ダイハツらトヨタグループ3社、再エネ活用マイクログリッドシステムの実証
ダイハツ工業(大阪府池田市)、豊田中央研究所(愛知県長久手市)、トヨタ自動車九州(福岡県宮若市)のトヨタグループ3社は10月から、トヨタ自動車九州の小倉工場で、再エネを活用したマイクログリッドシステムの実証実験を開始した。発電・蓄電・使用の3方向接続が可能な電力変換器を用いて、再エネ利用を効率化させる。
直流・交流の変換回数を抑制、エネルギーロス約45%削減
実証において中心的な役割を担うマイクログリッドシステムは、ダイハツ工業と豊田中央研究所が開発したもので、3ポート(発電・蓄電・使用の3方向接続)電力変換器「Smart Power Hub(SPH)」により、直流主体の運用を行える点に特徴がある。これまでの交流主体のシステムと比べて、直流・交流の変換回数を抑え、エネルギーロスを約45%削減する。
「SPH」は、本業である自動車関連の技術を活かした改良が施されており、小規模事業所などにも導入しやすいコンパクトなサイズとなっている。
また、現場での安定稼働に向けて、1秒間に1000回以上という超高速で制御する機能を搭載。これにより、系統電力で瞬間的な停電が発生した場合にも蓄電池からの電力を瞬時に充当し、現場の生産活動の中断やデータ損失といったリスクを未然に防ぐ。
再エネ電力は、ダイハツ部品製造ラインに供給
今回の実証では、SPHを通じて太陽光発電由来の再エネ電力をダイハツの部品製造ラインに供給し、システムの有効性と信頼性を検証する。
将来的には、実証で培った再エネ活用のノウハウを基に、ほかの工場や店舗などと小規模な事業所への適用も検討するとしている。
2035年までにグローバル工場でCO2排出実質ゼロを目指すトヨタグループ
ダイハツは、再エネの地産地消に有効なマイクログリッドに着目し、豊田中央研究所とともに、再エネ利用を効率化する「SPH」の共同開発に着手。2024年からは、社内で技術検証を重ねてきた。
トヨタ自動車九州では、太陽光で発電したグリーン電力による水素製造や工場での使用、ハイブリッド車バッテリーをリユースした蓄電池「KRe:Ba」の実証など、再エネを軸としたさまざまな取り組みを行っている。
トヨタグループは、2035年までにグローバル工場でCO2排出量を実質ゼロとする目標を掲げる。ダイハツらグループ3社は今後も、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを加速させ、持続可能な社会の実現に貢献していく。
2025年10月14日 カテゴリー: 未分類






































































