福井県、断熱性能などに独自基準 新築住宅の省エネ基準適合義務化で

福井県は3月14日、独自の省エネ住宅モデルである「ふくいエコはぴねす住宅」の基準を策定した。2025年4月から新築住宅において、国の省エネ基準適合が義務化されるが、国の省エネ基準では、同県の気候特性が考慮されていないことを受けたもの。同県は、厳冬期の気温の低さや、年間を通した湿度の高さなど、「断熱性能」「気密性能」「防露性能」の項目について気候特性に対応する独自基準を策定した。

国基準より「高断熱」「高気密」な福井省エネ住宅モデル

この「ふくいエコはぴねす住宅」では、7段階ある断熱性能の評価等級について、国が「等級4」に対しより厳しい「等級6」を定めた。

 

 

具体的な独自基準は、以下の通り。

  • 断熱性能:UA値0.46以上(国の基準:UA値0.87)
    UA値とは「外皮平均熱貫流率」のことで、外皮を介して住宅全体の熱がどれくらい逃げやすいかを示す数値。UA値が小さいほど熱が逃げにくく、「断熱性能の高い住宅」となる。
  • 気密性能:C値1.0以上
    C値とは「相当隙間面積」のことで、住宅全体にどれくらい隙間があるか、気密性能を表す数値。C値が小さいほど隙間が少なく、「気密性の高い住宅」となる。
  • 防露性能:結露計算にて内部結露が発生しないことを確認すること。

これ以外の基準は、国の省エネ基準に従う。

なお「ふくいエコはぴねす住宅」は、高い断熱性能・気密性能・防露性能を確保する住宅を推奨する省エネ住宅モデルであり、強制力はない。

「冷暖房エネルギー3割削減」など導入メリット

同県は、同モデルを導入することのメリットを以下の通り挙げている。

  • 快適:省エネで、冬は暖かく夏は涼しい。国の省エネ基準(2025年4月義務化)と比べ、冷暖房エネルギーを3割削減
  • 健康:住まいの断熱化により室温を一定に保ち血圧上昇を抑制。機密性アップと計画換気でカビなどによるアレルギーを低減
  • 経済的:高性能な省エネ住宅は、新築時や改修時の工事費(イニシャルコスト)が高くなるが、冷暖房費(ランニングコスト)が安くなる

県基準の普及に向け、認証制度や事例集・見学会を予定

同県では同基準の普及に向け、2025年度事業として、施行事業者向けには認証制度創設や技術研修、マニュアル作成を、消費者向けには独自基準を導入した改修事例集、住宅見学会開催などを予定している。

 

2025年3月25日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

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