鈴与商事のゼロエネ住宅「ZEH」 メーカー支援 手厚く モデルハウスで体感 好調

鈴与商事が住宅メーカー向けに手がけるゼロエネルギー住宅(ZEH)への対応支援が好調だ。エネルギー収支を実質ゼロにするZEHの実例を、注文住宅の納得住宅工房(静岡県富士市)と共同で静岡県内に建設したモデルハウスで体感してもらう。省エネ計算や機器選定などの手厚いサービスも展開し、受注を伸ばしている。

2017年12月に掛川市に開設したモデルハウスは、2階建てで延べ床面積118平方メートル。リビングから2階へ吹き抜けを設け、開放的な空間を演出。内壁は納得住宅が得意とする温かみのある塗り壁にした。

納得住宅がデザインし、鈴与商事はZEHを推進するためのノウハウを提供。実際の施工例を見ることで、「ZEH推進に苦労している工務店に、意外と取り入れやすいことを知ってもらい意識面の障壁を下げる」(鈴与商事の石田輝臣販売部長)のが狙いだ。本格稼働した年明けから約半年で静岡県を中心に工務店25社から約50件のプラン作成の依頼があった。

住宅の消費エネルギーを削減するには省エネ設備の導入とともに、住宅自体の断熱性や気密性を高めなければならない。ZEHと建物のデザイン性は両立しにくいともいわれる。広い窓から自然光を取り込むと、日射熱により夏場に部屋の中の気温が上がってしまうなどの理由からだ。

鈴与商事は「ZEH推進パッケージ」として、高効率の空調設備や給湯器、高断熱の建材、太陽光パネル、家庭用エネルギー管理システム(HEMS)などを幅広くそろえている。

エネルギー効率やコストも考慮し、工務店側の実情に合わせてプランを提案する。「地場の工務店は大手と差別化を図るため自社デザインを磨いている。その強みを維持しつつ機能面でZEHを支援したい」(同)

納得住宅は「鈴与ブランドと組むことで、顧客に信頼できるZEHとしてアピールできる」と明かす。モデルハウスは1~2年後に一般顧客に土地つきの戸建て住宅として販売する。

両社は今後、共同で年1棟程度のペースで新たなモデルハウスを建築する予定だ。ZEHは国の方針もあり、省エネ技術の革新とともに静岡県内でもさらに普及が進む見通し。生活の質を高めるだけでなく経済性も見込める住宅として認知度が高まればビジネスチャンスが広がる。

 

2018年8月2日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

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