再エネを求める声が中小企業にも広がる、日本版「RE100」も好調な滑り出し

再生可能エネルギーの普及拡大を、電力の大きな需要家である“企業”がリードする流れが広がっている。自社の事業活動で消費する電力を、再エネ由来に切り替えていこうという機運が、日本でも着実に高まってきた。2020年1月1日現在、「RE100」に加盟する日本企業は30社にのぼり、アメリカ、イギリスに次いで、世界3位の加盟企業数に至っている。

RE100加盟企業の半数が再エネ50%超

 RE100は“事業活動で用いる電力を再生可能エネルギー100%にすること”を目指す大手企業の連合体(本部:イギリス)だ。2019年12月に発表された最新の年次報告書によると、加盟企業数は全世界で200社超。そのうち約半数の企業が既に事業用電力の50%以上を再エネに切り替え、30社以上が100%目標を達成している。

 パリ協定以降、気候変動対策(脱炭素化)は、国家のみならず企業にとっても大きな課題となっている。脱炭素化への取り組みが、企業価値に直結し、投資家の判断材料としても重視される時代だ。再エネ導入は脱炭素化への取り組みそのものであり、RE100への加盟は、そうした企業姿勢をアピールする絶好の機会ともなっている。

 しかし、RE100は大手企業を対象とした連合体だ。具体的には、年間10GWh以上(日本の場合)の電力消費量がある企業でなければ加盟することはできない。たとえ再エネ100%に向けた実効性のある取り組みを進めていたとしても、電力消費量が基準に満たない中小企業では受け付けてもらえない。

中小需要家も参加できる「RE Action」が発足

 そうした状況にあって、2019年10月に誕生したのが日本独自の電力需要家連合「再エネ100宣言 RE Action」(以下、RE Action)だ。その最大の特徴は、電力消費量が年間10GWh未満の需要家のみを対象にしているところ。つまり、RE100の基準では、切り捨てられてしまっていた中小企業の受け皿となる枠組みなのだ。また、企業だけでなく、地方自治体などの行政機関、教育機関、医療機関なども参加することができる。参加要件は“遅くとも2050年までに使用電力を100%再エネに転換する目標を設定し対外的に公表すること”であり、この点はRE100と変わらない。

地球環境戦略研究機関(IGES)の三好信俊 専務理事
 RE Actionは、本家RE100の日本窓口を務める日本気候リーダーズ・パートナーシップ(JCLP)と、地球環境戦略研究機関(IGES)、グリーン購入ネットワーク(GPN)、イクレイ日本(ICLEI)の4団体が共同で立ち上げた。IGES専務理事の三好信俊氏は、RE Action発足の背景を次のように話す。

「RE100の対象とならない企業・団体の電力需要は日本国内の約40~50%程度を占め、数にして約400万団体に上ります。中小企業の購入電力単価は大企業と比べて高めに設定されているケースが多いため、再エネ転換へのハードルは相対的に低く、潜在的ニーズは高いと考えられます。実際、RE100が認知されるようになって、私どものところにも、中小規模の企業や団体から『RE100に参加できないのか?』という問い合わせが入るようになってきました。こうした盛り上がりを受けて、中小規模の組織でも参加できる新たな枠組みを発足させるに至りました。RE100とも連携を図りながら、再エネ100%への意思と行動を示し、再エネのさらなる普及を目指したいと考えています」

 仮に、対象となる400万団体すべてが100%再エネを実現したとすれば、日本の消費電力の半分近くが再エネということになる。RE100の対象となる国内企業は1万社ほどであり、日本の消費電力全体に占める割合は20~30%なので、国内における影響力はRE Actionの方が大きいといっても過言ではない。

 2020年1月1日現在、既に45団体がRE Actionに参加。総消費電力量は約322GWhに及ぶ。今後いっそうの参加を募り、「多くの企業・団体が持つ需要が顕在化することで、再エネへの投資や、再エネ推進政策を後押しし、再エネを希望するすべての電力需要家がリーズナブルに再エネを調達していける環境」(三好氏)を目指していく。RE100とも協調して、再エネを求める電力需要家の声を発信していくことで、再エネ導入拡大に向けた好循環を形成していく考えだ。

RE100と連係し、再エネ導入拡大に向けた好循環を形成 出典:地球環境戦略研究機関(IGES)

 

2020年1月20日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

 

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