NECとAGC、太陽光発電ガラスを基地局に活用 ペロブスカイト搭載も視野
日本電気(NEC/東京都港区)とAGC(同・千代田区)は11月11日、建材一体型太陽光発電ガラス(BIPV)とガラスアンテナを活用したサステナブル基地局の実証実験を行い、安定して稼働できることを確認したと発表した。今後はペロブスカイト太陽電池などの次世代太陽電池の適用も視野に入れる。
基地局システム電力の約30%を再エネで代替可能
両社によると、無線通信事業者においては基地局の設置場所確保や基地局の外観が景観に与える影響が課題だという。
今回の実証は、これらの課題解決を目的としたもので、NEC玉川事業場内に、NEC製の5G基地局とAGC製のBIPVおよびガラスアンテナの組み合わせによる接続実証を行い、景観配慮型基地局の有効性を検証した。
基地局は、BIPVとガラスアンテナ、無線機(RU)で構成される。建物の窓ガラスの屋内側に、BIPVとガラスアンテナを設置し、室内にRUを据えることで、屋外に通信エリアを形成する。これにより、周囲の景観を損なうことなく新たな基地局を設置し、ビル間やビル下の電波が届きにくい不感地帯を解消する。太陽光の活用により、事業者のカーボンニュートラルの取り組みにもつながる。
実証の主な成果は以下の通り。
- オフィスビルの窓に設置したBIPVにより発電された電気を用いた5G基地局の起動および継続的な稼働
- 5G端末を用いて通信ができること、およびスループット(単位時間あたりの処理能力)
- 特定エリア内の電波強度やカバレッジを示す電波伝搬ヒートマップおよびアンテナ特性
また、実証実験では、5G基地局システムの約30%の電力が再エネによって代替できることが確認された。
両社は今後、ペロブスカイト太陽電池などの次世代太陽電池を用いることも視野に入れながら、基地局の設置容易性の向上を進めるとしている。
2024年11月21日 カテゴリー: 未分類