IHI、太陽光発電の余剰電気で蒸気を生成、熱利用で再エネ地産地消を実証

IHI(東京都江東区)は9月20日、福島県相馬市とともに今年4月から相馬市下水処理場で実証運転を開始していた再生エネルギー(再エネ)熱利用システムが、安定的な運用が可能であることを実証したと発表した。

この再エネ熱利用システムは、太陽光発電所で従来廃棄されていた余剰の直流電力すべてを安価な投資で、カーボンフリー蒸気として利用するシステムで、IHIが開発したもの。日照条件により発電量が変動する太陽光発電のデメリットである余剰電力を無駄なく利用し、電力を低コストで柔軟に熱エネルギーに変換する技術(P2H:Power to Heat)を用いて構築した。

 

 

太陽光発電で発電した直流電力を、低コストの蓄熱式ボイラーでカーボンフリー蒸気に変換し蓄熱することができ、さらに、パワーコンディショナーの定格以上に発電した直流電力も逃さず蓄熱し効率よく熱利用することができるのが特長だという。

蓄電式電気ボイラー7台で、最大189kWを吸収

相馬市下水処理場では、年間で最大240kWの交流電力を使用しており、これに対して、 300kWの自家消費型の太陽光発電所と200kWのパワーコンディショナーを設置、最大200kWの交流電力の供給が可能だ。また、IHI検査計測が製造・販売する蓄熱式電気ボイラー「蒸気源」を7台設置し、最大189kW(1台あたり27kW)の直流電力を吸収できるシステムとした。

4月に開始した実証運転では、現在までに発電した電力すべてを有効利用し安定的に運用できることを確認した。具体的には、6月の電力利用実績は交流電力で23160kWh、直流電力で11860kWh。また、1日の電力利用状況の例として、一般的なシステムで利用可能な定格200kWを超え、最大で250kWの電力を利用できている時間帯があることがわかった。

 

2024年10月2日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

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