EVに自動充電 ダイヘンの「ワイヤレス充電システム」

次世代のEV充電ソリューション「ワイヤレス充電システム」 実用化に向け着々

脱炭素経営の社会的な要請が高まる中、CO2削減の一環として社用車の電動化に取り組む企業はますます増加している。ガソリン車を電気自動車(EV)に入れ替えると、充電システムの整備を自社で行わなければならない。EVの導入台数増加に伴い、充電システムが増えれば、駐車場に充電ケーブルがあふれて景観が損なわれる恐れもある。ヒューマンエラーによる充電し忘れも発生するだろう。

ダイヘンは、ワイヤレス充電システムによって、こうした課題を先回りして解決しようとしている。ここでいうワイヤレス充電システムとは、専用駐車スペースにEVを停車するだけで充電できる画期的なシステムだ。駐車場とEVの車体底部にそれぞれユニットを設置し、EVの電源がオフになると自動で非接触の充電を行う。EVを停めるだけで自動的にワイヤレス充電ができるので充電忘れも発生せず、これまでのような充電ケーブルは不要なので、駐車場の景観もすっきりとするだろう。

同社はすでに、停車中に充電するワイヤレス充電システムを様々なEVに実装させた実績を持ち、走行中ワイヤレス充電システムの開発にも着手をはじめた。また、国内規格化に向けた活動、車両メーカをはじめとする様々な企業との協業、国内の各種プロジェクトへの参画など、業界を積極的に牽引しながら、ワイヤレス充電の早期社会実装を目指している。

普通~大容量急速まであらゆるプラグイン充電器をラインナップ

現在主流のプラグイン充電においては、同社は「6kW普通充電器」「30/50kW急速充電器」のほかに「120/180kW急速充電器」をラインナップしている。筐体の左右に充電プラグがあり、1本あたり最大90kWの出力で同時に充電できる。180kW機はオプションでスタンドを2つまで増設可能な「複合型マルチプラグ」のため、充電器1台分の設置面積で最大4台(※同時出力2プラグ、充電予約機能による自動切替で最大4台)のEVを急速充電できるのが特長だ。大型のEVも短時間で充電でき、充電渋滞の解消に役立つ充電ソリューションとして期待されている。

また、EVの増加によって懸念される課題の一つに電力デマンド値の上昇がある。複数のEVを同時に充電して電力ピークが発生すると、電気料金が上がってしまう。電力コストの上昇を防ぐには、電力需要パターンに合わせてEVの充電タイミングを調整するなどのエネルギーマネジメントが重要だ。同社のプラグイン充電器は独自の制御技術『Synergy Link』に対応し、簡単かつ導入コストを極小化するエネルギーマネジメントシステム(EMS)を構築する事ができる。また、2025年から補助金交付要件となる見通しの国際標準通信プロトコル「OCPP」にも同社がラインナップする急速充電器は全機種対応済みであり、外部制御にも対応できるため、需要パターンに合ったエネルギーの最適な運用を実現できる。ダイヘンは、EV充電システムとEMSというハード・ソフトの両面から脱炭素経営の実現に伴走する。

 

2024年8月27日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

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