省エネ支援拡充を パルシステム連合会が政府案に意見

パルシステム連合会(東京都新宿区)は1月21日、昨年末に政府が策定した第7次エネルギー基本計画案のパブコメ募集開始を受け、武藤容治経済産業大臣宛に意見書を提出したと発表した。省エネ支援の拡充のほか、再エネ転換の見直しや原子力発電ゼロなどを求めた。

 

再エネ電源構成比の見直しなどを要望

 

同連合会は今回、原子力や化石燃料に依存しない脱炭素社会の実現に向けて、以下5項目に関する提言を行った。

1.エネルギーに関する国民各層の理解促進に向けた啓発強化

2.エネルギー需要量の大幅縮小を可能とする社会の構築を目指すための支援制度の拡充

3.原子力発電ゼロへの早期移行と工程具体化

4.2030年の再エネ導入目標を国際的水準である50%以上とする

5.石炭火力は2030年までに段階的に廃止

 

第7次エネルギー基本計画案では、2040年度の再エネ電源構成比は、4、5割程度とすることが示されたが、環境や社会の長期的な持続可能性を考慮し、2050年には100%を目指すべきとした。また、「第28回気候変動枠組条約締約国会議(COP28)」で採択された決定文書において、再エネ発電容量を2030年までに世界全体で3倍にするという目標が掲げられたことを挙げ、2030年時点で50%以上の再エネ導入を目指し、蓄電池の早期開発をはじめ、あらゆる政策を総動員し強力に進めることを求めた。

 

企業支援に向けては、業務・家庭部門、運輸部門への取り組みの必要性を訴えた。業務・家庭部門では、断熱窓への改修や高効率給湯器の導入に対する支援などの住宅の省エネルギー改修、建築物の省エネルギー改修の支援制度の拡充を、運輸部門では、商用トラックの電動車の導入に対し費用負担が大きく導入が進まない現状を踏まえ、国や自治体の支援制度の拡充、国が定める目標拡大などを意見書に盛り込んだ。

 

「原発依存度低減」を外した政府案に意見

 

第7次エネルギー基本計画では、第6次エネルギー基本計画において「可能な限り原発依存度を低減する」とされていた表現が、「安全性の確保を大前提に、必要な規模を持続的に活用していく」と変更された。これに対し、パルシステムは、再稼働に対する不安や使用済み核燃料の最終処分問題が未解決であることから、原子力発電所の再稼働や新規増設費用を国民に負担させることはあってはならない、と提言した。

このほか、化石燃料からのダイベストメント(投資撤退)も含め、脱石炭火力に向かう世界の潮流を示した上で、石炭火力については2030年までの段階的廃止を要求した。

 

2025年1月24日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

ページの先頭へ