推進するフュージョンエネルギー発電実証プロジェクト「FAST」などがすでに始まっている。
フュージョンプラントの構成は、閉じ込め方式、用途(試験、商用発電、RI製造、工業用熱源など)、規制法・規格に大きく左右されるが、現在これらの設計を支える学術体系、技術体系は未だ構築段階だという。今後は、フュージョンエネルギーに携わる次世代人材の戦略的な育成が求められる。
今回、東京大学らが開講する社会連携講座では、核融合研究の第一人者である同大学院新領域創成科学研究科の江尻 晶教授を担当教員とし、2025年4月1日に新設した同研究科附属フュージョンエネルギー学際研究センターとともに、フュージョンプラント設計に関する学術の基礎を築く。
また、フュージョンプラントを構成する以下の要素などについて産学連携で進める。
- フュージョンシステムの高度化に向けた革新技術の研究
- フュージョンエネルギーの多様な応用可能性の検討
- 法規制・規格基準の整備状況を踏まえた施設・機器の要件とその確立に関する検討
- そのほか、フュージョンエネルギーの実用化、社会実装にかかわる課題
今後は、現在フュージョンに関連する勉学を志している学生とともにフュージョンシステム設計に関する研究を推進し、これらの設計を支える学術体系および技術体系の整備と、フュージョンエネルギーの早期実現を目指す。またフュージョンエネルギー人材を育成し、産業界の発展に貢献していく。
【参考】
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