EVを「走る蓄電池」に 家庭向けPR

 電気自動車(EV)にためた電気を家庭で使えるように変換するシステムの開発・販売を大手電機メーカーが強化している。太陽光発電や家庭用エネルギー管理システムと組み合わせて使うことで、電気代の節約にもつながるという。今年は台風や北海道地震など災害による大規模停電が相次いでおり、災害対策商品としても注目されそうだ。

 三菱電機はEVを「走る蓄電池」として活用し、ためた電気を家庭で使えるようにする電力変換機器「V2H」の販売を進めている。V2Hは「Vehicle to Home(車両から家庭へ)」の略。EVでためた直流の電力を家庭で使用できる交流の電力に変換するために必要な機器だ。同社は、京都製作所(京都府長岡京市)に、V2H機器と太陽光発電システム、EVを設置した体験型の住宅で商品をPRしている。

 「今から停電になります」。見学施設の担当者が、部屋のブレーカーを落とすと、テレビの画面や照明が消えた。すると、室内のリモコンに「自立運転をしますか」というメッセージが映し出され、「はい」を選ぶと、再びテレビや照明がついた。EVにためた電気をV2H機器で変換したうえで家庭向けに供給し、停電が解消したのだ。EVの充電は、電気代の安い深夜に電力会社から調達した電気や、太陽光発電の電気で行っている。

 一方、パナソニックは今月5日、新しい家庭向けサービスを発表した。人工知能(AI)を搭載した自社の家庭用エネルギー管理システムと、コンデンサー大手、ニチコンが開発したV2H機器を連携させることで、家庭で効率的に電気を利用できるようにする。また、京セラもEVと接続できるV2H機器を開発中で、年内に商品化する予定だ。

 ただV2Hには普及に向けた課題も多い。三菱電機の製品は約170万円で、EVも同時に購入すると数百万円の費用がかかる。接続できるEVも車種が限られている。商品の低価格化やEVの対象車種の拡大がV2Hの普及のかぎとなりそうだ。【小坂剛志】

 

2018年10月12日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

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