中国、太陽光の普及に黄信号 ガラス材料不足でパネル生産遅れる ブルームバーグ

中国政府は2060年までに二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を目標に掲げ、再生可能エネルギーの割合を高めようとしている。だが太陽光パネルの表面を覆うガラス材料不足で価格が高騰、パネルの生産に遅れが生じており、クリーンエネルギーへの転換計画の妨げとなっている。

中国中部・陝西省にある太陽光発電プラント(ブルームバーグ)
中国中部・陝西省にある太陽光発電プラント(ブルームバーグ)

 7月から7割高騰

 ダイワ・キャピタル・マーケッツによると、光起電性パネルの表面を覆うガラス材料の価格は7月以降、約7割上昇。メーカー各社は1週間強分の販売を上回る水準に在庫を保ちながらの生産に苦慮している。

ガラス材料が不足している要因は、両面で発電が可能な太陽光パネルの普及だ。パネルの上下両方をガラスで覆う両面パネルは、地面からの照り返し分で発電量をわずかに増やすことができる。両面パネルにより、発電量とともにコーティング材の必要量も増加している。

 サンワ・キングスウェイ(新華匯富)のアナリストによると、昨年の両面パネルの市場シェアは約14%だったが、22年には市場の半分を占める見通し。

 ガラス製造業はエネルギー消費量が多く、環境汚染物質を放出する公害産業だ。同業界が過剰生産能力問題に見舞われる中、中国政府は18年、各社による新たな生産能力の増強を禁じた。

 だが、太陽光発電の開発事業者が政府補助金を確保するために今年末までにプロジェクトを終えようと急ぐ都合の悪い時期に材料が不足。時価総額で世界最大の太陽光パネルメーカー、隆基緑能科技など太陽光パネルメーカーは政府に対し、新たな生産施設の設置を承認して現在の状況に対応するよう求めてきた。隆基など大手6社は今月3日、政府に対し、太陽光発電機能を備えるソーラーガラスに対する規制を解除するよう求めた。規制による価格上昇で太陽光発電コストが上昇し、普及の勢いがそがれるとしている。

政府補助が不可欠

 隆基緑能科技のサプライチェーン(供給網)管理センターのゼネラルマネジャー、チャールズ・チアン氏は「事業者が太陽光発電プロジェクトはもうからないと考えるなら、新規プロジェクトへの投資を延期するだろうし、それが太陽光発電の需要の足を引っ張ることになる。ガラス材料メーカー値上がりが続いた場合、政府の補助金がなければ太陽光発電の利益は許容できる水準を割り込むだろう」と憂慮する。

 同氏によると、パネルの製造メーカーにとってガラス材料が生産コスト全体に占める割合は約20%に倍増しているという。
ガラスの生産施設の建設には非常に時間がかかるため市場のバランスは22年まで戻らず、太陽光発電業界では来年必要なガラス材料が20~30%不足する可能性がある。


 

2020年11月16日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

 

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