マンションの停電対策と再エネ制御を両立 DER設置無料の新サービス第1号
マンション一括受電サービスを手がけるレジル(東京都千代田区)は12月9日、「マンション防災サービス」を導入した第1棟目が完工し、運用開始したと発表した。
マンションの管理組合などが設置にかかる費用負担することなく、太陽光発電設備や蓄電池などの分散型エネルギーリソース(DER)を導入できるサービスで、マンション全体へ「実質再エネ」を供給し1棟全体の脱炭素化と共に、災害時の停電対策を強化する。
初期費用・メンテ費を抑え、停電時の不安を解消
同社の「マンション防災サービス」は、マンション一括受電サービスと DERを組み合わせたサービスで2023年4月から提供を開始している。設備設置などの初期費用は同社が負担するが、メンテナンス費用や保守・運用費用は電気料金に含まれているため、別途徴収は不要だという。
2024年は地震や風水害が頻発し、政府も11月に防災庁設置準備室を発足させ、防災対策を強化している。民間企業による防災対策も求められ、特にマンションは堅牢な建物であることから在宅避難が推奨されている。
マンションでの避難生活には、エレベーターや給水ポンプなどを復旧するDERが不可欠だ。しかしDERは初期費用が高額であることや、設置後のメンテナンスの負担などが障壁となり、多くのマンションでは導入が進まない。
同社が実施した「マンションの備えに関するアンケート調査」によると、住んでいるマンションの防災対策が十分かどうかを住民に聞いたところ、「十分ではない」と答えた人が半数を超え(53%)、「全くされていない」「わからない」を含めると83.2%だった。多くの居住者が防災対策が不十分であると感じており、特に共用部の設備(各戸へ配水する給水ポンプ、非常用コンセント、エレベーター など)に対して停電対策を求めていると回答したという。
DERを、マンション住民の安心と、再エネ電気の需要側の制御に役立てる
同社はこのサービスを通じて、マンション住民が心理的・金銭的負担を感じることなく災害時の生活環境維持を図るともに、DERの設置を拡大し、供給が不安定な再生可能エネルギーを需要側で制御する仕組みを構築していく考えだ。低コストで提供する分散型エネルギープラットフォームを展開することで、日本社会全体におけるエネルギーの安定供給と再生可能エネルギーの有効活用を支える基盤構築を目指す。
2024年12月17日 カテゴリー: 未分類