約半数の企業が再エネを未使用、大企業は7割近く CDP最新調査で判明
CDPは11月15日(ロンドン時間)、アゼルバイジャンのバクーで開催された国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)に合わせ、最新レポートを発表。世界の主要企業による再エネ利用は不十分で、半数近くが未だにまったく利用していないことを明らかにした。
再エネ100%による再エネ調達を宣言した企業は全体の10%のみ
昨年のCOP28では、再エネの使用量を3倍、エネルギー効率を2倍に改善するという野心的な目標が掲げられた。これらの達成には、企業による大幅かつ迅速な行動転換が必要となるが、 今回、CDPが調査したところ、世界の企業約1万社のうち、電力調達を再エネ100%化すると宣言した企業は、約1割(936社)にとどまり、コスト削減とCO2排出量削減の両方の機会があるにもかかわらず、効率目標を設定している企業は5%未満だった。
また、レポートでは、開示された全電力購入量の3/4以上を購入する、いわゆる「スーパーユーザー企業」を特定し、大企業の実態を調べた。
スーパーユーザーは全体の7%に相当する682社。このうち、80%以上が再エネ使用を宣言し、独テレコムや米マイクロソフト、独ロバート・ボッシュなどの企業は90%を打ち出しているが、これら企業の平均再エネ使用率は33%と、小規模企業の平均47%を10%以上も下回った。
スーパーユーザー企業は、少なくとも1TWhの電力を使用している。これは米国の9万5000世帯の年間電力消費量に相当する。
今回の調査結果を受け、CDP気候変動担当ディレクターのアミール・ソコロウスキー氏は、企業による再エネ移行への取り組みが遅すぎると指摘した上で、あらゆる規模の企業がエネルギー効率目標と並んで、検証可能な再エネの使用や購入目標を優先しなければ、世界のエネルギー転換は失速する危険があると警鐘を鳴らす。
2024年12月5日 カテゴリー: 未分類