再稼働や廃炉に13兆円 電力11社、原発新基準で費用増

東京電力福島第一原発事故の反省から、国が原発に安全対策強化を義務付けた新規制基準を二〇一三年に導入したことにより、全国の商用原発で必要となった再稼働のための安全対策費と、施設の維持費、廃炉費用の総額が約十三兆四千五百六十九億円に上ることが分かった。費用はさらに膨らむ見通しで、最終的には電気料金に上乗せされるため長期の国民負担となる。合わせて十九原発五十七基を保有する電力十一社の会計資料や各社への聞き取り結果を共同通信が集計した。
 政府は、未曽有の被害をもたらした一一年三月の事故後も原発存続を選択し、自然災害や重大事故への対策強化を義務付けた新基準を導入。停止した原発を維持し、新基準が求める安全対策の工事を行い再稼働させるか、採算に見合わず廃炉とするかの選別が全国で進む中、巨額費用が必要な実態が浮き彫りになった。
 総費用の内訳は、安全対策費が計約五兆四千四十四億円(一九年十二月時点)で、全国十九原発のうち電力会社が再稼働を目指すとした十五原発の公表額。廃炉費用は、安全対策費の負担が重く廃炉を決めた九原発十七基の計約八千四百九十二億円で、福島第一原発1~4号機は費用算定が異なるため除外した。安全対策と廃炉の各費用は電力各社が長期に分割して賄う。
 維持費は、再稼働して運転中の原発だけでなく停止中や廃炉作業中でも生じるため、建設中を除く十七原発五十四基が対象で、新基準が導入された一三年度から一八年度までの六年間で計約七兆二千三十三億円が実際にかかった。電力各社の有価証券報告書の原子力発電費に含まれる人件費や修繕費などを集計したが、原発の減価償却費や施設解体費の積立分は安全対策費と廃炉費用の一部と重複するため差し引いた。
 維持費は今後も毎年必要で、十一社の合計で年間一兆円規模が積み上がる見通し。また、一部の電力会社の安全対策費は、新基準で義務化されたテロ対策施設の新設費用が盛り込まれておらず、数千億円規模が追加される可能性がある。
 廃炉が公表された九原発十七基は大半が老朽原発だが、地元の求めに応じて廃炉が決まった東電福島第二の四基も含んでいる。

 

2020年1月16日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

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