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2025.07.29
JPEA、「ソーラーウィーク」11月開催 太陽光発電優良モデル表彰も
太陽光発電協会(JPEA/東京都港区)は11月5日~12日にかけて、「ソーラーウィーク2025」を開催する。同イベントは太陽光発電の主力電源化に向け、事業者や自治体、需要家などの多くの関係者とともに克服すべき課題や解決策を議論するもので、期間中、「ソーラーウィーク大賞」表彰式やシンポジウム・セミナー・ワークショップなどが行われる。
太陽光利用拡大に向け、今後の課題や知見・ノウハウを共有
「ソーラーウィーク2025」は、第7次エネルギー基本計画の最終目標年である2040年に向けた課題解決の道筋を議論し、多くの関係者に太陽光発電の本当の良さ、将来のあるべき姿を理解してもらうことを目指している。太陽光発電をすでに導入している人だけでなく、今後取り組む人を含め、多くの参加者を募ることで、国と地域に大きな便益をもたらす自立した基幹エネルギーとなるためのきっかけとするのが狙いだ。
「ソーラーウィーク2025」概要
11月5日には、「ソーラーウィーク大賞」表彰式を実施。表彰者による簡単なプレゼンや審査員からのコメント発表を行う。
そのほかの主なイベントは以下の通り。
- 太陽光発電シンポジウム:政策・ビジネスなどの最新動向に関する講演・パネル討議を行う(11月5日、6日)
- セミナー・ワークショップ:これから住宅用や屋根設置などの太陽光発電に取り組む人向けの初心者向けセミナーや、太陽電池パネルのリサイクル推進などに関する各種セミナーの開催を予定している(11月10日~11月12日)
「ソーラーウィーク大賞」応募概要
同賞は、地域に貢献し他のモデルともなる太陽光発電の普及拡大に資する取り組みなどを表彰するもので、2023年に創設された。2025年度の公募エントリー期間は8月31日まで。大賞の結果公表は10月の予定。
応募資格は、対象となる事業・取り組みに関わる法人・組織(複数の法人・組織の共同申請も可)で、太陽光発電事業(普及拡大に資する取り組み・事業を含む)を実施する法人・組織が含まれることが要件。
2023年度は、ワタミオーガニックランド(岩手県陸前高田市)が、ぶどう栽培を行っている農地の上部空間を有効活用したソーラーシェアリング事業で、2024年度は、市民エネルギーちば(千葉県匝瑳市)が、ソーラーシェアリングによる市⺠共同発電所で、地域農業を支援する仕組みなどを構築した取り組みで大賞を受賞した。
参加申し込みは、JPEAのウェブサイトで後日開始する。
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2025.07.28
三井物産ら国内4社、米Heirloom社に出資 DAC技術開発に強み
三井物産(東京都千代田区)は12月5日、三菱商事(同)、商船三井(同・港区)、日本航空(JAL/同・品川区)とともに、DAC技術開発を手がける米企業Heirloom Carbon Technologiesに共同出資したと発表した。この出資は、Heirloomが1.5億ドル(約227億円)の資金調達を完了する一環として実施されたもの。
石灰石を活用し、低コストでCO2を除去
HeirloomのDAC技術は、従来の方法(アミン法)とは異なり、豊富で安価な石灰石を使い効率的にCO2除去する点に特徴がある。これにより、除去のプロセスをシンプルかつ大型化するとともに、低コスト化を実現する。
2023年11月には1年当たり1000トンを回収する米国初の商業プラントの稼働を開始。現在は米国エネルギー省の補助金(最大約910億円)の下、年間100万トンを除去する大規模プラント「Project Cypress」の開発を進めている。稼働開始は26年の予定。
このほか、同社では、回収したCO2をコンクリートや地下に半永久的に・安全に固定しカーボンクレジットを創出し、米Microsoftなど気候変動対策に取り組む企業向けに販売している。

Heirloom社のDACプロセス(出所:三菱商事) 国内各社、海外投資に注力
DAC技術開発推進に向けて、国内各社による海外投資が活発化している。
商船三井と三菱商事は2023年7月、日本企業として初めてHeirloomに参画した。今後は同社が開発中のDAC後続案件への直接参画についても検討する方針だ。
JALは大気中のCO2除去を通じて創出されるカーボンクレジットを活用するなど、脱炭素手法の多角化を検討中だ。DAC以外では、海水を活用したネガティブエミッション技術の一つである「DOC技術」に強みを持つ米国ベンチャー企業のCaptura社にも出資している。
三井物産は、今後仮に世界全体がCO2削減に向けて最大限の努力をしたとしても、年間20億~100億トンのCO2は削減できないという試算を紹介しながら、DAC技術の早期商業化と社会実装の必要性を説く。今回の出資を機に同社との関係を強化し、DACを世界各地で推進中の他事業と組み合わせ、カーボンマネジメント産業を創造していきたい考えだ。
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2025.07.27
ENEOSリニューアブル、東芝系2社とコーポレートPPA 九州再エネ活用
NEOSリニューアブル・エナジー(ERE/東京都港区)と豊前東芝エレクトロニクス(豊前東芝/福岡県豊前市)および東芝エネルギーシステムズ(東芝ESS/神奈川県川崎市)の3社は7月8日、豊前東芝向け環境価値の供給に関するコーポレートPPAを締結した。これにより豊前東芝は、年間約955tのGHG排出削減を見込む。
九州の太陽光電力を活用、年間229万kWhを売電
この取り組みでは、EREが運営する九州エリアの出力約1910kW太陽光発電所から発電される再エネ由来の電力と環境価値を、東芝ESSが調達。年間約229万kWhの電力を日本卸電力取引所で売電し、東芝グループの豊前東芝に対し、バーチャルPPAを通じて環境価値を供給する。

スキーム図(出所:ENEOSリニューアブル・エナジー) 東芝グループの脱炭素ビジョン実現へ
豊前東芝は、東芝デバイス&ストレージの製造グループ会社として半導体およびHDD(ハードディスク)事業を担う。グループが掲げる「2030年度までに製造拠点の温室効果ガス排出量100%削減」という目標の実現に向けて、今回の取り組みを導入した。今後も再エネ導入手法の多様化・ベストミックスを進めていく方針だ。
EREは2012年に設立された再エネ発電事業者で、120カ所以上の発電所(太陽光・風力・バイオマス)を運営または建設し、PPAモデルを中心に再エネの普及と脱炭素社会の実現を目指している。
再エネアグリゲーターである東芝ESSは、エネルギー機器メーカーとしてのノウハウとデジタル技術を融合させ、安定的かつ効率的な再エネ電力システムの構築に取り組んでいる。
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2025.07.26
国内初、「太陽光発電併設型」蓄電池導入ファンド組成 みずほ証券ら
みずほ証券(東京都千代田区)は7月15日、九電グループのニシム電子工業(福岡県福岡市)、ブルースカイソーラー(東京都港区)およびブルースカイアセットマネジメント(同)と、国内初の太陽光発電併設型大規模蓄電池導入ファンドを組成すると発表した。ファンドを通じて、蓄電池の効率的な導入とFIP制度への移行を促し、採算性を確保する。
2026年3月までに九州内の太陽光発電所4施設に蓄電池設置へ
今回のファンド組成は、経済産業省の「再生可能エネルギー電源併設型蓄電システム導入支援事業」に採択されたことを受けて行われる。
今後は、2026年3月をめどに大分県・鹿児島県の太陽光発電所4施設内に蓄電池を設置し、日中など出力制御が行われている時間帯に発電した電気を蓄電池に充電し、夜間など電力供給量の少ない時間帯に供給することで、再エネ利用の最大化を図る。発電所は出力約8MW、容量は約30MWh。

(出所:みずほ証券) 同プロジェクトにおいて、みずほ証券はファンド組成、投資家・レンダーの招聘を担う。ニシム電子工業は、パワーエックス(東京都港区)との連携による太陽光発電併設型蓄電池パッケージの提供とともに、自社提供中のエネルギーマネジメントシステム「TAMERBA EMS」を活用し、新設する蓄電池への充電・放電などのエネルギー制御を行う。ブルースカイソーラーは蓄電池の設置工事や発電設備の保守管理を、ブルースカイアセットマネジメントはアセットマネジメント業務を担当する。

運用体制(出所:みずほ証券) 再エネの出力制御、特に九州エリアで増加
現在、既存の電力系統では、再エネの普及拡大を背景に、送電容量が不足し太陽光発電設備への出力制御が急増している。特に、深刻な地域が九州電力管内で、同エリアでは出力制御の割合が高く、再エネの発電機会が減少しているという。
みずほ証券は、同事業の参画を通じて、太陽光発電所への蓄電池導入を促進し、九州エリアだけでなく日本社会全体での再エネの有効活用に貢献していく。
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2025.07.25
次世代型太陽電池普及へ、神奈川県5つの実証事業実施 PXPらが採択
神奈川県は7月18日、ペロブスカイト太陽電池などの次世代型太陽電池の早期普及に向け、県内各地で実施予定の事業5件を採択したと明かした。PXP(神奈川県川崎市)は相模原市イノベーション創出促進拠点の窓や壁面などに、同社開発のカルコパイライト太陽電池を設置する。
PXP・日産自動車・マクニカ・神奈川県中央交通・ベイサンの事業を採択
PXPの取り組みは、日揮(神奈川県横浜市)、東海旅客鉄道(JR東海/愛知県名古屋市)および相模原市と共同で実施するもの。実証を行う相模原市イノベーション創出促進拠点「FUN+TECH LABO」(ファンタステックラボ)」では、新技術などの実証・実装が進められており、今回、カルコパイライト太陽電池を使って、窓や壁面などのこれまで設置が困難だった場所への設置や年間を通じた発電量の違いを検証する。
実証において、PXPはソーラーパネルの設計・製造、データ解析・点検などを担当する。日揮はシステムの施工手配を、JR東海は実証場所の提供や相模原市とともに普及啓発に向けた活動を展開する。
日産、PXP社製次世代型太陽電池を販売店に設置
日産自動車(神奈川県横浜市)は10月から、PXPが開発中の次世代型太陽電池を日産販売店に設置し、環境配慮型店舗導入や発電電力の活用方法に関する実証を行う。
実証では、次世代型太陽電池を店舗の窓や屋外の円柱部分に設置。発電した電力は発電量などのデータを分析しながら、店内ディスプレイやスマホ充電器、自動販売機の作動電力に利用するという。また、取り組みの成果は見える化し、来場者や県民、事業者に広く周知する。

実証が行われる日産店舗「R1東戸塚店」(出所:日産自動車) 神奈川県中央交通は路線バスを使った実証
神奈川県中央交通(神奈川県平塚市)は、燃費の向上と環境負荷の低減を目的に、次世代型太陽電池搭載の路線バスによる実証実験を平塚営業所管内で行う。実証は10〜11月をめどに開始し、PXPが取り組みを支援する。

(出所:神奈川県中央交通) これらの取り組みは、「神奈川県次世代型太陽電池普及促進事業費補助金」の対象事業に採択されたことを受けて実施するもの。3社のほかには、「神奈川県総合防災センター」などを利用したベイサン(神奈川県横浜市)の実証、「箱根湯本」駅・「早雲山」駅で行うマクニカ(同)の取り組みが選出された。
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2025.07.24
YKK APら、都内ビルでペロブスカイト活用建材一体型太陽光発電
YKK AP(東京都千代田区)は8月5日から、関電工(同・港区)、東京テレポートセンター(同・江東区)、東芝エネルギーシステム(神奈川県川崎市)と共同で、ペロブスカイト太陽電池を活用した建材一体型太陽光発電(BIPV)内窓の実装検証を開始する。検証を通じて、次世代型ソーラーセルの実用化に向けた技術開発を推進していく。
既存ビルでの実装を見据えた検証、期間は半年間
東京都港湾局は、「臨海副都心カーボンニュートラル戦略」に基づき、先駆的な脱炭素化に取り組んでいる。今回の取り組みもこの一環である。
実施場所は、臨海副都心青海地区のテレコムセンタービル室内。既存ビルでの実装を見据え、フィルム型モジュールの次世代型ソーラーセル計10枚を設置し、内窓設置における発電性能や熱線反射ガラス越しでの実用性などを検証する。次世代型ソーラーセルの大きさは、約110cm×約30cm、約90cm×約30cm。
この取り組みにおいて、YKK APは、全体設備構成検討に加え、発電内窓の開発や据付、性能の分析・評価などを担当する。
そのほか各者の主な役割は次の通り。
- 東芝エネルギーシステムズ:次世代型ソーラーセルの提供、発電継続性検証、分析・評価
- 関電工:電気システムの実証、分析・評価リスト2
- 東京テレポートセンター:既存ビルへの次世代型ソーラーセル導入に向けた技術的支援
- 港湾局:企画・調整、本事業の発信
期間は、2025年8月5日から2026年1月20日までの予定。

実施場所(出所:YKK AP) ペロブスカイトBIPV実用化に向け、実証を重ねるYKK AP
YKK APは、窓や壁面を活用する建材一体型太陽光発電の開発を進めており、2024年には秋葉原で実証実験ハウスによる実証を、2025年2月には札幌で雪国での実験を実施している。5月29日には、ペロブスカイト太陽電池開発を支援する助成事業にも採択されたほか、6月18日には、静岡県と共同で、静岡県事業として初めてとなるガラス型ペロブスカイト太陽電池による導入実証を開始した。
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2025.07.23
ERE、低圧バルクスキームでウエストESと協業 東北で計5MW開発へ
ENEOSリニューアブル・エナジー(ERE/東京都港区)とウエストエネルギーソリューション(ウエストES/広島県広島市)は7月16日、東北エリアで複数の発電所を同時に開発する「バルクスキーム」の取り組みを開始すると発表した。
ウエストESが、合計設備容量が5MW規模となる50件の太陽光発電所を建設し、EREグループに引き渡す。
大規模適地が減少、バルクスキームで容量確保へ
国内において、大規模な太陽光発電所の適地は減少しつつある中、両社は連携し、複数の発電所を同時並行的に開発・建設するバルクスキームで、効率的に大規模な発電容量の確保を狙う。
EREは、日本各地でバルクスキームを活用した同様の手法の太陽光発電所開発を進めてきた。2024年には、WAKO(広島県広島市)、ALLアセットパートナーズ(AAP/同)と中国・四国エリアにおいてバルクスキームでの高圧太陽光発電所の開発で協業を開始。同年12月にはH.Eエナジー(北海道札幌市)と、東北エリアで出力5MWの低圧太陽光発電所開発を進めると明かした。
中部エリアにおいても2025年5月8日にエクソル(東京都港区)との協業を発表し、エクソルが2026年までに50件の低圧太陽光発電所を順次建設し、EREが譲り受け2026年中にすべての発電所を運転開始する予定だという。
低圧太陽光発電所開発にも注力するウエストES
ウエストホールディングスの子会社であるウエストESは、発電所開発におけるEPC事業者として低圧太陽光発電所開発にも注力している。
EREは、ENEOSグループの再エネ発電事業を担う企業で、発電所開発のほか蓄電池活用やコーポレートPPAによる売電事業を手がける。PPAでは、西日本旅客鉄道(JR西日本/大阪府大阪市)や関西電力(同)と協業中だ。
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2025.07.22
再エネ導入で循環経済と脱炭素化を同時に実現 日立の新事業が本格始動
日立製作所(東京都港区)は7月10日、北海道エコリサイクルシステム(HERS/北海道苫小牧市)と、サーキュラーエコノミー(CE)とカーボンニュートラル(CN)を同時に実現する取り組みを本格始動したと発表した。再エネ電力・太陽光発電設備の導入により、CEとCNのトレードオフ解消を目指す。
再エネ調達に加え、自社倉庫屋上に太陽光設置
リサイクル事業は、これまで工程におけるエネルギー消費の観点からCEとCNのトレードオフと捉えられるケースが多かった。
両社は今回、リサイクルプロセスに必要なエネルギーを再エネに転換する取り組みを開始する。HERSは2024年11月から、電力取引プラットフォームを活用した再エネ100%の電力調達を開始しているが、2025年10月をめどに、苫小牧市にある自社保有の倉庫棟の屋根に太陽光発電設備を導入する。この取り組みにより、CO2排出量は年間約800トン削減できる見込みだ。
日立は、これまで培ってきた制御・運用技術(OT)領域に関する知見やノウハウを活かし、導入設備やシステム設計や構築を担当する。
日立は、今回の取り組みを「CE×CN」のモデルケースと位置付けており、今後はほかのリサイクル事業者でも展開し、持続可能な資源利用の促進や資源効率の向上、リサイクルプロセスのカーボンニュートラルの支援を進めていく。さらには、製造業や流通業などさまざま業種を対象に、同社のDX推進ソリューション「Lumada」などを提供し、環境・幸福・経済価値が調和する『ハーモナイズドソサエティ』の実現を目指す考えだ。

両社が構築を目指す「CE×CN」先進モデルのイメージ(出所:日立製作所) HERSは、日立と三菱マテリアル(東京都千代田区)が1999年年に設立したリサイクル分野に特化した企業。使用済み家電やパソコン、事業用機器から鉄・非鉄金属、プラスチックなどの資源を回収・再資源化する事業を展開している。同社は今後も、リサイクル技術の高度化と設備の高機能化を図り、より高効率に資源を循環することで、CEとCNの実現に貢献していく。
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2025.07.21
PXPの次世代太陽光電池、神奈川県事業に採択 東京ガス・東プレと推進
スタートアップ企業のPXP(神奈川県相模原市)は7月16日、同社が開発を進める次世代太陽電池に関して、2つの事業が神奈川県の2025年度「神奈川県カーボンニュートラル研究開発プロジェクト推進事業」に採択されたと発表した。
1つは、東京ガス(東京都港区)と取り組む耐荷重の低い産業屋根でも設置可能なフィルム型次世代太陽電池の実用化に向けた開発。もう1つは、東プレ(同・中央区)と共同で提案した、低温物流向け次世代太陽電池システムの開発および実証。
低耐重のスレート屋根にカルコパイライト設置
東京ガスとは、1m2当たりの重さが1kg以下のフィルム型カルコパイライト太陽電池を、東京ガスの信頼性の高い施工法を組み合わせ、耐荷重が低いスレート屋根に設置する実証を行う。これまで設置が難しいとされてきた低耐重屋根への適用を図ることで、国内の太陽光発電導入量拡大につなげる狙いがあると見られる。
実証では、耐久性・安全性を確認しながら、太陽光パネルの性能を担う重要な要素であるパネル構造と施工法を確立させる。今後は検証結果を踏まえ、2026年度中のサービス化を目指す。

スレート屋根への設置に関する予備試験の様子(出所:東京ガス) 高断熱省エネ低温システムに、タンデム太陽電池活用
国内では、さまざまな分野でGHG排出量削減の取り組みが進んでいる。中でも、排出量が多い運輸部門の脱炭素化が課題となっている。
今回の東プレとの共同事業は、低温物流に焦点を当てた脱炭素化技術。カルコパイライト太陽電池とペロブスカイト太陽電池を重ねた「タンデム型」太陽電池を、高断熱省エネ低温システムと組み合わせ、低温物流の脱炭素化を加速させる。
この取り組みは2024年度にも行われており、年間を通した発電量の確認とともに、高温や火災、風圧、振動、摩耗などに対する安全性や耐久性などを確認した。205年度は、低温物流車による市街地走行の実証を行い、実環境での効果を確認する予定だ。
両社は、高断熱省エネ低温システム開発をさらに進め、クリーンエネルギー利用率の最大化を図る。

試作した低温物量GXシステム(出所:PXP)
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2025.07.20
バイオ炭を原料に下水からリンを回収し肥料生産 フジタらの実証施設完成
大和ハウス工業(大阪府大阪市)は7月15日、同社グループのフジタ(東京都渋谷区)らが建設を進めていた、リン吸着バイオ炭によるリン回収および炭素貯留技術実証研究の実証研究施設が完成したと発表した。同施設では、木質バイオマスガス化発電の副生炭や下水汚泥炭化物を原料に製造する「リン吸着バイオ炭」を用いて、脱水ろ液からリンを回収し、安定的かつ経済的な下水汚泥資源の肥料利用を図る技術を実証する。
多様な活用が期待できる「リン含有バイオ炭」を生産
同施設は、フジタ・住友重機械エンバイロメント(東京都品川区)・東北大学・国際農林水産業研究センター・福山市共同研究体が共同開発したもので、国土交通省の2023年度「補正下水道革新的技術実証事業(B-DASHプロジェクト)」に採択されたことを受けて実現した。
完成した実証施設は、リン回収建屋と炭化装置建屋の2棟で構成される。リン回収建屋では、製造したリン吸着バイオ炭を用いて、下水汚泥の脱水ろ液からリンを回収し、「リン含有バイオ炭」を生産する。炭化装置建屋では、汚泥炭化装置により、脱水汚泥を乾燥・炭化させ、リン吸着バイオ炭の原料としての実用性を検証する。
「リン含有バイオ炭」とは、肥料効果のほか、土壌改良や炭素貯留などの多様な機能を持つ炭のこと。汚泥処分費の縮減や土壌改良材兼肥料として活用することで収益改善などが見込まれる。また、汚泥消化設備を有さない自治体への適用が可能で、地域の未利用資源を使った新たな産業モデル創出も期待できる。
生産した肥料を農地に適用し、効果を検証
2024年度は、実証施設の整備や各装置の動作確認を実施した。2025年度は、季節変動が装置の性能や製品の品質に与える影響を評価する。また、生産した肥料を農地に適用し、作物の生育やGHG抑制効果なども検証する予定だ。
まずは備後圏域で展開、将来的には全国・世界での利用拡大を目指す
日本国内では、食料安全保障上の課題として、現在輸入に依存している肥料の国内資源への代替転換が求められている。中でも、下水資源には希少なリンが多く含まれるが、施設整備コストなどを理由に普及拡大には至っていない。
フジタらは今後、同実証研究をきっかけに派生する取り組みを、福山市を含めた備後圏域の7市2町で展開する。将来的には、成功モデルを日本全国や世界に拡大させたい考えだ。
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