ライフライン被害に強い防災住宅、大和ハウス工業が投入
大和ハウス工業は、災害後に長期間停電しても普段と変わらない生活ができる防災配慮型住宅「災害に備える家」を2019年4月1日に発売した。災害による住宅の破損などの「一次災害」だけでなく、被災後の生活に支障を来す「二次災害」への対応に着目したもの。沖縄県を除く全国で発売し、販売目標として年間160棟を掲げている。
同社の広報担当者は、二次災害への配慮に着目した背景を次のように話す。「業界全体の流れとして、住宅の耐震性に着目した製品は多い。しかし、住宅自体の破損などだけでなく、被災直後の生活に不安を感じたというオーナーの声が多かった。オーナーからの意見も踏まえ、被災後も普段と変わらない生活ができるように、停電に対応した製品の開発に着手した。これまでの災害対応で培ったノウハウを生かし、災害時のストレス軽減を目指す」
同社は、パナソニックと共同で「切換(きりかえ)盤」を開発。長期間の停電時でも電力供給と暖房、給湯を確保できる「全天候型3電池連携システム」を実現した。
特徴は、切換盤によって、太陽光発電システムと家庭用燃料電池(エネファーム)で発電した電気を同じ蓄電池にためられることだ。エネファームで発電した電気を蓄電池に蓄えることで、停電が長期にわたり、太陽光発電では発電できない雨天時でも家庭内で電気を使えるようになる。
内閣府によると、16年に起こった熊本地震以降の災害で、住宅のライフライン被害は「停電」が約88%。加えて、同社が内閣府や各電力会社の報告資料を調査したところ、災害時における停電からの完全復旧には、8日間かかるケースもあった。この調査結果を受け、全天候型3電池連携システムでは、雨天でも約10日間の停電に対応できるようにした。
また、通常時にはエネファームと太陽光発電で発電した電力を家庭内で使うことで、02年省エネ基準相当の住宅と比較して年間光熱費を約84.2%削減できるという。
2019年4月9日 カテゴリー: 未分類