環境後進国ニッポン(上)脱CO2、先頭から脱落 再生エネ普及で差

地球温暖化対策を評価する複数の指標で、日本は数値の悪化が止まらない。世界で急激に進むパラダイムシフトから取り残され、太陽光や風力といった再生可能エネルギー(総合2面きょうのことば)の普及や産業構造の転換が遅れているからだ。優れた省エネ技術や公害対策などで「環境先進国」といわれた日本の自画像は大きく揺らいでいる。

欧米中が排出減

 発電所の効率性や脱化石燃料の進展を示す「1キロワット時あたりの二酸化炭素(CO2)排出量」。このデータをみると、日本はもはや温暖化対策の優等生ではない。

国際エネルギー機関(IEA)によると、日本は1990年に452グラムで、CO2を出さない原子力発電の比率が高いフランスに次ぐ少なさだった。米国や英国、ドイツは600~700グラムほど。だが、2014年は日本が556グラムと増えたのに対し、米独英はいずれも400グラム台に下げた。

「国内総生産(GDP)あたりのCO2排出量」でも、欧米や中国が減らしているのに対し、日本はほぼ横ばいだ。環境省によると、日本は経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で1995年は2位だったが、21世紀に入ると大きく下げ、2014年は18位だ。他国が脱化石燃料と省エネ対策を進めた結果、日本は「ウサギとカメ」のウサギになっていた。

日本は1970年代の2度の石油危機を機に、省エネに励んだ。製造業は20年間にエネルギー効率を4割近く改善したが、90年以降は横ばいだ。「円高で資源価格が安定し、省エネ意欲が下がった」と日本エネルギー経済研究所の小川順子研究主幹はみる。生産拠点の海外移転が相次ぎ、国内の省エネ投資が後回しになったことも大きい。

東京電力福島第1原子力発電所事故の影響で原発が停止、火力発電所でまかなった事情もある。原発がすべて稼働していれば、現状より1割ほど減っていた。だが原発の停止とともに、日本は温暖化対策への思考も停止したかのようにみえる。

日本総合研究所の足達英一郎理事は「再エネの導入の遅れも大きい」と指摘する。発電量に占める比率は2014年で6.5%。再エネを電源とする「グリーン電力」が普及する欧州、特に独の24.5%、英の18.5%とは大きな差がある。

再エネは発電コストが高かったが、各国が補助金制度を設けて普及を促進。市場拡大で資材価格が下がり、作業の標準化で建設費も安くなった。各社に買い取り価格を競わせる入札が始まり、下落に拍車がかかる。

9月11日、英国政府が実施した洋上風力発電の入札で、デンマークのDONGエナジーなどは1キロワット時あたり0.0575ポンド(約9円)で落札した。2年前の半分の水準になった。同社は4月にドイツの洋上風力を0ユーロで落札した。一部の条件がよい案件なら、政府の支援がなくても売電だけで事業として成り立つことを意味する。風力発電部門のサムエル・ロイポルト最高経営責任者(CEO)は「建設が始まる25年前後の想定コストなら可能だ」と説明する。

発電コスト高く

 太陽光はさらに下落が進む。丸紅などが落札したアラブ首長国連邦の大規模太陽光発電は同2.42セントと3円を切った。パネル価格の低下と原発並みの規模、日射量の多さが理由だ。他国でも同3~5円の事例がある。

日本では風力は世界の1.6倍、太陽光は2~3倍と高止まりしたままだ。IEAの調べでは、主要22カ国で風力と太陽光の発電コストは最も高い。風力は環境アセスに4~5年かかり、その手間や時間がコストに跳ね返る。欧米は適した地域を国や自治体が指定するため1年ほどで済む。

太陽光は部品の流通が非効率で工事費も高い。より大きいのは固定価格買い取り制度(FIT)の問題だ。国が高い価格を設定したため、稼働すれば利回りが10%を超える案件も相次ぎ、コスト意識が希薄化した。同じ製品でも海外よりも高く売られる例もあった。

「厳しい温暖化対策は経済の足を引っ張る」という日本の常識も通用しない。欧米では経済成長は続いてもCO2の排出を大幅に削減。再エネの導入が進む中国も仲間に加わりつつある。省エネに頼り続けた日本は環境と成長を両立させる経済構造を築けないでいる。

 

2017年10月6日 カテゴリー: 未分類

 


 

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