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2025.12.28
ライフ、首都圏9店に再エネ導入 東京ガスらとオフサイトPPA活用
東京ガス(東京都港区)は12月18日、東京ガスエンジニアリングソリューションズ(TGES/同)とともに、ライフコーポレーション(大阪府大阪市)が運営する首都圏の9店舗に対し、オフサイトPPAを活用した再エネ電力の供給を開始すると発表した。この取り組みにより、対象店舗の年間電力使用量の約18%が再エネ由来に転換され、CO2排出量は年間約1000t削減される見込みだ。
北関東の太陽光発電所11カ所で発電した再エネ電気を供給
この取り組みでは、東京ガスは、小売電気事業者として、北関東エリアの太陽光発電所11カ所(総出力約2.2MW)由来の電力と非化石証書を調達。販売代理店のTGESを通じて、再エネ電力を供給する。
再エネ供給対象9店舗のPPA想定電力使用量は年間2.5GWhで、不足分に関しては、東京ガスが自社の他の電源からの電力で賄う計画となっている。
J-クレジット償却などの取り組みも支援
今回の取り組みは、2025年7月にライフコーポレーションとTGESが締結した「CO2排出量削減の取組みの検討に関する覚書」に基づき実施される。
この覚書では、コーポレートPPAとともに、環境価値商材の調達およびその組み合わせ方の検討や、提供後のJ-クレジット償却に関する助言などを含めたコンサルティングサービスも含まれている。
再エネ発電によるGHG削減に注力するライフ
スーパーマーケットチェーンを運営するライフコーポレーションは、GHG排出量削減目標として、2030年までにスコープ1・2のCO2排出量を2013年比で50%削減するという目標を掲げる。
現在は、再エネ活用に重点を置き、店舗屋上への太陽光発電設備の設置を進め、計27店舗で再エネを創出している。また、小売業では日本最大規模となるバイオガス発電設備を導入。自社の食品加工工場で排出される食品残渣由来のバイオガスを燃料に発電を行い、年間約4380tの食品廃棄物削減を実現している。
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2025.12.27
EVをマンションの運営エネに活用 九電と日立ビルシステムがパッケージ化
九州電力(福岡県福岡市)と日立ビルシステム(東京都千代田区)は12月22日、電気自動車(EV)を活用したマンション向けエネルギーソリューションを共同で提供開始すると発表した。両社は業務提携契約を締結し、マンション入居者の快適なEV利用を推進するとともに、レジリエンス向上による災害に強い仕組みを提供する。
EVシェアリング・充電サービスとV2Xシステムを連携
九州電力が展開するマンション入居者専用のEVシェアリングサービス「weev(ウィーブ)」および集合住宅向けEV充電サービス「PRiEV(プライブ)」と、日立ビルシステムが提供するV2Xシステム「Hybrid-PCS」を組み合わせ、パッケージサービスとして提供していく。
九州電力の「PRiEV」は、集合住宅の各駐車区画に、個人専用のEV充電器を設置し、入居者が自宅でいつでも充電できる環境を提供するサービスだ。2023年1月からサービスの提供を開始し、 首都圏、関西圏(一部県のみ)、中部圏(一部県のみ)、九州の集合住宅において展開している。なお九州エリアでは、充電に再エネ電気が活用されている。
一方の日立ビルシステムが提供する「Hybrid-PCS」は、EVと住宅・ビル・電力網などの間で電力の相互供給を可能にするV2Xシステムで、停電時にもEVからの給電によりエレベーターなどのビル設備の継続利用を可能にする。2023年7月の提供開始以来、機能を更新してきた。
災害時でもエレベーター使用可能に マンションのレジリエンスを高めるサービス
今回、両社が連携して提供するパッケージサービスでは、「weev」のシェアリング車両と「Hybrid-PCS」を接続し、災害時や停電時にはシェアリング車両から、マンションのエレベーターなど共用部設備へ給電する。同時に、「PRiEV」を通じて、各入居者のEV保有率を上げ、入居者が個人所有するEVをシェアリング車両のバックアップとしても活用する。
また、「Hybrid-PCS」により、V2Xシステムおよびエレベーターなどのビル設備から生成されるデータを活用し、日立グループのデジタルサービス「HMAX for Buildings:BuilMirai(ビルミライ)」を通じて、省エネ化や居住者のウェルビーイングなども含めたビルメンテナンスの効率化につながる新しい価値提供も行っていく。
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2025.12.26
野村不動産新横浜ビル、オフサイトPPAで再エネ化 電気料金低減も両立
FPS(東京都港区)は12月22日、野村不動産プライベート投資法人(NPR/同)が保有する「野村不動産新横浜ビル」に、オフサイトPPAスキームにより、再エネ由来の電力を供給開始したと発表した。電力はシン・エナジー(兵庫県神戸市)が運営する太陽光発電所で発電された再エネを活用する。
市場連動型電力と完全固定型電力を併合した「ハイブリット電力メニュー」も併用し、同ビルの電気料金削減を図る。
オフサイトフィジカルPPAで再エネ化、ハイブリッド電力メニュー導入で電気料金削減
3社は10月24日に、オフサイトフィジカルコーポレートPPAを締結した。これにより、FPSがアグリゲーターとして導入支援を担い、同ビルに供給される電力の一部を追加性のある再エネ由来の電力に転換した。
使用する再エネは、シン・エナジーが運営する4カ所の太陽光発電所(千葉県印西市、同・野田市、東京都羽村市、神奈川県相模原市)で発電された電力で、4カ所の太陽光パネルの合計出力は約1700kW。
オフサイトフィジカルコーポレートPPAであるため、これらの再エネ電力のほか非化石証書も活用し、同ビルの年間消費電力量は一般家庭約1090世帯分の年間消費電力量に相当する約429万kWhが実質再エネ化された。これらの取り組みによるCO2排出量は、年間約1814tを見込む。
また、これらの再エネ調達のほか、ハイブリッド電力メニューを活用し、同ビルの電気料金を低減させる。この電力メニューは、負荷追随部分では電力先物市場を活用した完全固定メニューと日本卸電力取引所(JEPX)のスポット市場価格に連動する市場連動メニューの2つの料金体系を組み合わせた設計で運用される。市場価格下落により電気料金が削減されるメリットを享受するとともに、市場価格上昇による電気料金上昇リスクも一定程度は回避できる仕組みとなっている。
入居するテナントのニーズにも対応した環境負荷低減施策
なおNPRは、同ビルに入居する企業であるソシオネクスト(神奈川県横浜市)と協議の結果、今回の取り組みを開始した。ソシオネクストは「2050年までにスコープ1・2のカーボンニュートラル実現」を目標として掲げており、同社の使用電力の再エネ化へのニーズにも対応することになる。
NPRは今後も、所有物件に入居する企業や店舗などとの対話を通じ、不動産の運用を通じたサステナビリティ施策に取り組む。
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2025.12.25
フィルム型ペロブスカイト太陽電池普及拡大へ 積水化学と福岡市が連携強化
積水化学工業(東京都港区)は12月22日、フィルム型ペロブスカイト太陽電池の製品設計・製造・販売を担う積水ソーラーフィルム(大阪府大阪市)が、福岡市と「脱炭素社会の実現に向けた連携協定」を締結したと発表した。積水化学と福岡市は、これまでもフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証実験を重ねてきたが、今後は同市をフィールドとし、技術開発や実証をさらに進める。
公共施設へのペロブスカイト設置拡大や環境教育などで協業
積水化学工業と積水ソーラーフィルムは、都市部における大規模な再エネ設置の実現に向け、福岡市と連携し、「FGN(Fukuoka Growth Next)」屋上での防水材一体型施工や「香椎浜小学校」体育館屋根への導入など、公共施設を実証先としたフィルム型ペロブスカイト太陽電池の実証を進めてきた。
今後は、同協定に基づき、ペロブスカイト太陽電池の普及促進をはじめとする都市型地産地消創エネモデルの確立や市有施設などでの実証や率先的な導入など、地球温暖化対策に関する新技術の実装に向けた取り組み、環境エネルギー教育を通じた脱炭素への理解促進や啓発に向けた活動を展開する。
まずは市内小中学校3校に同太陽光電池を設置
直近の取り組みとしては、福岡市内の市内小中学校3校(「高宮中学校」「老司小学校」「原西小学校」)の体育館屋根に、同太陽電池を設置し、有効性を検証する。設置面積は合計約265m2、出力は合計約25kW。
建物外壁設置向けの改良工法を開発
積水化学グループ2社は現在、NTTデータ(東京都江東区)、日軽エンジニアリング(同・港区)と共同で、同太陽電池を建物外壁に設置するための改良工法開発を進めている。
新工法は、「NTT品川TWINS」DATA棟外壁で行ってきた設置実証で得られた知見や課題を基に考案したもの。アルミ押出形材を用いた固定金物を採用し、大量生産と軽量性を両立している。また、壁面施工時に発生しやすいフィルム型太陽電池の「しわ・よれ」を容易に調整し、意匠性を確保するという。
積水化学グループは今後、同工法のさらなる検証とともに、今回の協定に基づく実装および実証を進め、同太陽電池の社会実装を加速させるとしている。
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2025.12.24
川崎重工系、「電気式気動車」開発 将来的には水素転用も可能に
川崎重工業(東京都港区)は12月19日、グループ会社の川崎車両(同)が、新型の鉄道車両「GreenDEC(グリーンデック)」を開発したと発表した。同車両は、ディーゼル機関で発電し、電気でモーターを動かす「電気式気動車」仕様。将来的には、部品交換により、水素転用も可能になるという。
従来ディーゼル車両と比べて、メンテナンス作業軽減・コスト減
「GreenDEC」は、一般的な電車と共用できる部品が多い点に特徴がある。モーターやインバーター、歯車減速機などの機器の交換部品が入手しやすくなり、メンテナンス作業が軽減される。これにより、維持コストの抑制にもつながるという。
また、同車両は、鉄道分野のカーボンニュートラル実現に寄与する新たな気動車と位置付けられており、将来の水素駆動機関などの採用や交換の発展性を見据えた構造やレイアウトが導入されている。
車体サイズは、長さ18m、幅2.8m。設計上の最高速度は時速95km。
2026年春、運行開始の予定
天竜浜名湖線を運営する「天竜浜名湖鉄道」(静岡県浜松市)と、甘木線を運営する「甘木鉄道」(福岡県朝倉市)が受注済みで、2026年春のダイヤ改正から営業運転を開始する予定。運行時には、各地域に合わせたデザインが施される。
非電化鉄道における環境負荷低減に向けて
国交省によると、日本国内の非電化路線は鉄道路線全体の約3割を占める。非電化鉄道を運行中の気動車は、ディーゼル機関と液体変速機を組み合わせた車両が多く、また近年はこれら気動車の老朽化に加え、液体変速機などが入手困難な状況にあり、非電化鉄道の環境負荷低減が求められている。
こうした中、国交省は9月、2040年を見据えた鉄道分野のGXに関する目標を設定。2030年度までに水素車両の運転開始や水素車両の製作を進める方針を示している。
【参考】
・国土交通省―「鉄道分野のGXに関する基本的考え方」を公表します
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2025.12.23
新たな蓄電池製造モデル「Swiftfab」始動 日立ら共同事業体設立へ
日立製作所(東京都千代田区)は12月18日、蓄電池製造設備産業の強化を目指す共同事業体「Swiftfab Energy Systems(仮称)」(同・港区)を設立すると発表した。このプロジェクトには、同社を含め一般社団法人 電池サプライチェーン協議会(BASC/同・中央区)に加盟する9社が参加。蓄電池設備産業の構造変革に向け、日本の蓄電池産業の国際競争力向上を図る。
建屋や生産装置を一体開発、蓄電池製造ラインを共同展開
今回設立する共同体は、日本国内の安定供給体制強化に向け、産業横断型のこれまでにない製造プラットフォームを構築するという画期的な取り組みとなる。設計から生産に至るプロセス全体を最適化し、圧倒的な短期間・低コストで、高品質を高次元で両立する電池製造拠点の提供を目指す。
具体的には、建屋・設備・生産装置・システムを一体で設計・開発するとともに、蓄電池製造ラインとして統合したソリューションを共同で構築・展開する。
日立、AIを活用した「HMAX Industry」を提供
日立製作所 コネクティブインダストリーズ(CI)セクターは、先進AIを活用したデジタルサービス「HMAX Industry」を、蓄電池などの成長産業へ水平展開する「Integrated Industry Automation」に注力している。これらの知見やノウハウを基に、同プロジェクトにおいても、中心的な役割を果たす。
共同事業体の設立後には、参画企業と共同で蓄電池製造工程のデジタルツイン実現のコアとなるシミュレーション技術を開発し、設計段階のリードタイム短縮や生産立ち上げ後の調整期間を短縮させるとしている。
また、プロジェクトで得られた成果は、BASC会員企業間で共有することで、共創型産業インフラとしての拡張を図り、国内製造設備産業の強靭化と日本発の競争力ある産業モデルの構築につなげたい考えだ。
日立製作所とともに同プロジェクトに参加するのは、西部技研(福岡県古賀市)、コマツNTC(富山県南砺市)、東伸(神奈川県秦野市)、豊電子工業(愛知県刈谷市)、ジェイテクト(同)、リコーエレメックス(同・豊田市)、平田機工(熊本県熊本市)、大気社(東京都新宿区)の8社。
蓄電池分野に関するケイパビリティで、国内蓄電池製造の課題解決へ
蓄電池製造は、工程が精密かつ複雑で、高い品質管理が求められる。装置ごとにサプライヤー・仕様が異なる場合では、生産ラインの各装置や建屋間の連係時のすり合わせに多大なコスト・時間を要し、案件ごとに材料や生産量などの諸条件が異なるケースでは、生産ラインの安定化までの調整期間が長期化する傾向にある。
日立製作所は、インフォマティクスを活用した材料開発や蓄電池製造の異物検査、ロボットを活用したラインビルディングなど、さまざまなプロダクト・設備、ソリューションとドメインナレッジを提供している。こうした蓄電池製造に関連する豊富なケイパビリティを活かし、蓄電池製造に伴う課題解決を目指している。
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2025.12.22
日立建機と九電、可搬式充電設備を活用した災害対策の実証 有効性確認
日立建機(東京都台東区)は6月12日、九州電力(福岡県福岡市)と、可搬式充電設備を活用した災害ソリューション構築のための実証試験を実施したと発表した。災害発生直後の初動対応において、可搬式充電設備が有効であることを確認した。
照明や医療機器の稼働に必要な電力を供給
日立建機と九州電力は、施工現場で稼働する電動建機などへの電力供給を目的に、可搬式充電設備を共同開発し、2024年9月から日本国内で販売を開始している。この可搬式充電設備は、災害時の非常用電源向けに開発されたものだが、平常時はEVの充電としても活用できる。
今回の実証は、熊本赤十字病院の協力を得て、災害時を想定して実施された。具体的には、可搬式充電設備1台を用いて、特殊医療救護車両「DISASTER RESCUE(ディザスター レスキュー)」内の照明や医療機器に電力を供給した。その結果、正常に作動することや、供給された電力により照明と医療機器を約7日間連続で使用できることを確認した。
災害発生直後の初動対応では、可搬式充電設備1台で十分な電力供給を行えると、日立建機は説明する。より多くの電力が必要な場合は、可搬式充電設備を複数台組み合わせることで対応可能だという。
日常と災害時を区別しない「フェーズフリー」という考え方
日本国内では、2011年の東日本大震災などの経験から、平常時・災害時を問わず活用できる「フェーズフリー」の考え方が浸透しつつある。熊本赤十字病院と九州電力総合研究所は、災害対応におけるリチウムイオン電源装置の有効性に関する実証試験に加え、国内・海外の救援活動において、同装置を用いた救援活動を展開している。
日立建機と九州電力は今後も、販売ネットワークやエネルギーマネジメント技術や災害救援機材の開発力などを生かし、災害時支援の高度化を図っていく。
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2025.12.21
東京ガスら、住宅の窓や壁にフィルム型ペロブスカイト設置 都実証事業の一環
東京ガス(東京都港区)は12月16日、飯田グループホールディングス(同・武蔵野市)、マクニカ(神奈川県横浜市)、麗光(京都府京都市)と共同で取り組む、住宅施設におけるフィルム型ペロブスカイト太陽電池の導入実証が、東京都の事業に採択されたと発表した。建物の壁面やバルコニーに次世代太陽電池を設置し、施工性・発電性能を評価する。
場所ごとに発電性能や施工方法の信頼性を評価
同実証は、2026年1月から12月までの約1年間、飯田GHDが提供する日野市のモデルハウスを使って行う。マクニカと麗光が開発・製造するAirソーラーを、東京ガスが開発する施工方法にて、垂直壁面(擬似壁面)・バルコニー・室内壁・窓に設置。場所ごとの発電性能の評価、施工方法の信頼性を評価する。窓での検証では、接着工法・窓枠固定工法を検証するという。
取り組みにおいて、全体統括や現地施工を担う東京ガスは、これまでの太陽光発電に関する研究や事業で培ってきた施工・解析技術を実証に転用する。
マクニカは、これまでのペロブスカイト太陽電池に関する実証事業で培った豊富なノウハウを活かし、技術力を提供 。飯田GHDは、実証フィールド提供を、麗光はAirソーラー製造を担う。
次世代太陽電池の実証費用を助成する「Airソーラー社会実装推進事業」
「第7次エネルギー基本計画」では、再エネの主力電源化と最大限の導入が掲げられ、2040年の電源構成に占める太陽光発電の割合を23~29%とする方針が示された。
都は、2035年までに都内に太陽光発電設備を350万キロワット導入するという政策目標を設定。電力のHTT「(H)へらす・(T)つくる・(T)ためる」をキーワードに、脱炭素社会の実現とエネルギーの安定確保に向けた取り組みを推進する。その1つとして、「薄く、軽く、曲がる」という特徴を持った日本生まれの太陽電池を「Airソーラー」と命名し、実用化を目指す開発事業者に対し実証費用の一部を助成する「Airソーラー社会実装推進事業」を実施している。今回の東京ガスの取り組みもこの一環である。
同推進事業は、Airソーラーの早期実用化に向け、開発事業者が実施する実証事業の経費の一部を助成することで、社会実装の加速化を図ることが目的。
要件として、都の地域特性を踏まえ、都内でのAirソーラーの普及に向けた課題抽出及び効果検証を行うものであることや助成対象事業の成果を都内で活用することなどが求められる。助成額は最大4000万円(予算は1億2000万円)で、申請総額が予算額に達した時点で申し込みは終了となる。
東京ガスらは今後、同実証を通じて、住宅におけるAirソーラーの社会実装を加速し、日本政府が掲げる「2050年カーボンニュートラル」の実現に貢献していきたい考えだ。
【参考】
・東京都―東京都、Airソーラー開発支援の対象事業者を採択しました!
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2025.12.20
70MW分のオフサイトPPAで東急グループに電力供給 東急が2社と協業
グローバル・インフラ・マネジメント(東京都千代田区)、東急(同・渋谷区)、クリーンエナジーコネクト(同・千代田区)は12月17日、東急グループ向け70MW分のオフサイトコーポレートPPAサービスに関する共同事業を開始すると発表した。
3社共同出資による発電合同会社が非FIT低圧太陽光発電所で発電した電力を東急グループの各施設に供給する。2026年3月から2027年度末にかけて順次供給を開始する。
東急グループの約8%相当の電力を供給
今回の取り組みでは、発電合同会社が国内にて約70MW-DCの非FIT低圧太陽光発電所を約800カ所開発・運営し、東急グループの小売電気事業者である東急パワーサプライ(東京都世田谷区)を通じて各施設に供給する。電力供給量は、年間7300万kWhを予定しており、これは東急グループ全体の年間使用電力量の約8%に相当する。
東急は9月に策定した「環境ビジョン2040」において、「環境と調和する街」の実現を目指して環境目標を更新・新設し、2050年までに「再エネ比率100%」という目標を掲げている。その達成に向け、アクション11にて「再エネを創る」を推進している。今回の取り組みはその具体的施策の一つとなる。
3社の知見を活かして連携
今回の取り組みは、異なる立ち位置と強みを持った3社が共同事業として参画し、それぞれの知見を活かして連携することで相乗効果を発揮することを狙いとしている。
グローバル・インフラ・マネジメントは、国管理空港初の民間運営事業である仙台空港特定運営事業で協働する、当時の東京急行電鉄と前田建設工業(東京都千代田区)により、設立された。インフラ投資への豊富な知見を有している。今回の共同事業について、脱炭素社会の実現に向けた重要なモデルケースとして大きな意義を持つと考えている。
クリーンエナジーコネクトは、オフサイトコーポレートPPAサービスをはじめとする脱炭素ソリューションを提供している。発電所の開発・運営とオフサイトコーポレートPPAサービスの提供のノウハウと実績(2025年11月現在2500カ所)を有する。これまでに、Amazon(アメリカ)、第一生命保険(東京都千代田区)、NTTドコモ(同)などNTTグループ、スギホールディング(愛知県大府市)、Google(アメリカ)、三菱地所(東京都千代田区)、千葉大学などと、顧客専用の太陽光発電所による生グリーン電力と環境価値の提供についてオフサイトコーポレートPPAサービスなどの長期契約を締結している。
12月5日には、オフサイトコーポレートPPAのプロジェクトにおける25MW-DCの非FIT低圧太陽光発電所の開発のため、横浜銀行(神奈川県横浜市)、山陰合同銀行(島根県松江市)、脱炭素化支援機構(JICN)から、プロジェクトファイナンスにより総額36.7億円の資金調達を実施したことを報告している。これにより、累計資金調達額は611億円になる。
東急は、電力小売り事業やインフラ運営への知見を有する。今後も様々なステークホルダーとの連携を通じて、グループの脱炭素化に向けた取り組みを推進していくとしている。
東急グループの東急建設(東京都渋谷区)は、クリーンエナジーコネクトと連携し、2024年にオフサイトPPA事業に参入している。また、東急建設はスタートアップを対象とした投資ファンドを通じてクリーンエナジーコネクトに出資している。
再生可能エネルギーを活用したオフサイトコーポレートPPAサービスは、需要家が長期的かつ安定的に再エネを調達できる手法として、また、再エネ発電総量増加に直接寄与する「追加性」のある取り組みとしても注目されている。分散型電源を活用するモデルは、環境負荷の低減や地域との共生にも貢献することが期待されている。なお、非FIT(Non-FIT)とは、FIT(固定価格買取制度)を利用しない太陽光発電の売電方式をいう。
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2025.12.19
大阪・関西万博の太陽光パネルをリユース 発電実証 DOWAエコシステムら
DOWAエコシステム(東京都千代田区)は12月16日、同社の子会社で金属や太陽光パネルリサイクル事業を手がける相双スマートエコカンパニー(相双SEC/福島県大熊町)の敷地内において、大阪・関西万博で使用した太陽光パネルなどを用いた発電試験を開始したと発表した。太陽光パネルの撤去・解体から性能検査、リユース・リサイクルまでを同社グループが一元的に行う「リユースPV発電事業」のモデル構築を目指す。
太陽光パネルのライフサイクル全体を通じ環境負荷低減・資源の有効活用を目指す
この実証には、UPDATER(東京都世田谷区)も開発企画・施工管理などで参画する。
11月より開始された相双SECにおける発電試験では、発電状況などのデータを新品の太陽光パネルと比較し、リユースパネルの実用性を検証する。製造年代や機種ごとの差異も把握し、より効率的なリユースパネルの活用を目指す。
モデル構築目指す「リユースPV発電事業」
DOWAグループが目指す「リユースPV発電事業」のモデル構築は以下のような手順で行われる。
まず、DOWAエコシステムの子会社であるジオテクノス(東京都墨田区)が使用済み太陽光パネルを撤去・収集し運搬。相双SECが、複数の調達ルートから使用済みの太陽光パネルを受け入れ、リユース可否を判断するための検査を実施。 検査を通過したパネルを相双SEC工場敷地内に設置し、発電試験に取り組み、これにより発電した電力を自家消費または売電するほか、将来的にはグループ企業での活用も検討する。
また、検査により再利用できないと判断された太陽光パネルは、同社が鉄や鋼、アルミなどの有用な金属を回収し、マテリアルリサイクルすることで工業製品の原材料として活用するなど、循環させていく。
協業するUPDATER、プロジェクト管理サービス提供などで参画
UPDATERは、開発企画・施工管理などで同事業に参画し、全般的なプロジェクト管理サービスを提供する。また、今回の発電試験に一部、リユース太陽光パネルを納入した。同社は、これまでリユース太陽光パネルを活用した発電事業を積極的に展開してきた。
国産のリユースパネルのみで都内廃校屋上プールで発電
10月に完成した都市型発電所「じりじりリユース発電所」(東京都世田谷区)では、世田谷区の廃校を利用した施設に、「HOME/WORK VILLAGE(旧池尻中学校)」屋上プール跡地に首都圏商業施設で使用されたリユース国産パネルのみを整備した。これにより発電された再エネ電気は、同区民が優先的に購入できる個人向けクラウド型発電サービス「ピーパ」(月額サブスクリプション)にて提供している。
国際的な規模でリユースパネルの循環モデル構築を目指す
UPDATERは、今回の協業による取り組みを皮切りに、回収・検査・選別・再利用・設置までを一体化したリユースパネルの循環モデルを、全国の自治体・企業との連携を通じて展開していく。また、同社は日本で使用された太陽光パネルをアフリカ・タンザニアで活用し、現地の農作物加工などを支援し地域経済の自立を目指す「Pole Solar」事業も手がけており、この支援事業とも連携し、日本発の国際循環モデル確立も目指す方針だ。
大阪・関西万博での太陽光パネルも活用、福島県や県内企業とも連携
今回の発電試験には、大和ハウス工業(大阪府大阪市)の提供・協賛で大阪・関西万博のシャトルバスターミナルにおいて実際に使用されていた太陽光パネルも納入された。これらのパネルはジオテクノスが、大阪・関西万博の会期終了後に撤去し、相双SECへ運搬した。
このほかにも、DOWAエコシステムは福島県および福島県内企業とも連携し、複数のルートから太陽光パネルを調達し試験を行っている。同社は今後も、調達先・協業先を拡大していく展望を持つ。
太陽光パネルをリユースする制度を整備し、海外への有価金属流出も防ぐ
太陽光発電など再エネの導入が進むが、施設の退去や建物用途の変更などに伴い、まだ発電可能な状態で撤去された太陽光パネルが、再利用されないまま廃棄されるという社会課題が生じている。
UPDATERは、こうした課題の背景には、撤去現場での個別診断・選別体制が不十分で、稼働可能なパネルも一括処分されがちな現状や、リユースパネルの流通基盤や品質基準、保管体制が整備途上で、再利用の実態把握やトレーサビリティが確保しにくいという問題点があると指摘する。また、再エネ政策が「新設・導入」を中心に設計されてきた結果、設備の再活用(リユース)に関する制度整備が遅れていることも要因として挙げる。また、リユースパネルの活用が、廃棄物の不正輸出や資源の国外流出を防ぐ効果につながるとし、再利用できるパネルの適切な選別・活用に注力していく考えだ。
一方のDOWAエコシステムは、廃棄パネルの大半が海外へ輸出されている現状について指摘している。パネルに含まれる銀や銅といった有価金属の国内における有効活用や、有害物質の適正処理の観点から、国内におけるリユース体制の迅速な構築が求められているため、リユース・リサイクル・適正処分を一体的に推進するビジネスモデルを構築することとした。
相双SECは、東日本大震災被害と原子力災害からの復興に向けて新たな産業基盤の構築を目指す「福島イノベーション・コースト構想」の一環として、DOWAエコシステムを含む8社が出資し設立した。復興事業に伴い発生する不燃性廃棄物および太陽光パネルのリサイクル事業を展開している。同県内における先進的なリサイクルシステムのさらなる拡大に向け、2025年11月よりリユース太陽光パネルによる発電試験を開始した。
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