太陽光発電の買取り終了も…「すぐに手放すべきではない」理由

太陽光発電の買取り終了も…「すぐに手放すべきではない」理由
「太陽光発電は終わった」。買取価格の低下や太陽光関連会社の倒産増加のせいか、そんな声をよく聞くようになりました。しかし実際には、購入希望者はむしろ増えているのです。このタイミングだからこその太陽光発電投資のメリットについて、あらためて検証します。本記事では、多くの太陽光発電の設置・運営に携わり、クリーンエネルギー業界に精通する筆者が、太陽光発電の商品性や優位性を解説します。

「買取り終了=発電できなくなる」と考えていないか?

家庭用太陽光の買取り制度は、2009年11月から始まった。単価こそ年度によって違うものの、買取りの期間に関しては、家庭用(10kw以下)が10年間、産業用(10kw以上)が20年間と開始当初から変わっていない。しかし、この制度が2019年11月より順次終了している現状がある。

2010年1月に完工、売電開始した家庭用太陽光は、今月(2020年1月)に売電を終了することとなる。制度に沿って10年間発電し、多くは余剰電力を売電するかたちで役目を果たしたのだ。途中、パワコンの不具合やパネルの劣化、もしかすると雨漏りなどもあったかもしれないが、おおむね大きな問題もなく10年間の発電、売電をしてきた。

家庭用の太陽光は屋根の上に設置することが多いため、屋根の大きさ、形状などによって設置できるkw数が大きく変動する。「片流れ」と呼ばれる、一面平らな大きい屋根であっても、北向き(北傾斜)になっていれば設置は難しい。デザインにこだわって出窓があったり、入母屋屋根であったりすると、設置面積が大幅に減ってしまうこともある。また、屋根材(洋瓦、スレートなど)によって、施工不可の屋根も多い。

初期の家庭用太陽光は買取り制度もなく、「お金持ちのステータス」としての象徴だったといえるだろう。もしくは、エコロジー精神の強い家や、差別化を図りたい家などが設置する程度であった。そのような状況に加え、すぐに産業用太陽光が始まったことも相まって、家庭用太陽光はそれほど多く備えられなかった。

ではなぜ今、売電終了後の家庭用太陽光設備を取り上げるのか? それは、大量に設置された産業用太陽光にも、いずれ買取り終了の時期が訪れるため、どのように取り扱うべきかを事前に考えておく必要があるからだ。

買取りが終了するからといって、発電ができなくなるわけではない。機器が壊れなければ発電は可能だし、買取り終了後の太陽光でも、蓄電池を追加設置したり、電気自動車に蓄電し夜間に使用したりすることもできる。低価格にはなるが、余剰電力を買い取ってくれる新電力会社などもある。

産業用太陽光の買取り終了はまだまだ先であるが、来る時期に向けて、解体費用の強制積立てやリサイクルなど、現在様々な対策が検討されている。

筆者個人としては、買取り終了の時期が来ても、実際はあまり困らないと考えている。

10年、20年を経過しても、発電ができれば蓄電してよいし、新電力などに買い取ってもらうこともできる。ちょうど20年で壊れるわけではないので、最終的に稼働できなくなったら、老朽化対策や景観などに配慮した対応を行えばよいのではないか。

土地が賃貸であれば、更地で返す必要があるかもしれない。もちろん、地域住民に迷惑がかかる状況があってはいけないが、太陽光の跡地にそれほど用途や価値があるとは考えづらい。本当は途上国での再利用や地域貢献できるような施策ができれば望ましいが。
災害時の必要性・設置価格の低下で再び注目集まる

昨今、家庭用太陽光が再び脚光を浴びている。

台風や地震などが頻発し、災害時の明かりや冷暖房をはじめ、情報収集に必要な携帯、テレビのための自家発電を考える人が増えた。さらに、ZEH住宅(ゼッチ住宅・・・省エネ住宅)や、屋根貸しにも注目が集まっている。技術進歩によって設置可能な屋根も増加した今、設備の価格低下などにより、家庭用太陽光が見直されているのだ。

また、国民の負担が大きすぎることから、産業用太陽光が大幅に減少していることも要因だろう。過去、自宅の屋根に太陽光の設置を検討したが、なんらか理由で断念された方も、再度考えてみてもいいかもしれない。

太陽光発電は終わったのか?

 

2020年1月11日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

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