パナソニック、今後は水素事業を「Panasonic HX」ブランドで推進
パナソニック(東京都港区)は12月3日、水素を活用するエネルギーソリューションの総称として「Panasonic HX」という名称を設定したと発表した。今後は、純水素型燃料電池に太陽電池と蓄電池を組み合わせた3電池連携制御や水素による発電時の熱エネルギーの効率的な活用などを国内外で展開していく。
英国や欧州市場での認知拡大目指す
今回のネーミングには、環境負荷の少ない水素(H)の本格活用という新たな選択肢を提案し、パートナー企業や行政、ビジネス顧客とのコラボレーション(X)によって、脱炭素社会へのトランスフォーメーション(X)に貢献していくという同社の決意が込められている。
認知拡大に向けては、「Panasonic HX」の世界観を一貫性のあるトーン&マナーやビジュアル表現によって訴求していく。特に、環境先進地域である英国や欧州市場での浸透を念頭に取り組みを行う方針で、将来的には、環境貢献事業を牽引するフラッグシップとして、グローバルでの展開を目指す。
英国自社工場に水素を活用した再エネ自家発電設備を導入
また、同社は同日、電子レンジなどの開発・製造・販売を行うパナソニック マニュファクチャリングイギリス(PMUK)の電子レンジ組立工場が3電池の連携制御により、電力を再エネで賄う実証設備の試運転を開始したと発表した。2025年3月末までに再エネを供給するEMS運用を始める予定だ。
PMUKは今回、電子レンジ組立工場の使用電力量に最適化した分散型システムとして、5kWタイプの純水素型燃料電池を21台と、372kWの太陽電池と1MWhの蓄電池を組み合わせ、必要な電力を100%再エネで供給する。太陽光発電設備については、2023年に社屋屋根に設置した太陽電池760kWのうち、372kW分を電子レンジ組立工場に使用するとしている。
また、今回の実証施設では、純水素型燃料電池の発電時に発生する熱を電子レンジ組立工場内の暖房と給湯に利用し、コージェネレーションにより純水素型燃料電池のエネルギー効率95%達成を図る。さらに、既設の電気ボイラーと熱連携を行い、工場内の給湯に必要な消費電力の低減をさせる。
なお、EMS制御では、外部の現地気象予報データを取り込み、気象状況の変化と需要変動など電力需給バランスの実証データを基に、再エネの発電や蓄電、送電のロスを最小化し安定的に供給を強化していく。
2024年12月9日 カテゴリー: 未分類