ドコモら3者、太陽光による再エネを直流で基地局に供給 送電ロス防止の実証
NTTドコモ(東京都千代田区)は11月12日、NTTデバイスクロステクノロジ(NXTEC/神奈川県川崎市)、長崎総合科学大学と、太陽光パネルから発電した電力を基地局に供給するための直流給電電力変換器の開発と実証実験を行うと発表した。
太陽光発電の供給効率向上には、電力損失軽減のための高電圧化と高効率なエネルギーマネジメントが欠かせない。今回の取り組みでは、太陽光発電システムに1200V級の高い電圧を用いて、電圧の降下ロスや送電ロスを防ぐとともに、太陽光による再エネ電気を直流のまま伝送することで電力の変換ロスを軽減させる。実施期間は、2024年度から2026年度まで。
高伝導の窒化ガリウムを活用した直流電力変換器を開発
今回開発する直流電力変換器では、高効率な伝導の特徴を持つ窒化ガリウム(GaN)を採用する。これにより、600Vの低耐圧な電圧でありながら、多数の直流電力変換器を直並列に接続し、さらにそれらを多重に並列化することで電圧を増幅させ、1200V級の高電圧で伝送する。
また、この電力変換器の効果検証として、高効率な発電電力を基地局に供給し、最適な蓄電池制御を行う。具体的には、余剰電力を蓄電池に蓄えるほか、その日の天候や地域での電力需給状況に応じて、蓄電池の充放電を実施する。
この取り組みにおいて、NTTドコモは、グリーン基地局で培った基地局向けのエネマネのノウハウ・知見を生かし、同技術の基地局適用に関する検討を進める。NXTECは、モデルベース電源開発の実績に基づき、直流電力変換器の開発と、事業終了後のシステム設計サービスの提供を目指す。
長総大は、直並列構成電力変換器の研究実績に基づく装置の開発支援とともに、2027年度に設置予定の先端グリーン・デジタル理工学部建設予定地を実証実験環境として提供する。
3者は今後、同実証を通じて、電力効率の向上や開発コストの低減を図り、地域の電力系統安定化につなげたい考えだ。
NECとAGCは、建材一体型太陽光発電ガラスを基地局に活用
再エネを活用した基地局への供給では、日本電気(NEC/東京都港区)とAGC(同・千代田区)は11月11日、建材一体型太陽光発電ガラスとガラスアンテナを活用した景観配慮型サステナブル基地局の実証を行い、安定稼働できたことを発表した。
2024年11月18日 カテゴリー: 未分類