電力損失を95%削減、工場への送電に「超伝導ケーブル」を実証導入

NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)、昭和電線ケーブルシステムおよびBASFジャパンは、BASFジャパンの戸塚工場の敷地内で、低コスト超電導ケーブルシステムの実証試験を実施する。民間プラントで実際の系統に三相同軸超電導ケーブルを適用した実証試験は、世界で初めての事例だという。

現在使われている電線には、金属(銅あるいはアルミニウム)が導体として使われており、その導体抵抗による発熱などにより送電ロスが発生してしまうため、さまざまな対策がなされてきた。その一つの方法に抵抗の低い材料を導体に使用した送電ロス低減があり、以前から“抵抗ゼロ”の超電導体を使った送電ケーブルによる、大幅な省エネルギー効果が期待されていた。しかし、超電導状態を維持するためには液体窒素などで冷却し続ける必要があり、このエネルギーとコストが大きな課題だった。冷却コストを削減し、省エネルギーによる経済効果を生み出すためには、ケーブル全体の冷却に必要なエネルギーを小さくし、低コスト化ができる技術の開発が不可欠となっている。こうした背景から三者は、低コスト化が可能な三相同軸超電導ケーブルシステムを開発し、実証試験を実施する。

化学工場や製鉄所などのプラントの多くは、プラント内で窒素ガスや液体窒素を使用しており、実証試験ではプラント内の既存冷熱の利用により、超電導ケーブルの冷却に必要なエネルギーやコストを大幅に削減することで、高い省エネルギー効果を低コストで実現することを見込んでいる。

実証試験では既設6.6kVの系統の一部に長さ約250mの超電導ケーブルを設置し、プラント内の既存の冷熱の利用により、超電導ケーブルの冷却に必要なエネルギーを大幅に削減することを目指す。今後、今年中に敷設工事を行い、2020年2月に運転を開始する予定だ。この一連の試験によって民間のプラントでの敷設工法、運用管理方法、省エネルギー効果などを検証し、今後の超電導ケーブルの実用化および普及につなげる。

 

2019年6月17日 カテゴリー: 未分類

 


 

 

 

 

 

ページの先頭へ