不動産大手ヒューリック、系統用蓄電所を取得 今後10年で1000億円投資
アストマックス(東京都品川区)は7月17日、長野県小諸市で開発を進める系統用蓄電池事業について、事業権利と事業用地をヒューリック(同・中央区)へ譲渡すると発表した。
今回、譲渡対象となった施設は、長野県小諸市で計画している「小諸市滋野甲蓄電所(仮称)」。設備規模は定格出力42MW、定格容量171MWhで、2027年12月の運転開始を予定している。譲渡後はヒューリックが事業主体として開発を進め、アストマックスは運転開始後のアグリゲーション業務を担う。
再エネ分野での協業を進めるアストマックスとヒューリック
アストマックスは2025年5月、ヒューリックグループのヒューリックプロパティソリューション(東京都中央区)と資本業務提携を締結し、再エネ分野での協業を進めてきた。両社は電力事業に関する知見や発電・蓄電施設の案件情報を共有するとともに、人材交流などを通じて脱炭素・電力事業分野での連携強化を目指している。今回の譲渡は、その協業の具体的な成果となる。
ヒューリックは事業権利や事業用地を取得し、蓄電所の建設・保有を担う。一方、アストマックスは電力市場での取引や需給運用など、蓄電池の価値を最大化するアグリゲーション業務を担当する予定だ。設備を保有する事業者と市場運用を担う事業者が役割を分担することで、それぞれの専門性を活かした事業運営を目指す。
ヒューリック、2034年までに1000億円を投資
今回の事業取得は、ヒューリックが進める系統用蓄電池事業の拡大戦略を具体化する案件となる。
同社は2025年1月、2034年までの約10年間で系統用蓄電池へ1000億円を投資する方針を公表した。再エネの導入拡大に伴って重要性が高まる調整力の確保を目的とし、余剰電力の充電や需給逼迫時の放電を通じて、再エネの拡大と電力の安定供給の両立を目指す。
さらに、非FIT太陽光発電などによる「追加性」、小水力発電などによる「強靱化」、系統用蓄電池による「調整力」を組み合わせた環境事業を推進しており、今回の案件もその戦略の一環と位置付けられる。
蓄電池市場は開発主体の多様化が進む
国内では、電力会社や再エネ事業者だけでなく、不動産会社や総合商社、金融機関など異業種による系統用蓄電池への参入が相次いでいる。
背景には、GXの進展や再エネ導入拡大に伴い、調整力の重要性が高まっていることがある。系統用蓄電池は、卸電力市場や需給調整市場、容量市場など複数の市場を活用できる収益モデルとして注目を集め、事業者の裾野も広がっている。当メディアでは、こうした系統用蓄電池市場を巡る最新動向について報じている。
2026年7月31日 カテゴリー: 未分類



































































