出光、宇宙向けソーラーアレイ製品開発促進 米ソースエナジーと協業

出光興産(東京都千代田区)は11月6日、宇宙用ソーラーアレイなどの製造・開発を手がける米スタートアップ企業のSource Energy Company(ソースエナジー)と、戦略的協業を開始したと明かした。出光興産の宇宙用CIGS太陽電池技術とソースエナジー社の先進的な宇宙用ソーラーアレイ技術を組み合わせ、衛星などの宇宙機を対象とした革新的な宇宙用電源ソリューション開発を進める。

 

大型化を必要としない出光製CIGS太陽電池

ソーラーアレイは、複数のソーラーパネルを組み合わせた、打ち上げ時に収納された構造物が宇宙空間で所定の形状に広がるための機能を備えたシステム。太陽電池全体の構成単位は、セル→モジュールと段階的に大きくなるが、ソーラーアレイはその中でも最大の単位となる。

一般的に、ソーラーアレイは、放射線による劣化を起因とする出力低下を見越し、必要出力よりも大型のサイズで設計される。出光興産が独自開発した宇宙用CIGS太陽電池は、放射線環境下においても高い出力を長期間維持できるため、大型化の必要性がないという。

今回の協業では、出光興産が培ってきた数十年にわたる太陽電池の研究開発・量産の知見と、ソースエナジー社の高い宇宙用ソーラーアレイの開発・供給力を組み合わせ、製品開発に加え、宇宙用太陽電池製品の供給体制強化を図る。

出光興産 イノベーションセンター技術戦略部長 川口 浩司氏は、「協業を通じ、持続可能でレジリエントな宇宙開発に貢献していく」とコメント。ソースエナジー社CEOのフィリップ・ケラー氏は、「出光興産の先進的な宇宙用CIGS太陽電池は、ソースエナジー社の製品ラインアップを拡充し、増加する顧客の需要とニーズに応える技術になる」と評価している。

ソースエナジー社は今後、出光興産の宇宙用CIGS太陽電池技術の実用化に備え、コロラド州ロングモントにある自社設備で同技術に関する開発・試験を出光興産と共同で実施する予定だ。

 

宇宙での太陽光利用拡大へ カギはGaAs系からの転換

出光興産によると、衛星通信量の増加や地球観測ネットワークの拡大に伴い、宇宙産業の市場規模は世界的に拡大傾向にあるという。特に衛星通信では、携帯端末といった一般機器が利用できる環境整備が進むなど、ビジネス市場が急速に成長している。

宇宙機向けの太陽電池は、過酷な宇宙環境を考慮し、耐性など高い性能が求められる。これまでは、ガリウムヒ素(GaAs)系の太陽電池が主流だったが、世界的な供給不足や衛星需要の急拡大を背景に、現在は代替技術へのニーズが高まっている。

用語解説
CIGSとは、Cu(銅)、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Se(セレン)の頭文字からなる化合物半導体のこと。

 

2025年11月12日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

ページの先頭へ