千葉大発ベンチャーが営農型太陽光、ニンニク栽培

千葉市大木戸アグリ・エナジー1号機
(出所:千葉エコ・エネルギー)

千葉大学発のベンチャー企業である千葉エコ・エネルギー(千葉市)は、千葉市に出力777kWのソーラーシェアリング(営農型太陽光発電所)「千葉市大木戸アグリ・エナジー1号機」を竣工し、3月27日から連系開始した。

発電所は自社で所有し、太陽光パネルの下や周辺で行う農業も自社で行う体制を整え、「スマート農業」の実現を目指すという。まず、ニンニクを栽培し、初年度6tの収穫を見込んでいる。事業資金は城南信用金庫から融資を受けた。

耕作面積約1万m2の農地に藤棚式の専用アルミニウム製架台を設置した。パネルの出力は777.15kW、パワーコンディショナー(PCS)の定格出力は625kW。年間発電量は83万kWhを想定する。売電単価は27円/kWhで年間2200万円程度の売電収入を見込む。

架台の設計では、斜めの筋交いがない構造とすることでトラクターなど農業機械の作業性を確保したほか、作物の畝設計に合わせた支柱間隔などの工夫をしたという。

栽培作物はニンニクを選定した。国内市場の約59.4%が輸入品のため国内自給率の向上を目指すほか、市場ニーズがあり加工も視野に入れた場合に収益性が高いと見ている。また、ニンニクは、比較的、管理の手間が容易で機械による省力化も可能で、発電設備の下でも安定して栽培できる可能性が高い、などの利点もあるという。

中国トリナ・ソーラー製の太陽光パネル(275W/枚)を2826枚、独SMAソーラーテクノロジー製のPCSを導入した。

ソーラーシェアリングは、固定価格買取制度(FIT)を活用することで、太陽光発電の収益を農業の支援・継続に活用できるため次世代農業モデルとしても期待されている。その一方で、全国で1000件程度しか普及していない背景には、発電事業と農業の両立を図るためのノウハウを持つ事業者が少ないことが挙げられるという。

同社は、2017年3月に千葉県匝瑳市で竣工した匝瑳メガソーラーシェアリング第一発電所の事業化に関わり、大規模ソーラーシェアリングの事業スキーム構築やファイナンスの経験を得た (関連記事)。

その一方で、農業者の減少、耕作放棄地の拡大、地域の過疎化、食の安全性など、日本が抱える農業問題の現状を目の当たりにしたことから同事業への参入を決定した。

農業への参入にあたり、この分野で幅広い業務を手掛け、行政からの受託事業を行うなどの実績があるマイファーム(京都市)からの農業経営指導を受けた。

 

2018年4月15日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

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