東京・母島を再エネ100%で運用、2019年からプロジェクトが本格始動
東京・小笠原諸島に位置する母島(ははじま)で、島で利用するエネルギーを100%再生可能エネルギーに切り替えるプロジェクトが始動した。2018年12月21日に東京都と小笠原村が、東京電力パワーグリッドと実証実験の実施について協定を結んだ。太陽光発電や蓄電池などの設備を導入して、2022年度末から運用検証を開始する計画だ。
環境先進都市を目指す東京都では、環境施策の1つとしてCO2を排出しない「ゼロエミッション・アイランド」の実現を掲げている。今回の取り組みはこうした東京都の方針と、小笠原村が目指す自然と調和した「サステイナブルアイランド」の実現に寄与するものだ。東京都の小池都知事は2018年7月1日に小笠原諸島(小笠原村)返還50周年を記念して母島で開かれた式典で、今回のプロジェクトの実施を表明していた。
母島は面積約20平方キロメートルの島で、人口は約500人。現在は島の南部にある最大出力960kW(キロワット)のディーゼル発電所「母島内燃力発電所」が主な電力源となっている。
今回の実証実験では、島内の複数箇所に太陽光発電設備とを設置。さらに出力変動に対応するために、定置型の蓄電池システムも導入する計画だ。これらの設備を運用し、当面は島内で利用する電力を、1年のうち半年程度を太陽光発電からの供給のみで賄うことを目指す方針だ。
発電設備や蓄電池は世界自然遺産区域を避け、都有地や村有地などに設置する方針だ。設置にあたっては、自然環境調査を実施し、小笠原村の自然環境専門家の意見なども取り入れながら、自然環境や景観に影響を与えないように慎重に進めるとしている。
具体的なスケジュールは、2019年1月から自然環境調査を開始し、2022年度末から設備の運用検証を始める。実証機関は3年間の予定だ。ただし、3年間が経過した後も、太陽光発電による電力供給を継続し、さらなる再生可能エネルギー発電設備の導入拡大を図るとしている。
2018年12月27日 カテゴリー: 未分類