NHKが久喜市の放送所にメガソーラー、自家消費でCO2削減 所内消費電力の3割を賄う、11mの杭基礎で支持層に固定

東京都心から約50km、JR久喜駅からクルマで20分ほど、物流倉庫が立ち並ぶ地域を抜けると、ひときわ高くそびえ立つ塔が視界に現れる(図1)。見えてからもなかなかクルマは近づかない。

図1●菖蒲久喜ラジオ放送所のアンテナ。下にあるのが太陽光パネル
(出所:日経BP)
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NHK(日本放送協会)が埼玉県久喜市菖蒲町に建設した日本最大のAMラジオ放送所「菖蒲久喜ラジオ放送所」のアンテナである。周波数594Hzの第1放送用のアンテナは245m、周波数693Hzの第2放送用のアンテナは215mに達し、これも日本で最も高いアンテナだ。出力は第1放送が300kW、第2放送が500kWである。

東京渋谷にある放送センターから2系統の無線通信で送られてきた番組は、このアンテナから関東甲信越を中心に全国総世帯の約4割に相当する約2000万世帯に中波として送っている。

PCSごとに6.6kVに昇圧し、ケーブル損失低減

この頑丈な架台の上に単結晶シリコン製の太陽光パネルを8120枚載せ、合計で約2MWとしている。設置角度は20度である。同放送所の敷地面積が約31万m2に対して、メガソーラーの設置面積は約3万m2と1/10程度だが、パネルの設置場所については、アンテナや樹木の陰にならず、将来的な放送施設の増設計画の有無なども勘案して慎重に決定したという。

太陽光パネル(247W/枚)は14枚でストリング(直列回路)を構成し、直流430VとしてPCSに入力する(図10)。定格出力500kWのPCSを4基設置しており、太陽光パネルからの直流はストリングごとに接続箱で束ね、各接続箱からの直流を集電箱でまとめてPCSに送る。ここで200Vの交流に変換した後、各PCSに併設した変圧器で6.6kVに昇圧し、地下ケーブルで放送所の構内系統に連系している。

図10●PCS(中央)。左の設備は集電箱、右の施設は変圧器
(出所:日経BP)
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通常、2MWクラスのメガソーラーでは、6.6kVへの昇圧は、1台の変圧器でまとめて行うことが一般的。一方、自家消費する菖蒲久喜放送所のメガソーラーの場合、PCSから構内系統との連系点が200m以上と離れていることから、ケーブル損失を軽減するために、4台の変圧器をPCSの横に分散設置して昇圧している。

なお、NHKは太陽光パネルやPCSのメーカー、EPC(設計・調達・施工)サービス業者などは、未公表としている。

メガソーラーからの電力はまず放送所の設備で使われ、余る場合には変電施設(図11)で66kVに昇圧して系統網に逆潮流して売電する。

図11●特別高圧の受変電設備
(出所:日経BP)
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同放送所は、東京電力から66kVの特別高圧受電を2系統で受けており、変電施設で6.6kVに降圧して、放送施設に送っている。メガソーラーが発電しない夜間や雨天時にはこれまで通り東京電力からの買電で賄っている。

「自家消費で電力品質に問題なし」

メガソーラーからの電力は変動しているが、自家消費するにあたり特別高圧受電がバッファーとなって、「電圧、周波数共に問題になったことはなく、放送への影響はまったくない」(大谷氏)という。

非常用発電機として、第1放送用に1000kVA、第2放送用に1250kVAのガスタービン発電機を2基保有している。燃料は灯油で、第1放送向けに13万4000L、第2放送向けに14万Lのタンクを保有し、各々約280時間の連続運転を行える。停電時以外でも、雷雲などが近づいて停電の恐れが出てくると、非常用発電機を待機運転する。

 

2017年8月15日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

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