【主張】再生エネ見直し 国民負担の軽減が必要だ

政府が太陽光など再生可能エネルギーの制度改正案を決定した。温室効果ガスを排出しない再生エネを今後も着実に導入するため、固定価格で一律で買い取るFIT法を改め、市場競争を通じて効率的な導入を図るのが狙いだ。

発電コストが高い再生エネは、電力会社が発電事業者から電力を買い取るため、利用者が負担する賦課金が年2兆円を超える。大手事業者らに相対取引などで競争を促し、国民負担をできる限り軽減したい。

政府のエネルギー政策の中期的な指針となるエネルギー基本計画では、2030年度における再生エネの電源比率を22~24%と設定している。すでに約16%にまで上がっているが、環境負荷が小さい国産電源として活用するには不断の改革が欠かせない。

経済産業省は、電気事業法やFIT法などをまとめた一括改正案を今国会中に提出し、成立を目指す。今年4月には大手電力会社の送配電部門を分社化して切り離す「発送電分離」が実施される。一括法案は発送電を分離した後の電力改革として位置付ける。

FIT法は、東京電力の福島第1原発事故を受け、再生エネの普及を目指して導入された。太陽光を中心に再生エネの利用は進んだが、買い取りに伴う賦課金も大幅に増え、現在は家庭用料金の1割超にのぼる。家計負担は重い。

買い取り価格は引き下げられてきたが、再生エネ拡大にはさらなるコスト引き下げが必要と判断した。発電事業者が卸販売したり、自ら販売先を見つけたりした場合には、一定の補助金を上乗せする仕組みとする。市場の需給に応じたコスト引き下げを促したい。

制度改正は競争が期待できる太陽光と風力を対象とし、家庭用太陽光や小規模地熱、バイオマスなどの再生エネは引き続き固定価格で買い取る。これらは地域の分散型電源として利用したい。

太陽光の普及には、中国製が7割超を占める太陽光パネルの調達先を広げる取り組みも重要だ。新型コロナウイルス問題にからみ、中国からの部品供給が途絶する事例が相次いでいる。特定国に依存した調達は、エネルギー安全保障の観点からも是正が必要だ。

電力の安定供給には、再生エネ以外の多様な電源確保も欠かせない。安全性を確認した原発の再稼働も同時に進めねばならない。

 

2020年3月9日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

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