パナソニック、冷蔵庫を活用したDR実証実施 中部電力系と
パナソニックくらしアプライアンス社(東京都品川区)は12月10日、中部電力ミライズ(愛知県名古屋市)と共同で、家電機器を自動でデマンドレスポンス(DR)制御する実証実験を行い、その結果を公表した。家電の中でも「冷蔵庫」に対象を絞りDRを実施した。
あえてアクションしづらい家電を用いて実証
再エネ導入が拡大する中、電力供給に合わせて需要側が賢く電力使用量を変化させて電力需給バランスを調整するDRの重要性が高まっている。特に、家庭におけるDR施策が注目されている。
電力使用量を変化させるDRには、電力使用量を減らす「下げDR」と増やす「上げDR」の2パターンがある が、実際にDRに参加するユーザーからは電気事業者からの要請に対し「何をしたら良いのかわからない」「アクションを忘れる」といった意見が寄せられるなど、想定されるような成果につながっていないのが現状だ。そこで、両社は今回、常時稼働し年間を通じてDRに対応できるものの、ユーザーによるアクションが困難とされる「冷蔵庫」にDR機能を搭載し検証を行った。
冷蔵庫にDR機能搭載、アプリで要請依頼
具体的には、中部電力ミライズからのDR要請をユーザーのスマホアプリに通知。ユーザーはアプリを使い予約することで、冷蔵庫の下げDR運転・上げDR運転を自動化した。期間中、計114回のDRを実行したが、下げDR・上げDRともに、前日の通知に対してユーザー自身が考えてアクションする世帯と比べて、DR要請に対する貢献量が向上する結果が得られたことが確認された。
また、アプリや冷蔵庫のアラーム音による定期的な通知により、DR要請を思い出し、他の家電機器に対してもアクションするなどユーザーの行動変容につながったと報告している。今回、冷蔵庫が自動制御されたが、参加者からは不安の声はなかったという。なお、DR運転においても庫内の温度が適切に保たれ、保存食品への影響はないこととしている。
2024年12月13日 カテゴリー: 未分類