メタン排出量最大77%削減可能、BASFらがカーボンファーミングPJ開始
BASFジャパン(東京都中央区)は2月19日、NEWGREEN(同・小金井市)と、水稲栽培でのカーボンファーミングプログラム実現に向けて協業を開始すると発表した。
日本国内で排出されるメタンの約4割は水稲栽培が発生源
カーボンファーミングとは、農業形態の一つで「炭素農業」とも呼ばれる、大気中の炭素を土壌や作物に固定する農法のこと。
両社は今回、「NEWGREEN RICE Project」と名付けたプロジェクトを開始し、水使用量とメタン生成を削減する技術を用いて、栽培におけるメタン排出量削減とともに、環境負荷削減に取り組む農業者に経済的な利益を提供する。
GHGの一つであるメタンガスは、温室効果が高く、CO2の25倍とされる。また、水稲栽培によって発生するメタンガスは、日本のメタン排出量の約40%と最も大きな割合を占める(農水省調べ)。
今回のプロジェクトで実施される持続可能な水管理および節水型乾田直播の栽培方法は、現在日本の水稲栽培の約97%を占める移植栽培の水管理方法と比べて、メタン排出量を最大77%削減できるという。
また、農業者はGHG排出削減量に応じて、認証カーボンクレジットの取得やメタン排出量の少ない米に対する付加価値の創出が可能になる。
測定・モニタリングを実施し、結果をレポート化
BASFとNEWGREENは今後、メタン削減のための取り組みの効果を国際的第三者認証機関によって認められたプロトコルに従い、測定やモニタリングに加え、レポート化まで行う。このような一連の取り組みによるカーボンファーミングプログラムは、日本では初めての画期的な取り組みだと、BASFは強調する。
さらに、両社は農業におけるGHG排出量削減に向け、NEWGREEN社開発の「アイガモロボ」をはじめとする新たな取り組みも行う予定だ。
2025年2月26日 カテゴリー: 未分類