既存マンションの再エネ設備導入を促進 東京都、無料アドバイス事業を新設

東京都は8月27日、2026年度の新規事業として、都内の既存マンションを対象に、太陽光発電設備と蓄電池の導入を支援するアドバイザーの無料派遣について、申し込みの受け付けを開始した。

専門家がマンションを訪問し、建物の形状や規模、電力使用状況などを調査する。調査結果を基に、設備の適切な規模、補助金を活用した場合の概算費用、電気料金削減効果、投資回収年数などをまとめた報告書を作成する。

募集件数は30件で、申込期限は2027年1月15日。先着順で受け付け、予定件数に達した時点で締め切る。

 

5年以内に大規模修繕を予定するマンションが対象

対象は、太陽光発電設備と蓄電池の導入を検討する、都内の既存マンションの管理組合や賃貸マンション所有者など。

対象となるマンションは、耐震性があり、申込時から5年以内に屋上防水改修を含む大規模修繕などを予定していることが求められる。耐震性については、1981年6月以降に着工した建築物、または耐震改修促進法の規定に適合することが証明されている建築物を対象とする。

このほか、設計図面、建築基準法に基づく検査済証、構造計算書など、建物の構造を検討できる資料や、共用部の電気料金請求書などを提示できることが必要。太陽光発電設備からの電力は、共用部の電灯系統に接続することを想定する。

今回の調査は、平常時における共用部の電力消費量の削減を目的とした概算検討で、災害時にエレベーターや給排水ポンプなどを稼働させるための設備構成は検討対象に含まれない。

申込窓口は、事業を受託する東京都建築士事務所協会。専用の申込フォームまたは申込書で受け付ける。派遣費用は無料。

 

太陽光・蓄電池に特化、投資回収年数まで算定

太陽光発電設備と蓄電池の導入可能性や費用対効果の検討に特化したアドバイザーを派遣する。

アドバイザーは、管理組合や賃貸マンション所有者などから設備導入の意向を聞き取った上で、設計図面や構造計算書、共用部の電気料金請求書などを確認する。現地調査では、屋上や機械室など、太陽光発電設備、蓄電池、関連機器、配線の設置を検討する場所を調べる。現地調査にかかる時間は1日程度の見込み。

調査後は、太陽光発電設備と蓄電池の適切な規模、設置方法、補助金を活用した場合の概算費用、電気料金の削減効果、投資回収年数をまとめた「太陽光発電等導入可能性調査結果報告書」を作成し、管理組合などに説明する。希望者は、件数の上限内でフォローアップ派遣も利用できる。

報告書は、詳細な設計や導入事業者の選定に進む前に、管理組合内で導入の可否を検討し、合意形成を図るための資料として活用できる。ただし、この事業に設計行為は含まれない。

相談から設備導入まで段階的に支援

東京都は、住宅の断熱改修や再エネ設備の導入に対し、情報提供、導入検討、設備費補助などを組み合わせた支援を展開している。

2025年10月22日には、住宅の断熱改修を促進するため、三協立山、LIXIL、YKK APの3社と連携協定を締結したと発表した。省エネ効果に加え、健康面や快適性向上などのメリットを発信し、高断熱窓やドアなどへの改修を促す。

また、東京都は2026年6月25日、脱炭素や省エネルギー、再エネ導入に活用できる約100件の補助制度・支援制度をまとめた2026年度版「エコサポート」を公開した。再エネ・省エネ設備の導入補助に加え、省エネ診断やアドバイザー派遣など、設備導入前の検討を支援する制度も掲載している。

今回新設されたアドバイザー派遣事業は、こうした支援策のうち、既存マンションへの太陽光発電設備と蓄電池の導入を具体化する前段階を支えるもの。現地調査を基に、利用可能な補助制度を反映した概算費用や投資回収年数を示し、管理組合などによる合意形成とその後の設備導入につなげる。

 

2026年9月16日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

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